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【Dreamscaper】レビュー: ジャスト攻撃の敷居が高過ぎて万人向けではないが、プレイヤーの習熟が進めば評価は次第に上がる – ドリームスケイパー

点数評価75点
プレイ状況ノーマルクリア
実績105/1000
プレイ時間約6時間
発売日2021年8月5日
対応機種Switch/Steam
Xbox (Gamepass)
プレイ機種Xbox Series X
開発元Afterburner Studios
発売元Freedom Games
ジャンルローグライク・アクション
ジャンルの考え方
総評/評判/感想

Dreamscaper (ドリームスケイパー)は、様々な武器を使い分けるローグライクアクションに、シューティング要素と、格闘アクション要素をミックスした欲張りなゲームだ。しかし、この試みは多くのプレイヤーを篩に掛けることになるだろう。豊富な武器種と習熟を要するジャスト攻撃のシステムは相性が悪く、その結果として難易度が不必要に高くなってしまっている。ローグライクゲームとしての出来は良いのだが、万人には進める事が出来ない仕上がり。しかし、気に入った人はとことんプレイを続けるだろう。

【総合評価】
革新性
ユーザビリティ
ビジュアル
サウンド
プレイ継続性
コストパフォーマンス

Dreamscaper (ドリームスケイパー)は、ダンジョン探索型のローグライクをベースに、見下ろし型のアクション&シューティング、タイミング良くボタンを押す格闘アクションの要素などを詰め込んだゲームだ。ダンジョンは精神的な問題を抱える主人公キャシディの夢の中に広がっており、不安定な感情が具現化したようなビジュアルやエネミーが登場する。

アクション,シューティング,格闘をローグライクに混ぜ込んだら面白くなるか?

毎月のように新しい作品が登場するローグライク界隈において、明確にゲームの方向性を示すことは、正しいターゲット層にプレイしてもらい正しい評価を得るために重要だ。当記事にてレビューするDreamscaperはどの様な方向性を持ったゲームなのかと言うと、 拳,刀,ハンマーなど多種多様な武器を振り回すアクションでありながら、銃,ビーム,火炎放射などで敵を撃つシューティングでもある。そして、攻撃時にジャスト入力を決めれば威力が倍増するような格闘ゲームのような要素も用意されている。

実際に、マイニンテンドーストアにおけるパブリッシャーのコメントには、“ダンジョンアドベンチャー、トップダウンシューティング、格闘アクションの要素が融合”と書かれており、ジャンルの闇鍋感が前面に押し出されている。このコメントを読むと、1つのゲームに様々なジャンルの要素を詰め込むと面白くなるか?という疑問が湧いて来るだろう。結論から言うと、その答えはノーである。

Dreamscaperを遊んで真っ先に感じたことは、格闘アクションの部分に相当する“ジャスト攻撃(パーフェクトアタック)が難し過ぎる”である。攻撃を入力後、特定のタイミングで次の攻撃を入力することで強力なコンボ攻撃が発動するのだが、この受付猶予がシビア過ぎてジャスト攻撃が実用的では無い。追加入力のタイミングはビジュアル的にも光で示されるが、それほど目立つ訳でも無く、カメラを引きの設定にしていると分かり難く、情報量の多いボス戦になるとタイミングなど気にしている余裕も無い。

ジャスト攻撃の見やすさを考慮してか、カメラ距離は3段階で設定可能である。寄りのカメラを利用すれば、主人公の動きが分かり易く、タイミング指示も見やすい。しかし、寄りの見やすいカメラ設定でプレイ出来るのは序盤だけである。ゲーム中盤からは、唐突なワープ攻撃,巨体を生かしたアーマー付きのタックル,高速高威力な投擲攻撃などの凶悪な攻撃が、画面外からプレイヤーを襲ってくる。これらを確実に回避するためには、カメラを最も引きに設定しなければならないだろう。

