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DEATHLOOP(デスループ)【レビュー/評価】ストーリーに集中できる配慮が嬉しい、サンドボックス型の暗殺FPSアドベンチャーゲーム

評判/点数/感想
  • 5段階評価:★★★★☆
  • 点数:85点
  • 感想:オンライン以外は満点に近い。
  • レビュー投稿時の進行状況:クリア
  • プレイ時間:約15時間
  • トロフィー:58%

DEATHLOOP(デスループ)は2021年9月14日にPS5向けに発売された、Arkane Studios開発のアドベンチャー要素の強い、サンドボックス型のFPSゲーム。販売はマイクロソフトに買収されたことで有名なベセスダ。

ベセスダが販売する最後のPSタイトルとなるDEATHLOOPだが、シューター、謎のループ、死ぬと最初からという設定から、発売前までは同じくPS5で発売されたRETURNALとテーマ被りをしているのか?と思われていたが、いざプレイしてみるとプレイバリューは全く異なるものだった。

【ネタバレ考察追記】RETURNAL(リターナル)【レビュー/評価】ローグライクの様式美を踏襲しつつも、弾幕系TPSとしても抜群の面白さ

ゲームのアクション部分こそはFPSだが、ゲーム進行はクエスト型のアクションアドベンチャーや、アクションRPGに近い。また、単純にループするのではなく、次のループにて主人公コルトが過去のループで得た知識に従って動くことで、暗殺ターゲットは前回とは全く異なった行動を取り、次々と新たな展開が繰り広げられる。また、全体的な行動指針は示される一方で、各目標の攻略方法の詳細はプレイヤーに委ねられるサンドボックスゲームとしての側面も持ち合わせる。さらに、オンライン対戦要素として、他人のタイムラインに暗殺者ジュリアナとして侵入する敵対プレイも用意されている。

ネタバレ厳禁なゲームなので、当記事はストーリーの核心に触れない形でレビューする。

1.ストレスフリーな誘導と、飽きの来ないループ展開が秀逸

DEATHLOOPをプレイして真っ先に感じたことは、プレイヤーがストレス無くアドベンチャーパートを楽しめるように配慮されているということだ。

ネタバレしない範囲でゲームの目的を説明すると、主人公コルトは、大目標として人工的に作り出されたループを抜け出すことを目指す。コルトは記憶喪失な状態からスタートするが、何らかの理由で死んだり、生き残って1日を終えたりしても、前のループの記憶を引き継いだ状態で1日の最初に戻る。また、ループを継続させるためにコルトを付け狙う暗殺者ジュリアナも、コルト同様に記憶を引き継いでループしている。

ジュリアナの襲撃を回避しながらループに閉じ込められた島を調査すると、ループを抜け出すには1日で7人のヴィジョナリーという特殊能力者を始末する必要があることが分かる。島には4つの箱庭型のオープンフィールドが用意されており、朝・昼・午後・夜の4つの時間帯で警備状態や移動可能ルートなどの様相が変化する。1エリアを調査する度に時間帯が1つ進むので、4エリア×4時間帯=16種類を地道に調査し、4回調査または殺される度に朝へ戻ることを繰り返し、どうにか1日で7人を始末する方法を考えることになる。

電子端末を操作すると、グループチャットでコルト以外が情報共有しているグループチャットが度々見つかる。

7人の行動パターンを調べるなんて難しいと思うかもしれないが、次に何を調べるべきかは全て、メニュー画面の”ヴィジョナリーの手掛かり”という項目に表示される。そのため、プレイ開始からクリアまで、プレイヤーが次にやるべきことを見失って途方に暮れることはまずない。

ヴィジョナリーの行動パターンはツリー形式で整理されていく。

また、次に調査する目標をセットすれば、いつの時間帯に、どこのエリアに入れば良いか表示される。更にエリア内でも、目標物付近までオレンジ色の菱形でガイドが表示されるし、プレイヤー進行方向には謎の文字が浮かび上がり、危険な道や行動指針を示してくれる。

調査と言いつつも、ARPGでクエストをこなしているような感覚に近い。

画面のオレンジに向かって走ればとりあえず何とかなる。

エリア内の目標地点を調べれば、次の目的地の写真、厳重にロックされた扉の解除パスワード、ヴィジョナリーの行動パターンなど、謎解明に有益な情報が手に入る。調査で得た情報は、プレイヤー自身で何かメモする必要は無く、全て資料としてアーカイブされていく。目的地系の情報に関しても、全て行先ガイドが表示される。そのため、序盤に入れなかった扉や、開けられなかった金庫の場所という位置情報は、一切自分で暗記する必要は無い。

