点数評価 | 100点 |
プレイ状況 | CPU150ccクリア オンラインメイン レートは約13,000 |
プレイ時間 | 10時間 |
発売日 | 2023年11月9日 |
対応機種 | Switch |
プレイ機種 | Switch |
開発元 | 任天堂 |
発売元 | 任天堂 |
ジャンル | レース ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
マリオカート8 DX (デラックス) コース追加パス DLC第6弾は、優良コース8、普通コース0、不可コース0という仕上がりだ。今回はパーツの調整こそ無敵度合に限定されており控えめだが、待望の打開走法に修正が入ったことでマリオカート8DXは完全無欠な神ゲーになった。音楽資産の活用に消極的な任天堂だが、サントラが発売もネット配信もされないせめてもの代用品として、ミュージックプレイヤーを追加するなどの気遣いも忘れていない点も評価が高い。
頻度【総合評価】 | |
革新性 | |
ユーザビリティ | |
ビジュアル | |
サウンド | |
プレイ継続性 | |
コストパフォーマンス |
マリオカート8 デラックス コース追加パスは、48種類のシリーズ歴代コースを追加する有料追加コンテンツ。2022年3月18日(金)~2023年12月31日にかけて、2カップ8コースずつ、6回に分けて合計48種類のコースが配信される。当記事では、2023年11月9日に配信された、第6弾追加コースをレビューする。点数評価についてはDLC第1弾を引き継いでいる。
第5弾のコースについては過去のレビュー記事を参考にしてもらいたい。
DLC第6弾は全てが優良コース
第6弾で追加されたフルーツカップとブーメランカップの内容は以下の通りだ。
- Tour ローマアバンティ
- GC DKマウンテン
- Wii デイジーサーキット
- Tour パックンしんでん
- Tour マドリードグランデ
- 3DS ロゼッタプラネット
- SFC クッパじょう3
- Wii レインボーロード
追加コースの内訳は、マリオカートTourからの参戦が3コース+過去作品からのリメイクが5コースであり、完全新作のコースは無くなった。SFC クッパじょう3とGC DKマウンテンが比較的古いコースであるが、後者は既にマリオカートWiiでリメイクされている。そのため、実質的な新コースと言えるのは、大きくハードを跨いだSFC クッパじょう3と、ツアーから参戦の3コースの4つだ。
過去のDLCのレビューでは、出来の良いコース,どちらでもないコース,出来の悪いコースに分類して評価を行っていたが、嬉しいことに今回は全ての追加コースの出来が良かったので分類を用意していない。
Tour ローマアバンティは、周回毎に分岐が大きく変わるコースだ。最後のDLCにて投入されただけあり、コースについて覚えることは多く難易度は高め。特にアイテムが重要となる対戦においてはコースに対する習熟度合が大きな差となって現れるだろう。
ツアー系のコースはダラダラとしたカーブが多い印象だが、当コースのカーブの場合はメリハリの利いた配置や形状になっており、練習すればするほど気持ち良く走れるようになってくる。最後のDLCということで、テクニカルな操作が重視されるコースが選択されているのだろう。
カート操作重視のコースなのでギミックは控えめだが、チョロボンが設置されたリングをくぐったり、プー(スパナを投げるモグラ)を踏んでジャンプアクションができるような場面が用意されている。また、レースへの影響度合いは低いが、コロッセオの内部では左右から鎖に繋がれたワンワンがコースの端を齧ってくるなど、見た目的にも楽しませてくれる。
GC DKマウンテンはマリオカートダブルダッシュ!!で初登場し、マリオカートWiiでリメイクされているため、ツアーを除くと今回で2回目のリメイクとなる。
DLC第4弾で追加されたWii DKスノーボードクロスのように、大砲で山頂に移動した後に、落下しそうな急傾斜を駆け抜けるダウンヒルタイプのコースである。DKスノーボードクロスとは見た目は違うもののややコンセプト被りしており、更に前回リメイクされたWii版からの変化点は、コース終盤の橋が波打ってジャンプアクション可能になったぐらいだ。
何度もプレイ済みのコースであり、変化点も少ないためプレイ前は余り期待していなかった。しかし実際にプレイしてみると、急傾斜に大岩が転がってくるダイナミックなコースだが、攻めるべきポイントが明確で分かりやすく、単純ながらも力量が試される良コースだと感じるのではないだろうか。
特に中盤のミニターボで谷を超えるノーアイテムショートカット(NISC)は、オンライン対戦で勝ちたいのであれば習得必須だ。また、タイムアタック時には安定してショートカットできたとしても、オンラインでは周囲の状況に合わせてブレーキを活用しながらライン取りし、最悪はショートカットを諦めるなどの判断も必要になるので、プレイヤーの技量が試される。
