- 5段階評価:★★★★☆
- 点数:85点
- コメント:余りに下手糞な藤吉郎の声が最初から最後まで不快だが、他は面白い
- プレイ時間:約50時間
1週目のみクリア。前作の仁王はトロコンまでプレイ済み - トロフィー:62%
仁王2は、2020年3月12日に発売された、コーエーテクモゲームス開発のソウルライクなアクションゲーム。
前作仁王は、発表から10年以上が経過してから発売されたことで注目を集め、さらにソウルライクの戦国死にゲーとしてその内容も高く評価された。その続編となれば面白く無い訳が無いだろろ!と、大きな期待を胸にプレイしたところ、前作とはプレイ感は随分異なっていた。
高難易度ソウルライクアクションに、コーエーお得意の日本史ベースのフィクション歴史ゲームであることは変わりないのだが、俗にいう”死にゲー”を世に広めたフロムソフトウェアのゲームで例えると、仁王はダークソウル、仁王2はブラッドボーンと言ったところだろう。
仁王1は三浦按針(ウィリアム)を主人公に、関ケ原の戦いに向けて九州からストーリーが進んでいくという、他の歴史ゲームでは見たことがない展開が話題を呼んだ。それに対して仁王2は、半妖のオリジナルキャラを主人公に据え、秀吉の出世ストーリーを追うという超王道の戦国時代もの。
仁王2の舞台は仁王1よりも前であり、詳細はネタバレとなるため伏せるが、ストーリーの最終盤には仁王1へ繋がり、前作のプレイヤーをニヤリとさせる作りになっている。
今回のレビューでは、主に仁王1から変わった部分について紹介していく。
自由度の高いキャラメイキングシステム
仁王1の主人公はウィリアムで固定だったが、仁王2はオリジナルキャラクターをメイキング可能だ。
昨今のキャラメイキングシステムは、顔の造形を実に細かく調整できるため、凝りだしたら購入1日目はキャラメイキングだけで終わってしまう人も多いだろう。
同じ死にゲーのダークソウルでもキャラメイキングは可能だが、あちらは基本的に操作キャラクターにフォーカスされることが無く、顔がアップになることも殆ど無い。最も、アップになったとしてもゾンビ風のソウルに飢えた顔になったり、フルフェイス装備で顔が完全に隠れたりと、キャラメイキングの恩恵が少ないので、放棄して初期設定のまま遊んでいる人も多いだろう。
そのようなソウルシリーズに対して、仁王2は藤吉郎と秀の字(主人公)が二人合わせて”秀吉”として出世していくストーリーである。歴史の出世街道を突っ走る主人公は、必然的に視線が集まり、イベントシーンでは顔はアップになることも多々ある。従って、キャラメイキングで手を抜くと後悔するだろう。
主人公は半妖ならば美少女しかあるまい!と、筆者は下のようなキャラクターでプレイした。
筆者が作ったキャラクターはさておき、キャラメイキング性能の高さを知ることが出来る画像と動画を見つけたので、厳選の2種類を紹介したい。この手の職人技には本当に感激する。
カイジ
バカ殿
妖怪に特化した新システムは賛否両論か
仁王2は前作の素材を流用して約2年という短期間で発売された続編であり、基本システムやビジュアルが流用されているお陰で、開発リソースの多くは新しい戦闘システムとストーリーに当てられている。前作に繋がるストーリーの出来は非常に満足が高いものの、戦闘システムがごっそりと変更されている事には賛否両論がありそうだ。
基本的なザコ敵を相手にする際には前作と変化点は余り無いのだが、強いザコ(大技持ち)以上を相手にする場合は、前作とは戦い方が全く異なってくる。特にプレイ感に大きな影響を与える戦闘システムは以下の通り。
- 妖怪に変身してパワーアップする”妖怪化”
- 妖怪タイプによって変わる3種のカウンター用の”特技”
- 妖怪を一時的に呼び出せる”妖怪技”
