点数評価 | 80点 |
クリア時間 | 約10時間 |
プレイ状況 | クリア |
プレイ時間 | 約10時間 |
発売日 | 2023年8月3日 |
対応機種 | Steam |
プレイ機種 | Steam |
開発元 | Nao Games |
発売元 | Marvelous Europe |
ジャンル | 超高速展開のローグライトゲーム ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
Ninja or Die Shadow of the Sun(ニンジャ オア ダイ)は操作体系が極めて特異であり、ジャンプキングの再来とまでは言わないが、ジャンプ以外の行為が制限された結構なストレスゲームである。プレイの敷居が高いため、評価は★3【人を選ぶ】としたが、個人的にはオリジナリティの塊のような本作を気に入っており、点数評価の部分は80点と高く付けるに至った。万人に進めることは難しいが、変わったインディーゲームが大好物であればプレイしてみて欲しい。将来、RTAイベントなどで洗練された上級者の動作を見てみたい。
【総合評価】 | |
革新性 | |
ユーザビリティ | |
ビジュアル | |
サウンド | |
プレイ継続性 | |
コストパフォーマンス |
アイテム使用以外はジャンプしかできない
なぜジャンプしない?
この言葉を聞くと、苦行の数々がフラッシュバックするゲーマーが多いだろう。そう、これはジャンプキングのスタート地点で聞かされるセリフだ。
Ninja or Die Shadow of the Sunの操作系統は非常に特殊で、ジャンプキング程には難しく無いものの、基本的にはジャンプしかできない。ジャンプキングは左右の移動とジャンプ強度の調整が出来たが、本作は左右の移動すら制限されており、移動方法は通常ジャンプと貯めによる大ジャンプに限定される。幸いにも、左右に移動できない代わりにジャンプする角度は決めることができ、軌道を予測する放物線が示されるので、それを頼りに移動を繰り返すことになる。ただし、ジャンプを開始すると一切停止することは出来ず、跳んだ先に何が在ろうとも着地するまで次の操作を受け付けない。
マウスでジャンプ方向を決めたらジャンプボタンを押すだけ。特殊だがシンプル。
主人公のジャンプ力は凄まじく、迷路状になっている本作のステージ内では直ぐに壁に激突する。幸いにも主人公は忍者ということもあり、ジャンプ後に壁にぶつかった際にはそのまま壁に貼り付くことが出来る。壁に貼り付いた後はジリジリと下降していくが、次から次へとジャンプを繰り返すことで、壁がある限りは幾らでも高い場所へ登っていくことが可能だ。
本作は、ステージ制が採用されており、各ステージにて幾つかの階層を踏破した後に登場するボスを撃破できればステージクリアとなる。ボス以外にも道中では至る所にザコ敵が出て来るが、前述の通り本作はジャンプ以外の操作が用意されていない。攻撃はジャンプ中に敵に触れると自動的に発動し、さらにジャンプ中は無敵になる。つまり、本作のジャンプは移動・攻撃・回避の三役を兼ね備えているのである。
無敵時間を伴ったジャンプを連続で繰り出し、敵を一気に殲滅出来れば爽快感を存分に味わえそうな気がするが、そのような体験を得るためにはプレイヤーの操作習熟が重要となる。本作の忍者は斜方投射でしか移動できないので、慣れない内は進路に僅かな段差があるだけで幾度となく引っ掛かり、格好良さとはかけ離れた動きになってしまうだろう。また、左右に移動できないにも関わらず、立ち位置の調整が必要になる場面が多く悪戦苦闘の連続となる。
例えば、次のようなスクリーンショットであれば、凧で飛んでいる敵の忍者にジャンプで飛び掛かりたいのだが、壁にはトゲが生えている。本作は体力制が採用されているのでトゲにぶつかっても即死はしないが、被ダメージを抑えたいことには変わりはない。何故なら、本作は大分類ではローグライクゲームなので、体力が無くなればコンティニューは出来ずに、武器と防具以外を失ってステージ最初からやり直しとなるからだ。そこで、被ダメージを抑えるためには、ジャンプ方向を下に調整して小刻みに左に移動していき、トゲに触れない程度に壁によってから上方向に跳んで攻撃する必要がある。
慣れれば一発でトゲに触れない位置まで移動できるのだろうが、初見のステージでは手探りで慎重に進まなければならない。そのため、慣れるまでは爽快感とは無縁となる。
次の動画は複数体の敵忍者を相手にしている様子だ。一定時間以内に無傷で敵にダメージを与えるとコンボが溜まり攻撃力が上がって行くのだが、地形が少々意地悪なために何度も関係ない場所に飛んでしまい、コンボが途切れそうになっている。ヒットストップの連続がそれなりに気持ちいいが、理想としている格好良さを伴った爽快感とは程遠い状態だ。
このように、本作の操作体系はシンプルながらもジャンプに特化した特異なものなので慣れるまでは非常に難しく、慣れない内は何をするにしても手間取って間違いなくイライラする。しかし、操作習熟とステージの記憶が進むと、スピーディで無敵時間と攻撃を兼ねた跳躍の連続はまさに誇張されたニンジャの動きそのものであり、一気に面白くなってくる。
