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スーパーロボット大戦30(スパロボ30)【レビュー/評価】革新的な進化は無いが、小さな改善の積み重ねにより、遂に良ゲーの域に達した

評価: 
オススメ作品

総評/評判/感想
30年というスパンで比較すると当然ながら目覚ましい進化を感じることが出来るが、ここ15年は牛歩の如き進化速度であった。しかし、スパロボ30では心機一転、ついに参戦作品毎のテンション落差と、難易度問題に手を付けようとした努力を感じられた。初代から遊んでいるシリーズファンとしては厳しい意見も言いたくなるが、これからも愛され続けて欲しいと思わされた作品。

点数評価75点
プレイ状況後継機が概ね出揃い
プレイ時間約20時間
発売日2021年10月28日
対応機種Switch/PS4/Steam
プレイ機種PS4版をPS5でプレイ
開発元B.B.スタジオ
発売元バンダイナムコエンターテインメント
ジャンルSRPG

本来であればクリア後にレビューを投稿したいところだが、スパロボはネタバレ防止の観点で、最初の数話以降のスクリーンショットは禁止されている。そのため、当レビューでもネタバレを含む記述は避ける。加えて、中盤程度まで進んだ段階でシステム部分の評価は固まったので、レビューを投稿するという判断に至った。

1.スパロボ30のレビューの前に・・・

スパロボの歴史は古く、初代スーパーロボット大戦は1991年4月20日発売だ。そこからシリーズを出し続け、30年の間にスピンオフも含めると50作品以上が発売されている。シリーズ最大の特徴である”夢の競演”は、「ロールプレイングビデオゲームシリーズにおけるIPライセンス最多数(2021年)」を誇るRPGとしてギネス認定される程である。

このように、スパロボは30年も続くヒットシリーズだが、ゲームとしての評価はハッキリ言って低い。スーパーファミコンで展開されていたシリーズ初期は、激ムズSRPGという位置付けであったものの、2000年代に始まったαシリーズ以降は次第に緩和され、2008年から始まったZシリーズの頃からは難易度の低下が著しく、SRPGとしての価値は大きく損なわれた。特に、2010年代のZシリーズ中盤以降においては、ゲッターロボを筆頭に強ユニットを延々と動かし続けるだけで、殆どのステージを1,2ターンでクリア可能という、幼児向けの知育ゲームの方がまだマシなレベルの、地獄のようなプレイフィールであった。

また、各社IPが共演するゲームなので、シナリオのご都合主義には目を瞑るとしても、各話の雰囲気はメインとなるIP作品によって異なる。そのため、シリアス路線が続いていたはずが、急に古典的な勧善懲悪路線が始まり、そこへ強引な会話のクロスオーバーが展開されるため、どうしてもテンションの不揃いさが目に付き、特定の参戦作品に対する不要論に繋がりがちでもあった。

長らくこれらの不評部分に手を付けずに、ブランドイメージに胡坐をかいて続編を出し続けて来たスパロボシリーズだが、本質的なゲーム部分が面白く無いので、売り上げは当然ながら右肩下がりとなった。そこで、落ちた売り上げを補填するためにバンナムが取った方法は、アニメーションを使い回し、敵の武装は1,2種類まで減らし、シナリオ分岐は質素にするという工数削減である。つまり、ゲーム開発者としての努力をせずに、”ロボット物”という部分を評価して買い続けてくれている古参ユーザーの満足度を下げることで利益を確保した訳だ。当然ながらこれらの悪手はユーザーの更なる不評を産む結果となった。

ロボット大戦に出て来る地球の如く、ロボット大戦は最早シリーズ存続の危機に立たされていた。そんな中、30周年記念作品として満を持して発売された作品が、スーパーロボット大戦30である。ゲッターロボアークの遠い未来にて、滅亡の危機に瀕した人類を救うべく地球から発進したゲッターエンペラーの如く、スパロボ30はスパロボシリーズの救世主と成り得るのか?と、注目されていた訳だが、結論から言うとスパロボ30は、従来のスパロボシリーズから大きく進化していない。

しかし、スパロボ30は、記事タイトルにもあるように、革新的な新しさは無いが十分に良ゲーと言える域には達している。(ただし、バンナムお得意のDLC商法は除く。DLCは買っていないので評価の対象外とする。)

中核をなすSRPGとクロスオーバー部分の基礎はそのままに、完璧では無いものの前述の問題点をある程度改善し、戦闘アニメーションには磨きがかかり、UI関連も現代風にブラッシュアップされている。一方で、従来通りの(VXTのような)脳死プレイも可能となっており、変化を好まない層の受け皿としても十分に機能している。スパロボ30をプレイしたところ、長年に渡って継ぎ足し続けて来た秘伝のタレが、30年経って遂に完成したような印象を受けた。そのお陰で、筆者的には評価が万年★3だったスパロボが、PSのα振りに★4となった。

