点数評価 | 70点 |
プレイ状況 | クリア 実績305/1000 |
プレイ時間 | 約5時間 |
発売日 | 2021年12月16日 |
対応機種 | PS4/PS5/Switch/Steam Xbox (Gamepass) |
プレイ機種 | Xbox Series X (特典目当てにSwitch版も購入) |
開発元 | Team Ladybug,WSS playground |
発売元 | PLAYISM |
ジャンル | 2D探索型アクションゲーム ジャンルの考え方 |
ロードス島戦記ーディードリット・イン・ワンダーラビリンスーは、使役する風の精霊シルフと炎の精霊サラマンダーを切り替えて、2種類の属性を使いこなす戦闘がウリの探索型アクションゲーム。その着想自体は素晴らしく、アクションの挙動も悪くない。しかし、MP吸収からの魔法連打や、回復アイテムを使ってのゴリ押しが可能なので難易度は低く調整は雑。原作がレジェント級なので、思い入れから甘めの採点が氾濫すると予想されるが、パケ売り価格から見るとボリューム不足。エンディングのオチは良い。
ディードリットと言えば、ファンタジー界におけるエルフ像の確立に多大な影響を与えた、ロードス島戦記に登場する超有名なキャラクター。そんな永遠の乙女 ディードリットを主人公に、ロードス島戦記本編のその後を、2D探索型アクションゲームとして描いた作品が本作、ディードリット・イン・ワンダーラビリンスである。
項目3にはストーリーのネタバレを記載しているので注意してもらいたい。
ボリューム不足×低難易度
ディードリット・イン・ワンダーラビリンスは、モンスターが跋扈する探索型の迷宮を、剣、弓、魔法を使い分け、さらに風属性のシルフと、炎属性のサラマンダーを切り替えながら戦うアクションゲームだ。
結論から言うと、探索手順や操作性は、2Dアクションゲームの基本を抑えた無難な作りだが、全体的に小振りな作品であり、難易度も低めなのでクリアしても達成感は無い。大きな期待を持ってプレイすると拍子抜けするだろう。
クリアまでの所要時間は、この手の探索型アクションゲームに慣れたプレイヤーであれば約5時間程度。スケールは小さいものの、2段ジャンプやスライティングなどのスキルを手に入れることで探索範囲が広がるという、探索型アクションゲームの基本は抑えている。
探索を続けると、矢を歯車に当ててリフトやブレードを動作させるギミックが幾つか用意されているが、悩むほどに難しくは無い。直接矢を当てるか、矢を跳弾させて当てるだけなので、ギミックに行く手を阻まれるという印象は無かった。
正直な所、探索要素については、これ以上コメントするような特色は無い。最低限の探索要素と、最低限のギミックは用意されているので、探索型ゲームの入門には向いていると言えば聞こえは良さそうだが、多くのプレイヤーは物足りなさを感じるはずだ。
探索要素は語ることが無いが、戦闘はどうかというと、シルフ(風)とサラマンダー(炎)の精霊切り替えのアイデアが面白い。2属性の切り替えと言うと、白と黒を使い分ける縦シューティングゲーム「斑鳩」を思い出すプレイヤーも多いだろう。
実際に、ディードリット・イン・ワンダーラビリンスの精霊切り替えは、斑鳩の属性と似たようなシステムだ。例えば、敵が竜巻(風)を起こした場合、こちらはシルフを出してやれば、ディードリットはダメージを受けずに、更に敵の竜巻を吸収してMPを回復することが出来る。
また、戦っている敵の属性耐性は、常に右下に表示されている。相手の属性に合わせて精霊を切り替えて、弱点を突いた攻撃が基本となる。下のスクショからは、魔竜シューティングスターは炎無効が読み取れる。そのため、シルフに切り替えて物理ダメージを与えても良いし、サラマンダーで炎のブレスを吸収しつつ炎以外の属性の魔法攻撃を仕掛けても良い。
当然ながら、風と炎どちらにも属さない攻撃もある。それらはしっかりと避けなければならない。
