点数評価 | 90点 |
プレイ状況 | オールクリア |
クリア時間 | 約4時間(Aエンド) |
プレイ時間 | 約10時間 |
発売日 | 2022年9月28日 |
対応機種 | Switch/PS4/PS5/Steam/Xbox |
プレイ機種 | Switch |
開発元 | Neotro |
発売元 | Phoenixx |
ジャンル | 悪夢系ツインスティックシューター ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
NeverAwakeは、2021年に開催されたインディーゲームの祭典「BitSummit X-Roads」において「BitSummitアワード」の大賞を受賞した、全方位型のツインスティックシューターだ。少女のトラウマを表現したというビジュアルは、やや気持ち悪いが強烈なインパクトを持っている。ループし続けるステージでソウルを稼げばクリアとなる一風変わったスタイルのシューティングゲームは新しく、各ステージはクリアまで1分ほどと短いが全80ステージも用意されている。更にそれら全てでスコアアタックとタイムアタックのランキングが用意されているので遊び応えは抜群だ。シューティングの初心者から上級者まで幅広い層が楽しめる神ゲーである。
ギリ許容できるレベルの不気味な世界
NeverAwakeは、とある理由で眠り続ける少女レムが夢の中でモンスターと戦い続けるシューティングゲームだ。シューティングゲームには様々な種類があるが、NeverAwakeは全方位から敵が迫りくる、360度ツインスティックシューターである。また、“敵を倒すと出現するソウルを必要数量集めるまでステージがループし続ける”というシステムが最大の特徴となっている。
NeverAwakeは、シューティングゲームとしてのゲーム性の前にその世界観が独特だ。当作品に出て来るモンスター達は、主人公であるレムが実世界で避けたいと考えている畏怖対象物であり、それらが夢の中で凶悪な見た目となって襲い掛かってくる。
例えば最序盤のボスモンスターはワサビだ。これはレムが行きたくも無いのに連れて行かれた寿司屋で初めてワザビを食べた際のトラウマが具現化したものである。すりおろす前のワサビにギョロギョロとした目玉が大量についた、実に不気味な風貌のモンスターが弾を撒き散らしながら浮遊する。
悩める少女レムには、とにかく苦手な物が多い。ワサビ以外にも野菜全般が嫌いであり、その中でも特にナスが嫌いなようだ。学校生活においては、算数が苦手だし体育も苦手。そのため、0点の答案を咥え、数式が体に書かれたコンパスや、気持ち悪い顔の付いた跳び箱がボスとして登場する。レムは他のクラスメイトともうまく行っていないため、その象徴としてニコニコな笑顔と共に弾幕を振りまく巨大な女子が襲ってくる。
また、レムは犬も怖いし歯医者も怖く、好きなことと言えば、絵を描くこととおばあちゃんぐらいだ。僅か8歳でここまでトラウマが積み上がるのかはやや疑問だが、あれもこれもと嫌いなものが多いため、ステージも膨れ上がりなんと80種類も用意されている。
少女の辛い思い出が詰め込まれた夢の世界は、手描きによるハイクオリティなグラフィックで構成されている。そのビジュアルは、“グロテクスながらも目を逸らしたくなるという程ではない”という絶妙なラインを攻めた仕上がりとなっている。
一度見ただけで脳裏に深く刻まれる、超個性的なデザインの数々!
