ゲームのパッケージ版。それはゲーマーの物欲を満たすコレクターズアイテムだ。年々、ゲームソフトの販売本数はダウンロード版の占める割合が高くなっており、最早パッケージ版を好むゲーマーは少数派となっている。そんな時代の流れに負けじとパッケージ版を収集し続けている愛好家たちの悩みの種は、ゲームソフト(ゲームカード)の入れ替えが面倒臭いということである。ゲームのパッケージには、ゲームカード入れ替えの面倒くささを我慢するだけの価値があるため、パッケージ版が市場に流通する限りは我慢するつもりであるが、それでも解消できることなら解消したいという想いは、全パッケージ派ゲーマー共通のはずだ。
当記事で紹介する製品は、上記のようなパッケージ派の悩みをある程度解消できる商品である。製品名称は『Unitek 2023年 8-in-1 Switch多機能カードリーダー切り替え器』だ。簡単に説明すると、ニンテンドーSwitchで遊ぶゲームを、ゲームカードの入れ替え無しで切り替え可能にする製品である。中国産のガジェットにありがちな、発売された年度とガバい日本語訳が付けられた怪しい製品なのだが、使ってみると大変満足度の高い製品であったため、レビュー記事を作成することにした。
後発のゲームカード切り替え用リモコン付きは800円アップ。今回のレビューはリモコン無し。
ワンプッシュでゲームカードを4枚まで切り替え
まず、『Unitek 2023年 8-in-1 Switch多機能カードリーダー切り替え器』のパッケージを見てみると、どうやら正式名称は『マルチポート スイッチゲーム カードリーダー』のようである。Amazonの登録名称が商品名称と異なるのは良くあることなので特に気にする必要は無いが、当記事では以降“カードリーダー”と呼称する。
内容物は、カードリーダー本体、給電用の20センチUSBケーブル(タイプC⇔タイプA)、取説用のQRコードだけである。★5レビューをすれば1000円還元のような案内は封入されていないので安心して欲しい。
当カードリーダーは裏面に3本の爪が用意されており、それらをニンテンドーSwitchのドックの上部に引っ掛けることで、カードリーダーをSwitch本体の上部に固定する。次の2枚の写真は実際にカードリーダーを装着したドックの裏面と表面である。
ドックに爪で固定してゲームカードスロットにケーブルを差し込んだ後は、付属のUSBケーブルにてカードリーダー背面のUSBタイプCとドック側面のUSBタイプAを繋ぐだけである。ドックから給電されると、カードリーダー上部のインジケーターが赤色に点灯するはずだ。
ちなみに、当カードリーダーの長手方向のサイズはドックの上部とピッタリとなっている。そのため、純正のジョイコン以外、例えばホリのグリップコントローラーのようなサイズの大きなコントローラーをSwitch本体に装着すると、カードリーダーと干渉するので注意してもらいたい。
次に、当カードリーダーの製品名には“8-in-1”と書いてあるが、切り替え可能なスロットは上段の4か所だけだ。残りの下段のスロットには読み込み機能は備わっておらず、ゲームカードの保管用となっている。商品ページにも“切り替え4 収納4”と明記されているので問題ないと思うが、製品の仕様は理解しておこう。
ゲームを5作品以上も同時に並行して遊びたいという人は、流石にダウンロード版を検討した方が良いと思う。
給電状態を示すインジケーターがゲームカードの切り替えボタンを兼ねている。ボタンを押す度に読み込むゲームカードが1番から順に4番まで切り替わり、インジケーターの色も赤色⇒黄色⇒ピンク色⇒緑色の順に変化する。
次の動画は、実際にボタンを押してゲームカードを切り替えている様子だ。手元は映っていないが、カチという音がボタンを押した際の動作音だ。短期間の間に4枚のゲームカードが非常にスムーズに切り替わっていることが分かるだろう。
このように、ワンプッシュで簡単にゲームカードが切り替わるので複数のゲームも並列して遊びやすく大変便利だ。端子の劣化を心配する必要もない。ちなみに、空きスロットにゲームカードを差した場合には、そちらが優先してアクティブなる親切仕様になっている。
異常発熱や動作不良は無く、読み込み速度にも影響は無いと思われる
このようなカードリーダーを介してすることで一番気になるのは読み込みの速度だろう。当カードリーダーは、本来のゲームカードスロットからケーブルを伸ばしており更にセレクター部分を介するので、データ転送の上で何かしらの遅延が必ず発生する。しかし、それらが人間の認識できるレベルで無ければ何の問題はない。そこで、手元にあったスプラトゥーン3とドラゴンクエスト10 オフラインを使い、各作品の読み込みが長い部分で時間を計ってみた。
まず、スプラトゥーン3にて、“ユーザー選択からタイトルロゴが表示されるまでの時間”を計ったところ、カードリーダー無しの場合が17.43秒に対して、カードリーダー有りの場合は17.20秒だった。有りの方がむしろ早くなっているが、これは単純にストップウォッチを押すタイミングの誤差だ。つまり、目に見える程の影響は確認できなかったということである。
