点数評価 | 70点 |
クリア時間 | 約8時間 |
プレイ状況 | クリア 2023/11/3版アーリーアクセス |
プレイ時間 | 約10時間 |
発売日 | 2023年11月3日 |
対応機種 | Steam |
プレイ機種 | Steam |
開発元 | Konfa Games |
発売元 | tinyBuild |
ジャンル | ローグライト ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
Slime 3K: Rise Against Despotは、サバイバーズ系にしては珍しく敵の攻撃を受ける前提で戦う作品だ。主人公であるスライムは動きが遅く,体がでかく,攻撃も遅いので、とにかく敵にボコられ続けるが高い体力でそれを受け止め、回復アイテムを拾いながら粘り強く戦うことになる。新しいスタイルのサバイバーズ系ということで期待していたが、アーリーアクセスの時点ではクリアできるパターンがかなり制限されてしまっている。正式版がリリースされる際にクリアパターンに多様性が生まれれば評価は大きく改善するだろう。
【総合評価】 | |
革新性 | |
ユーザビリティ | |
ビジュアル | |
サウンド | |
プレイ継続性 | |
コストパフォーマンス |
Slime 3K: Rise Against Despotは、研究所から脱走した殺戮スライムを操作し、迫りくる大量の敵を捌き切るサバイバーズ系に属するローグライクゲームである。一言で表現すればヴァンパイアサバイバーズのフォロワーだ。
体力で敵の攻撃を受け、回復しながら耐える
Slime 3Kはヴァンパイアサバイバーズのフォロワー的作品ということで、幾つかの攻撃手段による自動攻撃を駆使して一定時間に渡って敵の攻撃を耐えきり、その後に登場するボスを倒せばステージクリアとなる。
今回プレイしたアーリーアクセス版は、ステージ10が最終ステージ。
レベルアップの度に提示されたスキルの中から最適なものを選び、それらによる自動攻撃で大量の敵に対処するというプレイスタイルの作品は、ヴァンパイアサバイバーズの大成功を受けて巷に大量に溢れている。そんなサバイバーズ系の中でもSlime 3Kは、“敵の攻撃を受け止めながら回復しつつ耐える”という珍しいプレイスタイルとなっている。
多くのサバイバーズ系の作品は敵の攻撃を避けることが重要視されているが、本作の主人公であるスライムは足が遅く回避などできない。おまけに小さな敵が大量に湧いて羽虫の如くスライムに纏わりついてくる。そもそもスライムは無駄に図体が大きく、その分だけ当たり判定を持っているので、敵の遠距離攻撃にはハチの巣にされるしかない。
また、本作は最大で8種類のスキルを装備することができるが、他のサバイバーズ系の作品に出てくる攻撃手段と比較すると、本作に登場する攻撃用スキルは圧倒的に攻撃頻度が低い。そのため、8種類も攻撃用スキルを持っているにもかかわらず攻撃の手が止まるようなことが多々ある。弾丸の発射レートが高いアサルトライフルのような攻撃用スキルも用意されているが、一定弾数を撃つとリロードに5秒かかるなど、この手の大群を相手にするゲームとしては致命的な隙が発生するのだ。
鈍足な上に図体がでかく、更には攻撃頻度も低いとなると、どうやって敵の大群を捌き切れば良いのか?その答えは“ひたすらに耐える”である。本作の主人公であるスライムは、他のサバイバーズ系のキャラクター達と比較して圧倒的に体力が高い。初期から高い体力はレベルアップに合わせて更に上昇していくので、そこに防御力アップやボーナス体力を得るスキルと合わせると数十発もの攻撃に耐えることができるようになる。
敵の攻撃を完璧に避けることは困難なので、出来るだけ被弾が少なくなるように動きつつ圧倒的な耐久力を活かして時間を稼ぎ、温存した回復アイテムを適切なタイミングで取得していく。また、取得するとスライムがその場で弾け飛んで周囲にダメージを与えるボムのようなアイテムも登場するので、ダメージを受けつつも敵を誘導して一気に大ダメージを与えていくことになる。