2.興味の無い作品を飛ばせることの有難さ

スパロボ30で最も大きな変化点は、タクティカル・エリア・セレクトというシステムの導入だ。簡単に言えば、好きな作品のシナリオだけをプレイ出来るシステムである。各ステージはキーミッションと通常ミッションに分かれており、従来のスパロボに当てはめれば、キーミッションが共通ルート、それ以外は分岐ルートである。最短でゲームをクリアしようと思えば、キーミッションだけをプレイすれば、各作品の仔細は省略して重要な展開だけを追うことが出来る。

全ての隠しユニットを得るためには、全ミッションをプレイする必要あり。

キーミッションだけを追ったとしても、通常ミッションで加入させることが出来たキャラクター達は別のタイミングで加入することになるし、隠しユニット以外のユニットは後から入手可能となっている。ただし、キャラクターゲームおいてミッションを飛ばした時の損失(=加入経緯の詳細が分からない、隠し機体を使えない)は大きいので、キーミッションだけを追うようなプレイの仕方をする人は殆ど居ないだろう。

これだけ参戦作品が多いと、作品の好き嫌いの一つや二つは必ずあるものだが、タクティカル・エリア・セレクトを使えば、興味が無い作品はキーミッション以外は飛ばして、好きな作品のステージを連続して遊ぶこと可能になっている。これにより、前述した作品毎のテンションの不揃い感による不満は大きく軽減される。特に従来のスパロボにおいては、嫌いな作品のパワーアップシナリオは飛ばしたい展開ナンバーワンだろう。全く育っても居ない無改造ロボが単機出撃し、仲間が合流するまで耐え続ける展開が続くのだから、これほど面白く無いものはない。このようなシナリオを遊ばなくて良いという選択肢を与えられたことは非常に大きい。

条件を満たせばパワーアップシナリオが発生することも。特定キャラクターを使用しなければ、そのようなシナリオは発生すらしない。

また、各ミッションを攻略する順番がプレイヤーに委ねられるということは、部隊員の顔触れが人によって大きく変わるということである。部隊員が異なれば、当然ながら発生する会話パターンに変化が生じる。例えば、スパロボ30発表時に話題になった、アムロが武蔵とハヤトに教えてもらった巴投げが役にたったというイベント。これを見るためには、竜馬加入ミッションを遊ぶ前に、アムロ加入ミッションをプレイする必要がある。更に、アムロ加入ミッションは、ナラティブ関連と見せかけてクワトロが加入するミッションをクリアすることで発生する。

発表時に公開された画像より。

このように、シナリオの分岐と言うレベルでは無いが、特定の順番にミッションをクリアした時にだけ発生する会話が色々と用意されている。周回プレイする際には、プレイするミッションの順番を変えて、異なった会話を見つけるという楽しみ方もあるはずだ。

キャラクターの加入ミッションを無視した結果、キーミッションで合流した際には専用の会話が用意されている。

タクティカル・エリア・セレクトは、特定の作品の不要論に繋がる不満を抑制し、さらに会話の組み合わせを探す楽しみも増えた、実に良い取り組みであると言えるだろう。

3.スパロボで約20年ぶりにまともなSRPGを遊べる

スパロボシリーズ最大の問題点とも言える、余りにも簡単過ぎるSRPGパートについては、スパロボ30にて遂に劇的な改善が行われている。

従来のスパロボ作品にもゲーム難易度のシステムは用意されていた。その多くは、戦闘で特定の敵を逃がさずに倒したり、規程ターン内にステージをクリアするなど、特定の条件を満たすことで難易度が変化して、腕前に応じた難易度を楽しむことが出来るというもの。しかし、これはあくまで建前上の話であり、全ステージで全条件達成はともかく、ハードモード相当に到達する条件は非常に緩く、ハードモードと言いつつも、実態としては一般的なSRPGのイージーモード未満の難易度であった。一通り戦闘アニメを見た後は、ゲーム内でルルーシュが幾ら戦略だの戦術だのと喚いたところで、ひたすらに負ける事の無い消化試合を繰り返すだけの、まさにプレイするだけ時間の無駄というレベルだった。

スパロボ30では、従来のSRポイントのような進行に応じて難易度が変わる制度は廃止されている。代わりに、ゲーム開始時にビギナーズ、ノーマル、ハード、エキスパートの4段階から難易度を選べるようになっており、エキスパートモードであれば、一般的なSRPGのノーマル~ハードの中間程度の適度な難易度となっている。

