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【提案】多様化して分かり難いゲームジャンルは、自称するジャンルと属性のタグ付けで分類しよう

Sara
Sara

ゲームのジャンル分類は完全に無法地帯である。

という話を聞いて、ピンと来るゲーマーはどれぐらい居るだろうか?

ゲームが分類されるジャンルは、ゲームの進化と共に複雑になり、細分化が進んでいる。しかし、ジャンルその物を、どこかの組織が定義・管理している訳では無いので、各販売元・開発元が自由にジャンルを宣言し、ゲーマー達がコミュニティ内で好き勝手に分類分けするため、混迷の一途を辿っている。

昔は単純に、アクション,RPG,シューティングなど一つの言葉で表現できたものが、ゲームの進化と共にアクションRPGや、シミュレーションRPGのように複合ジャンルで呼ばれるようになっていった。そして、当記事を投稿した2021年においては、最早そのような複合ジャンルでは表現しきれない時代になっている。

結論から先にいうと、ジャンル分けは自由だが、可能な限りは以下で行われるべきだろう。

自称するジャンル

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ジャンルや属性のタグ付け
(複数分類可能)

ゲームのジャンル分けは、自称するジャンルと、ジャンルや属性のタグ付けの合わせ技で行ってもらいたいのである。

公式が宣言するジャンルを大切にしよう

まずは自称するジャンルについて説明する。

自称するジャンル

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ジャンルや属性のタグ付け
(複数分類可能)

ここでいう自称するジャンルとは、販売元・開発元が宣言している公式なジャンルのことである。

ジャンルが分からない際に、プレイヤーが最初に確認するべきは公式サイトか、配信プラットフォームにて掲載されている紹介文だ。そこで宣言されているジャンルが公式であり、最も尊重されるべき情報である。

当サイトでもレビューしている、Hollow Knight,メトロイド ドレッド,DeadCellsという三つのゲームを例に挙げて説明しよう。

これらのジャンルは何か?と聞かれた際に、多くのゲーマー達が、何も考えずにメトロイドヴァニアと答えるだろうが、それはベストな回答ではない。

公式情報では、Hollow Knightは“アクションアドベンチャーゲーム”であり、メトロイド ドレッドは“探索型アクションゲーム”だ。DeadCellsは“ローグライク2D探索型アクションゲーム”であり、その複合ジャンルを“ローグヴァニア”と称して始祖を名乗っている。

販売元が宣言している以上、一消費者が公式のジャンルを上書きすることは許されない。何故なら、前述の通り、ゲームのジャンルというものは業界内で方針が示されたり、管理されている訳では無く、ジャンルの定義は販売元・開発元に一任されているからだ。

例え販売元が、広義でRPGな作品のジャンルとして、“君と響きあうRPGなどという、失笑してしまうような痛い名付けをしたとしても、それが公式である以上、プレイヤーは受け止めなければならない。

しかしながら、自称・公称のジャンルだけでは伝わらないことが多い。再び上記3例の自称ジャンルを見てもらいたいのだが、Hollow Knightは探索型であることまでは分からないし、メトロイド ドレッドは、ジャンルでは明記されていないが、自身の存在の核心に迫るという物語性の高さから、紛れもなくアドベンチャーゲームの要素も持っている。DeadCellsは、2D or 3Dまでをジャンルに徹底して盛り込んだところ長々としてしまったので、新ジャンルを宣言している。

一方で、これらのゲームを一括りにメトロイドヴァニアなどと呼称した場合は、当然ながらゲームの全容は掴めていない。Hollow Knightであればアドベンチャー要素が強いことが伝わらないし、メトロイド ドレッドは自身のタイトルの一部が、ジャンル名に組み込まれて気持ち悪く、DeadCellsはローグライクであることが伝わらない。

Sara
Sara

ジャンル一つでゲームを表現することは不可能!

ジャンルと属性をタグ付けしよう

自称するジャンルだけで説明できないなら如何すれば良いか?というと、属するジャンルの情報を、タグ付けしてやれば良い。

自称するジャンル

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ジャンルや属性のタグ付け
(複数分類可能)

前述の通り、昔はアクションRPGやシミュレーションRPGのように、複合ジャンルに分類すれば良かったが、現在は全く系統の異なるジャンルが入り混じった作品が多い。具体的には、ベセスダ・ソフトワークスのDEATHLOOPを例に挙げてみよう。

DEATHLOOPは、プレイステーションストアの作品紹介によると、紹介文の中では“一人称視点シューティングゲーム”と記載されており、ジャンルは“アクション”になっている。FPSはアクションゲームのサブジャンルか?という疑問は、ここでは一旦無視するとして、DEATHLOOPをプレイしたことがある人であれば、このゲームをFPSやアクションの一言で片付けられないことは理解できるだろう。

何故なら、DEATHLOOPは戦闘こそFPSだが、物語の進行はまさにアドベンチャーであり、キャラクターを操作してインタラクトをこなしていくタイプなので、複合ジャンルのアクションアドベンチャーの方が近い。そして、プレイヤーは死のループに囚われた主人公を演じる(Role-Playする)し、キャラクターの成長要素もあることからRPG(アクションRPG)にも分類できる。また、ゲームのゴールこそ定められているが、達成手段の自由度は大変高いことからサンドボックスゲームとしての側面も持ち合わせている。オマケにオンライン対戦要素まで用意されている。2D or 3Dを問えば当然ながら3Dだ。(2021年においては言及しない限り多くのゲームが3Dであり、敢えてサイドビューやレトロ風を強調したい場合に2Dを付けるイメージだろうか。)

