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【カニノケンカ -Fight Crab-】レビュー: 武装したカニという狂気の絵面に魅了され、高めなパッケージ版を買ってしまう

点数評価70点
プレイ状況ノーマルでクリア
ランクマッチ10戦
発売日2020年8月20日
対応機種Switch/Steam
プレイ機種Switch
開発元カラッパゲームス
発売元PLAYISM
ジャンル対戦型アクション
ジャンルの考え方

総合評価
 (3.5)
革新性
 (5)
ユーザビリティ
 (4)
ビジュアル
 (5)
サウンド
 (3.5)
プレイ継続性
 (3)
コストパフォーマンス
 (3)

CrabとClubを掛け合わせたダジャレ作品

カニのCrabと同好会のClubを掛け合わせた、カニノケンカ -Fight Crab-という駄洒落タイトルはインパクト抜群だ。そのタイトル名から分かるように、カニノケンカは甲殻類が戦うゲームだ。しかも遠近問わず武器を手に戦う。

プレイヤーはカニとなって、武器を手(ツメ)に持ち、空を飛び、時にはスクーターに乗って甲殻類の頂点を目指す。複雑なコマンドは必要なく、好きな武器を振り上げて相手にぶつけてひっくり返せば勝ちというシンプルで分かりやすいルールが採用されている。何よりもそのシュールな絵面が魅力的で、何かに引き寄せられるようについつい買ってしまう魔のゲームだ。

Sara
Sara

いわゆるジャケ買いをしてしまった。

いかにもなバカゲーだが、一人用のキャンペーンモード以外にもオンライン対戦でランクマッチが用意されている。キャンペーンモードをクリアすることで、新しい武器と新しい甲殻類が開放されていくので、キャンペーンモードで一通りの操作と武器の特性を覚えたら、バーサスからランクマッチに挑むという流れだ。

メニュー画面の“バーサス”という文字もジワジワ来る。

短いが狂気の絵面を楽しむことが出来るキャンペーンモード

あなたはカニです。

カニノケンカはこの1文から始まる。そう、私はカニだ。

甲殻類が戦うに理由など必要ない。チュートリアルでアイデンティティはカニだと宣言され、短めのチュートリアルを終えると本番が始まる。

そう、カニです。

カニノケンカは対戦ゲームだが体力制ではなく、体勢を崩してひっくり返ったほうの負けだ。スマブラのように%による蓄積ダメージが設定されているので、まずは相手を攻撃してダメージを蓄積させてから、ボディに重い一撃を入れてひっくり返そう。

なお、ひっくり返されたら即終了ということはなく、その状態からボタン連打することで復帰することが可能。しかし、何度もひっくり返っているうちに、いよいよ戻れなくなり勝敗が決するというシステムだ。

キャンペーンモードを開始した当初は素手でパンチを繰り出すしかないが、ファイトマネーを貯めることで新しい甲殻類や武器を買うことができる。各種甲殻類には重さ、リーチ、旋回/移動速度などのステータスに差異がつけられており、見た目も性能も千差万別となっている。

カニの個性を踏まえて接近戦用の剣を持つのか、両手持ちの大型武器を持つのか、遠距離用の手裏剣やブーメラン、さらには銃を持つのかなど、自分の戦闘スタイルを考えて組み合わせていく。

ソードとシールドのシンプルなファンタジーゲームのナイトスタイル。
ダブルショットガンで相手を穴だらけにするスタイル。
ズワイガニ・・・フォースの暗黒面に落ちたな・・・。

上記スクリーンショット3枚を見れば概ね分かるだろうが、カニノケンカはカニと武器の組み合わせで出落ち感を楽しむゲームだ。それを楽しめないなら購入は見送ったほうが良いだろう。カニと武器の組み合わせによるゲームバランスなど気にする必要はない。ただただ、カニになりきって無心で武器を振り回せばそれでいいのだ。

難易度はノーマル、ハード、インフェルノと3段階用意されているので、カニや武器が一通り揃ったら、ファイトマネーでカニのステータスを伸ばして、高難易度に挑戦するというやりこみ要素も用意されている。

各キャンペーンの最後にはボスが待ち構えている。
狭いエリアなら手裏剣の様な投擲武器がオススメ。

難易度によるやりこみ要素が用意されているとはいえ、クレイジーなPVに心を奪われて買った人も、正直1回クリアすれば十分に満足できて正気に戻るだろう。せいぜいハードまで遊べば十分であり、インフェルノまでプレイするのは余程の物好きか、特別に甲殻類に思い入れのある人だけだ。

