点数評価 | 70点 |
プレイ時間 | 約25時間 |
プレイ状況 | クリア トロフィー:54% |
発売日 | 2020年6月19日 |
対応機種 | PS4Steam |
プレイ機種 | PS4 |
開発元 | ノーティードッグ |
発売元 | ソニー・インタラクティブエンタテインメント |
ジャンル | アクション, アドベンチャー ジャンルの考え方 |
ネタバレ | あり |
The Last of Usが2013年発売されてから7年。全世界待望の続編、The Last of Us Part II(ザ・ラスト・オブ・アス・パート2)が2020年6月19日に発売された。
前作は神ゲーと称され、リマスター版の評価も高いが2作目は賛否両論だ。一方では神ゲー扱いの高評価だが、もう一方ではクソゲーと言われたり炎上したりと、評価が大きく分かれている。
一体何が評価を分けるのか?今回のレビューではそこについて触れるので、ストーリーのネタバレを含むことになる。未プレイの方は注意してもらいたい。
Part IIはとにかく長くてだるい。
前作The Last of Usは、クリアまで約15時間ほどで、ジョエルとエリーが絆を深めて真の親子になる話だった。
一方で本作は、事前にメディアを通じて情報が公開されていた通りにエリーの復讐劇である。残酷ながらも深いエリーのストーリーが期待されていたが、蓋を開けてみるとプレイ時間の約半分のエリーではなく、もう一人の主人公アビーを操作する事になった。そして、この作品はエリーとアビーという、二人の復讐劇だった。
前作は、主人公のジョエルが抗体を持つエリーをワクチン開発のためにファイアフライの病院基地まで送り届け、ワクチン開発の過程でエリーが死ぬことを知り、自身のエゴでファイアフライの病院基地を壊滅させてエリーを生かして終わるストーリーだった。
The Last of Us Part IIで二人目の主人公として登場するアビーは、前作でジョエルに殺された医師の娘であり、ジョエルに対して復讐を心に誓っている。
ラスアス2の大まかな展開は、以下の通りだ。
- ①エリーとアビーの操作チュートリアル
最後に前作主人公のジョエルがアビーに拷問され殺される。 - ②エリーパート:仲間と共に復讐旅
アビーの仲間を順調に始末。しかし、最後にはアビーから逆襲を受けて、仲間の一人であるジェシーを殺される。 - ③アビーパート:エリーに仲間が狩られる
②の裏側が描かれる。最後にエリーと対決して勝利。エリーにトドメを刺さずに見逃す。 - ④エリーパート:再起する
ジャクソン近くでディーナと幸せに暮らすが、トミーに復讐の続行を提案される。結果、PTSD克服のためにアビーと決着を付けるべく旅立つ。 - ⑤アビーパート:仲間と合流を目指す
ファイアフライの残党に合流しようと旅を続ける。しかし、ラトラーズという野党に騙され捕まる。 - ⑥エリーパート:アビーと対決
ラトラーズに乗り込んで捕まっていたアビーを開放して対決。最終的にはアビーにトドメを刺さずに見逃す。エリーは指2本失い思い出のギターを弾けなくなる。自宅に戻るもディーナは既におらず、ジョエルの事を思い出した後に、再び何処かに旅立って終わり。
上記③が始まった時点で、大抵のプレイヤーは、“これはエリーとアビーが鏡写しの関係で、立場が変われば善悪入れ替わるという話”と想像するだろう。
まさにその通りであり、ストーリーの展開が想像の域を全く超えてこない。
プレイヤーが容易に想像できてしまう展開であったとしても、死と隣り合わせの緊迫感のあるストーリーは決して出来が悪い訳ではない。
出来は悪くないのに何故評価が下がるのかと言うと、戦闘&探索パートが必要以上に長いからである。時間を掛けたその先に得られるストーリーが中の上ぐらいであり、労力に見合うレベルに仕上がっていない。
The Last of Us Part IIに登場する敵は、敵対勢力の人間か、インフェクテッドという感染者(以下ゾンビ)だが、どの戦闘も少々地形が異なるだけでやる事は同じで代わり映えがしない。
ゾンビ⇒探索⇒人間⇒探索⇒ゾンビ⇒探索⇒人間・・・と、延々と探索を挟んでゾンビか人間相手に殺戮を繰り返すだけである。
決して、戦闘システムも出来が悪い訳ではなく面白い。しかし、幾ら美味しい料理でも1日3食同じ物を、毎日毎日食べさせられたらどうだろうか?間違いなく飽きるだろう。それと同じで、途中から戦闘と探索に飽き飽きしてくる。ストーリーだけを見てさっさと終わらせてほしくなってくるのだ。
