- 5段階評価:★★★★★
- 点数:90点
- 感想:探索はオマケ
- レビュー投稿時の進行状況:ストーリークリアまで。
- プレイ時間:約20時間
MonsterSanctuary(モンスターサンクチュアリー)は、2020年12月8日にチーム17からPS4/Switch/Xbox向けにリリースされた、ドイツのMoi Rai Games製作のRPG+探索型2Dアクション(俗に言うメトロイドヴァニア)ゲーム。
ここ最近のゲーマー界隈はサイバーパンク2077の話題一色。MonsterSanctuaryはサイバーパンクと発売日が近く、ダウンロード専売のインディーゲームということもあり、サイバーパンクの話題に隠れてしまったゲームと言える。筆者はこのゲームを、サイバーパンクで疲れた時の気分転換用として購入した。
ところが、序盤だけお試しで摘み食いしたところ、余りの面白さ(特にRPGのバトルの部分)にサイバーパンクそっちのけでクリアまで走り切ってしまい、早速レビュー記事を投稿するに至った。(サイバーパンクのプレイ時間はまだ0時間だ)
MonsterSanctuaryの主人公はモンスターキーパー(ポケモンマスター的なもの)という、モンスターを育てて使役することが出来る一族の一員。育てたモンスターで3体で野生のモンスターと戦って仲間にしたり、モンスターキーパー同士で3VS3+控え3体の対戦を行い、経験を積みながらサンクチュアリ(住んでいる場所の名前)の危機を救う冒険に挑むという内容。
相手チームと自分のチームの属性相性を見極め、適宜モンスターを入れ替えながら戦うため、基本的には3VS3で行うポケモンバトルだと考えてもらってOKだが、MonsterSanctuaryならでは要素が多数詰っており、ついつい熱中してしまった。
戦いは(バフ・デバフの)数だよ兄貴!
機動戦士ガンダム劇場版ではドズル中将が、“戦いは数だよ兄貴!”と憤っていたが、まさにMonsterSanctuaryにおける戦いでは、味方を強化する”バフ”と相手を弱体化する”デバフ”の数が勝敗を左右すると言っても過言ではない。
ポケモンでも回避率を上げたり、ターン終了時にダメージを与えたりするバフ・デバフが多数存在するように、MonsterSanctuaryでも同じようなステータス変化のシステムが存在する。
MonsterSanctuaryではバフ・デバフが非常に特徴的で、デバフを掛けるとさらに一定確率で別のデバフが発動したり、仲間の特定のアクションに連動して自動的にバフが発動したりと、複数のバフ・デバフが連鎖的に発動するという点が既存のRPGとは決定的に異なる。さらに同じバフを何回も重ね掛けも出来るため、1ターンの間に両チーム間でバフ・デバフが嵐のように吹き荒れ、状況が目まぐるしく入れ替わる。
そのため、戦闘では敵や味方のHP/MPだけではなく、各モンスターがどのような状況に置かれているか見極めることが重要。
- 青色アイコン:各種バフ(ステータス↑やリジェネなど)
- 赤色アイコン:各種デバフ(ステータス↓や、火傷、毒、出血など)
- アイコンの数字:同じバフ・デバフの重複数
- アイコンが飛ぶ:バフ・デバフの剥離
- 白色数字:ダメージ
- 黄色数字:クリティカルダメージ
- 緑色数字:HP回復
- 青色数字:シールド(HPとは別枠で先に削れる)
- 紫色数字:MP回復
- 数字横の上矢印:特攻(効果抜群)
- 数字横の盾:耐性(ダメージ減少)
バフ・デバフの応酬はこの動画を見ると分かりやすい。
これだけバフ・デバフ乗っても即判断できるようになってプレイヤーの進化を感じる。#MonsterSanctuary #NintendoSwitch pic.twitter.com/OloRC7bOJZ
— Sara@ゲームの話が7割ぐらい (@mig60_net) December 13, 2020
この動画は敵・味方1ターンのやり取りだが、たった1ターンの間にバフ・デバフが激しく入れ替わっている様子が分かるだろう。最初は目まぐるしく入れ替わる表示に理解が付いていかない事も多いが、慣れてくると状況判断が一瞬で出来るようになり、プレイヤーとしても判断能力の成長を感じることが出来るようになる。