Wii デイジーサーキットはマリオカートWiiで初登場し、マリオカートツアーでしかリメイクされておらず、家庭用機向けには初のリメイクとなる。
名称に“サーキット”と付いたコースにしては珍しく、グライドボードを使える隠し通路的な分岐があったり、狭所を経てのヘアピンカーブから再び狭所という変わったコース形状が採用されている。狭所部分で乱戦になるためサーキット系の割には走り難く、そこまで爽快感が無いコースというイメージだが、最終コーナーにダッシュボードが連続で追加されることでスピード感は改善されている。
また、コース終盤には片側に段差が用意されている。狭所で緑甲羅が乱反射したり、先行車にボム兵を置かれるとクラッシュ必至なので、出来る限り段差側を走って危険を回避したい。そして自身はバナナを置いたり、後ろ投げで追従するライバルを攻撃しよう。
Tour パックンしんでんは、名前の通りツアー系のコースだが世界の都市がモチーフになっていないタイプのコースだ。元ネタとなる都市は存在しないが、ツアー系なので周回毎のコース変化が採用されている。また、“しんでん”という名前だが、水没した古代遺跡であるため、半分以上が水中コースとなっている。
水中部分と地上部分を何度も行き来する訳だが、本コースでは水中の出入り特に高低差が大きく設定されている。そのため、地上部分から水中部分へ突入する際の落下時間を活かした、ノーアイテムでも水中のダート部分を大きくカットできる箇所が複数存在する。オンライン対戦をする際にはノーアイテムショートカットできる箇所をしっかりと確認しておきたい。
地上部分ではパックンフラワー,水中では恐怖の巨大ウツボが噛み付いてくる部分があるものの、ステージギミックは少なめ。最終追加カップに収録されるコースなので、知識重視のステージといった所だろう。
Tour マドリードグランデは都市を巡るタイプのコースの中では、狭すぎず広すぎない走りやすいコース。Tour ローマアバンティ同様に、ギリギリの範囲で直線ドリフトを決めながら、ツアー系ならではの変化に富んだコースでライン取りを考えることが実に楽しい。ローマアバンティと比較してレースゲームとしての情報量はやや少なく、走りやすいツアー系コースとなっている。そして当コースでは、遊び心の溢れたギミックに注目したい。
カフェの前で眠る巨大なハナチャン,パックンフラワーが絵画から飛び出す美術館,ドッスンが道を塞ぐ市場,大きなサッカーボールで遊ぶ靴クリボーなど見どころが満載だ。様々な観光名所が詰め込まれているというツアーのコンセプトが最も活きているコースでは無いだろうか。
コースの難易度的に、ローマアバンティとマドリードグランデは逆の方がしっくり来る。
3DS ロゼッタプラネットは前作マリオカート7で初登場し、その後はマリオカートツアーにも採用されたうえに、マリオカート8DXの今回のDLCにも採用されている。つまり、3作品連続で採用されている優遇コースだ。
雪と氷に覆われたステージであり、氷ルートと水中ルートに分岐が用意されているなど、このはカップのGC シャーベットランドに似たようなステージだ。しかし、GC シャーベットスノーランドとは異なり、キノコやスターなどで雑にダートを突っ切れるようなショートカットは存在しない。また、2週目以降に早い方の氷上ルートに向かう場合、ノーアイテムではそれなりに加速のテクニックを要求される。コース序盤のヘアピンで乱戦になると、被弾からの谷底に落下するリスクがあるなど、最後のトゲゾーカップに相応しい実力主義なコースとなっている。
なお、過去作品からの変更点は、ハーフパイプとゴール手前のショートカットぐらいだが、コース形状よりもミュージックプレイヤーで作業用のチルサウンドとしても活用できそうな、アレンジされたBGMの方が印象に残る人も多いのではないだろうか。
SFC クッパじょう3は初代スーパーマリオカートに登場し、マリオカートツアーでしかリメイクされておらず、家庭用機向けには初のリメイクとなる。初代から最新作まで大きく世代を跨いだリメイクとなっており、実質的に新コースに近い作品だ。
基本的なコース形状はSFC版を踏襲しているものの、SFC版では平坦だったコースに高低差が導入され、ジャンプアクションを取る回数が圧倒的に多いステージになっている。また、コース終盤の3分岐では、分岐の仕切りが立体的になっただけでは無く、仕切りの上を走れるようになっている。
乱戦状態で狭い仕切り板に乗ることは難しいが、乗れた場合はダッシュボードの先にアイテムボックスが2個用意されているためリターンが大きい。また、懐かしのコースを大きな変化と共に楽しむだけでなく、ギターのスクウィールのような唸りを上げる効果音が格好良いBGMのアレンジも聴き応え抜群な、今回のDLC屈指の良コースだ。
