点数評価 | 70点 |
クリア時間 | 約7時間 |
プレイ状況 | クリア |
プレイ時間 | 約7時間 |
発売日 | 2021年1月28日 |
対応機種 | Steam/Switch |
プレイ機種 | Switch |
開発元 | Shinobi Games |
発売元 | レジスタ |
ジャンル | アクションRPG ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
【総合評価】 | |
革新性 | |
ユーザビリティ | |
ビジュアル | |
サウンド | |
プレイ継続性 | |
コストパフォーマンス |
迷宮伝説は、2021年1月28日に発売された、Shinobi Games開発のローグライクアクションゲームだ。元々はスマホで配信されていたゲームだが、新たなジョブである“ナイトクローラー”が追加され、Switchに移植された。
ここ数年、何が発端になったのかは分からないが、“ローグライクアクション”というジャンルは供給過多の状態にある。サイドビューやクォータービューなど、見た目の違いはあれど、群雄割拠のローグライクアクション戦国時代と言っても過言では無いだろう。
そんな時代に発売された迷宮伝説は、沸き出て来るモンスターをひたすら武器で攻撃して倒しながら迷宮を探索するアクションRPGだ。迷宮の最奥に待ち受けるボスを倒せば、次の迷宮とクリアした迷宮の上位難易度が解放される。探索とボス戦を繰り返して経験値を稼ぎ、ラスボスを倒すだけのシンプルな作りである。強豪がひしめくローグライクアクション界では正直インパクトが弱いのだが、迷宮伝説は元々スマホでリリース済みというアドバンテージを活かし、リリース直後から1週間は50%OFFという破格の値段設定で勝負してきた作品である。
ボス戦は面白いが、探索とザコ戦は大味
迷宮伝説は、主人公の攻撃速度が早めなアクションゲームである。武器種は短剣、大剣、鞭、槍、弓、ブーメラン、ハンマー+魔法3種類の合計10種類が用意されており、攻撃力の高いハンマーが一番攻撃速度が遅いのだが、そのハンマーでも一般的なアクションゲームなら普通程度に感じる攻撃速度である。
遠距離攻撃の弓も標準性能で秒間3発ぐらいは撃ち、ブーメランも投げた物が返ってくる前に、次のブーメランを投げるので、往復で一体何ヒットしているのか分からなくなる。
このように迷宮伝説は攻撃速度がとにかく早く、ザクザクと爽快感のある攻撃を絶え間なく繰り出すことができる点が大きな魅力である。
迷宮伝説は何といってもボス戦が面白い。レベル制でステータスの底上げが出来て、装備のハクスラと装備の強化要素があるので、それらの組み合わせによって難易度の程度は変わってくるが、プレイヤーの攻撃速度が早い代わりにボスは全体的に硬めに設定されている。
こちらが放つ一撃のダメージは大したことが無くても、大きなボスに対して連続攻撃を当て続けるという行為は、如何にもモンスターを討伐しているという感じが出て気持ち良い。
しかし、気持ち良く攻撃出来るからといって、ボスを殴り過ぎると当然ながら反撃を喰らってしまう。また、被弾後の無敵時間が余り長くないので、被弾しながらゴリ押しは出来ないようになっている。また、自キャラの当たり判定は大き目なので、回避は十分に余裕をもって行う必要があるので一筋縄ではいかない。
基本的にはボスの行動の隙をついて、複数回攻撃を入れては逃げるの繰り返しだが、チャンスを見極めて手数を頼りに攻撃するというのは、思っていた以上に爽快感がある。
前動画のボスは、フィールド内を移動するタイプだが、次のスクリーンショットのように、超大型で画面の背景部分が攻撃対象になっているボスも存在する。
なお、例えボス戦で倒れたとしても、直ぐにボス戦からリトライ可能。勝てないのであれば、装備強化のために一旦ステージから離脱しても良い親切仕様。また、道中やボスで倒されたとしてもペナルティは一切無いので、ボスには気軽に挑戦できる。
迷宮伝説のMAPはローグライクに良くある自動生成タイプだが、7~10個ほどの部屋が連続しているだけで、自動生成されようがされまいが、プレイ感には余り影響を及ぼさない。道が別れている場合もあるが、別れた先に複数個部屋があるだけで、複雑に入り組んだ構造は存在せず単調なものばかり。
