点数評価 | 90点 (前作を遊んでいる場合限定) |
クリア時間 | 約25時間 |
プレイ状況 | 難易度バランスでクリア トロフィー:34% |
プレイ時間 | 約25時間 |
発売日 | 2022年11月9日 |
対応機種 | PS4/PS5 |
プレイ機種 | PS5 |
開発元 | SIEサンタモニカスタジオ |
発売元 | ソニー・インタラクティブエンタテインメント |
ジャンル | アクション ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し 同行者に言及在り |
神々を題材にした神ゲーの続編は、やはり神ゲーだった。ストーリー展開はゲーム開始直後から飛ばし気味なので、前作を未プレイの場合はついていけなくなるが、前作をプレイ済みであれば絶対に最後まで見届けて欲しい。クレイトスパートの戦闘は新鮮味に欠けるが演出面はパワーアップしており、QTEとイベントを織り交ぜた戦闘の見せ方は他社の追随を許さない。また、前作から評価の高かった探索中の豊富な会話は、話し相手のバリエーションが増えて更に満足度が向上し、親子・家族をテーマにしたストーリーは完璧だ。グラフィックについては、フレームレート重視のパフォーマンスモードで遊んでいることを忘れてしまうような美しさ。
【総合評価】 | |
革新性 | |
ユーザビリティ | |
ビジュアル | |
サウンド | |
プレイ継続性 | |
コストパフォーマンス |
パーフェクトなストーリー展開
ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク (GOD OF WAR RAGNAROK)は、ギリシャ神話から北欧神話にゲームの舞台を移した新生ゴッド・オブ・ウォーシリーズの完結作だ。前作終了後に世界にフィンブルの冬が到来し、遂にラグナロクによる崩壊に直面した九界を旅し、予言に抗おうとする親子のストーリーだ。
ゴッド・オブ・ウォー ラグナロクは、前作ゴッド・オブ・ウォーを遊んだことがある前提のストーリーだ。
前作では、“妻を亡くした夫クレイトス”と“母を亡くした息子アトレウス”が、決して良好とはいえない二人の関係性の改善を試み、時には悪化させながらも距離を詰めていくヒューマンドラマが全編を通じて描かれていたが、本作は前作の内容を再確認することなくスタートする。
ゲームを開始すると直ぐに、前作にて息子バルドルを失ったフレイヤの復讐劇が始まり、さらに前作ラストで予告編的に挿入されていたトールの襲撃も立て続けに描かれるため、前作を未プレイであれば冒頭からやや置いてきぼり感を味わうことになる。
ストーリーを重視するシリーズ作品は、前作の未経験者を配慮して序盤はスローペースに回想を含めながら進むことが多い。それに対してゴッド・オブ・ウォー ラグナロクは、新たな冒険の幕開けにしては、アクセルを踏み込み過ぎたかのような怒涛の展開が繰り広げられる。
前作は全世界で2,300万人のプレイヤーを獲得した大ヒット作品だ。そのため、プレイヤー数は既に十分であり、それらの満足度向上にターゲットを絞り、最初から全速力で突き進む方が良いという判断をしたのだろう。
前作ゴッド・オブ・ウォーでは、口下手で戦い以外のことをロクに知らないクレイトスと、反抗期真っ只中のアトレウスが、反目しながらも親子愛を深めるストーリーを思う存分堪能できた訳だが、本作では両者の仲は再び険悪なものになっている。
前作の最後に自らの死の予言を知ったクレイトスは、アトレウスが少しでも早く独り立ちできること願い、前作以上に厳しくアトレウスの言動を律するようになっている。一方でアトレウスも、本作の途中で父の死の予言を知り、予言を回避するべく四苦八苦することになる。
言葉足らずや隠しごとによって、クレイトスとアトレウスがすれ違うという展開は、前作でも繰り返し見てきた。しかし本作においては、両者がクレイトスの死の予言を、お互い自分しか知らないと思い込んでいることが根底にある。自身の死を前提に最善を尽くそうとするクレイトスと、巨人の戦士ロキとしての力を駆使して何としても予言を回避しようとするアトレウスのすれ違いは、実に琴線に触れる展開だ。
すれ違いを続けるクレイトスとアトレウスを見守る仲間たちは、既に家族のような存在になっており、生首の知の巨人ミーミルは最早もう一人の父親のような存在だ。また、ドワーフの鍛冶屋であるブロックとシンドリも、何かと親子を気に掛けて声をかけてくれる。手厳しい指導を黙って聞くクレイトスの様子は見物だ。
