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【Hollow Knight】レビュー: ロックマンゼロ×ダークソウルな、探索型アクションの決定版 – ホロウナイト

点数評価100点
プレイ状況クリア
トロフィー:38%
クリア時間約25時間
プレイ時間約25時間
発売日2017年2月25日
対応機種Switch/PS4/Steam
Xbox One
プレイ機種Switch
開発元Team Cherry
発売元Team Cherry
ジャンル2Dスタイルのアクションアドベンチャー
ジャンルの考え方
ネタバレ無し
総評/評判/感想

Hollow Knight (ホロウナイト)は、ダークソウルな世界観のロックマンゼロのようなゲームだ。まともに話が通じない登場人物ばかりの世界で、図鑑を頼りに情報を補完し、斬撃と壁蹴りアクションを駆使して冒険を続ける2Dアクションゲームだ。引き込まれる世界観,美しいアートワーク,哀愁漂う音楽,高いリトライ性を備えた、手触りの良い高難易度アクションと、1480円のインディーゲームとは思えない圧倒的なまでの完成度には驚かされるばかり。

総合評価
 (5)
革新性
 (3.5)
ユーザビリティ
 (5)
ビジュアル
 (4)
サウンド
 (4.5)
プレイ継続性
 (5)
コストパフォーマンス
 (4.5)

2020年11月のPSNフリープレイに登場したHollow Knight (ホロウナイト)をプレイ。元々は2017年2月24日にTeam Cherryからリリースされたインディーゲーム。

Hollow Knightの大ジャンルはアクションゲームだ。複数の分岐を含む小マップが連続したダンジョンのサイドビュー視点探索型アクションゲームであり、移動系スキルを手に入れる度に探索範囲が広る、俗にメトロイドヴァニアと呼ばれるタイプのゲームである。

なお、筆者はこのメトロイドヴァニアというジャンルの俗称は大嫌いだ。”探索型アクション”から言葉として短くなっていない上に、メトロイドとキャスルヴァニアをプレイしていることが大前提のジャンル名称は狂っている。ジャンルについての考え方は下記リンク先を参照してもらいたい。

単純にアクションゲームと言っても、キャラクターの挙動やゲームスピードはゲームによって様々だ。それこそ、メトロイドなのかキャッスルヴァニアなのか。世の中には色々なアクションゲームがあるが、ホロウナイトのアクションはロックマンゼロ(ゼクス)のそれに非常に近しい。

ロックマンゼロ風のアクションゲームに、ダークソウルのような退廃的ながらも神秘的で、情報不足の美学を貫いたような世界観を足したゲームがホロウナイトである。

ドラクエモンスターズで例えるなら、モンスターじいさんのところに、ロックマンゼロとダークソウルを連れて行って配合したら、ホロウナイトが生まれてきた!みたいな感じをイメージしてもらいたい。

ホロウナイト=(ロックマンゼロ(ゼクス)+ダークソウル)÷2

Sara
Sara

このゲームを一言で説明するならこれに尽きる。

ロックマンゼロもダークソウルも好きな筆者は、プレイ開始直後からクリアまで常に楽しみ続ける事が出来た。

アクション面は完全にロックマンゼロ

近接攻撃と壁蹴りと言ったらロックマンゼロが思い浮かぶ

Hollow Knightは、アクションゲーマーの皆が大好きな壁蹴りを繰り出せるアクションゲームである。壁蹴りしながら上下移動して、剣(ゲーム内では釘と呼ばれる)でビシバシと敵を切っていくと聞けば、プレイしたことがある人なら間違いなくロックマンゼロを思い浮かべるはずだ。壁蹴りの挙動もロックマンX系統のそれに近く、あのシリーズ経験者であれば何の違和感も無く受け入れられるだろう。

ただし、最初はダッシュも壁蹴りも使用できない。ロックマンXで強化パーツを入手する度に能力が拡張されるように、Hollow Knightもダンジョンを探索することで各種能力を手に入れることができる。

ダッシュはプレイして間もなく手に入る

Hollow Knightは、説明不足の美学を貫いた、ダークソウルのような世界観であることから、ゲーム内で簡易マップこそ確認できるものの、どこに行けば能力が手に入るかの等の説明は一切ない。そのため最序盤に手に入るダッシュ能力も、分かれ道の択を誤れば随分後回しになることだろう。実際に筆者も随分と遠回りをしてしまい、2時間ぐらいさまよい歩いてからダッシュ能力である“蛾の羽の衣”に到達した。

Sara
Sara

ロックマンXの初プレイで、ペンギーゴステージを後回しにしてしまい、こっちを先に選べば足パーツ取れたのに失敗した!と嘆いた懐かしい思い出が蘇ったのは言うまでも無い。

