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【GoodJob!】レビュー: ストレスを発散したと思ったらストレスを溜め込む、二面性を持ったパズルゲーム – グッジョブ

点数評価
クリア時間
プレイ状況5階までクリア
プレイ時間約2時間
発売日2020年3月26日
対応機種Switch
プレイ機種Switch
開発元Paladin Studios
発売元任天堂
ジャンルお仕事パズルアクション
ジャンルの考え方
ネタバレ無し
【総合評価】
革新性
ユーザビリティ
ビジュアル
サウンド
プレイ継続性
コストパフォーマンス

GoodJob!は、とある大企業における雑用をテーマにした、お仕事体験パズルアクションゲームだ。プレイヤーは大企業の新入社員として、フロア毎に特色を持った雑用をこなす。お題さえ達成すれば、何を破壊しても、どれだけ時間が掛かっても許されるというストレス発散ゲームである。一方、本気で高評価を狙いだすと独特の挙動に相当なレベルのイライラを感じる、ストレス溜め込むゲームに変貌する。

まずは深く考えずに滅茶苦茶やろう

GoodJob!は、新入社員が仕事を行うと言ってもその内容は、物の運搬,床掃除,水やりなど、バイトの雑用レベルだ。そんな雑用でもこなすことで出世していき、出世する度に一つ上のフロア(次のステージ)に出入りできるようになる。全フロアでお題を達成すればゲームクリアとなる。

フロア毎に特色のあるお題が用意されている。
フロア全てのお題をクリアすると出世。

雑用をこなして出世と聞くと、面倒くさい作業を繰り返しやらされるのかと思うかもしれない。しかし、GoodJob!においては、目的達成の手段は一切問われず、如何なる損害が発生しようとも、要件を満たせば全てが許される。

主人公はオープニングを見る限り縁故入社だ。そのため、どれだけ大惨事を発生させても誰にも何も言われない。ゲーム序盤は、ビル1階の財務部で物を運ぶ雑用をやらされるが、プロジェクターを会議室に持っていくだけで、ガラスは割れ、棚は倒れ、壁に穴が開き、部屋は壊滅的な状況に陥る。

アクション映画レベルの破壊活動の末に、明後日の方向にプロジェクターを設置しても、GOOD JOB!と褒めてもらえる優しい(縁故採用に甘い)会社である。つまり、GoodJob!第一の目的は、とにかく壊しまくり、人に迷惑をかけまくって、その様を見て笑ってストレス発散することである。

という訳で、まずはコネを盾に好き勝手やるサイコパスな新入社員になりきって、破壊の限りを尽くして楽しもう。折角なので、幾つかの滅茶苦茶な仕事を紹介しておく。

ジェットパック式の水やり

制御が効かない機械に乗って大暴れ

現場猫もビックリな運搬

これらの破壊には妙に癖になる快感がある。そのため、ステージクリアを目前に、部屋中のありとあらゆるものを破壊しつくしても良いだろう。間違いなくストレスを発散できる。

コントローラーのHD振動も上手く使われており、限界までコードを引っ張った時には、コードの張りつめた感じがうまく伝わってくる。コードや引っかかったオブジェクトを解放すると、どれだけの被害が発生するだろうか?と思わず想像してしまうこと間違い無しだ。

また、悪気が無くてもついついオブジェクトを破壊してしまいがちである。意図せぬ破壊を目にして失笑し、心を和ませることもゲームの醍醐味である。

Sランク取得は至難の業

GoodJob!は、クリアするだけなら大半のステージは、壁やガラスをぶち破って風通しを良くしてからオブジェクトを運ぶだけでOKなので、一通りクリアするだけなら3~4時間程度で終わってしまうだろう。従って、GoodJob!第二の目的は、必然的にオブジェクトの配置や人の挙動を覚えてからの高評価狙いとなる。

GoodJob!というゲームの名前の通り、良い仕事をすればするほど評価が上がって行く訳だが、“良い仕事”として評価される項目は、時間、損害額、損害数の3項目なので、被害額と被害数を抑えて素早くお題をクリアすれば、晴れてSランクを取ることができる。

Sランク以外には実質的な価値は無い。

仕事の評価はAランクまでなら、損害額を度外視して速度重視で適当にやるだけで取れるが、Sランクを狙いだすと途端に難易度がアップする。

高評価を取るためには、それまで楽しんできた破壊を封印して、真剣にパズルゲームと向き合う必要がある。雑に繋いできた電源ケーブルは、オブジェクトが引っかからないルートを考える必要があるし、大きなオブジェクトが通らないからと壁を破壊することもできないので、面倒くさくても道を片づけて回り道をしなければならない。

GoodJob!は、目的の為には手段を選ばないハチャメチャな新入社員が主人公なので、ちょっとしたミスで面白い絵面になるように故意に操作しにくく設定されている。そのため、いざ真面目に操作しようとしても思い通りに動かずに、あちこちに衝突してばかりだろう。途中までうまく仕事が進んでいても、最後の最後で取り返しのつかない致命的な破壊を発生させてしまうこともある。これがパズルゲームと非常に相性が悪く、高評価を狙う場合は尋常じゃないぐらいにストレスが溜まる。

1階はまだマシだが、2階以降のステージの高評価狙いはガチゲーマーだけで十分なレベルである。高評価狙い以外で楽しめる要素はコスチュームの変更程度だ。狭い足場や高い屋根の上など、如何にも高確率で大参事を引き起こしそうな所に、見た目装備アイテムが置いてあるので、気になった人は集めると良いだろう。

中間的な到達要素があれば更に良かった

前項で紹介したように、GoodJob!はストレス発散ゲーム(破壊)と、ストレス溜め込みゲーム(パズル)の二面性を持っている。単純に“破壊モード”でクリアするだけなら、流石に2000円の安いインディーゲームとは言えボリューム不足だ。一方で、高評価を取ろうとすると、“パズルモード”が難しすぎて大半のユーザーはSランク達成が困難であり、前述の通りAランクには価値は無い。つまり、単純なクリアとやり込みの間に、大きすぎる難易度の落差が存在している。

各プレイエリアに、Sランク評価までのマイルストーン的なミッションが設定されていれば、評価はもう一つ上がっただろう。例えば、“高級品(エリア内で輝いているオブジェクト)を破損させずにクリア”とか、“人にオブジェクトをぶつけずにクリア”のような、ある程度の努力で別けて達成できるミッションが設定されているなら、Sランクを取らないにしてもやり込もうという気になったはずだ。

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