資料類は全て後から閲覧可能。パスワードも一度見れば自動入力出来る。手動も可。

赤丸が付けられた写真を発見。次はこの4カ所に行けば良いが、場所が良く分からなくてもガイドで案内してくれる。

効率良くガイドに従って目標に向かって行けば、1日の1エリアは早ければ5分、戦闘が長引いても30分もあれば調査は完了する。 それを何度も繰り返し、ループの謎を解き、効率良く7人始末する方法を考えるゲームなのだが、上記のように行先については丁寧なお膳立てがされており、実際にプレイヤーが楽しむのは、調査的な思考部分ではなく、断片的な情報がピースのように当てはまる過程である。

ガイド機能が親切で、得た情報の暗記は最低限だけで済むので悩まない。

なお、ガイドを切って完全にコルトとしてのロールプレイも可能だ。しかし、敵の動きや回収品の位置など、情報量が非常に多いので、ガイド無しの場合は相当な記憶力が試され、しっかりとメモやスクショを取る必要があるだろう。クリア時に大きなカタルシスを感じたいのであれば挑戦しても良いかもしれない。(エンディング自体はあっさりしている。)

情報を発見すれば、新しい指示が出る。それに従えば必ず次に進む。ヒントも常に確認可能。

ループをする度に情報を蓄積していけば、最初は1日でせいぜい2人しか始末できなかったところが、3人4人と増えて行く。例えば、最初はタイマンで戦って倒していたヴィジョナリーも、別のヴィジョナリーと交際状態にあることを知ったのであれば、特定の時間帯に2人の密会現場に向かえば2人同時に始末できるようになる。また、特定の嗜好を知ることが出来れば、自ら手を下さなくても、自動で始末することが可能になる。ループを繰り返し、クエスト形式で情報を収集して行けば、最終的に1日で7人を始末できるようになる訳だ。

花火が大好きなヤツは、花火に細工してやれば勝手に暴発して消えてくれる。

全ての情報が出揃った最終局面では、親切に行動順序を整理してくれる。

1日で7人を始末する算段が整ってくるまでの流れが兎に角親切で、プレイが停滞することなく一人また一人と暗殺準備が整ってくる気持ち良さは絶妙。ストーリー展開の続きが気になって止め時を失ってしまうこと間違い無しだ。ループ物でプレイエリアが4つしか無いにも拘らず、既視感を余り与えないストーリー構成には驚きである。1日の始まりにジュリアナが憎まれ口を叩いて通信してくるのだが、種類が豊富でストーリーの進捗によっても変化するので、一度も同じ内容を聞いたことが無い。ループの開始直後に新しい会話が入ることで、プレイヤー側の意識もフレッシュになるのも嬉しい。

次に、何度もループすると聞くと、何度も同じ敵と戦うことを意味するので、暗殺パートでは飽きることを心配するのではないだろか?しかし、それについては、冒頭に記載した通りサンドボックスゲームとしての側面を持ち合わせているので、プレイヤーは自分で好きな暗殺パターンを選ぶことが出来る。例えば、仮面を付けたパーティ会場でターゲットが分からないのであれば、思考を放棄して何十人も居る参加者全員を片っ端から始末しても良いだろう。その方法は会場を正面突破して大乱闘しても良いし、外からゆっくりと狙撃しても良い。しかし、スマートに行きたければ、ターゲットの好きな音楽をパーティ会場に流して、ターゲットを躍らせることで特定したり、装備品をしっかり観察してレア品を持っていることからターゲットを特定することも出来る。飲みたがっているビールの供給をカットして、ビール設備の不具合をノコノコと調べに来たところを始末するなんてことも出来る。

サンドボックス型の暗殺ゲームと言えばHITMANが有名だ。あのゲームのように凄まじい自由度が用意されている訳では無いが、どのターゲットにも幾つかの暗殺手段が用意されている。シチュエーションの変化と、手段の変化でクリアまでのループで飽きることはまず無いはずだ。

2.ステルスから無双へ変化するFPSパート

まず、ループ物と言っても、DEATHLOOPはRETURNALのようなローグライクゲームではない。ループ物なので1日の終わりには全ての武器を失うが、レジドゥムというエネルギーを消費することで、拾った武器や倒したボスから奪ったスラブという特殊能力を次のループに残すことが出来る。残したアイテムは次の1回だけでは無く、永続して引き継がれていく。

