点数評価 | 85点 |
クリア時間 | 約40時間 |
プレイ時間 | 約45時間 |
プレイ状況 | クリア トロフィー:82% |
発売日 | 2019年11月8日 |
対応機種 | PS4/Xbox/Steam |
プレイ機種 | PS4 |
開発元 | KOJIMA PRODUCTIONS |
発売元 | ソニー・インタラクティブエンタテインメント |
ジャンル | アクション ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
DEATH STRANDING(デス・ストランディング)は、メタルギア騒動でコナミを去った小島秀夫が率いるコジマプロダクション製作の第1弾。
公式ジャンルは“アクション”となっているが、“ストランディングゲーム”を自称しており、“一体何をするゲームなんだ?”と、世界中から注目されていた。先に書いておくが、ストーリーとシステムの評価が非常にアンバランスな作品だ。ゲーマーを名乗るなら絶対にプレイすべき作品だが万人受けはしない。筆者も各評価項目は軒並み高評価だが、ストーリー面だけは多き評価を下げており、総合評価は★3.5となっている。
相変わらずの悪癖が出てしまったストーリー
DEATH STRANDINGの主人公は、人との関わりを極端に避けながら、崩壊したアメリカで一人で細々と物資運送を行っているサム・ポーター・ブリッジズだ。そんな彼が、怪しいマスクの男“ダイハードマン”からあるミッションを依頼されるところから話は進んでいく。依頼の要約すると以下の通りだ。
三途の川経由の超高速インターネット的な奴を発明したで。
お陰で、情報通信技術のブレイクスルーが起きたんやけど、設備運ぶのが大変だから手伝ってくれんか?東海岸から西海岸まで頼むわ。徒歩で。
遠いけどお前は伝説の運び屋やから行けるやろ?
途中、テロリストとか幽霊おるけど捕まらんように頑張ってな。
まあ、お前は死んでも何故か復活するし行けるやろ?
あ、俺の名前“ダイハードマン”は、死ぬ事が難しい男って意味だけど、実は無敵じゃないんよwwwだからお前に任せるわ!
バイクとか車で運んでも良いけど、悪路しかないから逆に大変やで。乗り物で楽したいならまずは物資集めて道路整備やってや。自力で。
これを聞かされたサムは嫌々ながらも、運搬業務を開始。
サムは最初こそは乗り気じゃなかったものの、運搬の途中で人々と触れ合って感謝される度に、確かなストランド(=繋がり)の手応えを感じていく。そして感謝されることも満更ではなくなって、少しはやる気も出て来る。
そんな中、過酷な雪山に配送に挑んだところ、“1日60回死んで60回生き返る”生活をやっていると自称する、ちょっと何を言ってるのか分からないメガネ野郎こと、ハートマンと遭遇することになる。
その結果、“話は聞かせてもらった!人類は滅亡する!”という展開になり、
良く分からない敵を倒していくと、“人類の滅亡はまだ先延ばしできる。”と言われて終了する。
プレイヤーを置いてきぼりな超展開もさることながら、DEATH STRANDINGはメタルギアの小島秀夫のゲームだ。つまり、そろそろエンディングという雰囲気になってから、安心と信頼の2時間近い設定語りが待っている。
何とか今日中にクリアしよう!と意気込んで深夜にクリアしてしまうと、寝るのは大体深夜2時とか3時になってしまうので、極力週末にプレした方が良いだろう。
小島秀夫は高い評価を得る一方でアンチもそれなりに多い。DEATH STRANDINGをプレイして、何故アンチが沸くのか未だに理解していないのか?と、非常に落胆した。
このようにストーリーは展開が唐突過ぎるうえに、エンディングも悪癖全開なので決して褒められたものではない。
筆者はメタルギア大好きで、コジプロになった初期からグッズ買っており、3万円のルーデンスフィギュアも当然ながら買っている。普段からコジプロロゴTシャツや、デス・ストランディングで出てきたフラジャイル・エクスプレスTシャツを着るぐらいのファンだが、DEATH STRANDINGのストーリーは擁護は一切無理である。
唯一無二の体験!それはストランディングシステム
Q.このゲームのジャンルは何なのか?