視覚的な補助に頼らず、各武器のタイミングが完璧に身に付くまで繰り返し遊べば良いのだが、これはローグライクゲームである。入手可能な武器がランダムなので、プレイヤーは特定の武器を狙って練習することはできず、タイミングの習熟には時間が掛かる。更に武器の熟練度システムなものが用意されており、一定回数使うことで武器に新しい能力が追加される。そのため、アイテム間のシナジーを楽しむローグライクゲームにおいては、プレイヤーは出来る限り幅広く武器を触りたいはずだ。後述するが、Dreamscaperは解放できるアイテム種類が多い。それ自体は良いことだが、プレイヤーの習熟が重要となる格闘アクション要素と相反している。

Sara
Sara

シビアなジャスト攻撃システムは、アンロック要素の多いローグライクゲームに向いていない。

様々なプレイスタイルを一つのゲームに用意すること自体は問題ない。しかし、初めから異なるプレイスタイルを融合させることは、多くのプレイヤーにとって敷居が高過ぎるのだ。実際に、全6ステージの内、3ステージ目クリアの実績取得率が一桁であることから、難易度の高さを伺い知ることが出来る。

遊び方を複数用意するのであれば、特性の異なるキャラクターを選択出来たり、プレイスタイルや操作モードを事前に切り替えて遊べるようにするべきだろうし、ジャンルを問わずに多くのゲームはそうなっている。もしくは、自由度を意図的に絞って、プレイヤーの成長の方向性がばらけないようにして、初回クリア後に底の見えない遊び方の広がりを経験させるべきだろう。

とはいえ、筆者はDreamscaperを、★1(クソゲー)とか、★2(イマイチ)には分類しなかった。恐らく、何十時間も遊ぶことで噛めば噛むほどに味が出るタイプのゲームだからだ。最終的にプレイヤーがジャスト攻撃のタイミングを習熟し、危険な攻撃も余裕で回避できるようになれば、新しい世界が待っていると感じる。従って、面白く感じるまでの敷居が高過ぎる惜しいゲームという評価になった。(従って、★3の人を選ぶに分類)

なお、ジャスト攻撃が足を引っ張っていることについて長々と書いたが、上手くビルドが進めばジャスト攻撃を一切使わずともクリアが可能なのは、如何にもローグライクらしくて面白い。筆者の場合、HP吸収効率を徹底的に高めて、3WAY化したビームを接射してゴリ押しするというスタイルで初回クリアとなった。次の動画はステージ5のボスを体力吸収しながらゴリ押しする様子である。このように、一部のアクション要素を完全に否定してもクリアできるのは、本作がローグライクゲームとして優れている証拠である。

パーマバフの項目が多くて長く遊べる

Dreamscaperはパーマバフの項目が非常に多く、ゲーム難易度のシステムと含めて長く遊べる作りになっている。そのため、アクション面でハマった人であれば、高みを目指して周回プレイ出来るだろう。

まず、ダンジョンへ向かう前には、脅威レベルというゲームの難易度を自由に設定できる。ザコ敵の強さ,被ダメージ量,フロアのサイズ,ボスの強さといった項目にて、ハードorナイトメアに設定すれば難易度が上り、難易度に応じてパーマバフに利用できるアイテムの入手量が増えて行く。Dreamscaperは元々が高難易度なので、脅威レベルの上昇は慎重に行いたい。

Dreamscaper 難易度の開放
最初はノーマルとハード。クリア後にナイトメアが解放される。

パーマバフを行うことで、ローグライクゲームではお馴染みの、強力な新アイテムの解放ができる。さらに、主人公のステータスの底上げや、ダンジョン内に新しい施設を出現させることも可能だ。

解放できるアイテムは69種類もあり、ステータスの底上げは、体力やルーシド(射撃用のエネルギー)の上昇以外にも、ボスへの攻撃力アップや入手サンド(お金)アップなど23項目にも及ぶ。ダンジョンの拡張については、回復ポイントを増やしたり高級アイテムの入手確率上昇以外にも、縛りプレイを達成すればアイテムを貰える部屋や、マインスイーパーを遊んでクリア出来ればアイテムが貰える部屋が出現するようなものまで用意されている。また、これらの強化や拡張の項目は、最大で6段階のレベルが設定されており、完全に強化しきるには相当の時間を要するだろう。

