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【CELESTE】レビュー: 最初から高難易度アクションを強いられるが、段階を追ってプレイヤーを成長させる仕組みが素晴らしい – セレステ

点数評価90点
プレイ状況A面クリアまで
トロフィー25%
プレイ時間約5時間
発売日2018年1月25日
対応機種Switch/PS4/Steam
Xbox (Gamepass)
プレイ機種PS4
開発元Matt Makes Games
発売元ハチノヨン
フライハイワークス
ジャンルアクション
ジャンルの考え方
総評/評判/感想

CELESTE(セレステ)はとにかく難しく、プレイ開始早々にクリア出来るかどうか先行きが不安になる。しかし、プレイヤーにアクションを習熟させる段取りが秀逸で、気が付けばクリア出来ている。アクションシーンは700以上用意されているのだが、それはプレイヤーからすれば、非常に低い段差の階段が700段用意されているようなものだ。1段目さえクリアできれば、少しずつステップアップすることでエンディングに到達できる。高難易度と高クリア率を両立した、プラットフォーマー系アクションゲームの最高傑作である。ただし、キャラクターとストーリーは人によってはイマイチか。

総合評価
 (5)
革新性
 (5)
ユーザビリティ
 (5)
ビジュアル
 (3)
サウンド
 (4)
プレイ継続性
 (4.5)
コストパフォーマンス
 (4.5)

CELESTE(セレステ)は、主人公マデリンがゲームタイトルにもなっている“セレステ”という山を延々と登って行く、サイドビュー型の2Dアクションゲームだ。登山と言ってもそのアクションはスピーディで、一般的なイメージの山登りとは全く異なる。

ゲーム内でプレイヤーが取れるアクションは、左右移動、ジャンプ、ダッシュ(空中含め8方向)、壁張り付きだけである。ストーリー終盤に2段ダッシュが可能になるが、操作は一貫してシンプルだ。また、操作キャラクターに体力のような耐久値や、ステータス的なものは設定されておらず、情報が削ぎ落とされた極まった作りとなっている。

高難易度だが、プレイヤーを確実に成長させる仕組み

CELESTEは、高難易度のアクションゲームである。

難易度の方向性としては、シビアな操作が求められるタイプであり、ロックマンで見たことあるような針山が大量出現する即死ステージのオンパレードだ。ステージの6割は針山地獄で、残り4割の内、2割が落下ステージで、もう2割が針山地獄と落下の複合ステージといったところだろう。

CELESTE トゲが多いステージ
針は触れた瞬間即死。救済アイテムは一切無い。
CELESTE 落下系ステージ
序盤の”簡単な”落下ステージ。飛んでくる障害物に当たっても即死。

アクションシーンは公式によると700以上あり、全てに即死ギミックが採用されている。最初から最後まで一貫して、僅かな操作ミスが死に繋がる即死ステージしか用意されていない。更に一部のステージには触れると即死する敵キャラクターも登場する。筆者はクリアするまでの5時間(内ミニゲーム30分)で1000回以上死亡した。

しかし、これだけの回数を死亡しても、一切のストレスは無いし心が折れることも無い。

何故なら、膨大なアクションシーン全てに、細かくチェックポイントが用意されており、死亡しても爆速でリスタートできるからである。

そして、膨大ながらも似て非なるアクションシーンは、ステージ毎のギミックの初歩的な使い方から始まり、徐々に応用を重ねて難易度が上がって行く丁寧な作りになっている。最初から高難易度ながらも、難易度の上がり方は緩やかなので、一度コツを掴んでしまえば同じギミックを使うアクションシーンは数回のリトライで進むことが出来るようになる。

一方で、苦手なギミックにハマリだすと、同じシーンで何十回も死ぬ事になる。しかし、チェックポイントと爆速リスタートのお陰で、プレイヤーは短期間に連続して同じお題に挑戦することができ、素早く必要なテクニックを学習することができる。そのため、自分の操作の上達具合が分かり易く、苦手なアクションシーンを突破できた時の達成感が大きい。

CELESTEのトロフィー取得率を見ると、エンディング到達だけなら47%もある。高難易度にも関わらず比較的クリア率が高いことから、少しだけ変化を加えたステージを大量に用意することが、プレイヤーを上達させることに非常に効果的であることの証明となっている。

Sara
Sara

プレイヤーの心を折らないために考え抜かれたゲーム!

