- 5段階評価:★★★☆☆
- 点数:60点
- コメント:ロスト無しでスマホゲーで良かったのでは・・・
- プレイ時間:約6時間でキャラ全ロストして意気消沈
- トロフィー:24%
MISTOVER(ミストオーバー)は2020年1月23日にアークシステムワークスから発売された、可愛い見た目とは裏腹にキャラロストが鬼畜なローグライクRPGです。
目標としていたプレイ体験は恐らく、
高難易度×キャラロストでやり応え抜群!
でしょうが、残念ながら“高難易度×キャラロスト=やる気が無くなる” が正解でした。
結論から言うと、キャラ育成の基幹となるシステムがローグライクに全くマッチしていません。戦闘の緊迫感は十分に味わえるものの、パーティが全滅するとそれまでにプレイした時間の80%ぐらいが立て直しに必要になります。後半になればなるほど全滅に伴うリスクが増大していくので、緊張感のある戦闘を楽しむ事は確かにできますが、全滅時に立ち直れない人も多いゲームです。
このレビュー記事では、主にどの様な部分ダメだったのか解説しますので、チャレンジしようと考えている人は参考にしてください。
1.キャラロスト後のカバー要素が少なめ
高難易度は大歓迎。
しかし、全滅がリアル時間へ大きな影響を与えるならば話は違います。
全滅すると戦闘に参加した全キャラと全装備が消滅します。そのため、全滅すると5キャラを最初から育てなおして、5キャラ分の装備も集めなおしです。MISTOVERはローグライクと言っても戦闘は一般的なRPGなので、キャラのステータスと装備の性能が純粋にパーティの強さに直結します。
余分に雇用していた仲間や、倉庫に預けていたアイテムは残りますが、基本的に主力メンバーに主力装備を持たせてダンジョンに挑むので、一度全滅すると予備品だけが手元に残ります。ゼロから再スタートするよりは早いかもしれませんが、大体80%ぐらいの時間が必要になると思ってください。
一般的なローグライクゲームは、冒険に失敗すると全てを失う一方でリトライが容易です。しかし、MISTOVERはプレイヤーが気楽に再挑戦できる作りになっていないため、1キャラが倒されただけならまだしも、全滅で主力5キャラを一気にロストしてしまうと意気消沈してプレイする気力がなくなります。
私は6時間ほど遊んだところで、理不尽な初見殺しで全滅しました。再準備に大体4~5時間ぐらいかかる工程が見えたので萎えてプレイを止めました。
仲間は単純にレベルアップだけではなく、スキル振りやジンクス(後列なら回避アップとか、被ダメージに満腹度が一定以下なら命中アップとか)の調整など手間がかかります。装備は何度も合成して強化していくタイプなので、単純に強い武器を拾ってくるだけでは済みません。もう一度ロスト前と同じ水準まで育成するとなると、ただただ面倒です。
何をしてくるのか事前に分かっているのに対策を怠った結果、ボスの全体攻撃で即死するのはまだ良いですが、初見で対策出来なかったら全ロストは、プレイヤーのやる気が即死します。
2.そもそもローグライクである必要がない
MISTOVERの戦闘はターン制のオーソドックスなRPGですが、ダンジョン内の移動はプレイヤーと敵が交互に動くローグタイプです。
良くあるランダム生成のダンジョンを、満腹度と明るさを管理しながら探索し、敵シンボルにぶつかるとRPG戦闘が始まります。
戦闘自体は、陣形や仲間との連携、多くのバフ・デバフの管理、タイムラインを見ながら攻撃相手を選択など、考える要素が多くて楽しいです。
特にバフ・デバフの管理は重要で、命中率や攻撃力などのステータスが、序盤から30%~50%ぐらいの幅で上下します。そのため適当にプレイしていると、全然攻撃が当たらなくなったり、1撃で倒されたりします。そのため、常に気を抜けない戦闘を楽しめます。
ローグライクの探索パート⇒RPG戦闘パートを繰り返すわけですが、探索パートが何一つ面白くありません。どのダンジョンも変わり映えが無く、宝を漁って草むらに隠れてモンスターに先制攻撃するだけの作業です。本当にそれだけ。
ターン経過でHPが回復するので、探索パートは上手く敵から逃げて回復することが重要であればまだ意味もあったのですが、草むらにさえ隠れることが出来れば安全に回復可能。それなら戦闘終了時にHPMP自動全回復で良かったのでは・・・。
満腹度の要素にしても、食糧を大量に持ち込んでおけば解決するので機能していません。ロストが痛いので念のため大量に持ち込む⇒持ち込み量が多いと直ぐにカバンがいっぱいになる⇒捨てるのも勿体無いので、拾う前に食べるという無駄作業をやらされるだけ・・・。
3.キャラは可愛いんだけどねえ・・・
キャラは良いんですよね。
全体的に暗めで廃退的な世界と、可愛らしいキャラのアンバランスさにより構成される、ミストオーバー独自の世界観は90点ぐらいの出来だと思います。
家庭用機でリリースするならば、ロスト要素無しで純粋に高難易度だけをウリにすれば、やり応えのあるRPGを求めている人からは高評価を得られたでしょう。ただ、3Dアクションゲームが評価を受けやすい現在の家庭用ゲーム市場で、高難易度だけをセールスポイントにRPGで勝負しても売り上げが苦しいことは間違いないです。
どうしてもローグライクにしてロスト要素を入れるなら、本格派・高難易度と銘打ったスマホゲーにして、ロストしたキャラや装備の補填はガチャで回せる感じにすれば活路があったかもしれません。マシンパワーを必要としないゲームですし、スマホでも十分再現可能だったはず。
既存のジャンルに何かを足したレベルで、革新性の無いゲームを新規IPを出すのは厳しいですが、ロスト要素無しのシンプルなRPGとしてDL専売のインディーゲーム並みの2000円台とかなら活路はあったかもしれませんね。
ドMで時間が余っている人はプレイしても良いかもしれませんが、それ以外の人にはオススメできないゲームでした。