点数評価 | 80点 |
クリア時間 | 約30時間 |
プレイ時間 | 約33時間 |
プレイ状況 | ノーマルエンドまで |
発売日 | 2021年2月26日 |
対応機種 | Switch |
プレイ機種 | Switch |
開発元 | クレイテックワークス |
発売元 | スクウェア・エニックス |
ジャンル | RPG ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
ブレイブリーデフォルト2は、3DSで発売された前作が気に入っているのであれば、問答無用で遊んでもらいたいJRPGである。ジョブシステムの面白さは完全に健在であり、一部のジョブが新しく入れ替わっていることにより、ジョブとアビリティの組み合わせの妙を存分に楽しめる。FF5でジョブシステムの奥深さに触れた人であれば、戦闘面の面白さは完璧に近いだろう。(体当たりを除く)
音楽は前作から引き続きRevが手掛けており、前作に負けずとも劣らない素晴らしい出来栄えとなっている。
5年に1回ぐらいは遊びたい超王道JRPG
BRAVELY DEFAULT II(ブレイブリーデフォルト2)は、2012年10月11日に3DS向けに発売されたブレイブーデフォルトをナンバング化した第2弾。ブレイブリーデフォルトは、往年の名作RPGであるFF5の血筋を継ぐ作品であり、多彩なジョブと習得したアビリティの組み合わせで、キャラクターの戦闘スタイルを自由に構築できることが特徴的だった。
また、ターンを先取りして複数回連続行動するブレイブと、ターンを貯めながら防御するデフォルトという独自のシステムが好評を博していた。ブレイブリーデフォルト2でもそれらは健在で、ジョブ名やアビリティの詳細は変われど、ほぼ前作と同様の遊び方が可能である。
ブレイブリーセカンドのことは忘れろ!
ブレイブリーデフォルトIIのストーリーを簡単に説明すると以下の通りだ。
水・火・土・風の4つのクリスタルが奪われた。クリスタルの大いなる力が解放されてしまうと、封印されし”ヤミノヒトミ”が復活し、世界は滅亡の危機に瀕してしまう。亡国の姫グローリアとその仲間達は、封印が解かれる前にクリスタルの奪還するべく旅に出る。
まさに、むせかえるようなJRPG臭の漂う超王道な展開である。この生粋のJRPG感は最初から最後まで貫かれておりクリアまで安心して観ていられる。前作同様にノーマルエンドからの真エンドを目指す形式なので、最後に少しばかり仕掛けは用意されているようだが、前作のように奇を衒った内容では無さそうである。
ブレイブリーデフォルト2は、あまり深く考えずにストーリーを楽しむことのできるJRPGなので、ノスタルジックなファンタジー物に触れたい人にとっては間違いなくベストチョイスとなるはずだ。
ハードが前作の3DSからSwitchに変わり、次世代機としては非力ながらもJRPGの温かみがある情景を描くには十分なスペックが与えられ、その世界観を存分に表現できるようになった。特に街のグラフィックは秀逸で、懐かしさを感じるミニチュアのような世界を楽しむ事が出来る。
操作可能なフィールド上では、プレイヤーが操作するキャラクターに対してかなり強めに焦点が絞られており、前後がボケて奥行きを再現するような工夫がされている。
3Dデフォルメキャラは好みが別れるだろうが、キャラクターの特徴を捉えた表情をしている点を評価したい。狂った様子から冷酷な雰囲気まで、デフォルメキャラでもしっかりと伝わってくる。
ブレイブリーデフォルト2に登場する魔法やアイテムの多くは、前作同様にファイナルファンタジーシリーズに準拠しているので、昔からのJRPGファンなら当然ながら親しみやすいだろう。効果が少々変わっているものもあるが、名前だけで効果の想像が付くものも多いはずだ。
難易度が高めなボス戦が何より楽しい
ブレイブリーデフォルト2の面白さの半分以上は、難易度が高いボスバトルが占めている。
ストーリーの進行にて戦うことの無るボスの大半はアスタリスク所持者であり、それらはジョブ特有の見た目をしている。そのため、次にどんなジョブの誰と戦うかは一目瞭然であり、一切隠す気が感じられず積極的にネタバレしてくるスタイルだ。
例えばストーリーの途中で出会う協力者マルファだが、明らかにFFシリーズに登場する竜騎士の姿をしているのでアスタリスク所持者であることは明白だ。そして、アスタリスク所持者であれば、味方であったとしても何かしらの理由を付けて戦うことになることが分かる。修行の一環で戦うのか、裏切りが発生するのか、という予想を立てながらストーリーを読み進めるのも楽しみ方の一つだ。
