点数評価 | 70点 |
プレイ状況 | ノーマルでクリア トロフィー48% |
プレイ時間 | 約20時間 |
発売日 | 2019年4月26日 |
対応機種 | PS4/Steam |
プレイ機種 | PS4 |
開発元 | SIEベンドスタジオ |
発売元 | ソニー・インタラクティブエンタテインメント |
ジャンル | オープンワールドサバイバルアクション ジャンルの考え方 |
ゾンビ物とオープンワールドは世の中に溢れているため、そのジャンルで勝負するにはオリジナリティ溢れる要素を多数用意しなければならない。しかし、Days Gone(デイズゴーン)は、肝心のゾンビ大群がゲーム終盤にしか登場せず、プレイヤーは最大のプレイ目的のお預けを喰らった状態で約15時間の旅を続けることになる。2021年4月にPS Plusのフリープレイ入りしたので遊んでみたが、金を払ってパッケージ版を買っていたら途中で売ったと思われる。オープンワールド、或いはゾンビ物の経験が少なければプレイする価値は十分にあるが、プレイヤーが経験豊富なヘビーゲーマーの場合は、高い満足感を得ることは無いだろう。
Days Goneの舞台は、謎のパンデミックにより人々がフリーカーと呼ばれる感染者(以下ゾンビ)に変貌し、人間社会が崩壊してから2年後の世界だ。主人公ディーコンは、妻を失った悲しみを引きずりながらも、相棒のブーザーと共にゾンビや野党たちと戦いながら逞しく生きる。と、いう既視感溢れる設定が満載のオープンワールドゾンビゲームが、Days Gone(デイズゴーン)である。
Days Goneのストーリーは、相棒との友情・妻への愛がテーマだが、The Last of Usほど心を揺さぶられる展開では無いし、本作最大のウリであるゾンビ大群との戦いも、同時期に発売されたワールド・ウォー・Zともやや被ってしまっている。となると、Days Goneの独自のシステムは、“ゾンビ物×バイクメインのオープンワールド”となる。
移動手段はさておき、オープンワールドゲームは既にゲーム業界内では成熟しており、何処のメーカーが作っても似たような物が出来上がってくる。なんせ、人喰いサメを主人公にしてもそれらしいオープンワールドゲームが出来上がる時代だ。そのため、Days Goneに対して、“ゾンビ物としては没個性的”という評価を下した人も多いだろう。
Days Goneに関しては、丁度フリープレイが配信されたタイミングで、“シリーズ2作目が構想されていたもののキャンセルされた”という噂が出回っている。エンディングまでプレイを終えた感想としては、“キャンセルの判断も理解できる”である。“ゾンビゲーム”と“オープンワルードゲーム”に目の肥えたヘビーゲーマーには刺さらないのだ。
緊張感のあるゾンビ大群戦と、飽き飽きする対人間戦
Days Goneの最大のウリは、500体を超えるゾンビの大群との戦闘である。
前述の通り、大群との戦いはワールド・ウォー・Zと被っているが、協力プレイがメインのあちらとは違い、Days Goneでは完全にソロで大群と戦う必要がある。共闘してくれるようなNPCも存在しない。
誰の協力も得ることは出来ないため入念な準備が必要であり、戦闘の前段階から地形を下見し、何処にトラップを仕掛け、何処を通って逃げるかなどの作戦を考える必要がある。数百体のゾンビを相手に、用意周到な準備をして切り抜けるというゲームは前例が無く、あれこれと生き延びるためのアイデアを捻り出す作業は新鮮だ。
- ゾンビ大群が通過するには渋滞が発生しそうな狭所に地雷を仕掛け、わざと見つかってそこに誘い込んで爆発させる。
- 大群に見つからないように近づき、アトラクターという音を出して敵を一か所に集めるアイテムを使ってから、集まったところに火炎瓶を投げる。
- バイクの音でゾンビを誘い出して遠くに逃げてから銃火器で攻撃し、近づかれたらまたバイクで逃げるヒット&アウェイ。
などなど、戦い方はさまざまだ。
作戦通りにトラップを発動できなかったり、逃げるタイミングや逃走用のバイクの置き場所を間違えると、たちまちにゾンビの大群に取り囲まれてしまう。大群に囲まれると残り体力に関係なく即死判定が出るので、一瞬の油断が命取りだ。ワンミスでゲームオーバーになる緊張感のある戦闘を切り抜け、大群を殲滅しきった後の死屍累々たる風景を目にすれば、たった一人でやり切った!という大きな達成感を得ることができるだろう。
大群戦以外でも、ゾンビの巣に火炎瓶を投げ込めば、巣の中から5,6体が飛び出し、更に音に反応した周囲で徘徊ゾンビも合流して一気に襲い掛かってくる。ストーリーの序盤は武器も貧弱で、ヘッドショットが決まらないとザコのゾンビでもなかなか倒しきれず、巣を一つ焼くだけも緊張感のあるプレイを楽しめるだろう。
対ゾンビ大群は概ね高評価だが、対人間戦は目新しい要素は何もなく至って平凡である。
物陰に隠れて敵に忍び寄って、スクラップでクラフトした凶器で殴ったり、ナイフでステルスキルするだけだ。また遠い敵にはサプレッサー付けたハンドガンを使うという、定番中の定番のステルスアクションでも良いだろう。
この手のステルスアクション要素もオープンワールド要素と同じく、近頃は何処のメーカーでも到達地点にさほど変わりは無い。そのため、Days Goneならではの仕組みが欲しかったところだが、それが存在しないために、対人間戦は間違いなく途中で飽きてしまうだろう。
点在する野党の基地を潰すシーンは、同じオープンワールドゲームのHorizonに良く似ている。あちらは武器が、様々な効能を持った弓矢なので独自性があって面白かったが、残念ながら本作にはそれがない。
