- 5段階評価:★☆☆☆☆
- 感想:完全にゼルダの劣化版。
- プレイ時間:約7時間(クイックセーブ使用)
- レビュー投稿時の進行状況:ストーリークリア
新SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語は、1994年9月9日にバンダイから発売されたアクションゲーム。
ナイトガンダムのゲームと言えば、ファミコンのナイトガンダム物語3部作や、スーパーファミコンの大いなる遺産や円卓の騎士が有名なのだが、実はこれらのゲームは1990年~1992年の3年間に集中して乱発されている。ゲームボーイのラクロアンヒーローズも合わせると、RPGのジャンルで3年で6本もナイトガンダムのゲームが発売されているのである。
- SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語:1990年8月11日
- SDガンダム外伝 ラクロアンヒーローズ:1990年10月6日
- SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語2 光の騎士:1991年10月12日
- SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語 大いなる遺産:1991年12月21日
- SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語3 伝説の騎士団:1992年10月23日
- SDガンダム外伝2 円卓の騎士:1992年12月18日
SDガンダム外伝 ラクロアンヒーローズ【レビュー/評価】城から出て1歩目で全滅する仰天のJRPG
ハードの移行期であったことを考慮しても、当時はSDガンダムが如何に稼げるコンテンツだったのか一目瞭然。
そして、新SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語は、そんな一世を風靡したSDガンダム外伝シリーズ最後の作品であり、唯一のアクションゲーム。
SDガンダムのカードダス自体は根強いファンが一定する存在するため、2021年現在でも新しい設定が続々と生まれ続けているが、当時の人気は機兵が出て来たあたりから下火になっている。
カードダスの新シリーズが始まってからは人気が盛り返したのか、ゲームで一発当てて再起を狙ったのか不明だが、SDガンダム外伝シリーズとしては約2年ぶりに当作品が発売されている。最も、当作品の余りの出来の悪さが原因となったのだろうか、これ以降はSDガンダム外伝がゲーム展開されることは無かった。(2010年にどうでもいい携帯アプリは出たが・・・)
JRPGが遊びたかったんだよ・・・
SDガンダム外伝シリーズと言えば、ゲームバランスはさておき、ナイトガンダムで遊べるJRPGとして一定の評価を得ていた。
魅力的なナイトガンダム達を操作して、ドラクエっぽい感じで冒険できるだけで満足度が高かった訳だが、新SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語はジャンルが変更されてアクションゲームになっている。
そしてその内容は、1993年6月6日発売されて名作と名高い、”ゼルダの伝説 夢を見る島”の影響を受けたことが丸わかり。
そして、ジャンル変更が決定的な失敗。
ゼルダを目指したのは良いけれども、何もかもがゼルダに遠く及ばない駄作が出来上がっている。
戦闘が常に苦行
キャプチャを見て分かる通り、画面サイズに対してキャラが大きく(ゼルダの1.5倍ぐらい?)とにかく当たり判定がキツイ。
敵に当たって壁際でノックバックすると最後、敵が自キャラにめり込んで接触ダメージを短時間に受けまくって圧倒言う間にゲームオーバー。道中でやられても大したペナルティは無く(次のレベルまでのEXP没収だけ)、進行状況も保存された状態で宿から再スタートなのは良心的だが、互換機のクイックセーブが無いと辛い。
ゼルダを模した地形ギミックと、遠距離攻撃をしてくる敵が組み合わさっているステージになると、被弾が激しくあっという間にハートが無くなってしまう。
加えてこのゲーム、消費アイテムが全てカードダス扱い。そのため、回復アイテムが欲しくてもカードダスは当然ランダム排出なので、回復アイテムを必ず買えるとは限らない。カードを買う⇒要らない物を交換屋に持っていく⇒カードを買うの繰り返しが実に煩わしい。(なので無駄に被弾したら、アイテムを使わずにクイックセーブで巻き戻したい。)
とにかく敵の遠距離攻撃が辛いゲームだが、その反面、近距離攻撃しかしてこない騎士タイプの敵には困ることは無い。なんせ攻撃ボタンを押しっぱなしにすると、剣を前に突き出したままになるので、棒立ちしているだけで敵が勝手にぶつかって倒れてくれる。ナイトガンダムなのに、本質的な剣での戦いを楽しむ事ができない。
ゼルダっぽいのに謎解き無し。
ジャンプする、見えない足場を表示する、時間を止める、岩を壊すなど、特殊アイテムで地形を踏破して物語を進めるが、肝心の謎解きは殆どない。単に移動の邪魔になるオブジェクトに対して使うアイテムが変わるだけ。
攻撃ボタンを押すだけの機兵バトル
新SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語は、機兵に移行して人気が落ちたSDガンダム外伝を持ち上げる役目を持っていたはずだが、肝心の機兵バトルが絶望的に面白くない。
単純に操作キャラが機兵になり、敵も味方も当たり判定とHPが増えてタイマンになるだけ。
機兵バトルの難易度は高めで、流石に開発陣もクリア出来なかったのか、唐突に場外から流れてHP回復用のE缶みたいなアイテムが流れてくる。これを如何に上手く取るかで勝負が決まる。(連続して敵に取られると大体負ける)
魔竜剣士ゼロガンダムは、アニメのガンダムビルドファイターズトライでレディ・カワグチのガンプラとして登場したように、今でも根強い人気を誇っている。そんな人気キャラを使ったにも関わらず、技術力も無いのにアクションゲーム化して失敗してしまった勿体無い作品。素直にRPGにしておけば、些細な事は目を瞑って楽しめるレベルには仕上がったはずなのに残念。
ストーリー設定自体は良い
このゲームのストーリーは、カードダス”最強の魔竜剣士”の前日譚+αといったところ。
カードダスでは、サンダーソードの伝承者候補者には余り触れられておらず、バトルオブナイツという別シリーズのカードダスに少しだけ出てきた程度。そんな候補者達との関係が分かる作品になっている。
ゼロは他の選ばれなかった候補者に海に落とされて記憶をなくしており、スペリオルドラゴンに導かれてサンダーソードを悪用しようとする他の候補者を成敗し、カードダス本編”幻魔王の挑戦”と”最強の魔竜剣士”を再現という流れ。
“最強の魔竜剣士”までの再現なので、バイスガンダム=ファルコガンダムが分かって中途半端に終わり。
ラスボス戦は本当に難しい。クイックセーブで10回ぐらいやり直した。実機でプレイしていたらギブアップしそう。
なお、終盤に開催される、白金のハルバード争奪トーナメントは、イベントシーンのみのながら演出に努力の跡が伺える。しかし、これも路線変更せずにRPGでやっていれば戦闘有りで楽しめたはずだと考えると何とも・・・。
唯一の良かった点は・・・
このゲームで唯一良かった点は、カードダスのエピローグで羽織っているゼロのマントの由来が分かったことだろうか。
多分、このマントはゲーム中で手に入る、ダメージエリアを抜けることが出来るようになる特殊アイテム。特別な名前が付いている訳ではなく、そのまま”マント”である。
ゲームのエンディングでもしっかりと羽織っている。
ゲームをプレイするにあたって魔竜剣士ゼロガンダムについて調べたところ、モチーフがシャッコーだと今になって知った。完全にオリジナルだと思っていたが、猛者になると肩のオレンジ色から連想するのだろうか。
以上のように、新SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語は、ゲームとしての出来が悪く完全にファンアイテム。箱説付きで買ってコレクションにするのは良いだろうが、中途半端にカセットだけ買ってプレイする必要はないだろう。

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