忍者の“忍”は、忍耐の“忍”である。習熟が進むまで“こらえる”ことが重要。
敵は己の未熟な操作のみ
Ninja or Die Shadow of the Sunには数々のザコ敵が登場し、こちらを攻撃してくるが基本的には大した障害とはならない。また、ステージのボスにも苦戦することは無いだろう。
まず、ザコ敵との戦闘に関しては、道中で手に入る巻物アイテムが非常に強力なうえに、数も相当数が手に入るので、それらを惜しみなく使うことで殆どの場面を楽に切り抜けることが出来る。敵の攻撃力や防御力を一定時間下げる巻物,敵の動きを完全に停止させる巻物、大ダメージを与える巻物などが登場するので、状況に応じて臨機応変に活用していきたい。
また、使用回数が決まった遠距離攻撃用のアイテムも手に入る。アイテム欄を圧迫することにはなるが、ジャンプが届かない遮蔽の後ろへ攻撃できたり、敵の攻撃を相殺したりと便利である。気持ち良くジャンプする前に、冷静にアイテムの使用を検討したい。
本作は全般通してハイクオリティな和風のドット絵で描かれており、特にボスに関してはいずれも見た目のインパクトが抜群だ。ボスは圧倒的な存在感を放っており強そうに見えるのだが、実は完全に見掛け倒しであり、いずれのボスもはっきり言って弱く消化試合のような展開となる。
ボス戦が開始した直後はそのビジュアルに圧倒されそうになるが、攻撃力は大したことが無く攻撃もそこまで激しくないので、無駄に広い部屋で左右に飛び回るだけの退屈な展開になりがちだ。道中が難しいのでボスまで辿り着けばクリアできるというバランスなのかもしれないが、それであれば手早く倒せた方がゲームの進行的に締りがあって良かっただろう。もしくはボス戦だけはコンティニュー可能でもっと難しくするかのどちらかだ。
このように、本作に登場する敵はザコもボスも余り障害にはならない。一番のダメージ元は、上手く行かない操作にイラついた際の雑なジャンプからのトゲやトラップへの接触だ。ステージ攻略に苦戦を感じた場合は、被ダメージへの対策として、体力か防御力を上げると良いだろう。そして、何よりも平常心を保つことが攻略の秘訣となっている。ジャンプキングほどではないが、本作は精神修行のような作品なのである。
クリア後のやり込み要素が充実
Ninja or Die Shadow of the Sunは、大分類ではローグライクに属するが各ステージの構成は固定されており、ステージのランダム生成は採用されていない。これは本作の難易度の高さに配慮してのことだろう。前項で説明した通り、慣れるまで操作にストレスが伴うが、ステージ構成が固定されているためゲームオーバーになったとしても、経験が大きく活きる仕様となっている。
特にゲーム終盤になると、意図的に天井に頭をぶつけて飛距離が短くなることを計算に入れたり、ジャンプの放物線がどうやっても足場に届かず、視界の外にある足場をめがけてジャンプする必要が在ったりと、非常に難易度が高くなってくる。一度落下すると、幾つかの足場を最初から跳び直す必要があり、加えて床に設置されたトゲからダメージを受けて徐々に体力を削られていくので、精神的な追い込みもなかなかのものだ。これでステージが固定では無かったら、心が折れてクリアできない人が続出だっただろう。
ローグライク及びローグライクの定義が分からない場合は、ジャンルの解説記事を要参照。
本作をクリアした後に拠点に設置された墓を利用すると、念願かどうかは分からないが、ステージのランダム生成モードが解禁される。ランダム生成となると、アドリブで地形を乗り越えて行く必要があり、まさにここからが本番と言えるだろう。ジャンプ操作の練度を高め、いかに早くランダム生成を突破できるかを競うタイムアタック的な遊び方が想定される。
ちなみに、プレイアブルキャラクターは初期の忍者を含めて全部で5人が用意されている。それぞれステータスが異なり、忍者には無かった特殊能力を持っているので、クリア後には特殊能力の使い所を研究してクリアタイムを短縮していきたい。
また、本編とは異なるやり込み要素として、下から迫ってくる触れると即死の鋸刃からエンドレスで逃げ続けるモードが用意されている。こちらはスコアランキングが用意されており、全世界のユーザーと腕前を競い合うことが出来る。更に、下方向に降り続けるモードも用意されており、そちらは降り過ぎても高くジャンプしても即死という難易度の高いものになっており、やり込み要素としては十分だろう。
なお、プレイアブルキャラクターや村の施設を開放するには、ストーリーモードの道中に隠された人々を助け出す必要がある。全員を見つけ出すだけでも、ノーヒントでプレイするとなると10時間を超えるボリュームになるはずだ。
評価ポイントのまとめ
操作方法が非常に特殊で忍耐力が必要なゲームなので、決して万人にオススメ出来るゲームではないが、この手の奇抜なアイデアが詰め込まれたインディー作品好きであればプレイしてもらいたい。
長所
- 唯一無二の操作体系
- 習熟すると気持ち良く疾走できる
- やり込み要素多め
短所
- 慣れるまではストレス高め
- 右下に移動しようとした際にアイテム欄を開きがち
- ボス戦が消化試合
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