レジドゥムはフィールド上のアイテムや、倒したヴィジョナリーから入手可能。

スラブ、武器、武器の性能アップ、身体能力のアップという4つの項目で主人公を強化できる。コルトはプレイ開始時、何も特殊能力を習得しておらず、直ぐに弾詰まりを起こす弱い銃しか持っていない。そのため、ヴィジョナリー以外のザコ敵にも苦労する。弾も潤沢ではないので、物陰に隠れながらのステルスキルが主体となる。

後ろから近づいてR1を押せば音を立てずにステルスキル。

しかし、便利な特殊能力や強い武器を次のループに残すことが出来れば状況は一変してくる。例えば、2段ジャンプと、与えたダメージが近くの敵に伝播するネクサスという特殊能力を手に入れたとする。それであれば、密集している敵集団に屋根から近づいて、ネクサスを当てた後に一人にヘッドショットすれば、弾1発でまとめて複数人を倒すことが可能になる。

特殊能力は繰り返し手に入れることでアップグレードも出来る。

身体能力は、防御アップ、ダッシュ速度アップ、毒ガスで回復など様々。

与ダメージで自分のHP回復機能が手に入ると、正面突破も楽々。

特殊能力には、例に挙げたダメージリンクのネクサス以外に、透明、ワープ、吹き飛ばしなど便利なものが揃っている。最初はステルスキルで慎重に進んでいくコルトだが、ループを繰り返せば恐ろしく強くなっていく。ゲームの終盤には、一般的なFPSのように正面からの撃ち合いを通り越して、ヒーロー系シューターのように特殊能力と強力な銃で無双するようなアクションに変わってくる。

!が出て見つかろうがお構いなし。発見された瞬間に返り討ち。

侵入してくるジュリアナ(NPC)は寧ろボーナスゲームと化す。

このように、戦闘もループを重ねるごとに様相が変わってくる。序盤はステルスアクションを楽しみ、ステルスが面倒になってきた頃には強行突破も楽になっているという仕組みだ。しかし、こちらが強くなるとヴィジョナリー戦が消化試合になるので、こちらの強さに合わせて大幅にステータスを強化したり、もう少し能力バトルに寄せても良かったように感じる。ボス戦に力を入れると1ループに時間が掛かるので好みの問題かもしれないが・・・。

FPS&ステルスなので、この手のゲームに慣れてない人にはやや難しいかもしれないが、ループを重ねれば確実に強くなれるシステムは救済要素でもあるのだろう。

リザルト画面では、結果に応じてコルトやジュリアナの動きが変化する。

3.オンライン対戦要素は完全に調整不足で不満

DEATHLOOPはオフライン要素は概ね高評価なのだが、オンライン対戦の仕様については残念の一言。

ダークソウルの赤ファントムのように、他人のタイムラインに侵入するモードが用意されており、侵入されるとコルト側は、中身がNPCから人間になったジュリアナと対戦することになる。侵入側はジュリアナを操作して、コルトを始末することでループの継続を目指す。元から存在するジュリアナの中身が生身になるだけなので、お手軽な対戦要素に見えるが実際にはうまく回らない。

ジュリアナがNPCの場合、積極的にコルトの目の前に現れて襲ってくるが、中身が人間になると必然的に待ち伏せがメインとなる。また、コルト側は、ステージを脱出するにはジュリアナが設置したアンテナを停止する必要があるため、絶対にアンテナに近づく必要がある。そのため、侵入側が安全に勝ちたい場合は、アンテナの近くで待ち伏せが鉄板となる。更に、ステージと時間帯から、侵入側は概ねコルトの目的の想像は付いているので、アンテナ近くで無くても待ち伏せはしやすい。当然、コルト側も待ち伏せされていることは理解しており、負けてループが最初からやり直しになると面倒なので慎重になる。そうなると膠着状態が15分~30分続くこともザラ。

侵入される側のリスクの大きさと、コルトがアンテナへアクセス必須という二つの条件によって、対戦が全く噛み合わない残念な仕様となっている。

侵入側が痺れを切らして対戦を捨てるまで、安全地帯で待機することも多い。

侵入してもされても余り楽しくなく、長時間の睨み合いが時間の無駄に感じたので、筆者は途中からシングルプレイモードに切り替えてクリアまで遊んだ。目玉の一つである敵対侵入プレイが完全に死んでいたことは非常に残念だ。

とはいえ、侵入要素が無かったとしても、サンドボックス型FPSアドベンチャーゲームとしての完成度は高く、PS5を持っていてシューターに抵抗が無いのであれば買って損は無い作品である。また、前述の通り、アドベンチャーゲームとしての完成度も高いので、シューターが苦手でも挑戦する価値はあるだろう。

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