本作では、フレイヤとバルドルの親子関係、オーディンとトールの親子関係、トールと子供たちの親子関係が、クレイトスとアトレウスの親子関係と対比して描かれる。ネタバレになるので詳細は記載しないが、様々な親子や家族の形を通じて、変化していくキャラクター達の心境を存分に楽しみめる傑作に仕上がっている。
前作ゴッド・オブ・ウォーでは、世界の探索中に絶えず会話が用意されており、探索に飽きが来ないことが大きく評価されていた。しかし、クレイトスとアトレウスのやや噛み合わない会話に対して、生首のミーミルが助け舟を出すという会話のパターンが圧倒的に多かった。また、会話相手の少なさから致し方ないことではあるが、会話内容はやや食傷気味であったことも事実だ。しかし、本作では会話相手のバリエーションが一気に増えたことで、満足度は大きく向上している。
前作ではクレイトスの戦闘をサポートするのは息子のアトレウスだけだったが、本作ではシーンに合わせて同行者が複数用意されている。アトレウスが不在の際には、和解したフレイヤや、ドワーフのブロック、シンドリが同行することがあり、アトレウスを操作するシーンでは、巨人族の生き残りであるアングルボザ、敵陣営のトールやその娘スルーズが同行することもある。会話の豊富さは従来のままに、シーンによって全く異なる雰囲気の会話を楽しむことが出来るだろう。
ちなみに、仲間との会話には、普通にプレイしていると聴けないものが幾つも用意されている。例えば下の動画は、ストーリー序盤にユグドラシルの根元に居るニーズヘッグに対して、リヴァイアサンを投げつけた際に限定して聴ける、アトレウスの辛辣なリアクションだ。このような限定の会話を探して回るのも面白いだろう。
また、任意に実行できるサブクエストは、同行者によって会話の内容が変わってくる。クリア後に新たな難易度でプレイする際には、サブクエストの同行者を意識するのも良いだろう。
サブクエストの大半は、サブとは名ばかりでメインクエスト級に登場人物を掘り下げる濃い内容となっている。1週しかプレイしないにせよ、出来る限り全てをプレイしたい。
バトルは新鮮さを感じないが、それでも圧倒的に面白い
ゴッド・オブ・ウォーのバトルの特徴と言えば、バイオレンスという言葉が具現化したような、クレイトスの荒々しく豪胆なファイトスタイルだ。
愛する妻から譲り受けた戦斧リヴァイアサンを片手に、身の丈の何倍もあるようなドラゴンに立ち向かったり、素手で獰猛な野生生物を締め上げたりと、実にパワフルに戦い続ける。レイジゲージが溜まれば雄たけびを上げて鉄拳を叩き込み、よろめいた相手にはR3ボタンの押し込みで、Z指定も納得の残忍なフィニッシュムーブを決めるシーンは圧巻だ。
特にボス戦においては、指定されたボタンを押すことで進行するクイックタイムイベント (QTE)や、ボスの体力を削った際に挿入されるイベントシーンなどが折り重なり、暴力的でありながらもドラマチックで息を吞む展開を味わうことが出来る。
下の動画は、ゲーム最序盤にトールと初めて接敵するシーンだ。クレイトスはリヴァイアサン、トールはミョルニル、両者ともに遠近両用の武器を振り回して戦う様子は、序盤でありながらもクライマックスのような雰囲気を醸し出している。
このような粗野だがプレイヤーを虜にする魅力を秘めた戦闘シーンは、前作ゴッド・オブ・ウォーの時点で既に完成されていたものだ。本作ゴッド・オブ・ウォー ラグナロクでは、それが更に洗練されたといったところだろう。大型のボス敵が出て来る度に、一体どのような展開を見せてくれるのかと期待が膨らみ、あらゆるシーンにおいてプレイヤーの期待を裏切らない。
前作では物語の中盤から戦斧リヴァイアサンに加えて、双剣ブレイズ・オブ・カオスが使用可能になったが、本作では最初からどちらの武器も利用することが出来る。両武器共にモーションは殆ど作り直されており、新規アクションも多数追加されているが、戦闘シーンにおいてプレイヤーが得られる経験は前作とさほど変わらない。
また、戦斧と双剣に続く第3の武器として、ストーリー中盤にドラウプニルという槍が追加される。増殖を続けるドラウプニルの指輪から作り出された槍は、投擲後に手元に戻ってくるまで待つ必要があるリヴァイアサンと異なり無限に投擲することができるため、クレイトスの遠距離戦闘能力を大きく向上させる。
ゲームをクリアするだけであれば、リヴァイアサンで殴り続けるだけでも良いが、斧・剣・槍を巧みに切り替えながら、それぞれに設定した合計6種のルーンアタックを巧みに使いこなせば、まさしく戦神のような動きが出来る。
しかしながら、スキルツリーで次々とアンロックできる戦斧と双剣のアクションだけでも相当数あり、2種類の武器を使いこなした時点でプレイヤーのテクニカルな操作に対する満足度は限界に近付いている。そのため、武器がもう1種類増えたところで、戦闘シーンが劇的に変化したと感じることは無いだろう。