プレイヤーは要求されるアクションを習熟した結果、流れるようにステージを突破できるようになるため、最高に気持ちが良くなる。そして次なる快感を求めて、先のステージが楽しみで仕方が無くなる。お陰で筆者の場合、本作を殆ど1日でクリアまで完走してしまった。つまり本作は、高難易度ステージを自力でクリアすることで、達成感という名の快楽を与え続けられるゲームだ。

スクリーンショットだけでは分かり難いゲームなので、特に気持ち良かったシーンを動画で載せておく。参考にしてもらいたい。

手に汗握るストーリー中盤のボス戦

途中に何カ所か安置があり、足を止めることが出来るのだが、敢えてノンストップで突破できるまでやり直した。

追いかけてくる敵から逃げるステージ

序盤の初めて敵キャラが出て来るアクションシーン。操作キャラクターに合わせて追いかけてくるので、常に動くことを強いられてスリリング。

死んでも死んでも高速リトライからの達成感がクセになるプレイバリューは、ゲームジャンルは全く違うが、サイバーパンク忍者パルクールゲームのゴーストランナーに近いものがある。

反射神経では突破できないパズル的なシーンも多い

CELESTEは、シンプル操作の高難易度アクションゲームだが、反射神経さえあれば何とかなる訳ではない。パズル的なギミックが至る所に用意されており、そのようなシーンでは移動ルートやタイミングを厳しく制限される。想定されたアクション以外を取ると基本的に即死だ。

次の動画は、乗ると移動方向を制御できる足場を使って進むステージ。足場はトゲ山を素通りするが、歩行可能な場所にぶつかると壊れるので、どうすれば足場を壊さずに進行方向に持っていけるか考える必要がある。

辺り一面トゲだらけで、一見どのようなアクションをしても向こう岸に辿りつけないようなステージも多い。そのような場合は、必ずダッシュ回数を回復するアイテムが設置されているので、それを取りながら空中ダッシュを繋いでいくことになる。

CELESTE ダッシュ回数の回復アイテム
ダッシュ回数の回復アイテム(浮いている発光体)を取り損ねると死亡。

また、ダッシュで衝撃を与えると、逆方向に高速移動するモンスター?も登場する。進みたい方向から衝撃を与えて上に乗れば、大きな谷間も超えることが出来る。

CELESTE 変わった生き物
脆い壁に向けて移動させると壊してくれるドッスン的なヤツ。

そして、物語も終盤になると、過去に出現したギミックが複合したアクションシーンが連続して登場し、プレイヤーの進行を妨げてくる。

次のスクリーンショットであれば、1回しか踏めない雲のジャンプ台、上方向に移動が伸びる吹き上げる風、空中ダッシュ回復アイテムが複合したステージとなっている。過去に登場したギミックを忘れているとクリアができないので、プレイヤーは強制的にギミックの復習をさせられることになる。

CELESTE 複数のギミック
複数のギミックのコンボ。しっかりと挙動を覚える必要あり。

このようなパズル要素が加わったアクションシーンでも、丁寧に少しずつ難易度が上がって行くので、繰り返し挑戦すればいずれクリア出来るだろう。

間違いなくクリアしてからが本番

エンディング到達には影響を及ぼさないが、ステージの至る所に収集アイテムである“イチゴ”が設置されている。イチゴの入手はチャレンジ要素なので、取得するためにはストーリー進行よりもさらに過酷なアクションシーンが待ち受けいる。イチゴを一定数集めることで手に入れることができるトロフィーも3個設定されているので、腕に自信があれば挑戦してもらいたい。

また、各ステージの隠しアイテムである“カセットテープ”を手に入れると、難易度がアップしたB面を遊ぶことができ、それをクリアすると更に難しいC面にも挑戦できる。

加えて、ゲーム内のミニゲームとして8ビット風のセレステを遊ぶことが出来る。これがまた良く出来ており、もし8ビットゲーム機時代にセレステがあったらというifを完全に再現している。ミニゲームにしてはボリュームもあり、全クリアまでに30分ほど掛かった。(デス数も200回以上!)

CELESTE ミニゲーム
ミニゲームでも圧倒的に死ぬ・・・

強いてCELESTEの難点を上げるとすれば、主人公や登場人物があまり魅力的では無いことだろうか。アクションゲームとしては至高の領域に達しているが、主人公を含めた登場人物のビジュアルや性格には難がある。

主人公のマデリンは可愛くなく(和ゲーに慣れた視点では)、旅の途中で出会うセオは俗に言う“インスタ蠅”の害悪キャラクターである。登場人物達がセレステ登山を通じて内面に秘めた鬱屈した感情と向き合い、精神的に成長していくというストーリーだが、魅力が無いキャラクターの内面描写を見ても余り面白くない。アクション面が極まっているので、ストーリーそのものが蛇足に感じた。ストーリーは全カットで、その分をコストカットするなり、ステージ数に反映しても良かっただろう。

CELESTEはアクションゲームの極致であり、ゲーム内で使用されるサウンドも素晴らしく(ボス戦の曲の為だけにサントラが欲しくなるレベル)、難点はキャラクターだけである。アクションゲーム好きなら絶対に避けては通れない傑作。

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