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【Children of MORTA ~家族の絆の物語~】レビュー: 動き回る美麗なピクセルアートと、骨太なディアブロ風ローグライクアクションの両立に感動を覚える – チルドレン・オブ・モルタ

点数評価90点
プレイ状況ストーリークリア
プレイ時間約13時間
発売日2020年12月17日
対応機種Switch/PS4/Steam
Xbox (Gamepass)
プレイ機種Switch
開発元11 bit studios
Dead Mage
発売元DMMGames
ジャンルアクションRPG
ジャンルの考え方
総評/評判/感想

ドット絵或いはピクセルアートを製作する技術は、3D作成技術と同様に進歩が目覚ましく、今となっては単に美麗なだけでは話題に乏しい。Children of MORTAの場合、インディーの小振りなタイトルにもかかわらず、ビジュアルブックが特典に用意されている程に、グラフィックに自信を持っている作品だ。実際にプレイしてみると、イベントシーンでは動き回る美麗なピクセルアートに魅了されることだろう。ゲーム性としては、ローグライク要素よりも適切な操作キャラをステージに合わせて選択することの方が重要であり、ランダム要素を嫌うプレイヤーにも受け入れられるはずだ。

【総合評価】
革新性
ユーザビリティ
ビジュアル
サウンド
プレイ継続性
コストパフォーマンス

チルドレン・オブ・モルタは、インディーゲームながら製作期間は5年以上と、じっくりと手間暇かけて作られた作品だ。また、目を奪われる美しさのピクセルアートに話題が向きがちだが、しっかりと時間を掛けて開発しただけあり、アクションの面白さも抜群で、難易度ノーマルでも十分に手応えがありスキルやアイテム運用に頭を使う骨太なアクションゲームである。

プレイフィールとしてはディアブロライクなハクスラで、それにローグライクな自動生成ダンジョンが加わったアクションゲームに仕上がっている。プレイアブルキャラとしては、主人公達ベルグソン家の6人+1人の合計7人が用意されている。キャラクター毎に操作感が大きく異なるので、状況に合ったキャラクターを選択しながらダンジョンを攻略していくことになる。

美麗な上にしっかり動くピクセルアート

Children of MORTAの最大の特徴はやはり美麗なピクセルアートである。雄大な自然風景から薄暗いダンジョン、儀式的なイベントまで、緻密に作り上げられたピクセルアートは見事の一言。最初から最後まで、飽きることなく見入ってしまうことだろう。特に背景が綺麗なのだが、光や炎,湧き出る敵などのエフェクトも凝っており、イベント毎に感心すること間違いなし。

Children of MORTA 大自然
自然
Children of MORTA ダンジョン
ダンジョン
Children of MORTA 儀式
儀式

ピクセルアートの美しさもさることながら、特筆すべきはその動きだ。これでもかというぐらいに滑らか動き、イベントを盛り上げるのである。次の動画は、序盤にベルグソン家の母親が、敵に一時的に攫われるイベントシーンを紹介する。

このシーンでは、室内の異変に気が付いた父親が、ドアを破って部屋に入り母親を助けようとし、それを追いかける他の家族と、隙間を縫うように魔法で高速移動してくる祖母が描かれている。それぞれのキャラクターは小さいものの、細かな動きから緊迫した雰囲気が3Dゲームにも劣らないレベルで伝わってくる。

本作のキャラクター達は時々セリフが出るものの、長い会話をすることはない。代わりに、随所でナレーションがボイス有り(土師孝也)で挿入される。キャラクターボイスは付けずにナレーションに絞るという表現方法は、インディーゲームの限られた予算の中で辿りついた結論なのだろう。チルドレン・オブ・モルタはピクセルアートの動きのレベルが高く、キャラクターボイスを付けるまでも無く十分な情報量を持っているため、ナレーションのみでもフルボイスのゲームにも劣らないイベントシーンが繰り広げられる。

Children of MORTA 会話シーン
年頃の子供と父親の微妙な距離感もしっかり伝わる
Children of MORTA ナレーション
暗いシーンは特にナレーションが合う

