点数評価 | – |
プレイ状況 | クリア 実績395/1000 |
プレイ時間 | 約2時間 |
発売日 | 2018年12月18日 |
対応機種 | Switch/PS4/Steam Xbox (Gamepass) |
プレイ機種 | Xbox Series X |
開発元 | Ben Esposito |
発売元 | Annapurna Interactive |
ジャンル | パズル ジャンルの考え方 |
Donut County (ドーナツ カウンティ)は、プレイヤーが穴を操作して、あらゆるオブジェクトを飲み込んでいくゲーム。何となく塊魂的なゲームを想像するだろう。ゲーム性としては確かにその通りなのだが、Donut Countyはアドベンチャーパートがゲームの半分を占めており、想像以上に会話シーンが多い。友情をテーマにした海外ドラマのような展開が用意されているが、蛇足にしか思えない。バカげた設定はそのままに、飲み込みパズルに特化したゲームにした方が良かっただろう。もっとオブジェクトを飲み込んで、もっと大きく成長したかった・・・。
【総合評価】 | |
革新性 | |
ユーザビリティ | |
ビジュアル | |
サウンド | |
プレイ継続性 | |
コストパフォーマンス |
Donut County (ドーナツ カウンティ)は、プレイヤーが地面にポッカリと空いた穴として行動し、ステージ内の様々なオブジェクトを穴の内部に飲み込んでいくという、実に荒唐無稽なゲームだ。これだけでは意味が分からないかもしれないので正確に書くと、穴はアライグマがスマホアプリから操作しており、街中のあらゆるオブジェクトをゴミと称して集めているというストーリーになっている。ますます意味が分からないかもしれないが、Donut Countyはそういうぶっ飛んだ設定のゲームなのだ。
塊魂のような斬新な発想のゲーム
Donut Countyの主人公は穴だ。プレイヤーは穴を操作して、ステージ内の全てのオブジェクトを穴の中に飲み込めばステージクリアとなる。飲み込む方法は対象物の下に移動するだけなので、ゲームとしては非常にシンプルだ。
何でも飲み込めるとはいえ、ステージ開始時点の穴のサイズは小さく、無理に大きなオブジェクトを飲み込もうとすると引っ掛かる。穴はオブジェクトを飲み込むと一回り大きく成長するので、段階を追って適切なサイズのオブジェクトを飲み込むことが重要である。
ゲーム性は全く異なるが、ステージ上のオブジェクトに影響を及ぼして自分自身はどんどん大きくなっていくゲームスタイルは、バンダイナムコゲームスから発売されている塊魂を彷彿させる。小さな時は思い通りにならないが、成長すればあらゆるオブジェクトを無双できるというゲーム性は、良く似ているだろう。
実際のプレイ風景は静止画だと伝わり難いので、次の動画を参照してもらいたい。最初は小さなゴミぐらいしか飲み込めない穴だが、飲み込みを重ねるうちにサイズが段々と大きくなっていき、机や椅子なども飲み込んでいく。最終的には、ステージ内のオブジェクトは綺麗さっぱり消えてなくなる。
また、単純にオブジェクトを飲み込むだけでは無く、パズルゲームが用意されているステージも多い。次の動画は、静止したウォータースライダーを動かす様子だ。右に見えるガチャガチャからは水風船が提供されるので、飲み込んだ水風船を吐き出してわざと割り、水たまりを作っている。そして作った水たまりを飲み込んで、それを水車に吐きかけることで、水車が回りウォータースライダーが動いている。
スティックで穴を動かして、ボタンを一つ押すだけでオブジェクトを吐き出すので、操作に迷うことは無く直感的に遊ぶことができる。
簡単操作だけで、積み上げられたオブジェクトが物理演算されて転がる様は面白いのだが、意外と爽快感は高くない。なぜなら、ギリギリ穴に入るか入らないかというサイズのオブジェクトが多く、微調整を要するシーンが多いからだ。
また、ステージ内のオブジェクト数はさほど多くなく、片っ端から飲み込んでやったという満足感は余り味わうことが出来ない。塊魂のように広いプレイエリアを期待していると、これからが本番というサイズに成長した場面で終わってしまってしまうこともある。アイデアは面白いが、満足感に対する物足りなさが圧倒的に上回ってくるだろう。
なお、飲み込んだオブジェクトはトラッシュペディアという項目で確認可能だ。トラッシュペディアとは、トラッシュ(=廃棄物)と百科事典(=エンサイクロペディア)を合体させた造語である。アライグマがゴミを集めているという設定から産まれた言葉だ。トラッシュペディアに表示されるフレーバーテキストはなかなかにクセがあり面白いので、ステージ毎にしっかりと確認したい。
海外ドラマ風のアドベンチャーパート要る?
Donut Countyは塊魂ライクなバカゲーだが、アドベンチャーパートのテキストが想像以上に長い。穴パートをクリアする度に、地下999フィートに落下させられた住人たちの会話パートが挿入される。主に穴に落とした張本人であるアライグマが責められて、その友人である人間は自身の立場とアライグマとの関係に少し悩むような内容だ。やや厳しめな言葉が飛び交う海外ドラマ風の展開なのだが、所詮はクリアまで2時間程度のゲームなので、大した展開は用意されていない。筆者としては、このアドベンチャーパートは完全に蛇足に感じた。アドベンチャーパートは全カットで、穴パートに注力しても良かったのではないだろうか。
一言で表現すれば、バカゲーなのに、バカになりきれていない。
このように、Donut Countyはアイデアが光る斬新なゲームだが、余計なアドベンチャーパートの尺が長いためにボリューム不足を感じるゲームだ。1,500円でもコストパフォーマンスは悪く感じる。この価格帯の小粒なインディーゲームは、方向性を絞ってアイデア部分に特化してもらいたいものだ。
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