相棒以外の見所が無い、一本道なストーリー
Days Goneはオープンワールドゲームながら、ストーリーはほぼ一本道である。
ワールドマップにはストーリーの目的地が常に表示され、黄色いアイコンの辿ればイベントが発生する。黄色いアイコンが複数同時に出ることは稀で、ストーリーの分岐は無いに等しい。
せっかくのオープンワールドなので、幾つかのクリア目標から、自分で好きに次の目的地を選ぶことが出来れば良かったのだが、そういう仕様にはなっていない。例えば、ステルスアクションは得意なので人間を優先的に相手にして、苦手なゾンビの大群戦は後に回してレベルアップしてから挑むというような選択肢が存在しない。順番に目標地点にバイクで移動してストーリーを進めるだけなので、折角のオープンワールドを活かしきれていないと言える。
フィールドには生き残った人間のキャンプが3つ用意されており、それぞれにはプレイヤーに対する信頼度が設定されている。ゾンビを狩ったり依頼(クエスト)をこなせば、キャンプの信頼度が上昇する。信頼度が一定値に達すると、店売りアイテムが増え、住民の会話時の態度が目に見えて良くなるのだが、それだけのシステムである。信頼度を上げたキャンプによってストーリーが分岐したり、その後の展開が変わったりする仕組みは存在しない。(全キャンプの信頼度を最大にすればトロフィーは貰えるが・・・)
また、キャンプで受注できる依頼にも些か問題がある。どの依頼も、誰々が盗みを働いたから捕まえてこいとか、誰々が捕虜になっているから助けてこいという内容ばかり。後から“実はあの依頼の登場人物が・・・”という驚きの展開があったり、“あの依頼のお陰でゾンビの生息範囲に変化が・・・”というメリットもなく、プレイヤーからしてみれば誰かも分からない唐突に出て来た人物を捕まえに行く(助けに行く)お使いでしかなく遣り甲斐ない。
メインストーリーを補強するような内容であれば、余さずクリアしたくなるが、見ず知らずの相手を追いかけ回すだけで実に退屈だ。単純に依頼内容の練り込みが足りず、数合わせでどうでも良い内容のものが多数用意されているだけである。我慢してプレイをしたところで得られる報酬も、買えるアイテムが増えるだけなので、途中からクエストは完全に無視してメインストーリーだけを進めた人も多いだろう。
肝心のメインストーリーは前述の通り、相棒との友情・妻への愛がテーマだ。旅を続けると、“死んだと思っていた妻の手掛かりが見つかり・・・”という展開である。
なお、相棒のブーザーは非常に良いキャラをしている。ストーリーのネタバレのため詳細は伏せるが、ブーザーにまつわるエピソードは最初から最後まで面白い。バイカーならではの皮肉の効いた軽いノリの会話と、主人公との深い絆は、Days Goneのストーリーで唯一評価できる点であり、妻との感動の再会はブーザーとの友情の前には霞む。Days Goneのストーリーは、ブーザー以外の話は大して記憶に残らないような内容であり、結末も幾らでも続編を作ることができるゾンビ物にありがちなものになっている。
失敗作ではないが、絶対にプレイしたいというレベルでもない
Days Goneはグラフィックが綺麗でフォトモードも用意されており、戦闘やそれを取り巻くシステムにストレスも無く、ゲームとしての出来栄えは良好である。
しかし、ゲームでもドラマでも、巷にはゾンビ物が氾濫しており、それらと比較して目新しさがない。独自の特徴がバイク移動のオープンワールドだけでは弱く、最初から最後まで既視感との戦いである。
序盤の内はバイクの燃料タンクが小さく、排気音も煩くて直ぐにゾンビに見つかるので、給油や戦闘が手間に感じるかもしれない。しかし、それは過酷なサバイバル環境を表現する演出として受け止めることが出来れば評価を下げることは無い。燃料タンクの改造により航続距離が大幅に伸びると快適に移動できるようになり、美しいオープンワールドの旅を楽しむ事が出来るだろう。
Days Gone最大の問題点は、目玉であるゾンビ大群との戦闘を、物語の終盤まで楽しめないという点だ。序盤でもエリアと時間帯によっては大群と遭遇することはあるが、全く歯が立たずに撤退するしかない。
クリアまでにゾンビ大群の殲滅は最低3回行うことになる。大群戦はそれだけを切り取れば高評価だが、どうしても敵の数が多いので準備も含めて時間が掛かる。それがストーリー終盤に集中しているため、フィナーレに向けて盛り上がってきたところで、話の腰を折る原因になっていることも残念だ。
大群の規模を縮小したり、規模が同じでも序盤のゾンビはワールド・ウォー・Z並みに、1撃で死ぬぐらい柔らかくする。あるいは一緒に戦ってくれるNPCを配置するなどして、クリアに必須な大群戦を序盤から終盤までバランス良く配置出来れば評価も上っただろう。PVで紹介されているようなゾンビ大群との戦闘シーンが一向に出てこず、既視感溢れるゾンビオープンワールドに嫌気がさして、メインディッシュとも言える大群戦を経験するまでに投げて低評価を付けたプレイヤーも多いのではないだろうか。
結論として、Days Goneはゾンビ物やオープンワールドの経験が少ない人なら評価は★4の85点ぐらいの良ゲーである。一方で、どちらも経験豊かなヘビーゲーマーであれば、わざわざ時間を割いてプレイする必要はない凡作である。
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