このように、本作は耐え忍ぶことが基本となる異色のサバイバーズ系の作品である。慣れない内は一方的に攻撃され続けることに焦り、発射レートが遅くいつまで敵を無双できないことに苛立ちを感じるかもしれない。しかし、本作特有のノンビリした展開が本作最大の特徴であり、絶妙な間を持った戦闘からは決して爽快感を得ることはできないが、奇妙な魅力を感じることだろう。
どっしりと構えてジワジワと減らされていく体力を眺めながら、散らばった回復アイテムや攻撃アイテムの配置を確認し、脚の遅いスライムをどのように動かしてやろうかと考える。足が遅い,体がでかい,攻撃間隔が長いという3重苦のサバイバーだからこその立ち回りを考えることは新鮮だ。このようなプレイフィールのサバイバーズ系の作品は他には無いため、本作は無数に産み出されるサバイバーズ系界隈において強烈なオリジナリティを放っている作品だと言えるだろう。
事前に用意したデッキからスキルが抽選されるシステム
この手のローグライクゲームは、レベルアップ時にランダムに提示されるスキルから、シナジーを発揮できるものを取捨選択していくものが多い。しかし本作においては、事前にプレイヤーが組んだデッキからしかスキルが出現しないので、ランダム要素は少なくほぼ確実に狙ったシナジーを発揮できるようになっている。
デッキに組み込めるスキルには、最低ランクDから最高ランクSまでの5段階のレアリティが設定されており、各レアリティには最低で4つのスキルを組み込まなくてはならない。プレイヤーが考えた理想のシナジーを発揮するために、各レアリティに4つ以上のスキルを組み込んでも良いが、一方で不要だからと言って4つ未満にすることは出来ない。
最低でも各レアリティに4つはスキルを組み込まなければならないとはいえ、プレイヤーが使いたくないスキルは絶対に出て来ない。この仕様を踏まえて、狙ったシナジーを発揮できる前提にバランス調整されているため、本作はステージ5以降の難易度がかなり高めだ。
本作に登場する攻撃用スキルは単純な射撃だけでは無く、範囲攻撃や貫通攻撃、ゾンビやスライムの仲間召喚、燃焼による持続ダメージなど異なる系統が用意されており、ステージ毎にスキルの向き・不向きがハッキリしている。そのため、ステージに合わせて最適なスキルの組み合わせを模索することをまずは楽しみたい。
スキルは3つ集めることで合成して性能を強化することができ、強化後のスキルを更に3つ集めることで、もう一段階強化が進む。初期性能が低いスキルであっても、最高ランクまで強化することでステージによっては大活躍するので、どのスキルを優先して強化するべきかを考え、最適なデッキを模索していくことになる。
なお、スキルは効果を発揮するアクティブスロット8つの他に、効果を発揮しないがストックしておける4つのサブスロットにも格納できる。取得したスキルは順次アクティブスロットに格納されていき、9つ目からはサブスロットに格納される。任意にアクティブスロットとサブスロットのスキルを入れ替えは出来ないので、どのタイミングでアクティブスロットのスキルを売却、あるいは合成してサブスロットのスキルをアクティブスロットに移すかなど、スキルの入れ替えのベストタイミングを探ることも重要となる。
そして、このスキルの合成と少しばかりの不自由スキルの入れ替えの仕組みが上手く噛み合っており、多くのローグライクファンが楽しみたいであろう運との駆け引き要素になっている。自身で組んだデッキからしかスキルが選択候補に挙がらないとはいえ、合成に必要なスキルの最後の後1個がなかなか出現せずに、合成待ちのスキルがアクティブスロットを圧迫して歯がゆい思いをすることがある。逆に土壇場で一気にスキルの合成が進んで戦闘能力が飛躍的に向上し、難所を切り抜けられることもある。このような経験は、如何にもローグライクらしく愉快である。
