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MAQUETTE(マケット)【レビュー/評価】再帰的一人称パズルゲームという、次世代ハードの性能を活かした新たなジャンルの登場

評価と感想
  • 5段階評価:★★★★☆
  • 点数:ー
  • 感想:PS5でパズルゲーを作る意味を知る。
  • レビュー投稿時の進行状況:ストーリークリア
  • プレイ時間:約5時間
  • トロフィー:52%

MAQUETTE(マケット)はアンナプルナ・インタラクティブが開発した、入れ子型の再帰的世界を舞台にした、一人称視点の3Dパズルゲーム。2021年3月分のPlayStation Plusフリープレイ作品として、PS5向けに配信された。

入れ子型の再帰的世界って何?スペックが自慢のPS5で何故パズル?と、説明だけ読むと色々と疑問が湧いてくること間違い無しである。そのため、どうせフリープレイだし、一人用のパズルだから、良く分からないゲームはプレイしなくても良いだろうと、スルーした人も多いだろう。

確かに、プレイしなくても特に困ることは無いかもしれないが、再帰的パズルゲームという新ジャンルに触れずに終わってしまうには勿体無いと感じさせられたゲームであった。

1.入れ子型の再帰的パズルゲームとは結局何なのか?

まず、再帰とはWikipediaによると、

再帰(さいき)は、あるものについて記述する際に、記述しているものそれ自身への参照が、その記述中にあらわれることをいう。定義において、再帰があらわれているものを再帰的定義という。

つまり、再帰とは、自身を説明するために自身を参照するという、一種のループ的な意味を持っている。結局、それがどうパズルゲームと結びつくのか?というと、それはもう動画を見てもらった方が早いだろう。

14秒の短い動画だが、再帰的パズルゲームの意味が分かっただろうか?

MAQUETTEは、無限にループする入れ子型の世界なので、自分いる世界と全く同じミニチュア模型がフィールドの中心に置かれている。それに干渉すると、自分のいる世界にも同様の現象が発生するという訳である。

動画では、目の前にブロックに塞がれた道があり通行止めになっている。このような巨大なブロックは人力で動かすことは出来ない。しかし、ミニチュアからブロックを取り除くことは容易なので、そちらでブロックを除去してやると、自身の世界でもブロックが取り除かれて先に進める訳である。

取り除く行為とは逆に、ミニチュアの中にオブジェクトを置く事も出来る。下のスクショは、ミニチュアの中に階段のオブジェクトを適当に置いた写真である。手に持てるような小さなオブジェクトでも、ミニチュアを介する事で自身の世界にはとんでもないサイズで反映される。

これを使えば障害物も乗り越えられる

ミニチュアを介してサイズアップする以外にも、舞台が入れ子型の世界なので、フィールドの外側に向かって進むと一回り大きな世界が待ち構えており、それ利用して自身を相対的にサイズダウンして突破するギミックもある。

下の動画は、壁に空いた小さな穴に入るために、外側の大きな世界を利用する様子である。単純にサイズの違う世界に行けば良いという訳ではなく、サイズが違うのだからオブジェクトの使用方法も発想の転換が必要。ここでは仕組みに気が付くまでに30分位ロスして中々にストレスが溜まったが、突破できた時には頭のモヤがスッキリ晴れたような清々しい気分を味わえた。

外側の世界では、掃除道具や配管を登ったりと、巨人の国を探検しているような気分を味わえる。ただし、周囲がスケールアップしても、自身の移動速度は同じなので、移動に時間が掛かってしまった。そこはリアリティを出さなくても良いから、サクサクと移動させて欲しかったということが正直な感想である。

ちなみに、パズルと言っても3Dゲームなので、少々強引な障害物の突破方法もある。

下の動画は、扉を開けるためのカギを、本来の使い方とは異なる階段として利用した例。

ここでは、カギとカギ穴のサイズが一致していないので、小さなカギをミニチュア内のカギ穴に嵌めて扉を開くか、カギのサイズをカギ穴に合わせて大きくすることが正しい突破方法。しかし、敢えてカギを階段に使って扉を開けずに壁を乗り越えている。このような裏ルートを見つけることも一つの楽しみ方だろう。なお、強引に突破した場合はカギが自動的に開くようになっており、ハマってしまい進行不能になるようなことは無かった。

下のスクショは、動画のようにカギを階段とした状態でミニチュア側から外を見たもの。カギは一つしか存在していないが、入れ子型の再帰的構造の世界なので、外側にもう一つのカギが見えている。

右と奥に鍵が見えており、それらは同じ物。

このような再帰的な表現方法をするためにはPS5のパワーが必要なので、MAQUETTEはPS5専用ゲームとして配信されたのかもしれない。

2.ストーリーはオーソドックスなラブストーリー

公式サイトによると、

『MAQUETTE』では、現代のラブストーリーに見られる日常的な問題のスケールを掘り下げていきます。

と説明があり、MAQUETTEでは、とあるカップルの出会いと別れのストーリーに沿ってパズルを解いていき、カップルの心境は2羽の小鳥を使ったハートフルなイラストを通じて描かれる。また、カップル思い出のシーンを再現した空間、例えばパーティ会場であったり、同棲するアパートなどがパズルのステージとなる。

カップルの関係が良い時は、前項のような一般的な住居スペースを使ったステージだが、関係が悪くなってくると、下記のようなホラーテイストな空間でパズルを解くことになる。

ストーリー自体は、洋画を見る人なら間違いなく既視感を覚えるような定番の内容である。偶然の出会いから始まり、稚拙なすれ違いからのヒステリックな喧嘩をして、最後は清々しく新しい道を進むという展開で、特に何か捻りがある訳ではない。

一応、カップルの関係がステージ形状に影響を与えているものの、別にストーリー仕立てにしなくても、この斬新なパズルゲームは成立する。そのため、ストーリーパートは無しで、もっと純粋なステージ型パズルゲームでも良かったかもしれない。

3.アンナプルナ・インタラクティブ開発

MAQUETTEは、フリープレイ前提に製作された小粒なゲームだが、PS5を持っているなら折角なので、新感覚の再帰的パズルゲームを体験しても損は無いだろう。新しいジャンルに触れるということは、どんな時も良い刺激を与えてくれるのである。

ゲームの難易度は、激ムズという訳でも無いが、簡単に次々と解ける訳でも無く、丁度良いと感じた。私はクリアまで5時間程度だったが、パズルゲームが得意で鋭い閃きを持った人ならもっと早くクリア出来るだろう。

開発会社が”アンナプルナ・インタラクティブ /ANNAPURNA INTERACTIVE”という点も、プレイすべき材料の一つだろうか。

アンナプルナ・インタラクティブは、Nintedo Direct 2021.2.18でSwitchに移植が報じられた、傑作と名高いオープンワールドミステリー”Outer Wilds“や、“よゐこのインディーでお宝探し生活2”で紹介されて、プレイヤーが“穴”になって色々な物を落とすという、その独特性が話題になった異色のパズルゲーム”Donut County“の開発会社である。PSストアのセールで良く見かける、高評価アドベンチャーゲーム”フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと“も同社。

PS4版の8本セットが、iam8bit専売で近々発売されるらしいので、MAQUETTEを入り口に手を出してみるのも良いかもしれない。

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