この中でも特に重要なのが、カウンター用の”特技”だろう。強いザコ敵までならカウンターを取らなくても、遠距離武器と妖怪技でゴリ押せることもある。しかし、ボス戦においては、時折繰り出してくる大技に特技を当てて、妖力ゲージを削ってダウンさせることが大前提のゲームバランスとなっている。(カウンターせずともクリア可能だが、単なる縛りプレイとなる)
死にゲーでカウンターと言えば、ブラッドボーンの銃パリィ。この銃パリィが難しく、ダークソウル経験者が、ブラッドボーンを同じ死にゲーだと高を括ってプレイしたら、要の銃パリィシステムに慣れるまでは序盤のボスでも苦戦するという話を聞いたことは無いだろうか?仁王1と仁王2では、まさにダークソウルとブラッドボーンの違い同じぐらいに戦闘システムが変化している。そのため、仁王1と同じプレイ感の新作を期待していたプレイヤーが、妖怪技に慣れる前に仁王2に批判的な印象を持ってしまう可能性が高い。
特に、HPもスタミナも少ない序盤は、カウンターがうまく決まらないと即落命に繋がる。そのため、最初のボス”馬頭鬼”は何とかゴリ押しで倒したものの、続く”煙々羅”または”夜刀神”で投げてしまった人も多いだろう。
加えて、カウンターが3種類用意されている点も、不満を煽る要因となっている。
- 猛タイプ
敵を強打する。相手の大技モーション中に当たれば成功
発動が遅い大技向き - 迅タイプ
残像を残した緊急回避。残像が相手の大技に当たれば成功
発動が速い大技で、動いた方が後の展開が有利な敵向き - 幻タイプ
その場で完全防御。相手の大技を受け止めれば成功迅タイプ
発動が速い大技で、動かない方が後の展開が有利な敵向き
敵が繰り出してくる大技は、どのタイプのカウンターでも対処できるのだが向き不向きがある。また、自分のプレイスタイルに合う合わないもある。そのため、序盤のボスに不向きで、自分のプレイスタイルともマッチしなかった場合、カウンターが全く上手く取れずにイライラするかもしれない。
新システムに対して少々ネガティブなことを書いたが、ボス3体目の”夜刀神”まで撃破出来た頃には慣れてくる。寧ろ序盤のボス3体が難易度の山場であり、後はキャラレベルが上がることで、HPと気力に余裕が出てきて、更にスキルポイントで様々な技を覚えることができる。キャラクターの強化がある程度まで進むと、今までの苦労は一体何だったんだ・・・というぐらいに快適なアクションゲームとなる。そのため、仁王2は序盤だけで評価してしまうと勿体無いゲームである。
前作をプレイしていない人ほどオススメ
仁王2の評価の分かれ目は
妖怪に変身して、カウンター入れて、妖怪を呼び出すという新システムに満足できるかどうか。
ただそれだけだ。
筆者は受け入れることができたので高評価となった。先入観を持ってない前作を未経験者には、自信をもってオススメ出来る。前作経験者であれば、ダクソかと思ったらブラボじゃねえか!とツッコミを入れながら、ファーストインプレッションに耐えることも込みで楽しめばよいだろう。
このレビューでは85点を付けているが、100点から減点した理由はシステムがあれもこれもと欲張り過ぎるところだ。
- 魂代合成してステータス変化確認
- 武器のハクスラ
- 9種の武器のお試し
- スキルポイントの振り分け
- 陰陽術と忍術の管理
- 称号特典の選択
- 防具重量による俊敏さ管理
- 合わせ効果のチェック
仁王はキャラクタービルドによってプレイスタイルが千差万別に変化する。そのため、ビルドを構成する強化/育成の項目が多岐に渡っており、それらの確認に多くの時間を取られてゲームの進行が遅いのだ。そこはキャラビルドの醍醐味だから・・・と言われればそれまでなのだが、上記の通り項目が多過ぎて流石に面倒くさくなってくる。
スタイルさえ自分で選べば、オススメのビルドで自動的にポイント割り振りしてくれるモードがあり、ストーリーに集中させてくれると良かったかもしれない。