点数評価 | – |
クリア時間 | 約2時間 |
プレイ状況 | クリア (オマケ込み全クリア) |
プレイ時間 | 約2.5時間 |
発売日 | 2023年9月19日 |
対応機種 | Switch |
プレイ機種 | Switch |
開発元 | NIGORO |
発売元 | PLAYISM |
ジャンル | アクション ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
薔薇と椿 〜お豪華絢爛版〜は、簡単に言えば“愛すべきバカゲー”と言った所だろう。本作は、意味不明な登場人物たちが意味不明な理由でビンタし合うという完全に狂気のゲームなのだが、フルボイスでテーマソングまで作られていることから分かるように、細部までこだわって作られたバカゲーだ。最初は★3【人を選ぶ】という評価にしようかと思ったが、Nintendo Switchというハードの末期に、ジョイコンを使う新しいゲームがインディー作品から産まれたことにも意味があると考えて★4【オススメ】とした。コストパフォーマンスは悪いが高く評価したくなる作品である。
【総合評価】 | |
革新性 | |
ユーザビリティ | |
ビジュアル | |
サウンド | |
プレイ継続性 | |
コストパフォーマンス |
まず最初に言っておくと、薔薇と椿は一発ネタのバカゲーである。オールクリアまで長くても3時間、対戦モードも身内と数回やれば満足することだろう。正直なところ、数時間の一発ネタに1650円はコストパフォーマンスが非常に悪い。しかし、随所に感じられる拘りを理解できれば、“買って良かった”と思える作品であった。
Joy-Conでビンタしあう狂気のアクションゲーム
薔薇と椿にはストーリーモードと対戦モードが用意されており、“一応”はストーリーモードが本作のメインコンテンツである。そしてそのストーリーは、大正時代の雰囲気を残した現代の華族である椿小路家を舞台に、一族に関係する女達が覇権争いのために“おビンタ”で対決するというものだ。なんとなく想像が付くと思うが、ストーリーは完全にギャグ路線でありその展開も滅茶苦茶だ。
プレイヤーはまず最初に、椿小路家に嫁いできたものの未亡人となった庶民の血筋である『玲子』を操作する。高貴なる椿小路家の女達は、玲子が庶民出身であることを理由に何かと邪険な態度で接してくるのだが、玲子は椿小路家の支配者となるべくビンタで奮戦することになる。
Joy-Conを使ったビンタバトルとは言うものの、SwitchのJoy-Conは大した機能を積んでいない。したがって、加速度センサーで感知した動作強度とボタンの組み合わせでアウトプットが決まっているだけである。自分のターンに“Aボタン”を押しながらJoy-Conを加速させれば、その加速度の強度判定が、弱でフェイント,中でビンタ,強でクリティカルビンタとなる。相手のターンであれば、“Rボタン”を押しながら後ろ方向に加速させれば回避が発動する。
要求される操作はこれだけであり、操作方法は誰でも簡単に理解できるだろう。カウンターや往復ビンタ、他にも一部のキャラクターには特殊動作も用意されているが、基本となる操作方法は同じである。とにかく、直感的にビンタを打ち合うだけのゲームである。
ビンタを打ち込まれた貴族の女達は、体力が減るにつれて立ち絵がボコボコになっていき、最初は頬を腫らしているだけだが、最終的には鼻血と涙を垂らしながら苦悶の顔で立ち続けることになる。この高貴な女達のシュールな見た目が、本作の笑い所でありメインコンテンツの一つなので、この絵面で笑えない場合は本作を購入しない方が良いだろう。
そしてそんな女達のストーリーは全4本(+オマケ1本)が用意されている。最初に遊ぶことになる『玲子』のストーリーはまだマシな方であり、椿小路家の長女『静香』であれば謎のロボットと戦ったり、家政婦見習の『左子』であればイギリス式のビンタを称してテニスラケットで引っ叩かれたり、ビンタ座の聖闘士と戦ったりと意味不明な展開がプレイヤーを待ち構えている。
絵図らと同様に、これらの意味不明な登場人物同士のやり取りで笑えない場合は本作を購入しない方が良いだろう。一方でどちらも“受け付ける”という人は是非買ってもらいたい。本作には次項に示すような、単なるバカゲーとして終わらない注目すべき点が多数用意されており、本作のノリに付いていける人は奇妙な満足感を覚えることになるだろう。
細部までこだわりを感じる、愛すべきバカゲー
薔薇と椿が単純に“バカゲー”と評価されて終わらないのは、随所で作り手のこだわりを感じることができるからだ。まず、Joy-Conを使うゲームには必ず出て来る注意文からして、本作は特別仕様になっている。
何となく高貴さを感じる植物模様を背景に、大正レトロのような優雅さと穏やかさを感じるような茶系統の色使いが採用され、Joy-Conを握る手は小指がピンと立ち、そして何よりも不自然なまでに“お”が付いた説明文が異彩を放っている。このように、全てが徹底的に本作向けにアレンジされた注意文からしてインパクト大だ。
また、操作は直感的で誰でも分かることを前項に書いたが、本作にはしっかりとしたチュートリアルが用意されており、これまた奇妙な“お”付き言葉にて教育係からしっかりとチュートリアルを受けることができる。
このような言葉遣いは徹底されており、ポーズボタンを押せば“お休憩中”と表示され、タイトル画面に戻ろうとすると、“何ですって?”と驚き表現から文が入るのも面白い。選択肢も“はい”,“いいえ”ではなく、“よろしくてよ”,“やめますわ”になっているなど、絶対に現代的な表現は一切見せないという強い意志を感じることができる。
なお、ビンタが決まる度に対戦相手の顔がボコボコになっていくことは前項に記載した通りだが、プレイヤー側のキャラクターのボコられた顔はコンティニュー画面にて確認できる。そして、このコンティニュー画面にも色々とネタが仕込まれている。
例えば、『椿小路 玲子』のストーリーにて『椿小路 静香』に負けた場合、2D対戦ゲーム経験者であれば誰でも知っているあろう、ストリートファイター2の登場人物『ガイル』が勝った際のセリフ「くにへかえるんだな。おまえにもかぞくがいるだろう…」のオマージュを見ることができる。クリアまで時間の掛かる作品でも無いので、どの対戦相手にもまずは1回は負けてみるのも良いかもしれない。
その他にも、対戦のフィニッシュ方法が通常の“おビンタ”か“往復おビンタ”かによって、対戦相手の倒れ方の演出が変化するなど、とにかく細かい部分まで丹念に作りこまれている。本作を気に入ったのであれば、全ての対戦相手で体力調整してから“往復おビンタ”で倒してみるというやり込みもありだろう。
本作は、コストパフォーマンスの悪い作品であることは間違いないが、以上のようなこだわりポイントを幾つも見つけて楽しむことができれば、その値付けにも満足できるはずだ。まさに“愛すべきバカゲー”という評価がぴったりな作品だ。
筆者としては、後からパッケージ版が発売されるのであれば、追いパッケージしても良いと考えるほどには気に入っている。
評価ポイントのまとめ
薔薇と椿はバカゲーだが随所に作者の本気を感じることができる逸品だ。一発ネタではあるものの、頻繁に自宅に人を招いてゲームをしたりどこかにSwitchを持って行って遊ぶ人であれば、確実にウケるネタとして繰り返し使えるのでコストパフォーマンスの項目は改善するかもしれない。
長所
- Joy-Conを活用したゲーム
- 笑える絵面とストーリー
- 随所で感じられるこだわり
- ボーカル付きテーマ曲まで用意
短所
- 一発ネタなのでコスパが悪い
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