このように、精霊の切り替えシステムをボス戦のスクショと共に紹介すると、戦略性に富んだアクションが求められそうに見えるのだが、実際には属性の切り替え判断はそれほどに難しくない。そのため、属性を合わせることによる戦闘中のMP回復が非常に容易であり、MPを消費する遠距離攻撃の連打が出来てしまう。最初から最後まで、敵の攻撃を浴びながらゴリ押しするという戦法がまかり通ってしまい、アクションゲームとしての難易度は低い。
筆者の場合、回復ポーションなどの補助アイテム使用禁止、レベル上げ及び金稼ぎ禁止という縛りプレイをしたが、それでもクリアまでにゲームオーバーになった回数は一桁だ。特に縛りを課さない場合は、属性を無視したとしても、回復アイテムを連打しながら、適当に殴り続けるだけでクリアできると思われる。
なお、シルフとサラマンダーにはレベルが設定されており、プレイヤーがダメージを受けずに敵に攻撃を当て続けるとレベルが上がり、ダメージを受けるとレベルが下がる。レベルに応じて攻撃力にボーナスが付き、更にレベルが最大まで上がると、HPの自動回復効果も付与される。そのため、そもそも回復ポーション自体がこのゲームに不要であり、精霊切り替えの難易度を上げ、敵攻撃を無効化しつつ精霊のレベルを上げてHPを回復するようなスタイルにするべきだったのだろう。そのうえで、現状の難易度をイージーモードとして用意しておけば、アクション面の評価は上がったと考える。
素材は良いが活かしきれていない
まずはボリューム不足と難易度の低さについて不満を述べる形になったが、攻撃やバックステップなどの基本的な操作感は優れており不満は無い。装備によって挙動が変わるのも悪くないし、バックステップ連打で動いた方が早いという、この手のゲームのお約束?も用意されている。.
操作性が良いために、“難易度が低い=つまらない”という訳でも無く、実戦では無くややハードなスパーリングを行っているようなイメージだ。人によっては苦戦せずに快適に進むことを評価するかも知れない。また、探索型としての物足りなさは、探索型の入門編として機能するし、エンディングのオチは儚く、後日談として納得感のある内容で好印象。さらにアニメーションは滑らかで、ドット絵であってもディードリットの凛々しさが伝わってくる。ディードリット・イン・ワンダーラビリンスは結局のところ、決定的に良い所も悪い所も無く、2D探索型アクションRPGとしては及第点なのだろう。
作品のスケールの小ささと、難易度の低さにより、素材を活かしきれていない勿体無い作品という印象を受けたが、ゲームパス会員であればプレイしても良い。また、往年のディードリットファンであれば、凛々しい姿が描かれたパッケージ版を手にしても損は無いはずだ。
ストーリーのネタバレ
ディードリット・イン・ワンダーラビリンスは、ロードス島戦記本編から相当の年月が経過している設定。パーンをはじめとするディードリットの仲間達は、天寿を全うし既に他界している。しかし、ハイエルフであるディードリットは変わらずの若さと美貌を保ったまま、帰らずの森で生活を続けている。
そんなディードリットだが、愛するパーンのことが忘れられず、その精神はワンダーラビリンスに囚われる。死が意味を為さないワンダーラビリンスに止まれば、偽りであるがパーンに会えるのだが、ディードリット現実を受け入れて虚無を撃破し、ワンダーラビリンスを抜け出すというお話。エンディングは愛ゆえの何とも言えない切なさが漂う。
エルフと人間の寿命差を取り扱った作品は、2021年12月現在、週刊少年サンデーに連載中の「葬送のフリーレン」が人気だ。こちらは、長寿命のエルフが、寿命で死んで行った勇者達の行動や、勇者の死後に触れあった人々の影響で、エルフの死生観に変化が現れていく様が描かれている。こちらでも、ディードリット・イン・ワンダーラビリンスと似たような展開が、いずれ登場しそうな気がする。

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ゲームパスなら快適アクションの短編って感じで中々なゲームとは思いましたね
評価厳しすぎじゃない?とも思いますがまぁパッケージでも売ってる以上やっぱボリューム不足で減点という評価も正しいんでしょうね
ゲームパスで遊んでいると価格を忘れて評価高くなりがちですからね。
今回はゲームパスで遊びつつも、Switchのパッケージ版を買いました。