事前にボスのジョブが分かっているので、どのような攻撃をしてくるかも大体想像が付いてしまうが、それでもボス戦は圧倒的に面白い。それはやはりブレイブとデフォルトの特殊なターンシステムのお陰だ。
こちらがブレイブで複数ターン連続行動をしたり、デフォルトでターンを溜めたりするように、ボスもブレイブとデフォルトを使いこなして大ダメージを与えてくる。弱体を掛けてから連撃を放ってきたり、回復魔法連打で今までのダメージを全て無効化されたりと、ボス戦の度にブレイブ&デフォルトの活用方法に驚かされることだろう。
ボスは体力が減ってくると行動パターンが変わり強化される。ゲームの序盤であれば仲間が倒されても、レイズ→ケアルラ→念のためプロテスのように、ターン先取りで回復とバフをまとめてやれば十分に耐えられることが多いが、パターン変化後は回復が追い付かなくなる。そのため、敢えて蘇生しない・回復しないという選択も重要となり、プレイヤーの判断力が試される。
加えて、今作からの新要素として追加された、カウンターとジャマーがボス戦の難易度を大幅に上げている。
カウンターは名前の通り、こちらが攻撃に対する反撃だ。聞き慣れないジャマーとは、特定の行動に反応して発現する行動である。例えば、アイテムに対するジャマーを持っているボスの場合、仲間にポーションを使うとそれに反応して強力な攻撃を挟み込んでくる。ジャマーの対象は当然ながらアイテムだけではなく、デフォルトや特定のジョブのアビリティであったりと多岐に渡り、戦って実際に発動されるまでは詳細が分からない。
カウンターとジャマーは確率で発動するとはいえ、こちらが迂闊にブレイブで4回連続行動を取ると、最悪の場合は4回も手痛い反撃を受けることになる。そろそろトドメとばかりに、バトルスピードを4倍速再生にして4回行動をしたところ、ジャマーが4回飛んで来て、気が付いたらこちらが全滅していたなんて失敗は、多くのプレイヤーが一度は通る道だろう。
途中まで優勢だったはずが、気が付いたらカウンターとジャマーで劣勢になっていることもあり。
ボスに対して気持ち良くブレイブ攻撃を決めることが出来なくなったので、カウンターとジャマーのシステムは賛否両論あるだろうが、個人的には一度ボスで全滅してから、相手のカウンターとジャマーを踏まえてジョブとアビリティと組み合わせを考える作業が実に楽しかった。この仕様を受け入れる事が出来るかどうかが、ブレイブリーデフォルトIIを面白いと感じるかどうかの分かれ道と言っても過言では無いだろう。
手持ちのジョブの育成具合によっては打つ手無しになる場合もあり、その時には潔くジョブのレベル上げをするしか無い。幸いにも意図的に特定の種族のモンスターと連戦できるアイテムが用意されているので、レベル上げ自体はさほど時間が掛からず苦ではない。
ちなみに、魔法使いタイプのボスであれば、ヴァンガードやシールドマスターのようなタンク職と白魔導士で回復し続けて、MP切れまで粘るという戦法を取ることで、強引に突破することも出来る。
めでたくボスを倒すことが出来れば、お待ちかねの新ジョブ解放である。新ジョブ解放からのアビリティ確認の瞬間はまさに至福。習得可能アビリティには、戦闘中に選択して使うコマンドアビリティ以外にも、決められたコスト内でセットして常時発動するタイプのアビリティも用意されいる。これらの組み合わせから、今後の育成方針をあれこれ考えることも楽しい頭脳労働だ。
以上のように、カウンターとジャマーに悩まされ続けながらも勝利の糸口を見つけ出すボス戦はプレイし甲斐がある。しかし、ザコ敵までカウンターとジャマーを使ってくることについては少々面倒くささを感じた。
ブレイブリーデフォルト2のザコ戦は前作同様に、仲間全員でブレイブで4回連続行動し、1ターンキルを達成することが前提のバランスだ。そのため、ザコ敵の同時出現数は多めに設定されており、5,6体同時に出現することもザラだ。そのため、ジョブや武器相性が悪く1ターンで倒し損ねたり、ザコ敵のジャマーを発動させてしまうと、こちら2回目のターンが回ってこずに全滅する危険がある。特に、同じモンスターが複数体出現している状態でジャマーを発動させてしまうと、こちらが1回行動しただけで、場にいるモンスターの数だけの反撃を貰うこともあり厄介だ。
ザコ戦でまで考えて深く考えてプレイするとなると、多くのプレイヤーは面倒くさく感じてしまうだろう。その場合は、攻撃用の消費アイテムを買い込んで、積極的にそれらを使って戦闘をショートカットしよう。金は掛かるが結局は時短になるのでトータルで考えれば損はしないはずだ。