Wii レインボーロードは、マリオカートWiiで初登場し、マリオカートツアーでしかリメイクされておらず、家庭用機向けには初のリメイクとなる。雰囲気的には3DS レインボーロードと似ている部分も多いが、セクション制の3DS レインボーロードに対してこちらは3週走る必要がある。3週走るとかなり長めのコースなので、3DS レインボーロードとはそれなりに住み分けが出来ている。
急勾配でカーブ多く、コースの中心に空いた大穴や多数のダッシュ板など、元からギミックが盛り沢山で情報量が多いコースだが、今回のリメイクでは更にマリオカート8DXの特徴である反重力が導入されている。全面反重力のコースなので、他のプレイヤーと思わぬ接触をしてからの急な加速で、ギミックの処理をミスしないように気を付けたい。
当コースが追加されたことで、マリオカート8DXにはレインボーロードが5種類登場することになる。64版と3DS版はセクション制であり、SFC版はクラシックで変化が少なくやや物足りなく、8版は人工衛星がテーマで従来と趣が異なっていた。今回追加されたWii版は、全プレイヤーが待ち望んだ、周回制でかつレインボーロードらしさを存分に楽しめるコースとして愛され続けるだろう。
キャラクターが4体追加され更に華やかに
今回のDLC第6弾では、以下の4人がプレイアブルキャラクターとして追加された。
ディディーコング:中量級
ファンキーコング:重量級
ポリーン:重量級
キノピーチ:中量級
マリオカートWiiにてスーパーバウザーに乗り、タイムアタックを荒らしまわったファンキーコングがついに参戦。大した人気キャラクターでは無いにもかかわらず、マリオカートWiiにて余りにも目立ち過ぎたことが原因なのか、その後は陽の目を見ることが無かったファンキーコングだが、マリオカートシリーズの集大成ともいえる本作の最後のDLCにて解禁となった。
キノピーチに関しては正直なところ需要があるのか分からないが、マリオカートDSで使えたロボットの方が期待されていただろう。マリオカートツアーからの使い回しということで致し方ないのかもしれないが。
ハニークイーンよりはキノピーチの方が良いが、ロボットに期待したかった。
念願の打開戦法の廃止
コースの追加と細かなバグ修正に加えて、今回も色々と仕様変更が加えられている。その中でも、以下の3つがオンライン対戦に影響する。
【マリオカート8 デラックス】更新データの内容を教えてください。より
- 一部のキャラクターやパーツの無敵時間を増やしました。
- レース中に停止や逆走をしてアイテムボックスを取ったり、同じ場所にあるアイテムボックスから何度もアイテムを取ったりしたときに、強いアイテムが入手できなくなるようにしました。
- アイテムボックスが誰かに取られてから次に復活するまでの時間を短くしました。
リストアップした中でも特に注目したいのが、逆走や意図的に同じ場所に留まることでアイテムボックスを入手した際には、強いアイテムが出なくなったことである。
マリオカート8DXは神ゲーであるが、一部のコースでは俗称で“打開”と呼ばれる迷惑行為が横行していた。打開戦法ではまず、レース開始直後に逆走したり停止するなどして競争を放棄し、トップと一定距離の差が開いてからアイテムボックスを開き続けて強力なアイテムを厳選する。そして、特定の位置からキラーを使うことで飛距離を伸ばしつつサンダーの影響を避けながら上位陣に迫り、そこからキラーの裏に仕込んでいた強アイテムを切ってトップを取るという流れとなっている。
打開戦法が編み出された結果、この戦法と抜群に相性の良いコース(ヨッシーサーキットやチーズランドなど)では、前方に向かって加速するというレースゲームで当たり前の行為を行っている限りは、よほど運が良くない限りは1位を取れないというおかしな状況になっている。
“まともに走らずに長時間停止した方が有利”という状況は、カートの操作テクニックを競いつつ状況判断しながらアイテムを使い分けるという、本作の根幹を破壊する悪質な行為であると言えるだろう。この打開戦法を好むプレイヤーは一定数存在するが、開発元である任天堂が“打開戦法は悪である”と判断し、今回はDLCにて完全に封じ込めた訳である。
これにより、ショートカットを熟知してカート操作とアイテム判断が上手い方が有利という、当たり前の状況が全コースで実現した。コースの追加に加えて打開戦法が廃止されたことにより、マリオカート8DXは完全無欠の神ゲーになったのである。
評価ポイントのまとめ
WiiUで2014年5月29日に発売され、2017年4月28日にSwitch版へ移植された後も2023年11月9日まで更新され続けて来た本作だが、最後の最後で最大の不満点であった打開戦法が消滅した。また、最後に追加された8コースは全てが面白く、これ程までに有終の美という言葉がふさわしいゲームは他に無いだろう。
長所
- 打開戦法の廃止
- 全ての追加コースが優良
短所
- 無し
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