歴戦の勇者たちはエキスパートで遊べと書かれている。

エキスパートモードの場合、無改造であれば、リアル系機体はNTのような特殊技能持ちでも、精神コマンドの集中を使っても精々40~50%ぐらいしか避けず、スーパー系機体は精神コマンド無しでは殆ど当ても避けもせず、4発程度しか耐えることが出来ない。特殊技能を持たないリアル系は人権無し、スーパー系も敵大型機の前では紙屑同然という、ウインキー時代のスパロボほどの難易度では無いものの、エキスパートモードは2000年代以降のスパロボでは一番難しいと思われる。

2000年代以降のスパロボは、話数が進めば進むほどに、資金稼ぎを意識しなくても潤沢な資金が手に入り、縛りプレイをしなければ味方が過剰に強くなり過ぎる問題が在ったが、タクティカル・エリア・セレクトによるミッション選択性になったことの恩恵は非常に大きい。プレイヤーがSRPGとしての面白さを求めるのであれば、2軍送りが想定される作品のミッションは飛ばせば良い。つまり、簡単過ぎるからと縛りプレイをせずとも、与えられた本来のゲーム仕様内で、プレイヤーの裁量で成長度合いを調整出来るようになっているのだ。

ただし、全シナリオを見たいという人は、バランス崩壊を覚悟してプレイするか、更なる縛りを自分で追加するしかない。

なお、序盤から意図的にサイバスターやSRXに集中して資金を投入すれば、やはりバランスは崩壊する。この2体は序盤から頭一つ抜けて強いが、初回特典DLCなのでそこは目を瞑るとしよう。

一方でSRPGが苦手でゲームが難しいと感じた際には、オプションから難易度を直接変更しても良いが、強力な強化パーツや手に入れることが出来る遺産ミッションや、過去に戦ったネームドキャラが再演するシミュレーター系のミッションという、所謂”稼ぎミッション”をクリアすることで部隊の強化を図ることが出来る。遺産やシミュレーターは、基本的に救済要素なので、これらを全てクリアしていくと、ゲームバランスは崩壊するので注意してもらいたい。

古代文明の遺産を調査すれば、機体の強化に貢献。

スパロボシリーズの7割はクリアしてきた筆者の場合、エキスパート・遺産封印・シミュレーション封印でもまだヌルい。取得資金/経験値が少なくなる・改造による性能上昇度合いが低くなるなど、味方の強化が緩やかになるような、エキスパートの更に上の難易度が欲しかったところだ。何故なら、敵の強さはともかく、最近のスパロボは10段階改造ボーナス以前に、5段階改造ボーナスも用意されているので、昔と比べて強さの上昇速度が早いのだ。例えば、宇宙スタートなら、5段改造ボーナスが圧倒的に優秀(移動力+2,装甲+200,運動+20)で、対射撃バリアと強力なステータス底上げ系の特殊能力を2種類持つ、ローズスリー単騎で序盤は無双出来てしまう。また、弱機体であっても、ガンブラスターのシュラク隊総攻撃のように2軍キャラの召喚獣化や、ファーストガンダムの連続攻撃のような戦法を武装化したものが追加されているため、全体的に攻撃力が底上げされていて無改造でもそれなりにダメージが通ってしまう。

昔ならダメージ10だったが、召喚獣のお陰でダメージを与えられる。

キャラゲーの宿命で、無双感もある程度は考慮したバランス調整を目指しているであろう。この辺りが妥協点なのかもしれない。

Zシリーズから始まったZクリスタルのグレードのような部隊全体へのバフ効果として、今回はAOSというシステムが用意されている。効果は8段階+強化パーツの9段階になり、項目も細分化されたお陰で、プレイヤーのプレイスタイルに合わせて個性が出やすくなっている。仲間を満遍なく育てたいなら、訓練施設系を成長させて全キャラのステータスを底上げすれば良いし、少数精鋭で無双したいのであれば獲得資金アップ系を成長させて改造を集中させても良い。戦艦中心に待ちで戦いたいなら、旗艦であるドライストレーガーは通常の改造とは別に、AOSの項目でも追加で強化可能となっている。

フル成長させるのは難しいので、プレイスタイルに合わせて強化項目を選ぶ。

このように、難易度については、完全に満足までは後一歩というところまで改善されているし、AOSでプレイスタイルに合わせた強化を考えることも楽しくて好印象だ。毎度バランスブレイカーになるゲッターチームについても、加入して暫くは真ドラゴンに竜馬一人乗りという弱体化が施されている。νガンダムやZガンダムにしても、前者はファーストガンダム⇒量産型νガンダム⇒νガンダム、後者はガンダムMk-2⇒フルアーマーガンダムMk-2⇒Zガンダムと、乗り換えイベントを経て徐々にランクアップしていく。