戦闘と探索パートは、前作からやる事はさほど変わりが無いので、直前に前作をプレイしていた筆者は、②のエリーパート途中で早々に飽きが来てしまった。上記②の時点で前作のプレイ時間も超える程のボリュームがある)。
そして、上記③のアビーパートは開始直後に、武器改造用のパーツや、キャラスキル成長用のサプリメントを拾うことができる。察しの良い人はその瞬間に、“まだ育成要素があるレベルの戦闘パートが続くのか?”困惑するのではないだろうか。
実際に、操作キャラクターをエリーからアビーに変わっただけで似たような戦闘が長々と続くことになる。筆者は、サバイバルガイドを拾って新しいスキルラインが解放された当たりで、絶望に似た感情が芽生えた。
この感情は他のゲームでも持ったことがあるな。と、考えてみたところスパロボが思い当たった。あのゲームの戦闘は中盤から完全に消化試合であり、ストーリーを見たいがために、面白くも無い戦闘を渋々繰り返すのだが、それと全く同じである。(スパロボの戦闘は一口だけ美味しい料理を、延々と食べさせられるイメージ)
それでも、上記③の最後に待っているエリーとの遭遇は一体どうなるのか?と、あれこれ想像しながらプレイを進める訳だが、特に大きなどんでん返しも無く、前記の通りに立場が変われば考え方も変わるという予想通りの展開。そして、そこまで思い入れも無いアビーを操作して、エリーをボコボコにしてどちらも死なずにシアトルを離脱する。
そのような展開でも、上記④でトミーにアビーの居場所を教えられた後に、“復讐の連鎖に終止符を打って終わり”という選択をしてストーリー完了ならまだ良かったが、まだまだ上記⑤,⑥のサンタバーバラ編が始まる。
単調な戦闘に飽き飽きして、ステルスキルも雑になりつつも必死に進めると、アビーとの最終対決が始まる。エリーはアビーを殺す直前まで行くが、結局は何かと思う所もあって見逃すことを選択して終わり。そして、自宅に戻ると、ディーナとその子供の姿はあらず、癒えぬ傷を負ったエリーは一人孤独にどこかへ向かうという結末。
復讐は何も生まないという結論に落とすなら、上記③で終われば綺麗だった。
上記④でまたエリーが旅に出た時点でプレイヤーは、“まだ安息は得られないのか?”と、最後の波乱の展開を期待すること間違い無しだ。一抹の希望を抱いて、上記⑤⑥を乗り越えるわけだが、“復讐をしても痛みしか残らない”という、上記③で既に分かっている結末しか与えられることはない。
つまり、本作を一言で表すと“期待外れなのだ。
特に、Part2の予習として直前に前作のリマスター版をプレイした人は特にキツいはず。前述の通り、変わり映えがしない戦闘を乗り越えても報われないのは辛すぎる。
過度なポリコレ要素で世界観を台無しに
エリーがレズビアンな設定は別に良いのだが、エリーとディーナが麻薬使いながら濃厚に絡むような表現は要るか?
わざわざザコモブキャラの女性率を高め、男女半々ぐらいにして世界観壊す必要あるか?
急に人種のバランスが均等になる必要あるか?
それでゲームが面白くなるならやれば良いが、大半のユーザーの評価を下げるだけで得るものが無さ過ぎる。
“The Game Awards 2020”で、『ラスアス2』が7冠達成で、世紀の名作“ゴーストオブツシマ”を抑えてゲーム・オブ・ザ・イヤーを取得した。
この快挙により本作は、ゲーム業界でも“ポリコレに媚びれば賞を取れる”という、最低最悪な前例を作った罪深い作品になった。このような手段を使ったGOTY授賞は、実に不自然で不愉快である。
各要素の出来が良いだけに勿体ない
このゲームは高級食材(各要素)を、素人が滅茶苦茶に調理して不味くしたような作品である。
各要素単体の評価は80点ぐらいあるだろう。
そのため、★★★☆☆:時間あるなら手を出しても良い
という評価になった。戦闘パートが1/3しか無かったら★4の80点だったかもしれない。高く評価している人は、高い忍耐力を持っているのだろう。
もっと、ジョエルとの思い出パートを増やせば良いのか。
ボスクリーチャーが1体だけではなく複数体出てきたり、ザコ敵のバリエーションを増やせばよかったのか。(写真はただのハロウィンの像)
真に面白い作品にするには何が正解だったのか分からないが、恐らく2時間映画に落とし込んだら名作になることは間違い無い。
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