勝ち筋が増えて遊びの幅が広がれば化ける
敵の攻撃を体力で受けながら、自身で作ったデッキから欲しいスキルが出るまで粘り、強力なシナジーを発揮して逆転していくというプレイスタイルは斬新であり、本作は新手のサバイバーズ系としての期待が高かった。
しかしながら、2023年11月3日時点のアーリーアクセス版では、難易度の高い後半ステージにおいては、“各レアリティに最低限の数だけしかスキルを入れない”と、“レアリティCの貯金箱を延々と作り続ける”を実践するしか勝ち筋が用意されていない。新しい可能性を感じる作品ではあるものの、勝ち筋に気が付いた時点で一気に面白く無い単純作業ゲームとなってしまい、一方で気が付かなければ理不尽な難易度のゲームであると認識されてしまうだろう。
まず、“各レアリティに最低限の数だけしかスキルを入れない”理由だが、それは実に単純で、高レアリティのスキルが低レアリティのスキルと比較して圧倒的に強いからだ。そのため、DからBまでの低レアリティには最低ラインである4種類だけを入れ、低ランクから順番に武器を育て最高ランクまで育てて抽選から除外することが重要となる。
また、A及びSランクについても、そのような高ランクを武器を多数解放する程に遊ぶことも現時点では無いので、これらも最低ラインの4種類だけしか入れることは無い。任意にデッキを組めるにもかかわらず、最低ラインまでしかスキルを入れないことが正解になっていることで、折角のデッキ構築の幅を狭めてしまっており残念だ。
次に、“レアリティCの貯金箱を延々と作り続ける”についてだが、本作は出て来る敵を倒してレベルアップしているだけであれば、スキルを購入するための金の貯まりが悪く、敵の成長速度にこちらの攻撃力の成長速度が追い付かなくなってくる。そのため、次のレベルアップ時にショップに入る際にアクティブにしておくことで高く売却できる、Cランクの貯金箱を延々と合成しては売ること繰り返すことが重要となる。
最高ランクまで育てたスキルはショップに並ばず、ショップに出現するレアリティはショップのアップグレードによってコントロールできるという仕様上、慣れれば上記のスクリーンショットのように貯金箱ばかりをショップに出し続けることができる。このコントロール方法を理解できると、無限とは言わないが有り余るほどに資金を稼ぐことができるため、ゲームが完全に崩壊してしまう。
一方で、これらの手法を取らなかった場合は本作は非常に難しく、特にアーリーアクセスにおける最高難易度をクリアするには相当の研究が必要になるはずだ。何度も何度も、次のスクリーンショットのように完全に敵に埋もれてしまい、自慢の耐久力も虚しくゲームオーバーを繰り返すことになるだろう。
筆者が10時間遊んだ範囲では、最低種類によるデッキ構成と貯金箱ループ以外のクリア方法を見つけられなかった。
サバイバーズ系の作品としてオリジナリティを持っており、期待の高まっていた本作だが、現時点ではクリア手法が余りにも少な過ぎる為に評価を下げている。いっそ貯金箱そのものを削除したうえで敵の強さに手を加えるなど、思い切った改修が求められるだろう。
評価ポイントのまとめ
アーリーアクセス版なので仕方がないことかもしれないが、5ステージ目からは何かシステムを見落としているのではないかと不安になるぐらいに難易度がアップする。正式リリース時にどうするつもりか不明だが、この難易度では多くのプレイヤーが挫折してしまうだろう。回復しながら体力で受けきる新手のサバイバーズ系ということで、正式リリース時に化けることを期待したい。
長所
- 体力で受ける新しいサバイバーズ系
- 事前にデッキを用意して、計画的にシナジーを発揮できる分かりやすさ
短所
- ステージ10までクリアできるパターンが極端に少ない
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