状態異常の管理は面倒くさい!という人はクリティカル特化でプレイすることも可能。装備やクリティカルUPのパッシブスキルと取ったうえで、攻撃力アップとクリティカルアップのバフだけ掛けて押し切ることも出来る。
6時間プレイしたけど、クリティカルにゃんこは現役。 #NintendoSwitch pic.twitter.com/3N1gq3e0eb
— Sara@ゲームの話が7割ぐらい (@mig60_net) December 11, 2020
パーティに1体はヒーラーを入れて、毎ターン敵に掛けられたデバフを解除していくことが基本戦術だが、敢えてデバフ解除も回復もせずに戦うことも可能である。
回復もデバフ解除もせずに、毎ターンシールドとブラインドで耐える戦術も楽しい。#MonsterSanctuary #NintendoSwitch pic.twitter.com/4MGXlqNBDt
— Sara@ゲームの話が7割ぐらい (@mig60_net) December 14, 2020
この動画では、タンク役がシールドを貼り、1体の魔法系アタッカー役(前)が命中率低下バフを付与し、“当たらなければどうということはない”の精神で、シールドが削れるだけで極力HPに被害が及ばないように戦っている。もう1体の魔法系アタッカー(後ろ)はバフ剥し&デバフ付与をしており、ターンの終わりに敵に、火傷、凍結、出血で合計7回で万単位の追加ダメージが入っている。ちなみに、回転する矢印の様なバフアイコンはダメージ肩代わりを示しており、アタッカーへ単体攻撃が飛ぶとタンクが間に入って代わりにダメージを受けている。
モンスターの多さ(100体以上),火や水などの属性相性,バフ・デバフの種類の多さ,スキルビルドの自由度という、これら4つの要素が複雑に入り組むためパーティ構成の最適解はコレ!という答えは恐らく存在しない。どんなパーティで行くか自分なりに悩んだ末に、それなりに上手く戦術がハマり敵を完封出来た時の達成感は中々のもの。とにかくパーティ編成を考えることが楽しいゲームである。
これはラスボス撃破直後のパーティ。マッドアイは序盤に仲間に出来るモンスターだが、デバフ撒きとバフ剥し性能の高さから最後まで使い続けることが出来る。どのモンスターも割と使い道があるため、どれをメンバーに入れるか実に悩ましいが、頭を捻って考えることがこのゲームの醍醐味と言える。
なお、メインの6体の下には、サブとして連れ歩いているモンスターが小さく見えている。これらは戦闘中に入れ替えることは出来ないが、非戦闘中はいつでも入れ替え可能。わざわざ預けなくても片っ端から何十体も連れて歩けるのは実に便利。
ストーリーの途中で対戦に負けたとしても、オートセーブされている一つ前のエリアから即リスタートが可能。リスタートの速さとメインモンスターとサブモンスターの切り替えの容易さから、パーティ編成の試行錯誤の敷居が低い点も評価したい。特定のデバフに対抗手段が無いがために、一旦拠点に戻って再編成してもう一回ボスまでの道のりを辿るなどという面倒くさい事は一切しなくても良い。
戦闘が楽しくなる数々の仕組みが用意されている
前項目でバフ・デバフの重要性を書いたが、それを引き立てる数々の仕組みが用意されている。
スキルツリーが完全に沼
みんな大好きスキルツリーは自由度が高め。
MonsterSanctuaryのモンスター達はレベルアップしただけでは新しい技を覚えることはなく、レベルアップで入手したスキルポイントをスキルツリーに振る事で、好きな技を好きなタイミングで覚えることが出来る。
モンスター毎にツリーの内容やツリーの数は異なるが、育成方針としては以下の4パターン。
- 技の威力を上げる
- 新しい技を習得する
- パッシブ(常時発動型の能力)を取得する
- HPや攻撃のようなステータスを底上げする
パッシブの取得がなかなかの曲者で、これの取り方によって同じモンスターでも全く戦法が異なってくる。
上のスクショでフォーカスしているパッシブ”ショッキングヒット”は、敵に1撃で一定割合以上のダメージを与えると、敵に命中率低下と感電(追加ダメージ)のデバフを与えるというもの。これを取った場合は、発動条件が大ダメージなので、これを活かすためにクリティカル率アップのパッシブを習得したり、クリティカル率の上がる装備をしたりと、育成方針が決まってくる。
