マリオ35周年作品3本まとめてレビュー (3Dワールド+フューリー,3Dコレクション,カート ライブ ホームサーキット)

スーパーマリオブラザーズ35周年で発売された、以下の3作品をプレイしたので簡易レビュー。簡易なので小ネタに分類する。

・スーパーマリオ 3Dワールド + フューリーワールド

・スーパーマリオ 3Dコレクション

・マリオカート ライブ ホームサーキット

スーパーマリオ 3Dワールド + フューリーワールド

70点

スーパーマリオ 3Dワールド + フューリーワールドは、2013年11月21日にWii U向けに発売したスーパーマリオ 3Dワールドに幾つかの要素を加えたもの。

目玉となる追加要素は、暴走したクッパを相手にするフューリーワールドと、最近流行りのフォト(スナップショット)モードである。マリオでも撮影に没頭する日が来るとは感慨深い。WiiU版をプレイ済みの人にとっては、この追加要素の為に定価6,578円は割に合わない。ニンテンドーに対するお布施価格だ。

一方で、WiiU版を未プレイであれば、スーパーマリオ 3Dワールドはマリオシリーズの中でも評価は高く、それが更にボリュームアップしたものなので、確実に満足度の高い”買い”の作品である。前作未プレイなら間違いなく★5の100点だ。

また、難易度が全体的に下方修正されているため、マリオ初心者でも安心してプレイできる点も評価したい。元々、ミスし続けると無敵の”しろタヌキマリオ”に変身できたが、Switch版ではステージ中に集めたグリーンスターはミスをしても持ち越せるようになり、操作キャラクターの移動速度も向上しているので更に遊びやすくなっている。

ただし、3Dマリオにおけるミスの最大要因である”落下”に対する配慮が何もされていない点は疑問が残る。楽して稼げる移植作品なので、セーフティモードを用意するなど、幅広くプレイヤーに対して気遣いしても良かったのでは無いだろうか。

スーパーマリオ 3Dコレクション

75点

スーパーマリオ 3Dコレクションは、1996年発売のスーパーマリオ64、2002年発売のスーパーマリオサンシャイン、2007年発売のスーパーマリオギャラクシーを1本にまとめた作品である。

古き良き作品をアニバーサリーのタイミングで懐古的に楽しむという趣旨で、敢えてベタ移植したものなのでゲーム内容そのものについては特に不満は無い。しかし、”3Dコレクション”と言いながら、マリオギャラクシー2が収録されていない点については首をかしげるばかりである。

マリオギャラクシー2は、同一ハードで続編が発売された唯一の3Dマリオであり、マリオの歴史を語る上で外せない作品のはずである。今現在、マリオギャラクシー2がニンテンドーの収益に貢献し続けている訳でも無いのに、一体どういう理由で収録しなかったのだろうか。

ギャラクシー2を容量的な問題で収録できなかったのであれば、ダウンロードコードを同封して新品で購入したユーザーにはデータをDLさせて、スーパーマリオ 3Dコレクションが刺さった状態でのみ起動を許可するなど、幾らでも解決方法はあったはずである。単純に定価7,128円程度では旧作と言えどもマリオギャラクシー2は遊ばせたくないという意思の表れだろうか。

また、デジタルサントラがソフト内に収録されているが、これについても到底理解できない。ゲームのサウンドトラックを愛する人たちはご存じだろうが、過去のニンテンドー作品のサントラは軒並み高騰している。状態が良ければ数万円というプレミアム価格なので、CDの復刻版を販売するか、サブスクリプションサービスにて配信することが求められている。

35周年でCDの復刻、あるいはサブスク解禁となれば盛り上がったはずだが、デジタルサントラをゲームに入れるという判断から、残念ながらニンテンドーはユーザーが求めていることを正確に理解していないことが伝わってくる。一体誰が音楽を聴くために、態々スーパーマリオ 3DコレクションをSwitch本体に刺し、ゲームを起動して曲を選ぶという手間をかけるのか。やっても精々最初の1,2回だろう。

ギャラクシー2が収録されておらず、サントラもサブスクリプションサービスのようにお手軽でも無ければ、フィジカルディスクのようにコレクション要素も無いという中途半端な代物だった点が評価を下げている。

マリオカート ライブ ホームサーキット

50点

マリオカート ライブ ホームサーキットは、リアルの世界で自分自身でコースを作って、実際にラジコンカーを走らせ、ラジコンカーのカメラから見た世界でマリオカートを遊ぶことができる夢のようなゲームだ。しかし、理想と現実の差は果てしなく大きい。PVを見ると、大人も子供も夢中になって楽しめそうに見えるが、これは一言で表すと”PV詐欺”である。

現実として、あのPVに出て来るような生活感の無い(=物が極端に少ない)家を、あの年代の子供が複数人居る状況で維持する事は至難の業である。つまり、ゲームをスタートする前に“まずは片づけ”という、ゲーム外の障害が発生するため、必然的にこのゲームの稼働率は下がってくる。土地を安く買えて広い家を持てる地方住みや、大金持ちならまだしも、平均的な家庭環境ではこの問題は避けられないだろう。

次に、コース作りという発想自体は面白いかもしれないが、マリオカート本編のような変則的なコースを作ることは難しい。特に狭所を通過するようなコースは厳禁で、見かけ以上にゆとりを持ったコースを作る必要がある。何故なら、障害物に接触するとカートが物理的に停止する可能性が高いからである。ゲームならオブジェクトにぶつかっても弾んでそのまま走ってくれるが、現実のラジコンカーではそうはいかない。ちょっとした接触でも、いちいちバックして障害物を避けて再スタートが必要になる。ちなみに、これらの障害を乗り越えてコースを作ったとしても、そもそもゲーム内容が単調で本編ほど盛り上がることはない。

購入者の99%は購入前がテンションのピークで、1回遊べば概ね満足し、2回目で飽きて、3回目を起動することなくフリマまたはオークションサイトへ投げるか、ラジコンカーだけ何処かにフィギュアのように飾っているだけであると断言する。実際に、新品は現時点で40%OFFであり、新品同様の中古品は送料込み5000円程度で幾らでも見つかる。

アイデアそのものは良かっただけに、残念な結果である。なお、このゲームの問題点を指摘せずに絶賛する提灯記事をアップしているようなレビューサイトは、ハッキリ言って信用に値しないと思った方が良いだろう。

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