物理攻撃アイテムの場合、ダメージは350と固定だが、手裏剣や投げ斧など武器属性を敵の弱点に合わせたり、盗賊の攻撃アイテム強化のアビリティと組み合わせることで、敵全体に大ダメージを与えることができる。アイテムを賢く使って時間的なショートカットをしていきたい。
無視できない不満点も幾つかある
ブレイブリーデフォルト2は、王道のストーリーやボスバトルの楽しさは高評価だが、作品全体を手放しに褒めたたえることは出来ない。特に以下の3点は減点の対象である。
最大の問題点はロード時間の長さだ。小さなマップであっても、画面が切り替われば確実に数秒のロードが入る。JRPGでは街からフィールドに出てから、“アイテムを買い忘れた”と思い出して再び街に戻るなんてことは日常茶飯事だが、その出入りだけで合計10秒弱のロスが発生する。
また、街の中で人に話しかけただけで一瞬フリーズするし、ストーリーの進行に合わせて任意で楽しむ事の出来るパーティチャットを開いても数秒の読み込みが発生する。特にパーティチャットでロード時間を取られる事は致命的だ。パーティチャットでは、ストーリーの補完として登場人物のバックボーンが語られたり、街での出来事について仲間内で回想するような内容が多く、王道JRPGにおける重要な世界観の構築要素である。折角パーティチャットが多数用意されているにも関わらず、ロード時間の長さから開くことが億劫になってくる点は実に残念である。
ブレイブリーデフォルト2では、ゼルダの伝説の如くフィールド上で剣を振ることで草を刈り取ることができる。剣を振るアクションは元々、敵シンボルに対するエンカウント時の先制攻撃や、ダンジョン内の隠し通路を見つけるためのアクションだが、そこに特に意味も無く草を刈ってアイテムや装備を手に入れるという仕様が追加されている。
フィールドの草を刈っていると、進行状況から考えると妙に高額な装備や資金が手に入るため、せっせと草を刈ることになりストーリー進行の腰を折ってしまうことになる。草刈りをしなければ良いだけだが、高価なアイテムが手に入るため、特定のエリアの草を刈れば何か限定アイテムでも出るのでは?と、考えて草刈りせずにはいられない。結局最後まで限定アイテムが出たのかどうかは分からなかったが、草刈りがパーティの戦闘能力向上に繋がったことは間違いない。しかし、それはJRPGらしくレベル上げで達成したかった。
ブレイブリーデフォルト2には様々なジョブが用意されているが、“すっぴん”が覚える体当たりが異常なまでに強いという問題がある。
体当たりはBPを1消費して、攻撃力に装備重量も加味したダメージを与えた上に、行動を遅らせるという技だがこれがとにかく強い。1回の行動に加えてBPを1消費するため、体当たり1回で2ターン行動したことになるが、それでも十分にお釣りがくる性能であり、加えてピクトマンサーの“サブBP節約”をセットして、すっぴんをサブジョブにセットすると、無制限に体当たりを撃ち放題になる。狩人の固有特性“バラージ”と組み合わせればダメージも10%づつ上昇していくので、メイン狩人+サブすっぴんの組み合わせにて体当たりを4連打する戦法が、相手の属性を無視したお手軽強攻撃として最後の最後まで使えてしまう。
ジョブとアビリティの組み合わせの妙を楽しむゲームにおいて、遊びの幅を狭めてしまうという結果になった。
サブBP節約でBPのデメリットが無くなると、命中率の低さだけがネックになる。しかしそれも、狩人を筆頭に、比較的に命中率の高い軽装系アタッカーで使えば問題なく、威力は装備重量を参照と言いつつも、軽装でも十分なダメージが出てしまうダメージ計算式も問題だ。
これらの3つの問題により20点の減点をしている。体当たりと草刈りはどうにもならないが、読み込み速度に関してはSteam版を遊べばそれなりに解決すると思われる。パッケージ版に拘らないのであれば、SteamのDL版をプレイしたい。
評価ポイントのまとめ
ブレイブリーデフォルト2は明確な3つの問題を抱えているが、王道PRGに飢えていたり、FF5のジョブシステムに特に深い思い出を持っている人には間違いなくオススメ出来るゲームだ。難易度もノーマルとハードが用意されており、前述の体当たりを多用しなければノーマルでもRPGとしては難易度は高めなのでやり応えも十分。また、音楽も前作同様にRevoが担当しており、サウンドトラックはファン必携の出来栄え。
長所
- 超王道のJRPG
- 奥深いジョブシステム
- 遊び応えのある難易度
- 素晴らしいサウンドトラック
短所
- ロードの遅さ
- 無駄な草刈り
- 体当たりが強すぎる
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