Hollow Knightの基本的な攻撃手段は、ボタン連打による近接攻撃だ。ストーリーが進めばタメからの強攻撃や回転斬りや、敵を攻撃することで貯めたソウルを飛ばす遠距離攻撃も使えるようになる。最初はシンプルに移動して連打するだけだが、能力が解放されるとアクションが派手になり爽快になっていく。常にタメを維持しながらダッシュと壁蹴りで敵の間をすり抜け、ぶつかりそうになったらタメを解放して斬撃を見舞うという、如何にもロックマンゼロなアクションが可能となる。特定ボタンをホールドしながら、複数のボタンを操作するというあの操作感だ。

ちなみに敵も騎士タイプが多い

ボス戦はパターン覚えゲー

Hollow Knightは、この手のアクションゲームに慣れている人ならまだしも、一般的に見ればかなり難しい部類のゲームである。特に終盤のボスは完全に覚えゲーだ。敵のパターンを覚えたうえで、しっかりと回避してから攻撃を積み重ねていく必要がある。

次の動画はDLCのボス“巡業団の長”戦の終盤だ。アクションゲームとして、どのようなスピード感や、操作精度を求められるのか伝わりやすいので確認して欲しい。

ロックマンのように敵の技を取得することはできないが、主人公に特殊能力を授けるチャームという装備アイテムが用意されている。アクション面以外にも、状況に応じて最適なチャームを考える試行錯誤も楽しい。

この動画のボスの場合は突っ込んでくる攻撃が多いので、カウンターになるようにダメージエリア(黄色い胞子)を設置するチャームを装備して戦っている。また、遠距離攻撃をしてきたときは距離を詰めてタメ斬りを当てたいので斬撃射程アップのチャームを装備・・・したつもりが、付け忘れていて攻撃が当たらない事が多い動画になっている。

トゲでティウンティウンが多い

トゲに触れると光の粒子になって消し飛んでリスタートする“ティウンティウン”はロックマンの代名詞だ。そしてロックマンゼロ風なHollow Knightにも、タップリとトゲのトラップが用意されている。

幸いにもトゲに触れても即死ではなく、トゲエリア前に戻されるだけだが、本家ロックマンを超える量のトゲが用意されているので紹介したい。

例1:壁伝いとエアダッシュを駆使して降りるエリア

壁を伝い左右に避ける、これぐらいのトラップは序の口だ。

例2:無敵の敵を弾いてトゲを避けながら進むエリア

ゲームが進むと、壁蹴り、エアダッシュ、攻撃のノックバック利用した対空と、複数のアクションの組み合わせを求められ、難易度がどんどんと上がっていく。しかし、練習を繰り返し、理想通りに指が動いて難所を突破できると、実に満ち足りた気分になるだろう。

このようにHollow Knightには、基本的なアクションやキャラの強化、更にはトゲトラップの連続から、ロックマンシリーズを連想する要素が満載されている。

世界観は完全にダークソウル

意図的な説明不足

過去に栄華を極めたものの、何らかの原因で荒廃しきった地下の王国「ハロウネスト」を、何故か旅する主人公。Hollow Knightは、退廃的な世界で少なからず生き残った者達から情報を得て冒険し、滅亡の真実と自身の運命に辿りつくという展開だ。ちなみに登場人物に人間はおらず、敵も味方もムシである。

退廃的な世界に生き残っているムシは少なく、かろうじて出会うムシ達も、狂っていたり、言葉足らずだったり、自分の目的に執着していたりと、まともに情報交換できる相手は少ない。

完全に話が通じない、お前は何を言っているんだ?タイプ
まともに話が出来る少数派。ソラールポジション。

ダークソウルはアイテム説明が世界観の補足を担っていたが、Hollow Knight の場合は狩猟者の書というモンスター図鑑で情報不足を補足するスタイルだ。なお、補足したからと言っても、完全に理解できる保証はないのはお約束。

分かったような気になるだけで、やっぱり分からない解説

断片的な情報からプレイヤーが推測・考察するしかないストーリーは、最後までモヤモヤした気持ちは晴れないし、エンディングを見ても“何となく分かった”止まりなのは、ダークソウルと全く同じだ。ちなみにエンディングは複数あり、真エンドに辿りつくことが出来れば全てが解明するような雰囲気を出している。が、やはりそこまでプレイしても細かいことは分からない。(もしくは相当考察が必要)