最終的に一定数のユニットがパワーアップを果たした段階でバランスは崩壊するのかもしれないが、今回は崩壊が随分遅延されていると言えるだろう。(この部分はクリア後に追記予定)

難易度:ウインキー時代 なんてDLCが配信されれば、ユーモアが在って面白いかもしれない。

4.グラフィック面は視点の新しさを楽しめる

シナリオ選択性と高難易度の提供で好印象のスパロボ30だが、グラフィック面はVXTと比較して正当に進化している。全体的に等身が上がり、特にMS関連は食玩のGUNDAM CONVERGEシリーズに近い見た目になり、リアルカットインが増えて格好良さが倍増している。

全体的に等身が上がり、見た目がスマートに。

リアルカットインも演出時間が長めになっている印象。

筆者的には、従来のスパロボと比較して自由度が高くなった、戦闘アニメの視点に注目したい。スクリーンショット撮影の制限の関係で紹介できないことが残念だが、ドライストレーガーの主砲であれば、敢えを戦艦を後ろから前に追って行ったり、ナラティブB装備のインコムであれば、射出の直前にナラティブを真正面から捉えたりと、今までに無い新しい構図が用意されている。

戦艦の手法は後ろから前へカメラアングルが。

キャラクターのカットインにしても、V2の光の翼であれば、まずは後ろで騒ぎ立てるハロが映り、その後シート越しに振り向きながら怒鳴るウッソが映ると言う、アニメでありそうなシーンになっている。単にキャラクターのバストアップが挿入されるに止まらず、視点の動きが加えられているのだ。

また、UI関連も細かな改善がされていて好印象である。真っ先に目が行くのは、戦闘アニメの視認性を高めるために、メーター式でコンパクトにまとめられたHPとENだろう。最初は違和感を持つかもしれないが、やはり戦闘アニメを邪魔しない配慮は嬉しい。また、戦闘準備画面に付いても、ENや残弾の変化が表示され、命中率に加えてクリティカル発生率も表示されて分かり易くなっている。技量から概ねのクリティカル率は分かるが、確率が増減する要素が多いため明記してもらえると非常にありがたい。

従来のUIなら一部見切れそうだが、しっかりと収まる。

地形情報やEXカウントも確認可能。

以上のように、スパロボ30は、シリーズを追っているプレイヤーにとっては目を見張る新しさは無いものの、今までの不満点が大きく改善された30周年に相応しい作品だ。また、暫くスパロボシリーズから離れていたプレイヤーにとっては、復帰の大きなチャンスと言える。

とはいえ、不満点も残る。具体的にはスクリーンショットの仕様だ。ネタバレ防止で動画は完全に撮影不可、途中からスクショ禁止という措置は理解できるが、今回のスパロボ30はSteam版も同時に配信開始されている。PC版はPS4/Switch版とは異なり、規制など無く幾らでもスクショも動画も取り放題だ。規制有りと規制無しを同時に配信することは時代に合致していないので、スクショぐらいは規制を撤廃して欲しかった所である。

また、冒頭でも書いた通り点数には反映しないが、DLCに関してはいつも通りのバンナム商法である。DLCといいつつ今までは無料で使えていたHi-νガンダムで水増しした上に価格も暴利を貪る設定だ。プレミアムサウンドエディションに関しては、今回はパッケージ版を廃止して4400円もの追加費用が必要となっている。パッケージなら安くなってから手にするという選択肢もあるが、音楽を楽しみたいなら必ずこの値段が必要である。そもそも、DLC以前に9460円という本体価格も高過ぎる。AAAタイトル級の強気の値付けは、完全にプレイヤーを搾取対象としか見ていない、いつものバンナムのやり方だ。従って、本体価格の異常な高さは評価へ反映済みである。

バンナムから発売されているゲームは、ディレクションレベルが頑張っていても、プロデューシングレベルでヘイトを集めることが非常に多い。直近であれば、スカーレットネクサスがその代表例だろう。スパロボ30は改善の積み重ねで久しぶりに良ゲーとなったが、次の周年で更なる高みを目指すのであれば、次は会社体質の”改革”が必須である。

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2 COMMENTS

Sara

Wikipediaによると…

レビューとは、
英語で、評論、批評、見直し、検証などのニュアンスを持つ語。

まさにレビュー。
個人・組織の定義なし。

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