なお、NeverAwakeはストーリー性が重視されているので、単にステージでトラウマを具現化するというだけではなく、ステージをクリアする度にボスが登場した原因となるエピソードが解禁される。また、特定の条件を満たすことで過去の写真が解放されるので、それにてトラウマになったシーンを確認できるという仕組みも用意されている。
ループを続けるステージでスコアとタイムを競う
NeverAwakeのステージ数は全80と非常に豊富だ。ただし、それぞれのステージは短く、多くは1分ほどで終着点に辿り着く。NeverAwakeはステージを通過しきってもクリアとはならず、クリアするためにはステージ内で敵を倒すことで出現するソウルというアイテムを100%まで集めなければならない。必要なソウル数に到達するまでステージはループし、ループの度に敵が強化されていく。
下のスクリーンショットであれば画面の至る所に浮いている虹色の物体がソウルだ。ソウルを集めそこなっていると周回を重ねることになり、発射弾数が増えたザコモンスターや、強力な追加モンスターと対峙しなければならなくなる。
ステージクリア時のリザルト画面では、経過時間やスコアと共に、ループという項目が表示される。下のスクリーンショットであれば、ループの項目は1.86ループとなっているので、2週目終盤まで進んで約84秒ということが分かるだろう。ちなみに、闇雲に敵を撃っているだけでは達成できないが、何れのステージも1ループ以内にソウルを100%集めきってクリアすることが出来る。
最初は1ループ以内のクリアは難しいが、特殊武器やアクセサリーが充実すると達成できるようになる。
シューティングゲーム経験者にとっては当たり前の話なのだが、シューティングゲームは本編クリア自体にさほど意味はなく、肝心なのはその後のスコアアタックだ。NeverAwakeの場合、出現するソウルを取得することでステージクリアとなるが、逆を言うとソウルを取らない限り、幾らでもループを繰り返して敵を倒し、スコアを稼ぎ続けることが出来る。つまり、敵の弾幕だけではなく、“敵撃破時に出現するソウルも避けながらスコアを稼いでいく”という遊び方がこの作品の本質だ。
ゲーム本編のクリアが目的であれば、出現したソウルを吸収するアクセサリー装備し、積極的にソウルを回収することになる。しかしスコア稼ぎが目的となると、ソウルがレムから逃げたり、画面上のソウルを敵にぶつける効果を持つアクセサリーが重要となる。加えて、回収したソウル量に比例してスコア倍率が上昇する“スコアトート”というアクセサリーが用意されているので、それを装備してソウルを100%近くまで稼いだうえで、そこからクリアしてしまわないようにソウルを避けながら敵も避けるという立ち回りが求められる。
次の動画はとあるステージで9ループ目まで進んだシーンだ。ループが進んでいるので敵の数が多く、弾もソウルも避けることが難しい状況が分かるだろう。
射撃はレムが向いている方向に自動で高速に発射される。特殊武器は任意で発動。
NeverAwakeはソウルさえ集めきれば、1ループ未満やボス未撃破でもステージクリアとなる。そのため、“如何に取りこぼしなく敵を撃破し、最短でソウルを集めきることが出来るか”という遊び方がタイムアタックとして想定されている。
NeverAwakeは全方位シューターとはいえ、ステージに障害物が多い。加えて、タイムアタックにはソウル獲得数増加のために、追加で敵を登場させる“アメチャン”というアクセサリーを装備するのだが、移動が制限される中で大量に出現する敵を全てを倒しきるのは至難の業だ。
ステージに合わせた特殊武器の選択が重要であるが、特殊武器は12種類も用意されているので、どれがステージに適しているか繰り返しプレイして調べることになる。また、純粋に特殊武器の使用回数を増やしたり、敵の弾に掠ることで特殊武器の使用回数を回復するなど、装備するアクセサリーによって使うタイミングや運用方法も変わってくるので、自分のプレイスタイルに合った組み合わせを探すことが楽しい。
特殊武器には、壁で反射するビーム、自分を中心に花火のように弾を発射する散弾、レムを追尾するオプションや設置式のタレット、敵の弾を相殺するバリア的なビームなどなど効果は千差万別。ステージにぴったりの武器を見つけられた時の喜びは大きい。
また、ステージによっては撃ち込むことでソウルを吐き出すクリスタルが登場する。当然ながら早期クリアには撃ち込みが重要になるが、撃ち込みに夢中になってザコ敵の撃破が疎かになっては元も子もない。しっかりとステージや出現パターンを覚え、どこまで稼げば良いかの繰り返しプレイして見極めしなければならない。このような練習過程は一般的なシューティングゲームと同じだ。
