点数評価 | 60点 |
プレイ状況 | 全ダンジョンクリア |
プレイ時間 | – |
発売日 | 2010年12月9日 |
対応機種 | DS |
プレイ機種 | DS |
開発元 | チュンソフト |
発売元 | チュンソフト |
ジャンル | ダンジョンRPG ジャンルの考え方 |
当記事は、『不思議のダンジョン 風来のシレン5 フォーチュンタワーと運命のダイス』のVitaへの移植版、『風来のシレン5 plus』が2020年12月3日にSwitchへ再び移植されることを受けて作成している。
この度移植されるのは、2015年6月4日にPSVitaで発売された『不思議のダンジョン 風来のシレン5plus フォーチュンタワーと運命のダイス』だが、根本は2010年12月9日に発売された『不思議のダンジョン 風来のシレン5 フォーチュンタワーと運命のダイス』なので、当記事はDS版のレビューとして扱う。
そしてSwitch版のPVが2020年3月に公開されており、それを見る限りでは追加ダンジョンが用意されているような内容が書かれており、新作に飢えているシレンジャーには待望の新作となっている。
しかし、新作が出る度に購入している熱心なシレンジャーではなく、風来のシレン4や5をプレイしておらず、久しぶりにシレンシリーズに手を出してみようと思っている人は注意してもらいたい。シレン5には以下の問題点が存在する。
- HP回復の仕様が昔と異なる
- シレン4から引き続き夜&技が登場
- 製作陣営の自己満足要素がある
アイテム管理が面倒くさくなるだけのHP回復量
不思議のダンジョンシリーズではHPが減ったとしても、歩けば歩くだけHPが回復していく。HPの回復量は作品によって異なるが、最大HPに対する割合で決まっており(初代なら1ターンで150分の1)、HPが増えれば歩くだけでモリモリとHPが回復していた。
しかし、風来のシレン4以降はHP割合回復ではなく、何故か、最大HPが上がるとHP回復量が減っていくという仕様が追加された。詳細な計算式は攻略サイトなどを参照してもらいたいが、HPが増えて200程度になると、2歩でHP1しか回復しなくなる。
割合回復から固定値(しかも圧倒的に少ない)にされたので、必然的に回復アイテムを沢山持ち歩く,盾を大きく強化する,接近される前に倒すなどの対策が必要になる。ストーリークリアまでのダンジョン(事実上のチュートリアル)ならまだ良いが、クリア後の高難易度ダンジョンではこの仕様がかなりのストレスである。
ダメージ⇒自然回復追いつかない⇒アイテムで対処 と言う流れがどうしても発生するので、中盤にアイテムの引きが悪いとジリ貧になる。致命的なミスを犯していないにも拘わらず、中途半端な階層でゲームオーバーになるという、余り面白くない展開が頻発し不愉快な気持ちになってくるのだ。
また、不思議のダンジョンシリーズでは、HPが最大まで回復している状態で弟切草や薬草を使うことでHP上限をブーストできるが、本作ではHPの回復が遅いのでそれらを使うことも一苦労だ。それも考える要素の一つだと言われればそうかもしれないが、管理要素が増えるだけで面白さには繋がっていない。
この固定値回復の仕様はシレン4では非常に不評だった。それがシレン5でも採用された理由は、シレン5がシレン4を流用して低工数で作られた、実質的にシレン4.5的なポジションだからだ。今のスパイク・チュンソフトは、はっきり言って企業体力が無い。そのため、回復仕様を変えて全体的なバランス調整をやり直すのは難しかったのだろう。
技名のセンスの無さが絶望的
風来のシレン5には、風来のシレン4にて登場した『夜システム』が引き続き採用されている。時間が経過して夜になると、夜限定の強いモンスターがダンジョン内を徘徊するようになるのだが、それらの凶悪さは、初代風来のシレンにて峠でハブーンに亡霊武者が乗り移ってマムーンにレベルアップするぐらいのインパクトがある。夜になると、その様な即死級の攻撃力を持ったモンスターが、当たり前のようにポップするようになるのだ。
しかし、夜のモンスターにはワザを使う事で、大ダメージを与えて楽に倒すことが出来る上に、大量の経験値を入手可能だ。ただし、技は使用回数が決められており、夜の敵には通常攻撃は通らないので、技のストックが無くなって囲まれた場合は間違いなくゲームオーバーになる。夜の仕様は賛否両論あるのだが、最大の問題はその技の名前だ。ここでは一番最悪なワザを紹介しよう。
大貫通ドドーン砲!