次に、ロードが非常に長いことで有名なドラゴンクエスト10 オフラインにて、“冒険の書を選んでグレン城の教会で冒険再開するまでの時間”を計ってみた。カードリーダー無しの場合は45.5秒に対して、カードリーダー有りでは45.34秒という結果になり、こちらも誤差程度しか変わらなかった。
従って、“読み込みには影響がない”と言いたいところだが、そもそもとしてパッケージ版であったとしても、それなりの容量のデータが、Switch本体またはSwitch本体に差し込んだマイクロSDに格納されている。時間計測したところで、Switch本体側から読み込んだのか、ゲームカード側から読み込んだのかを判断することは困難なので、影響がないとは断言できない。そのため、段落タイトルに“思われる”と記載した次第である。
頻繁に読み込むようなデータはSwitch本体側に入っており、ゲームカードは殆ど認証用のようなものなのかもしれないが詳細は分からない。
結局のところ、慣れ親しんだゲームを長時間遊んで違和感を覚えなければ、問題ないと判断すれば良いだろう。筆者の場合、スプラトゥーン3は230時間ほど遊んでいるが、今回の確認のために3時間ほど遊んだ範囲(イベントマッチ,バンカラマッチ,ショップ利用,くじ引きなど一通り)では、何一つ普段と変わらないという印象を受けた。
なお、3時間のプレイの間に読み込みエラーが発生することは無く、途中で何度かカードリーダーを触ってみたが、異常な発熱も確認できなかった。従って、読み込み時間は断定できないが、筆者の体感としては製品性能に問題無いと判断する。
インジケーターを消灯させるには工夫が必要
当カードリーダーのAmazonのレビューを見ていると、“スリープができない”との記載を見つけたが、特に問題なくスリープ可能である。製品説明にも同様の記載があるが、これはオフィシャルの説明文ではなく、先取プログラムで利用したユーザーの感想が反映されているだけである。
恐らく、Switch本体スリープした後も、ドックからの給電でカードリーダーのインジケーターが点灯し続けるため、Switch本体がスリープしていないと誤認したのだろう。これは単にカードリーダーが通電していることをインジケーターの点灯で示しているだけあり、Switch本体は起動ランプが点灯しておらずスリープ状態だ。つまり、カードリーダーのインジケーターが点灯していてもゲームカードは読み込まれていない。
Switch本体のスリープ状態とドックの給電機能に関係性は無いので、Switch本体がスリープ中であってもドックからの給電は継続される。例えば、『ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング』をマウスモードで遊ぶために、光学マウスをドックに繋いだとしよう。その場合、ゲーム終了後にSwitch本体をスリープしても、光学マウスの読み取りレーザーは消えない。
インジケーターの点灯など極僅かな消費電力でしかないので無視しても良いし、実際にインジケーターが点灯している状態で8時間ほど放置したが異常な発熱は感じられなかった。むしろ、ドックに挿入しているSwitch本体の温かさの方が改めて気になったぐらいだったので、Switch本体の内部ではなく外部で読み取られることによって、ゲームカード的にも安心では無いだろうか。
なお、当カードリーダーは最後に遊んだゲームカードを記憶しており、次回起動時には前回の続きから読み取りできる。給電を断ってしまうと再び1番目のゲームカードが選択された状態に戻ってしまうので、給電を継続する使い方が正だと考える。
ただし、寝室にSwitchを置いている場合などは、インジケーターの明るさが気になることもあるだろう。そのような場合は、ドックとカードリーダーの間にON/OFFスイッチを入れたり、外部電源を取ってそちらでON/OFFすることを検討しよう。
もっとも、当カードリーダーはテレビモードでSwitchを使う前提の便利アイテムなので、使っているテレビやディスプレイに給電に使えるUSB端子があればそれを使えば良いかもしれない。ゲームを終了してテレビやディスプレイを切れば、仕様によっては給電されなくなり、インジケーターが消えるだろう。ただし、給電開始時にはSwitch本体がゲームカードを挿入されたと認識し、自動的に起動するので注意してもらいたい。
ちなみに、筆者はレグザ55X9400Sを使っているが、このテレビの場合はタイムシフトマシン用の外付けHDD用に給電されている。従って、テレビからカードリーダーに給電した状態で電源を切ったとしても、タイムシフトを設定している時間帯はインジケーターが点灯するようだ。(タイムシフトマシンに限らず、全用途のUSBがアクティブ)
結局のところ、インジケーターの点灯は無視しても良いし、気になるなら環境に合わせて消す方法を考える必要がある。
評価ポイントのまとめ
当製品は、パッケージ派ゲーマーなら必携のアイテムである。これで心置きなくパッケージ版を購入できることだろう。何となく、昔の10連装や5連装のCDコンポを連想してしまうような仕組みも人によっては興味深いかもしれない。
長所
- ワンタッチでゲームカードを切り替えられる
- 異常発熱,読み込み遅延,読み込み不良無し
短所
- 寝室に置くと、人によっては点灯が気になるかもしれない。
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