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安心と信頼のトレジャーが開発!鉄腕アトム アトムハートの秘密

評価と簡易コメント
  • 5段階評価:★★★★☆
  • 点数:85点
  • コメント:手塚治虫ファンなら、人によっては100点かも。

トレジャーがリリースするゲームに外れ無し

とは、レトロゲーマーが語り合うと良く口にする言葉。

今回レビューする「鉄腕アトム アトムハートの秘密 」は、2003年12月18日にセガから発売された、トレジャー開発のアクションゲームです。例によって外れではなく当たりでした。

最初、このゲームのパッケージを見た時に受けた印象は”子供向け”でした。鉄腕アトムが題材という事で、所詮はキャラクターゲーム、内容も勧善懲悪だろうと大きな期待は持っていませんでした。それでも、トレジャー開発なのでアクション面の楽しさだけ回収できれば良いと考えて購入しました。

結果、アクションの出来は当然良かったのですが、何より驚いたのがストーリーの面白さです。このパッケージから誰が展開を想像できるのか。とても良く考えられたストーリーで、開発陣の手塚作品に対する愛を感じました。

アクション要素から触れますが、ストーリーに関してはネタバレを含みます。

1.操作のバリエーションは少ないが楽しいアクションゲーム

簡単操作で爽快感のある戦闘

恐らく、このゲームの本来のターゲットは低年齢の子供です。後述しますが、開発陣がガチの手塚ファンだったため、ターゲットが途中で完全に狂っています。ストーリーは手塚ファン向けに仕上がっていますが、アクションのシンプルさから、初期のターゲット層を伺い知ることが出来ます。

アクションとしては非常にシンプルで、Aでジャンプ、ジャンプ中に方向キーでジェット(無敵ダッシュ)

Bでパンチ、B連打で自動4コンボ、上Bでビーム、下Bでコンボの4段目の蹴り単発。

必殺技としてLで画面全体攻撃、Rで巨大ビーム。

これだけです。

大量のザコ敵が次々と出てきて、簡単操作で吹っ飛ばして爽快感があるゲームですが、その裏返しとして大人が遊ぶにはシンプル過ぎるという欠点もあります。

しかし、幸いにもボス戦の数が豊富な事に加えて、地上戦と空中戦の2種類のボス戦があるため、飽きることなく最後まで楽しむ事が出来ました。

難易度は”かんたん”と”むずかしい”が用意されていますが、”かんたん”は子供でも繰り返し遊べばクリアできるレベルで、”むずかしい”は完全にアクションゲーマー向け。

多くのプレイヤーが求めるであろう、中間となる”ふつう”が無かった点が残念です。

キャラクターと出会う事でパワーアップ

ゲームタイトルに”アトムハートの秘密”とあるように、アトムと手塚キャラクターの出会いが、アトムの心を成長させます。

成長すると、前述のパンチやビームの攻撃性能や、最大ライフなど、好きな項目を成長させることが出来ます。

人間も悪魔もロボットも、善も悪も含めて、あらゆる出会いがアトムを成長させます。多くのキャラクターはストーリー進行で出会うことが出来ますが、マップの様々な場所にキャラクターが隠れているので、それを発見する楽しみもあります。

キャラクターに出合う事で、後述する”増補キャラクター名鑑”が充実し、最終的にはそれを読むことがこのゲームの最大の目的になってきます。

なお、”むずかしい”でクリアする場合には、性能の強化が難易度に直結するため隠しキャラは早めに拾って、自分のプレイスタイルからどれを優先して強化するか良く考える必要があります。

2.ストーリーは手塚キャラオールスターズのループ物!

プレイするまでは、子供向けだろうと高を括っていましたが、その内容は、滅亡する世界を救うため、アトムが火の鳥にタイムリープさせられるというまさかの展開でした。

ストーリーの前半戦は特に分岐も無く、手塚作品で見かける顔のオンパレード。

ストーリーに従って一通りシナリオを進め、暴走するロボット軍団を倒すと、宇宙からデスマスクなる物体が飛来。デスマスクに全てのロボットは破壊され、バッドエンド風にスタッフロールが流れた所で、火の鳥がタイムリープさせて復活編が開始。

復活編ではクリア済みのストーリーを章ごとに自由にプレイ出来るようになります。

時間を超えて、強敵と再戦しつつも会話の変化を楽しむという、まさにループ物の王道とも言える展開を手塚キャラクターで堪能できます。良く知った手塚キャラクターの総出演のループ物とは、何とも贅沢なストーリーです。確固たる地位を築いたキャラクター達によるオリジナルストーリーは続きが気になり、一気にプレイしたくなること間違いなし。

個人的には、簡易無菌室を展開したブラックジャックが、今更止められるか!と手術を続行する頭上で、アトムとアトラスが雌雄を決するシーンが最高に良かったです。ブラックジャックは子供の頃に本がボロボロになるまで読んだので思い入れが強い。

途中でVガンダムのアインラッドみたいな奴も出てくるけど、お前は一体誰やねん・・・。

私はメジャー作品しか知らないので、見た事が無いキャラクターも多数登場しました。知らないキャラクターも、”増補キャラクター名鑑”でしっかりと詳細を確認することが出来ます。

3.製作陣はガチの手塚治虫ファン

手塚治虫と言えば、キャラクターを俳優に見立てて複数の作品で使い回すスターシステムが有名です。

このゲームは正に手塚治虫オールスターズとでも呼ぶ内容で、スターシステムをフル活用しています。そのため、手塚治虫作品に詳しくない人でも、何となく見た事のある顔が多数登場します。

ゲームを進めてキャラクターと出会う事で、”増補キャラクター名鑑”と言う、キャラクター図鑑が充実していきますが、その内容がガチです。

完全にスターシステム前提の説明になっており、「鉄腕アトム アトムハートの秘密 」におけるキャラクターの説明ではなく、手塚治虫作品における配役の歴史が込みで説明されています。

GBAという事でキャプチャだと2行しか表示されていませんが、複数行に渡り説明が記載されており、連載誌の掲載号の情報まで徹底して網羅しています。単行本には収録されていない話が複数存在するとか、Wikipediaの雑学かよ!と突っ込みたくレベルまで記載されており、開発陣の本気を感じることが出来ました。

なお、難易度”むずかしい”でクリアすると、”増補キャラクター名鑑”が”究極キャラクター名鑑”に図鑑が進化。プレイヤーの最終的なプレイ目標は、”究極キャラクター名鑑を閲覧する事”となります。

軽い気持ちでプレイした「鉄腕アトム アトムハートの秘密 」ですが、期待を良い意味で大きく裏切ってくれました。

また、ゲームはパッケージだけでは判断できないという事を改めて教えてくれた名作でもあります。

トレジャー作品が好きな人や、手塚治虫ファンはプレイして損は無いでしょう。

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