探索はハッキリ言って退屈でしかない。
また、自キャラや敵のサイズが部屋の広さに対して大きいので、自由に動ける範囲が狭く直ぐに敵に囲まれる。敵に囲まれてピンチになること自体は、探索のスパイスとして問題はない。しかし、どんなステージのどんな階層でも、敵を残して部屋を移動すると全く同じ状況になる。
次の動画は迂闊に敵から逃げたお陰で、更に敵に囲まれて苦戦する様子である。
ステージは草原、海底、火山など多数用意されているので、もっとマップの作りにコンセプトを持たせて変化を付けて欲しかったところである。ステージが変われば当然ながら出て来る敵が変わるのだが、部屋の中に留まって全滅させたら次の部屋に移動するという繰り返しなので、少々作業感が出てしまっている。
迷宮伝説は、エフェクトがやや雑でダメージ表示が大きい。そのため、各種表示が自キャラや敵と被って非常に見え辛くなる。静止画ならまだ視認できないことは無いが、攻撃速度の速さと相まって、実際のプレイにおいては間違いなく見辛さを感じるだろう。
3桁ダメージがボコボコと沸いて出ると、ビジュアル的には面白いのだが視認性を優先して欲しかった。この仕様は元々がスマホゲームだからであろうか。(スマホゲームは大きめの数字を大量に出す傾向が強い)
装備交換のサイクルが早いハクスラ系
迷宮伝説は、どの階層も探索範囲が広くないのでテンポ良く探索が可能。また、どのステージも5階層進めばボスなので、順調に行けば1ステージ10分~15分ぐらいで突破できる。そのため、次から次へと新しい装備品が手に入るため、装備の交換サイクルが非常に早い。次のダンジョンに入ったら全身装備が変わるなんてことも頻繁に発生する。
1回の挑戦でも持ちきれないほどの大量の装備品が拾え、それらには全てランダムな効果が付与されている。攻撃力とランダム効果の組み合わせから気に入ったものを選び、装備を更新していくというオーソドックスなハクスラである。
また、ダンジョンで集めた“魔素”と呼ばれるアイテムを採掘場で消費することで、武器強化の素材を採掘してもらうことができる。気に入った強力な装備があれば、強化素材を消費して能力を上げていく。
装備の収集と強化周りにの仕様に関しては、厳選作業が好きな人なら、間違いなく受け入れられる仕様だ。
ちなみに、お勧めの付与効果は、攻撃力が25%UPする代わりに被ダメージも25%UPする“呪い”である。呪いによって被ダメージが増えると倒されやすくなるが、迷宮伝説はボス戦のリトライの敷居が低いので、そこまで大きなデメリットでは無い。ボスの攻撃をしっかりと回避して、高威力の攻撃を連続して叩き込めるスタイルにした方が間違いなく楽しい。
一方で、敵を攻撃すると近くの敵が爆発して追加ダメージを与える“誘爆”はお勧めしない。元から悪い視認性が更に悪化するからだ。性能よりも快適性を優先したい。
改善点もあるが、セール価格ならあり
ハクスラ要素&装備育成の沼にハマると楽しいかもしれないが、その体験は迷宮伝説に限ったものではない。そのため、必然的に戦闘の面白さで勝負することになるが、それは前述の通り、“ボス戦は面白くて、探索はイマイチ”という感想である。
所詮はベースがスマホゲームなので及第点かもしれないが、セール後の980円が適正価格で、本来の定価である1980円は少々割高と言えるだろう。
それでも、クリア後には更に新しい難易度“究極”も追加されて、長く遊べることは確かなので、硬めのボスを厳選した武器で高速に殴るスタイルが気に入れば満足度は高くなりそうである。
単調な探索と、居ても居なくても大して変わらない仲間モンスターが改善されれば、ワンランク上の評価になりそうなので惜しい。
恐らく、何らかのセールがある度に50%OFFとして登場することが想像できるので、ローグライクアクションに飢えている時にセール価格で見かけたのであれば手を出しても良いだろう。決して面白くない訳ではないが、ローグライクアクション戦国時代においては些か作り込みが甘いと感じる作品であった。
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