A.ストランディングゲームです。
このQ&Aに対して、“だからストランディングゲームって何やねん。”という疑問を持って、DEATH STRANDINGをプレイ開始する訳だが、実際にプレイすると、
なるほど、これはストランディングゲームだ・・・。
と、妙に納得してしまう。
まず、ゲームのシミュレーターと呼ばれるジャンルには、経営、農業、都市開発、フライトなどなど、実に色々な種類が存在する。
DEATH STRANDINGは、歩行シミュレーターとでも言えるようなゲームであり、いかにして悪条件の道を、重い荷物を持って、出来るだけ早く歩く事が出来るか?を考えることが、ゲームのメイン内容となる。
歩くことを考えるだけの歩行シミュレーターが面白いのか?と、思うかもしれないが、意外や意外、この作業が滅茶苦茶面白い。こればかりは体験してもらわないと分からないのだが、荷物の重さ、路面、傾斜がプレイヤーに与える影響を考慮し、天候や目的地までの距離などの情報から、限られた装備重量内で装備を選んで踏破するという全ての作業が面白い。
何故面白いかと言うと、様々な条件を考慮して最大効率で荷物を運びきった達成感が大きいからだ。そしてもう一つ、途中で運搬失敗の状態に陥った際に、助け舟となるストランド要素の有難さが最高だからである。
DEATH STRANDINGは歩行シミュレーターであると同時に、他のプレイヤーとの非同期で繋がるストランド機能が実装されている。このシステムをオンにしておくと、他人が作った建物が自分の世界にも現れ、逆に自分が作った建物も見知らぬ誰かの世界に現れる。
例えば以下のような体験を得ることが出来る
雪山を登っていくと想像以上に道が険しくなかなか進めない。背負っている荷物の劣化も激しく、かと言って帰るのも大変なので目的地に向かって強行する。
しかし辿り着いた先には断崖が立ち塞がっており、運搬失敗を覚悟する。
諦めつつも周囲を見渡すと、崖の上から誰かが設置したロープが自分の世界に同期して出現しており、それを掴みながら何とか崖を登って目的地に到達。
敵に追われて車で逃げるも、進行方向には川が見えている。
川を強引に抜けても良いが、車のバッテリーが見ずに使って痛むのは回避したいため、どうにかできないかと周囲をウロウロしていると誰かが作った橋を発見。
お陰で自分も車も無傷で敵から逃げ切って、その後は美しい風景を楽しみながら目的地まで快適な車旅。
このように、同期した他人の設置した建設物が、自分を助けてくれる絶妙な配置だった場合、感動の余り小躍りしたくなる。
逆に、過酷な地形を認識しながらも、“この地形だと誰かが設置した梯子が同期するだろう”という、甘い考えで突っ込んでいくと、何にも設置されていなくて絶望することもある。
そんな時は、“先人たちは何故ここにコレを建築しなかったんだ!!”と憤りつつも、自分が踏破済みにも関わらず、後から続く可能性の在る他人のためにアイテムの設置に戻ることもある。
何故、難所を踏破後にそんな無駄なことをするのかと言うと理由は簡単で、“いいね”が欲しいからである。
小島監督の作品は、いつも何らかの社会風刺が含まれているが、今回のテーマはSNSにおける承認欲求である。
配送の途中に自分の世界に同期した他人の建設物には、“いいね”を送ることができる。逆に自分が設置した建設物評価された場合には、“いいね”が一定期間ごとにまとめて通知される。
このゲームは過酷な一人(+胎児)旅なので、思わぬ建設物に助けられた際には、反射的に“いいね”を連打したくなるものだ。 そのような経験を一度でもすると、
このポジションにこれを建設しておけば、自分も他のプレイヤーから大量に“いいね”貰えるだろう
という、打算的な思考が生まれてくる訳である。絶妙なポイントに便利なアイテムを設置しておき、次の日にログインした際に数万の“いいね”がまとめて届いた時には、“計算通り!”とほくそ笑んでしまうこと間違いなしだ。
そして、その瞬間に、
“ああ、これがストランディングの醍醐味か・・・”
と、腑に落ちる感覚を得るはずである。
別にアンチではない。85点付けている。
第1項にて、散々ストーリーはダメだと書いたが、DEATH STRANDINGはそれを補えるシステム面の面白さを持っている。
ストーリー重視の人は低評価を付けるだろうが、システム重視の人は今までに体験したことのないプレイ感に対して高評価を付けるはずだ。
【追記】PC GAME PASS にて配信決定
マイクロソフト社が提供する、ゲーム遊び放題サービスであるゲームパスに、デス・ストランディングの参戦が決定した。2022年8月23日から提供が開始される。
ゲームパスはXboxに限ったサービスではなく、加入していればXboxでもPCでも遊べる。なお、デス・ストランディングはPC GAME PASSなので、Windows PCで遊ぶことになるので注意。
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