- 5段階評価:★★★★☆
- 点数:85点
- 感想:人狼ゲームの知識が無くても問題なかった。
- レビュー投稿時の進行状況:スイッチ版で真エンディングまで到達。
- プレイ時間:約15時間
グノーシアは、Vitaで2019年6月20日に配信された、プチデポットが開発のSF人狼ゲーム。評判が良くて気になっていたものの、他にプレイするVita専用ゲームが無かったので、わざわざVitaを引っ張り出してくることが面倒くさくてプレイを見送っていた。しかし、2020年4月30日からスイッチ版が配信されたので遊んでみた。
人狼ゲームを知らなくてもOK!ルールは分かりやすい!
グノーシアのプレイヤーはとある宇宙船の乗員。宇宙船の乗員の中には、”グノーシア”と呼ばれる人外の存在が紛れており、1日1人乗員を消し去っていく。グノーシアの脅威から逃れて生き残るために、疑わしい人間を1日1人、乗員全員による投票でコールドスリープさせていく。グノーシアを全員コールドスリープさせることが出来れば人間の勝利。
プレイヤーがグノーシアとしてプレイする回もあり、その場合は人間のフリをして、他人から疑われずに人間を始末していき、乗員の過半数をグノーシアにできれば勝利。
ループ世界で立場と役割を変えながら、何度も人狼ゲームを繰り返して真理に辿りつく事が目的。
リアルの人狼ゲームなら、回を重ねるごとにプレイヤーが騙し合いに慣れて、上手く立ち回れるように上達していく訳だが、このゲームの場合はそれを、1ループ毎に貰える経験値によるキャラのレベルアップで表現している。相手となるCPUもイベントが発生する度に経験を積んで強くなっていく。
レベルアップで上昇するステータスは以下の通りで、RPGをイメージすると非常に分かりやすいだろう。
- カリスマ:物理攻撃力
周囲が発言に感化されやすくなる。 - 直感:技量
他人の嘘を見抜く確率が上がる。 - ロジック:魔法攻撃力
論理的に説得できるようになる。 - かわいげ:物理防御力
投票されにくくなる。 - 演技力:魔法防御力
他人に嘘を見抜かれにくくなる。 - ステルス:回避力
グノーシアに消されにくくなる。
グノーシアは人狼ゲームなので、
他人を騙すゲームだろ?
カリスマとロジックにステ全振りすりゃ大体上手くいくんだろ?
などと、安易に考えて偏ったステータス振りをすると、俗な言い方をすると脳筋キャラになってしまう。そのような極端なステータス振りをすると、他人を責める事には強くなるのだが、少しでも不審な行動を取った際に、速攻で投票が集まってコールドスリープされまうので注意が必要だ。
ステータスの振り直しは後から可能だが、自分のプレイスタイルを活かせるステータスをよく考えて、バランス良く伸ばしていった方が良いだろう。
魅力的/特徴的な登場人物が多数登場
グノーシアは、人間に化けているグノーシアを炙り出すゲームだが、こんな可愛い娘達を急に”犯人だ!”と、決めつけるのは心理的になかなか難しい。
つまり、前項で説明したステータス”かわいげ”が超重要。まさに可愛いは正義である。当然、敵はその可愛さを逆手に取って、嘘を並べてこちらを嵌めてくる。
赤髪のSQちゃんは、あの手この手でこちらを誘惑してくるが、SQがグノーシアの役割時に最後まで生存させてしまうと、PVにも出て来る目を見開いて舌を出した顔に豹変して襲ってくる。
逆に、全くかわいげが無いキャラも居る。
脳筋(かわいげ無し)代表ラキオさん。
ラキオは攻撃ステータスとも言えるロジックに極振りなので、人間側でもグノーシア側でも、速攻でみんなに投票されてコールドスリープされるザコキャラ筆頭。
しかし、グノーシアをクリアするためには、この手の弱いキャラを上手く庇いながら、特定のメンバーがだけが生存する状況を作り出すことで発生するイベントを経て情報収集する必要がある。つまり、自分が生存するだけではクリアできないのである。
次は不審者代表しげみちさん。
しげみちは、どう見ても不審者なので、大抵は直ぐに投票される。
まあ、見た目からして、気を許したらデストロイ オール ヒューマンズされそうなので、迷った時はしげみちに投票しがちなプレイヤーも多い事だろう。

また、全ステータスが高いキャラクターも存在する。
夕里子さんはどのステータスも高めで怖いので、人間だと分かっていても可能な時は早めに始末しておかないと、思わぬ攻撃を受けがち。
全員は紹介しないが、プレイヤー以外の登場人物14人は全て魅力的。キャラクターの情報を掘り下げた、設定資料集的なものを発売して欲しい。
個人的にイラストも好みなので、ギャラリーモードを全部埋めたいところだが、イベントは特定のキャラが生き残った状態でしか発動せず、完全に進行をコントロールも出来ないのでコンプリートが骨が折れる作業。お手軽にゲーム外で資料として閲覧させて欲しい所である。
世界観と1日目が改善されれば最高
このゲームは繰り返し人狼を遊ぶ事に重きが置かれており、その部分についてはしっかりと成功している。
ただ、結局のところグノーシアとは何なのか?という、世界観に関わる解説が非常にアッサリしており、真エンドまで遊んでも、え?説明それだけ?という感想を抱くだろう。
繰り返しループして、登場人物の情報を収集する作業がストーリー進行の鍵になっているので、それぞれの登場人物がグノーシアの説明に結びついて、更に世界観の掘り下げができたなら評価が更に上がっただろう。特にオトメと沙明はキャラ個性の割に、ストーリー展開的に居ても居なくても割とどうでも良い所が惜しかった。
また、ループ1日目の選択肢の無さも残念な点である。
1日目はグノーシアである証拠について何も情報が無いので、自分のステータス的に不利な相手や、発生させたいイベントに無関係なキャラを、証拠も無しに投票するぐらいしかやる事がない。情報が無いため、”とりあえずビール!”みたいなノリで、”とりあえずしげみちコールドスリープ!”を何回やったことか。1日目の動きについては改善の余地があるだろう。
という訳で、★5には届かなかったが、プレイして損のないゲームだった。
特に筆者の場合は、人狼に関する知識を一切持っていない状態からスタートだったので、”なるほど、人狼とはこう言う遊びなのか”と、知見を得ることができた点も満足している。
追記
2020年12月17日にSwitchパッケージ版が発売されることが決定。
しかも、リバーシブルジャケット7枚入り。
また、サウンドトラックも流通は限定的ながらも、2020年10月1日に発売される模様。
サントラと一緒に関連グッズも少々出るみたいなので、気になった人はチェック。
参考 「グノーシア」のオリジナルサウンドトラックが10月1日にリリース。予約受付を開始4gamers