見て分かる通り、ワザの名称が致命的にダサい。この名称を開発陣の誰も止めない時点で、ゲームの出来もお察しだ。ワザは大量に用意されているので、興味がある人は“シレン5 技”で検索すると良いだろう。他にも信じられない技名が出て来るはずだ。筆者的には、正面3体を即死させる“三匹うぎゃあ破”がオススメである。
ちなみに、この“大貫通ドドーン砲”はスパチュン的には手ごたえを感じているらしく、別のゲームにまで出張登場させている。
不思議のクロニクルという、ひたすら左から右に進んでいくローグライク強制横スクロールRPGと、風来のシレンがコラボした際に、クラス“風来人”として大貫通ドドーン砲を引っ提げたシレンが登場する。シレン5の宣伝を兼ねていたようだがマイナス効果しかない。
これはコラボしない方が良かったのでは・・・
センスは最悪我慢するとして、ワザは専用ダンジョンとして幾つか用意されているだけなら許容できたのだが、最高難易度の持ち込み不可ダンジョンにも登場する。夜と昼はターン経過で切り替わるので、単純にモンスターの出現テーブルが2倍用意されている。前項でジリ貧で面白くない倒され方をすると書いたが、回復アイテム問題は、どの階層を昼と夜どちらで抜けるかという選択肢にも影響してくる。アイテムが足りないから夜に経験値を稼げないとか、HPが減って逃げたら図らずとも即降りしたい階層で夜になってしまったなどが発生し、調整が非常に面倒くさい。
スタッフの自己満足の塊、石像の洞窟150問目
初代風来のシレンには、フェイの問題と呼ばれるパズルダンジョンが用意されていた。風来のシレン5では石像の洞窟という名前でパズルダンジョンが存在しており、何と初代の1.5倍の150問を楽しむことが出来る。しかし、その150問目が開発陣営の自己満足の塊であり、不快でしかない。
一人で正解ルートを考えてるならば、この1問だけで300時間ぐらいは必要なレベルの鬼畜難易度だ。インターネットで情報共有が当たり前の時代なので、SNSなどで解法を活発に議論する前提なのだろう。
どのような内容かは、動画を見てもらった方が早いので以下を参照して欲しい。手順を完全に理解していても、その入力だけで8分以上かかっている。やり方を調べてクリアすれば良いと考えるかもしれないが、wikiなどで手順を見たとしても、何回も失敗して数時間は掛かると思った方が良いだろう。
次の動画は実際に150問目をクリアしようとしている動画だ。途中で何度も呪いの罠を踏んだり、床にアイテムを置いたり、画面外に遠投したりしているのは、決して無駄行動ではなく全て必要行動である。このような異常行動の繰り返しが面白い訳が無い。
結局は買わない方が良いのか?
前3項の不満点を許容出来る人は、Switchの移植版を買っても良いだろう。夜モンスター出現テーブル考えたり、どのアイテムを拾ったら何をするべきか、パターンを細分化して検討する事が楽しめそうな人にはオススメしたい。
また、買うならパッケージ版を手に入れたい。何故なら、“秘蔵図録&風来旅十景”という特典が付いて来るからだ。シレン関連の資料集と言うと、昔はビックリの壺という書籍が発売されていたが、近年はファミ通から攻略本が出るだけでファンが満足できる資料集は発売されていない。
シリーズのキャラクターデザイン担当である長谷川薫のイラストや設定画を沢山見たいのだが、その機会がファンには与えられていない。しかし、今回は特典でようやく願いが叶いそうだ。わざわざ収納ケースでソフトと一緒に保管できるような仕様になっているので、内容にもそれなりに自信があるのだろう。
不思議のダンジョン 風来のシレン5plusを買ったものの、★3で70点程度の出来栄えに不満を持つ人が多いことが予想される。そういう人は、不思議の幻想郷リローデットをプレイすると良い。★5の90点ぐらいの出来栄えだ。シレンジャーであれば、東方だからと毛嫌いしてはいけない。
なお、不思議の幻想郷リローデットの続編、不思議の幻想郷ロータスラビリンスは、カラス避けの反射板として吊るす程度の能力しか持っていないのでクソゲーなのでプレイしてはいけない。(10時間ほどでトロコンなので、トロフィーブースターとしては使える。)
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