ハードモードからは難易度が大きく上昇するが、協力プレイも用意されている。ハードモードを家族や友人達と一緒に、ワイワイとプレイすることが一番楽しめる遊び方だ。真剣に一人で遊ぶゲームではなく、パーティゲームとしての側面の方が強いだろう。来客時に時間を持て余すようなことがあれば、すかさずカニノケンカを出せば盛り上がることは間違いない。

なお、登場する武器の名前やワザ名の至る所に“カニ”が潜んでいる。正直なところお腹一杯になってくる。

誰かに盗まれそうな聖剣。

価格はスイッチ版2400円、Steam版1980円という比較的安いゲームなので多くを求めることはしないが、難易度はノーマルとハードの2種類で良いので、キャンペーンモードはステージ数を増やして狂った絵面を大量に提供して欲しかった。キャンペーンモードはチャプター6まで用意されているが、各チャプターは難易度ノーマルでスムーズに行けば10分~15分程度のプレイ時間だ。

難易度が3種類あるとは言え、ボリューム不足感は否めない。PVを見てカニノケンカを買った人の大半は、甲殻類が様々なシチュエーションで乱舞する様を見たい訳なので、ステージ数は後1.5倍ぐらいは欲しかった。

砂漠でクギバットとチェーンを振り回しながら、バイクで襲ってくるカニ。マッドマックスの最新作?

マッチング相手に課題が残るランクマッチ

さて、キャンペーンモードを一通りプレイした後は、必然的にランクマッチに向かうことになる。カニノケンカはオンラインでガチの対戦を楽しむことができるのだ。キャンペーンクリア後は、ひたすらにランキング上位を目指して対戦を繰り返すのみ。

憧れのメタルガニのダブルドリルで、シールドとフレイルの西洋騎士タイプと対戦。

ランクマッチでは、似たような腕前のカニと対戦出来ると一進一退の白熱した攻防を楽しむことが出来るが、残念なことにプレイ人口が圧倒的に人が少ない。そのため、2,3回連勝してレートが上がっただけで、レートランキングの1ページ目に載っているような猛者達とマッチングする。

この狂気のゲームでレート上位まで上げるような執念の持ち主と戦うと、流石に一方的な試合運びで負けてしまうので余り面白くない。

加えて、敗戦後に間髪入れずにランクマッチに挑むと、高確率で同じ人と連続マッチングしてしまう過疎ゲーあるあるが発生する。こればかりはプレイ人口の少ないインディーゲームの宿命であり、何かしらの理由で爆発的にプレイ人口が増えないと解決しない。レートに差がありすぎる場合は、何らかのハンディキャップを設けるか、無理にマッチングさせるのではなく強めのCPU戦をやらせるなどの配慮が欲しかった。

Sara
Sara

同じカニにボコられ続ける。

対戦モードではキャンペーンで解放した武器やカニを、購入していなくても自由に使うことが出来る。そのため、一通りノーマルでキャンペーンをクリアした後に、上位の難易度に挑むつもりであれば、限られたファイトマネーを節約するために、対戦モードで自由にカニと武器の組み合わせを試すのも良いだろう。

独特の操作性、甲殻類毎の性能さ、まったく特性の違う武器が入り混じっているので、本気でランクマッチをバランス調整することは至難の技だろう。ゲームのタイトルとビジュアルから目指すところはランクマッチ(ガチの対戦)ではないはずだが、1vs1が最終的に行き着くところになっているのは残念である。

超高難易度のCoopプレイを最終目標にし、周回して性能違いをの武器を集めるハクスラ系にして、おまけ程度に(ドロップアイテムの見せびらかしとして)フリーの対戦を用意するようなゲームであれば、評価はワンランク上がったと考える。

パッケージ版は割引後の価格で3500円前後と、ゲームのボリュームを考えると強気な値段だが、カニノケンカはパッケージ版を所持したくなる不思議な魅力を持っている。特に、パッケージ版には初回特典として、ライトセーバーを格好良く構えるカニが前面に押し出されたサウンドトラックが付いてくる。パッケージ派ゲーマーの所有欲を満たしてくれる素晴らしい一品なので是非とも入手してもらいたい。サントラ込みの値段と考えれば十分に許容できるはずだ。

このジャケットを手元に置くことに価値がある。

なお、記事を作り終えてから気がついたのだが、実はフォトモードが用意されている。
まさかフォトモードが実装されているとは思っていなかったので、ゲーム中にそのまま撮ったスクリーンショットしか載せてない。無類の甲殻類好きは、自分の好きなアングルで思う存分に写真を撮ると良いだろう。

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