難易度はやや高めながら、救済措置も十分なアクション

チルドレン・オブ・モルタは前述の通り、ハクスラアクションとローグライクが融合したようなアクションゲームであり、難易度はノーマルでもそれなりの難しさだ。特に2ステージ目からは罠のギミックが増え、敵の攻撃方法も多彩になるので油断していると直ぐに倒されることになる。プレイアブルキャラクターをしっかりと強化をしなければクリアは難しいレベルデザインとなっている。幸いにも、強化によるステータスの伸び代は大きく、強化に必要な資金は敵に倒されても失われないので、アクションゲームが苦手な人でも最終的にはクリア出来るように配慮されている。

見た目はディアブロに似ている

一般的なハクスラでは、キャラクターの強化手段としてランダムに効果が付与された武器のドロップを狙うタイプが多いが、このゲームではシンプルに、取得した資金でステータスを強化していくことになる。”家族全員の武具”を強化するという設定なので、攻撃力や体力などの強化項目を選ぶと全キャラクターに効果が反映される。

ローグライク要素としては、ダンジョンは自動生成だがレベルは継続性である。プレイ途中に手に入れたアイテム(後述の聖遺物やルーン)は1回の冒険に限り有効で、ダンジョンをクリアしたり倒されたりすると全て失われる。一方で強化手段として消費する資金は、途中で倒されても失われることは無く、全額を持ち帰ることが可能である。

キャラクター周りの成長システムが上記のようになったディアブロだと思ってもられば分かりやすいだろう。ワラワラと大量に沸いて来るザコ敵の群れを吹き飛ばしながら進んでいくも、時には数に圧倒されて捌ききれず倒されることも多い。また、特殊能力(フリーズや毒沼生成)を持った強化タイプの敵に遭遇して瞬殺されることある。それでも挫けずにリトライしていれば確実に強くなっていく。

道中のアイテムは慣れるまで少し分かり難い

チルドレン・オブ・モルタでは、アイテムは道中で拾うか商人から購入することができる。アイテムは以下の5つの分類が用意されており、最初はオベリスク以外は分かり難いかもしれないが、アイテムは沢山の種類が出現する訳では無いので、とりあえず拾っていけば、段々と覚えることが出来るだろう。

プレイ中に取得/使用するアイテム
  • 聖遺物:
    範囲攻撃,回復,バリアなどの特殊効果を発揮。クールタイムが設定されており何度でも使える。
  • 聖なる恵み:
    キャラクターの永続バフ。ステータスアップや自動攻撃するオプションなど。
  • ルーン:
    メインor2種類の特殊攻撃に、追撃やデバフなどの追加効果が加わる。一定回数使うと効果が切れる消耗品。
  • お守り:
    1度だけ任意のタイミングで使え、範囲攻撃,アイテム入手,一定時間無敵など、効果は多種多様。
  • オベリスク:
    取った瞬間から一定時間だけキャクターをバフする。

ランダムに入手するこれらは全てを持ち歩くことは出来ないので、選択したキャラクターの特性や、出現するモンスターから考慮して、取捨選択しながらダンジョンを踏破していく。強いシナジーを持つアイテムを複数入手できれば、アクションゲームが得意な人なら低レベルでもクリア可能という、ローグライクゲームの典型だ。

選択したキャラクターによって大きく変わる戦法

チルドレン・オブ・モルタには操作性の異なるプレイアブルキャラが7人用意されている。それぞれの操作性は全く異なるため、特にボス戦ではキャタクターによって得意/不得意が明確に現れる。つまり、ステージ毎に最適なキャラクターを選ぶことが重要だ。各ステージのボスを初見でクリアを目指すのではなく、まずはじっくりと行動を見極めて、どのキャラクターを使えば良いか考えるのもありだろう。