メニュー画面から入れるリザルトには、各ステージのスコアとクリア時間が記載されており、それらをアップロードすることでランキングを競うことができる。補助機能のオートエイムやソウル取得量が増えるソウルリュックの仕様が許可されたAモードと、それらが制限されたBモードにレギュレーションが分けられている。つまり、80ステージ×2モード=160種類ものランキングが用意されているのだ。
一般的なシューティングゲームとは比べ物にならない程に、ランキング項目が細分化されており、挑戦を開始すると完全に沼である。計測区間が短いため、普段は余りこの手のランキングを意識しない人でも、ちょっとした閃きでタイムやスコアで上位に食い込める可能性がある。意図せずランキング上位に喰い込み、想定外の喜びを感じることもあるだろう。
全80ステージ分のランキングが用意されているので、極めようと思うと相当の時間遊び続けることが出来る。
NeverAwakeはスコアやタイムのために大量の敵を画面上に表示する訳だが、やはりこうなると心配なのが、低スペックなニンテンドーSwitchにおける挙動だ。所有ハードの稼働率によってどのハードで遊ぶかは人それぞれだが、NeverAwakeはSwitchでも快適に動くことをお伝えしたい。
高負荷状況における挙動は次の動画を見てもらいたい。これだけの物量であっても大きく処理落ちすることなくゲームが進行していることが分かるだろう。Switchでも60fpsを維持できるように調整されているだけあって、快適なプレイフィールを得ることができる。なお、敵が爆発時に一瞬止まっているのは、特殊武器が大型の敵に当たった際のヒットストップ的な演出であり、これがまた気持良いのだ。
初心者から熟練者まで幅広く歓迎する仕組み
シューティングゲームは一般的に敷居の高いイメージが持たれているジャンルだ。前述の通りクリアに大きな意味は無く、クリア後のやり込みがメインコンテンツとなるが、シューティングゲームへの新規参入者にとっては、一通りのクリア自体が途轍もなくハードルが高いことが定例である。そのような一般的なシューティングゲームと比較して、NeverAwakeは実に遊びやすく作られている。
NeverAwakeには、Aエンドクリアまでに1分前後でクリアできるステージが70種類用意されている。そこからはBエンドに向けた追加ステージ10ステージが登場し、その後は秘密チャレンジというクリア条件が変更された、AとBの合計80ステージの裏面を遊ぶことになる。つまり、合計で160ステージが用意されている。
Aエンドまではシューティングゲームが得意であれば、殆どミスすることなく進むだろう。どちらかと言えば、徐々に解放されていく特殊武器の試運転を楽しみながら、クリア後のスコアアタックを見据えて想像を巡らせるような場と言える。一方で、シューティングゲーム初心者であれば程良い難易度に感じるはずだ。
仮にクリア出来ないステージがあったとしても、ゲームオーバー時には新しいアクセサリーや特殊武器が複数アンロックされ、更にステージ攻略のTIPSも表示される。アクセサリーはコスト式になっており、繰り返し遊ぶ内に装備できる最大コストも拡張されていくので、難易度は次第に低下していく。
加えて、ステージ数が多いということは、難易度上昇が緩やかということであり、ビギナーであっても段階を追って腕前を磨いていくことができる。また、一般的なシューティングゲームであれば、苦手な箇所がステージ後半に合った場合、その部分を繰り返し練習することが難しいが、1ステージ約1分ということもありリトライ性が高く、練習の敷居が低いこともありがたい。
どうしても無理なら、最後の手段としてオートイエムをONにすればなんとかなる。
評価ポイントのまとめ
NeverAwakeは、幅広い層をターゲットにしつつも、シューティングガチ勢も沼にハマることができる素晴らしい作品だ。シューティング面では何一つ不満が無いので★5の100点にしよう思ったが、精神世界を舞台にしてこれだけトラウマを用意するのであれば、レムの年齢はもう少し上にした方が自然な気がしたので減点している。黒いフードを被った自機の見た目との兼ね合いを考えると、設定が8歳でも良いのでその辺りのバランスは難しい所だ。いずれにせよ、そのようなことは些細な問題なので、興味を持った人は是非遊んでもらいたい。
長所
- 豊富なステージ量
- スコアもタイムも挑戦しがいあり
- 初心者も段階を追って学べる
- ギリのラインを攻めたビジュアル
短所
- レムの年齢とトラウマ数のアンマッチ
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