Dreamscaper スケッチブックによるアンロック
現実世界のスケッチブックに書いたアイデアが夢に出て来るという設定。

更に、現実世界パートでは、街の住人と交流してプレゼントを渡して、親睦を深めることが出来る。関係性が深まったキャラクターを選択する事で、キャラクター毎に設定されたステータスボーナスを得ることもできる。射撃や防御能力、特定の属性の強化などが用意されているので、ビルドの方針を決める際に重要となる。

Dreamscaper プレゼントのクラフト
パーマバフとは別の素材を消費してプレゼントをクラフトする。
Dreamscaper 質の高いグラフィック
現実で移動できるエリアは限定的だが、グラフィックの質は高い。

ローグライクゲームとしての評価は高い

Dreamscaperは敷居が高くて人を選ぶゲームだが、ローグライクゲームとしての評価は高い。

まず、ダンジョンの作りとしては、ランダムに小部屋が繋がるというローグライクゲームの一般的な様式が採用されている。部屋に入ればザコ敵を一掃するまで、その部屋から脱出することはできない。一度踏破した部屋にはどこからでもファストトラベルが出来て、読み込みも早いので快適に探索できる。なお、戦闘では強力なボムを使用することが出来るが、部屋を繋ぐ通路を塞ぐ障害物を除去したり、1ステージに必ず1個ある隠し部屋を開くためにも必要なので使い所が悩ましい。

Dreamscaper ステージマップ
序盤はボムを温存して、終盤に確実にアイテムを回収するのもあり。プレイヤーの判断力が試される。

ダンジョン内でランダムに入手できる武器にはレベルが設定されており、レベルが上がるごとにDPSが上昇していく。更に、レベルとは別に、複数等級のレアリティが設定されている。同じレベルの武器であってもレアリティが高くなれば、複数のランダムスキルが付与されてプレイヤーが優位になる。次のスクリーンショットは、レアリティ最低ながら高レベル高DPSな武器と、低DPSながらも4つのスキルが付いた武器、どちらを選ぶかという場面。単純な攻撃力とランダムスキルの効果を天秤にかけた取捨選択は悩ましく、実にローグライクゲームらしいプレイフィールだ。

Dreamscaper 武器のアップグレード
ショップでは武器のレベルアップやスキルの再抽選も可能。

装備品以外にも、キープセイクという特殊効果を持ったアクセサリー的なアイテムを無制限に持つことが出来る。ダンジョン探索が進むにつれて、キープセイクによるステータス強化が積み重なって行くが、インベントリ画面を開けばキャラクターのステータスを簡単に確認できるのも親切で嬉しい。

Dreamscaper インベントリ
右端に累計されたステータスが表示されて分かり易い。キープセイクによる武器性能の変化も、性能欄に反映される。

アイテムの種類が豊富なことは前述の通りだが、クールタイムが設定されている必殺技(ルーシドアタック)も種類が多い。数秒に1回使える軽い技から、クールダウンに数十秒を要するような、画面全体に効果を及ぼす大技まで用意されている。クールタイム短縮のスキルを重ねて取得して、近接でも射撃でもなく、必殺技をメインに立ち回る戦い方も可能だ。

Dreamscaper 竜巻による全体攻撃
視界がさせぎられる程の竜巻を起こすような技も。

以上のように、Dreamscaperは最初の敷居は高いが、ローグライクゲームとしては十分な出来栄えで、長時間じっくりとやり込めるゲームを探している人には向いているだろう。筆者的には余りハマらなかったが、取り組み自体は面白いと感じた。ジャスト攻撃が難し過ぎることは、ゲームの離脱率に直結している(取得実績の低さから)ので、せめて受付猶予が長く爽快にコンボを出すことができれば、評価はもっと上がったと考える。

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