また、ストーリーが進むとシフトチェンジという仕様が追加される。
聖剣伝説3みたいに、光と闇からどちらかを選んでシフトチェンジができて、ステータスが底上げされて新しいパッシブが入手可能になる。
スキルの振り直しや、シフトを切り替えるアイテムは割と沢山手に入るので、悩まずに直感で選んでいくが吉。
MPの心配をしなくていい
MonsterSanctuaryは、戦闘終了時にHP/MPが全回復する。そのため、技を出し惜しみする事は無く、1ターン目から全力で攻撃することが可能。ダンジョンのボスやキーパー同士の長期戦は頭を使うが、ザコ戦は全力で攻撃してサクサク進むことが出来るのは嬉しい。
なお、MPは戦闘中も毎ターン回復する。敵も味方も毎ターン回復するので、MP回復を阻害するデバフも重要。
スキルツリーで技のレベルを上げると、威力がアップする一方で消費MPも増加する。MP回復を阻害されてMPが足りない場合は、自動的に使用できる技のレベルが下がる。そのため、MP回復を阻害することで間接的に攻撃力を低下させることも可能。
分かりやすい属性
バフ・デバフに加えて、属性相性まで覚えてられねえよ・・・と思うかもしれないが、属性に関しては親切仕様。
下のスクショは対戦前に手持ちから先発の3体を選ぶシーン。各モンスターに3列アイコン表示があり、1列目が弱点、2列目が耐性、3列目が持っている技の属性を示している。各モンスターの弱点や技をいちいち覚える必要は無く、編成画面で全て確認可能。
戦闘中にモンスターを入れ替える時にも属性確認は可能。
冒険エリアは平地だけではなく、雪山や溶岩地帯、海の中まで様々な地形が登場するが、それらは戦闘に影響を及ぼさない。
100点満点を取るには後少し
低価格の割にはバトルのやり応えがあり、オンライン対戦まで実装されている満足度の高いMonsterSanctuaryだが、100点満点を取るには後少し詰め切れていない部分がある。
モンスターの進化は不要だった
このゲームではポケモンのようにモンスターを進化させることが可能だが、進化可能なモンスターは一部のみで、進化のヒントも少な目。そのため、筆者はクリアまでに2体だけしか進化させることはなかった。
恐らくポケモンに引っ張られて進化要素を入れたと思われるが、全モンスターにライトとダークのシフトチェンジがあるので、欲張って進化までは入れる必要なかった。
炎タイプの虫(蛾)・・・ウルガモス!ウルガモスじゃないか!
探索マップはさほど親切ではない
このゲームは探索型2Dアクションゲームでもあり、捕まえたモンスターのスキルを使用して道を切り開くことが可能。
例えば、パワータイプのモンスターで岩を運んで床のスイッチを押したり、松明に炎タイプのモンスターで火を付けたり、飛行タイプのモンスターに掴まって空を飛ぶ等々。脚が早くてジャンプ力の高いモンスターに乗って、時間制限内に駆け抜けるなんていうギミックもあり。
ボンバーマンのルーイを思い出すw #MonsterSanctuary #NintendoSwitch pic.twitter.com/aUZal18CRc
— Sara@ゲームの話が7割ぐらい (@mig60_net) December 12, 2020
この手のギミックは、初めて見つけた時は突破することが出来ないものの、後から対応するモンスターを捕まえて戻ってくれば突破できることが多い。しかし、残念ながらマップにマーキング機能が無いため、場所を暗記しておくか、ゲーム外でメモをしておく必要があり少々面倒くさい。2Dの探索型ならホロウナイトのように幾つかマーカーを置ければ良かった。
進化とマップだけは減点だが、それを差し引いてバトルが面白く満足度は高い。オンライン対戦までやり込みなら無限に遊べる一品。バフ・デバフの応酬がメインという、新感覚のモンスターバトルに少しでも興味を持ったなら是非遊んでもらいたい。
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