強引に複合ジャンルで表現すれば、“サンドボックス型オンライン対戦FPSアドベンチャーRPG”と定義できるかもしれないが、そのような複合ジャンルのゲームは他に存在しないし、定義したところで意味が分からない。そのため、自称ジャンルにそれぞれのジャンルや属性をタグ付けするような表現方法が良いのだ。実際にやってみると、DEATHLOOPは以下のようなジャンルになる。

一人称視点シューティングゲーム

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アクションアドベンチャー,サンドボックス,オンライン対戦

タグ付け部分は、もっと簡略化して書くのであれば、A・ADV,SANDBOX,ONLINEでも好きにすれば良い。

タグ付けは自称ジャンルに欠けているジャンルの補足だけでは無く、“高難易度”,“オープンワールド”,“探索型(メトロイドヴァニア)”,“ソウルライク”など、ゲームのプレイスタイルや属性的な物を書いても良い。勿論、網羅性を高めるのであれば、自称ジャンルを単要素に分解したうえで、被らせてタグ付けしても良いだろう。

ここで、RPGは何処に行った?と思うかもしれないが、それは敢えて抜いている。何故なら、RPGの要素を持つゲームは余りにも多いからだ。

①名前の通りにプレイヤーがロールプレイを体験する,②成長要素がある,③アイテムを駆使する,④どこかへ目的を持って冒険するなどから、幾つかの要素を持っているとRPGに分類されるが、何をどの程度備えていればRPGを名乗れるのか、定量的な定義は無い。特定のジャンルを名乗るために必要な要素数が、定量的に決まっていないことは厄介で、ジャンルの混迷を極める原因となっている。

例えばローグライクというジャンル(又は属性)があるが、ジャンルとしての主な構成要素は、ランダム生成,パーマデス,リソース管理,探索orマッピングなどである。そもそも、ローグライクは全ての要素を満たさずとも、ランダム生成さえ押さえておけば(販売元の自己責任で)名乗れば良い傾向にあるのだが、いつの頃からか要素数が少ないゲームが“ローグライト”を名乗っている。もちろん、ローグライトを名乗ることも自由であり、誰からも制約は受けない。

しかし、元からローグライクに要求される要素数の定義が曖昧なところに、新しくローグライトをぶち込んだため、ローグライクを名乗るが要素が少ない or ローグライトを名乗るが要素が多い作品が生まれており、相対的に作品同士を比べた際に、ライクとライトで構要素数の逆転現象が発生していることもある。もはや、ローグライトとローグライトの違いを見出すことも難しい状態だ。

Sara
Sara

公式が宣言しない限り、ローグライトというジャンルは安易に使うべきでは無い。

RPGに話を戻すと、前述の①~④の構成要素のいずれかを持っているゲームは非常に多い。市場に出回っているゲームの1/3以上は、分類しようと思えばRPGに分類できるのではないだろうか。そのため、RPGというタグ付けは敢えてせずに、RPGか否かの判定は自称するジャンルに任せれば良い。RPGの有名どころであれば、ウィッチャー3は“オープンワールドRPG”、ダークソウルは“アクションRPG”、ペルソナ5は“RPG”が自称ジャンルである。〇〇RPGを自称している場合、タグ付けとして〇〇とRPGを分解する必要も無いだろう。

これについてはアクションも同じだ。余りにも広義なので単体で用いられることは少ない。例に挙げたDEATHLOOPでも、タグ付けをアクション,アドベンチャーとはせず、アクションアドベンチャーで一つにしている。

とはいえ、タグ付けすると長い・・・

自称するジャンル × 属するジャンルのタグ付けで、ゲームのジャンルを正確に説明できればベストだ。ブログに書くような場合は、記事毎にタグ付け機能があるので割と当てはめやすいが、Twitterを筆頭に、どこかへ軽く投稿するだけの場合は至る所に文字数制限があるし、冒頭からジャンルを長々と書いていたら読んでも貰えない。喋る場合は尺の問題もある。

結局のところ、ゲームのジャンルを語る際には、どのように伝えるかは各個人の裁量で決めるしかないのだが、伝え方は良く考える必要があるだろう。

あるゲームを他人に紹介しようと考えた時、誰しも必ずゲームのジャンルを伝えるだろう。その際には、以下の①と②ならどちらが良いだろうか。

①「ジャンルはメトロイドヴァニアです。」

②「ジャンルは2D探索型アクションRPGです。」

①は17文字、②は21文字だ。②は4文字増えるが情報として充実している。どうでも良いゲームを雑に説明するだけなら①で良いだろうが、本当にお気に入りのゲームを紹介する場合であれば、安直に①を選ぶことは避けたい。たった4文字増やすだけで、正確に伝わるのであれば②を選ぶべきでは無いだろうか。

それでも①を選ぶのであれば、“メトロイドヴァニアと言いたいだけ”であると判断されても仕方がない。

常々、正しくジャンルを伝えることを心掛けて、充実したゲーマーライフを過ごして貰いたい。

なお、当ブログでは、記事冒頭の表のジャンルに公式サイトから抜粋したジャンルを記載し、記事下のタグ欄にて細分化したジャンルや属性を記載することにした。リライトしたレビューには、当記事へのリンクも追加している。

Sara
Sara

こんな投稿をした以上、筆者には過去のレビュー記事のリライト地獄が待っている・・・。

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