神秘的な世界観

地下世界を旅すると言っても、エリアによって情景は千差万別だ。胞子をまき散らすキノコだらけの洞窟、採掘場のような結晶鉱山、カマキリ族の独特な村、不気味で恐ろしい下水道、高貴な生活が伺い知れる城などなど、ロケーションは豊富なので地下世界ということを忘れてしまうだろう。

神秘的な背景に目を奪われる事もしばしば。
ダークなエリアも当然あり。
下水道のボスはしっかりと?フンコロガシです。

風景は画面奥だけでなく、手前にもレイヤーが重ねられており、雰囲気作りに一役買っている。新しいエリアに入ったら、まずは足を止めて風景を眺めたくなること間違いなしだ。

エリアが繋がった瞬間が、まさにダークソウル体験

Hollow Knightは、アクション面でも触れたように少々難しめ(最初のボス撃破トロフィー取得率が50%程度)である。敵に倒されるとその場にジオ(お金)を全て落としてしまい、拾いに行く途中で倒されると完全にロストするという、ソウル系の典型的な仕様が採用されている。難しいエリアではジオのロストに怯えながら手に汗握るプレイをするのだが、その先に待ち受ける体験がまさにダークソウルだ。

例を挙げると、入り組んだ結晶の洞窟抜けて、硬いザコ敵から逃げ切りボスを何とか撃破し、その先に隠されたリフトを見つける。次はどんなステージが待っているのかと、ワクワクしてリスト乗って到着した先はまさかの初期村。あれだけ苦労してそこに戻るんかい!とツッコミ入れたくなる展開は、まさにソウル系の王道である。

他にも、一方通行で開けられなかった扉が物語の終盤に反対側から開けることが出来て、序盤のエリアとショートカットが繋がるなんていう展開も良くある。そういうショートカットに遭遇する度にダークソウルをプレイしている気分になるだろう。

ファストトラベルはカブトムシの電車

エリアの多さはダークソウル2を彷彿とさせる

今回はフリープレイで遊んだので無料だが、Hollow Knightはインディーゲームなのでダウンロード版は1480円と非常に安い。しかし、安いゲームだからボリュームが少ない訳ではなく、プレイ可能エリアはかなり広い。

この手のゲームは、エリアを踏破することで地図に埋まっていくので、綺麗にマッピングしていくことも楽しみの一つなのだが、プレイすればするほど新しいエリアが出てきて一向にマップが埋まらない。探索可能エリアが多過ぎるため、1480円のゲームなのに、一体どれだけボリュームあるんだ・・・と、嬉しいを通り越して不安になってくる。

未踏破エリアの判別がしやすいマップ

ダークソウル2も、開発陣が反省するぐらいエリアが多かったが、まさにあれぐらいのボリューム感だと思って良いだろう。

なお、エリア毎に特色のあるザコ敵が用意されており、ボスも大量に用意されている。全く味の違う美味しい料理を延々と出され続けるような感じなので、一気にプレイすると少々疲れてくる。

このように、Hollow Knightは至る所でソウルの息吹を感じることが出来る。全くジャンルの違うサイドビュー2Dアクションにも関わらず、クリア後にはソウルシリーズ新作をプレイしたような余韻に浸れること間違いなしだ。

Sara
Sara

ロックマンゼロの新作と、ダークソウルの新作を同時にクリアしたような感覚。一粒で二度美味しいとは正にこのこと。

忘れずライブラリーにだけでも入れておこう!

Hollow Knightは2020年11月のフリープレイということで、年末に向けて忙しくプレイする時間が無いという人多いだろう。しかし、とりあえずはライブラリーに入れておくべき名作である。一度ライブラリーに入れれば12月以降もプレイ可能である。

ロックマンゼロ系かダークソウル系のどちらかが好きな人ならハマるはずなので、このチャンスを逃すのは勿体無い。

もう既にハマり済みという人は、ファンゲーマーで販売中の放浪者の日誌を買うと良いだろう。

放浪者の日記はゲーム内でも登場する換金アイテムだが、それと同じ名前のハードカバーガイドブックがファンゲーマーで専売されており、日本語版も用意されている。

“ハロウネストの中に生息する様々なキャラクターや敵キャラ、植物、動物、菌類などをKari FryのイラストとRyan Novakの文章により図鑑のように紹介している豪華なハードカバーの ガイドブック”とのことで、ガイドブックというより図鑑としての意味合いが強い商品。

ちなみに、Hollow Knightはダウンロード版の販売が好評だったため、後からパッケージ版も発売されている。今時のゲームにしては珍しく説明書入りで、特典としてハロウネストの地図も入っている。パッケージ版に地図が入っているのも、ダークソウルとの共通点だ。

フリープレイのはずが、ガイドブックにパッケージ版と出費が嵩んでしまうなんとも罪深い名作である。

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