Children of MORTA キャラクター選択
遠近7キャラ、それぞれに得意不得意があり

例1:序盤のクモを模したボス戦

クモの糸をステージに張り付けて移動を阻害してくるので近接キャラは不利。一方で遠距離キャラだとレベルが低くても難なく倒せる。

例2:発生が早い近接攻撃をしてくる中盤のボス戦

攻撃の発生が早いなら、盾持ちキャラで確実に防いでカウンターを入れれば良い。

例3:高威力広範囲な攻撃をしてくるが鈍重なボス戦

相手の動きが遅いのであれば、こちらも止まりながらでしか攻撃できないが、ダメージ効率の高いキャラで攻める。

Sara
Sara

全く歯が立たなかったボスでも、キャラを変えると楽々倒せることも。

どのキャラクターも満遍なく育てたい

チルドレン・オブ・モルタは家族の絆がテーマのゲームなので、育成要素にもそれが反映されている。キャラクターのレベルはそれぞれで独立しており、レベルアップすると簡易ながらスキルツリーに自分でスキルポイントを振ることができるのだが、スキルポイントを一定値振る毎にパッシブ効果を得ることができ、その効果は家族全員に波及(=操作キャラクターを変えても継続)する。

攻略に詰まったと感じたら、育てていないキャラクターでクリア済みのステージをプレイして、サブクエスト的なイベントを進めると良いだろう。おのずとレベルが上がり、パッシブ効果を得て、知らずと資金も溜まって家族全体のステータス強化が出来るはずだ。

このように、地道に強さの底上げが出来るので、アクションゲームが苦手な人でも繰り返し遊べばクリア可能である。特に、ジョン(父親)は最終的にHP自動回復の、俗に言うリジェネ効果を得ることが出来るので、誰を育てるか迷ったらジョンが良い。ジョンさえ育てきれば、全キャラクターでHPが自動回復するようになる。

また、幸いにもイベント数は豊富なので、過去のステージを繰り返し遊んだとしても、単純な敵を倒すだけの作業としてのレベル上げになることも無い。

Children of MORTA イベント
悪行を尽くす蛮族を成敗するも良し
Children of MORTA イベントその2
儀式を拝見しても良し

買うならPS4のパッケージ版をオススメしたい

Children of MORTAはPS4とSwitchでパッケージ版が発売されており、初回特典としてアートブックが付いているので、出来る限りパッケージ版を入手したい。また、ハードに関してはPS4をお勧めする。

ロード速度からPS4版をお勧めしたい

筆者は何となくピクセルアートに自信があるゲームはニンテンドー機でプレイしたい気持ちがあるので、Swtich版を購入したが失敗だった。起動時とダンジョン突入時に30秒以上のロード時間があり、ロードの頻度は高くないものの、やや”待たされている”という印象を持った。PS4でHDDをSSDに換装している、あるいはPS5入手済みであれば、ロード時間を大幅に短縮出来て、時短の恩恵が大きい可能性が高い。

パッケージ版はアートブック付き

本作の価格は以下の通りである。

パッケージ版 3,980円(税抜)/ DL版 3,600円(税抜)

パッケージ版とDL版で380円しか違わない。380円の差額で、パッケージ版には88ページフルカラーのスペシャルアートブックが付属している。単純にアートを収めただけではなく、開発の経過によって仕様がどのように変わっていったのか、ゲーム開発経緯に関する解説も載っており、このゲームを気に入った人は間違いなく必携のアイテムだ。

以上のようにChildren of MORTAは、ピクセルアートに興味があり、ディアブロライクなアクションゲームが好きな人には絶対にお勧めしたい作品だ。

もう少しボリュームが欲しかったので★4にしている(クリアまで約13時間)が、高難易度モードに挑むことが好きな人は、クリア後にニューゲーム+が待っているので長時間遊べるだろう。

Xboxゲームパス対応

アートブック付きのパッケージ版が手に入らないのであれば、Xboxのゲームパス版を遊ぶ良いだろう。2021年9月27日のアップデートにて、Xbox版も日本語音声に対応した。折角ストーリーに力を入れている作品なので、日本語で楽しむことがベストだ。

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