武器2種類で既に立ち回りの幅は広く、お腹がいっぱいの状態。
ゴッド・オブ・ウォー ラグナロクのバトルは、既視感を圧倒的な演出で押さえつけるような作品である。しかし前作同様に長尺なゲームなので、プレイ途中で飽きが来ないか不安を覚えた。しかし、適度に操作キャラクターがアトレウスに切り替わるお陰で最後まで飽きることは無かった。
ゴッド・オブ・ウォー ラグナロクを最後まで飽きずにプレイ出来たことには、アトレウスが主人公となるパートの存在が大きい。アトレウスパートはクレイトスとは一転し、弓を使った遠距離攻撃が主体となる。ルーンアタックに相当する部分はハヤブサやオオカミを召喚する攻撃となり、レイジゲージを消費すれば自身がオオカミに変身して攻撃を出来る。全くスタイルの異なるアトレウスを挟むことは、豪快過ぎるクレイトスの丁度良いクールダウンになっていると言えるだろう。
仮にアトレウスパートがもっと短ければ、評価を少し下げた可能性あり。
なお、アトレウスパートの最初の宝箱を開けるシーンは必見。前作で公式にもネタにされた、ノーマルランク宝箱を鉄拳でこじ開けるクレイトスを真似たアトレウスに訪れる悲劇。何となく想像できるオチが面白いだけでなく、心の底ではクレイトスを嫌っておらず目標にしているという、アトレウスの心境が表現されている実に良いシーンだ。
パフォーマンスモードでも驚くべき程に美しい
ゴッド・オブ・ウォー ラグナロクには、フレームレート重視のパフォーマンスモードと、映像重視のグラフィックモードの2種類が用意されている。近年のリッチなゲームにはこれらの2種類のモード選択が用意されていることが多く、どちらで遊ぶべきかプレイヤー達を悩ませてきた。
本作の場合はパフォーマンスモードでも十分過ぎるほどに美しいので、フレームレートを犠牲にしてグラフィックモードを選択する必要はないだろう。筆者は激しい近接戦闘が繰り広げられることを考慮して、初期設定でパフォーマンスモードを選んだのだが、余りに美しいので間違ってグラフィックモードを選んでいないか念のために確認したほどだ。
九界の様々な風景も美しいが、何と言っても頻繁にアップで映し出されるクレイトスの肌の質感に注目したい。刻み込まれた深い皺や数々の傷跡からは、年齢不詳の戦い続ける半神の歴史を感じる取ることが出来るはずだ。(当サイトに掲載している画像はWEBサイト向けの圧縮がされているので注意。)
グラフィックモードに変更すればより綺麗になるが、フレームレートを犠牲にする程ではない。
評価ポイントのまとめ
ゴッド・オブ・ウォー ラグナロクは、やや戦闘に既視感を覚えるものの、戦闘の面白さ、ストーリーの奥深さ、映像の美しさなどはどれも一級品だ。
ただし、前作ゴッド・オブ・ウォーを遊んでいない場合、ストーリーの面白さを100%堪能することは出来ない。メニュー画面から、前作の流れを簡単におさらいできるが、これはあくまでプレイ済みのプレイヤーの記憶を呼び覚ますための物。前作の廉価版を買っても良いし、PlayStation Plusコレクションで遊んでも良いので、前作と今作セットで楽しんでもらいたい。
長所
- ストーリーの面白さ
- 常に話し続ける仲間達
- バトルの面白さ
- 戦闘、QTE、イベントの見せ方
短所
- アクションの新鮮味は無い
【Backpack Battles】レビュー: 10秒の戦闘と1分の整理整頓を繰り返し続ける、デッキ構築型ローグライク系オートバトル
【Backpack Battles】攻略: 各クラスで効果的なビルド方針を、サブクラス毎に紹介
【3ヶ月無料】Amazon Music Unlimited で、メジャー,インディーを問わずゲーム音楽を堪能しよう!オススメのゲームサントラを紹介!
【2024年版】長期休暇中の社会人ゲーマーにオススメの10作品を厳選して紹介!【第2弾】
【ファイナルファンタジーVII リバース】レビュー: ミニゲームと狂人によるギャグ展開の波状攻撃の狭間でシリアスを楽しむARPG
【Nintendo Switch】既に高騰している入手困難なプレミアソフト及び、高騰の傾向が見られるソフトを一覧で紹介【2024年版】
【2024年4月版】PlayStation Plus ゲームカタログ及びクラシックスカタログで遊ぶことが出来るオススメのゲーム一覧
【2024年4月版】Xbox Game Passで遊ぶことが出来るオススメのゲーム一覧
【2024年4月版】PlayStation Plus ゲームカタログ及びフリープレイの最新情報及び、今後の配信スケジュールまとめ
【2024年4月版】Xbox Game Passの最新情報の紹介及び、今後の配信スケジュールまとめ