点数評価 | 80点 |
クリア時間 | 約18時間 |
プレイ状況 | ワールドツアーモードクリア オンライン対戦60戦 トロフィー:84% |
プレイ時間 | 約25時間 |
発売日 | 2023年6月2日 |
対応機種 | PS4/PS5/Xbox Series X|S/Steam |
プレイ機種 | PS5 |
開発元 | カプコン |
発売元 | カプコン |
ジャンル | 対戦格闘 ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
ストリートファイター6は、2D対戦格闘ゲームの悪い部分を是正し、当ジャンルのイメージ回復を図った作品だ。3Dのプレイフィールドを用意し、クエスト形式でプレイヤーの上達を促すワールドツアーモードや、ボタン一つで必殺技を出せるモダン操作からはその本気度合を感じることが出来る。ただし、突き詰めるとメインコンテンツであるオンライン対戦ではモダン操作のメリットが薄れていたり、バトルハブモードの目玉とされていたアバターバトルは対戦として機能していなかったりと残念な部分も見られ、惜しい仕上がりの作品となっている。
【総合評価】 | |
革新性 | |
ユーザビリティ | |
ビジュアル | |
サウンド | |
プレイ継続性 | |
コストパフォーマンス |
何故、ストリートファイターは売れないのか
『ストリートファイター6』は、人気の対戦格闘ゲームであるストリートファイターシリーズの7年ぶりの最新作だ。ストリートファイターシリーズは、2D対戦格闘ゲーム界におけるレジェンド的な存在であり、ゲーマー界隈における認知度の高さは絶大である。また、e-sportsの活性化に比例してストリートファイターシリーズの作品名を目にする機会は確実に増えている。
しかしストリートファイターシリーズは、知名度の割には売れていないタイトルである。実際にストリートファイター6の発売第1週目の売り上げは、日本のパッケージ版に限定した話であるが、PS5とPS4を合わせて約33000本に留まっている。完全新作にもかかわらず、HDリマスター作品である世界樹の迷宮にすら負けている有様だ。
2D対戦格闘というジャンルそのものが売れない訳ではなく人気のある作品は売れており、実際に大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIALL(スマブラSP)は初週123.8万本の売り上げを記録している。ストリートファイター6はPS4とPS5でマルチ展開をしていることからハードの普及率は言い訳にならず、この数字は単純にストリートファイターシリーズそのものが敬遠されているということを物語っている。
スマブラシリーズ以外の2D対戦格闘ゲームが売れない理由は、恐らく以下のようなものだろう。
- システムが複雑
- 膨大な練習が必要
- 勝敗以外の楽しめる要素が少ない
- 負けたという現実を突きつけられる
- 通常コントローラーで操作しにくい
- コミュニティの質が悪い
最後に挙げたコミュニティの質についてはゲーム側で解決のしようが無いので無視するとして、それ以外の項目についてストリートファイターシリーズとスマブラシリーズを比較しながら見ていく。
対戦格闘ゲームが売れない理由として良く挙げられる、“システムの複雑さ”とそれに伴う“膨大な練習”については、ストリートファイターシリーズもスマブラシリーズも大して差は無い。
まず、今回のストリートファイター6には、ドライブシステムという新たな仕組みが導入されている。ドライブシステムは簡単に言うと、体力ゲージの下に表示されるドライブゲージを消費することで繰り出す攻防の要となる動きだ。必殺技を強化するオーバードライブ,相手を大きく吹き飛ばすドライブインパクト,前方へダッシュし、通常は繋がらない攻撃も繋げることができるドライブラッシュ,中段と下段の2択を迫られるような場面でも確実に自動でガードできるドライブパリィ,ガード中に硬直を解除して反撃するドライブリーサルという5種類が用意されており、本作では必ずマスターしなければならないシステムとなっている。
システムについて文字だけで書くと難しく感じるかもしれないが、ドライブ自体に複雑な操作は要求されず、派手なエフェクトの演出が挿入されるため発動も分かりやすいので、ドライブシステムを覚えること自体は大した障害にはならない。
新たに採用されたシステムであるため、覚えることはともかく使いこなすためにはそれなりの練習が必要となるが、対戦格闘ゲームに練習は付き物である。実際に、売れ続けている対戦格闘ゲーム、スマブラシリーズも相当の練習が必要だ。スマブラシリーズは見た目こそカジュアルだが、相手の身長,体重,蓄積ダメージで絶えず変化するコンボの繋がり方は非常に複雑である。キャラクターの移動速度やジャンプ能力なども幅広いうえに、登場するキャラクター数も最新作のスマブラSPでは全87体と多く、対戦キャラクター毎に覚えることや練習しなければならない動きは膨大だ。つまり、システムの複雑さや練習の大変さは、多くの2D対戦格闘ゲームが売れなくなった理由にはならないのだ。
では、システムの複雑さや練習の大変さ以外の何がプレイヤーを寄せ付けないのかというと、ストリートファイターシリーズは負け試合が余りにも面白く無く、敗因を何かに責任転嫁することも出来ず、敗者側に不快感だけが蓄積される頻度が高いからである。色々と意見はあると思うが、スマブラシリーズが売れる理由は、勝ち負け以外にも対戦過程を楽しめる頻度が高いからであると筆者は考えている。
ごく当たり前のことであるが、ストリートファイターシリーズを筆頭に、2D対戦格闘ゲームの勝敗にはプレイヤーの腕前が直結する。そして、腕前の差が一定以上あると一方的な試合展開となり、負けた側は何一つ面白く無い。ランクマッチにおいては近い腕前のプレイヤー同士がマッチングすることになっているが、一方的な試合展開となる相手とマッチングすることは珍しいことでは無い。そして外乱要素の無い一対一の戦いであるために、敗北したプレイヤーはその結果を誰の責任にもできず、ただただ実力不足という現実を突き付けられることになる。
一方で比較対象であるスマブラシリーズも一対一の戦いが良く好まれるが、タイトル名の通り“大乱闘”が基本である。最新作スマブラSPではプレイヤーが遊びたいルールを細かく設定できるものの、オンライン対戦ではそのルールで遊べる保証はない。そのため対戦者の間に相当の腕前の差があったとしても、アイテムやステージ環境と言った外乱要素によっては、試合結果は覆らないものの肉薄した試合展開になることがよくある。また、圧倒的な敗北を喫したとしても、ルールやアイテムに責任転嫁をしやすい。そのため、スマブラシリーズは長年愛され続けており、売り上げもシリーズを重ねる毎に増え続けているのだろう。
もちろん、人気のキャラクターが多数出ているということも大きいが、それだけではスマブラシリーズとストリートファイターシリーズにここまでの差は生まれない。
2D対戦格闘ゲームには、通常のコントローラーを使った操作が難しいという問題が常に付き纏う。ストリートファイターシリーズは伝統的に、パンチとキックそれぞれに、弱・中・強の威力が用意されている。つまり6つのボタンを攻撃に使う訳だが、通常のコントローラーの表面には4つのボタンしか用意されていない。弱・中のパンチとキックがコントローラー表面の4つのボタン、強のパンチとキックがR1とR2のトリガーに割り振られているが、はっきり言って操作性が非常に悪い。
攻撃動作が感触の異なるボタンとトリガーにボタンが割り振られ、さらにトリガーのR1とR2はストローク量も異なるため、何をどうやったところで攻撃入力の違和感を解消することはできない。この問題を解決するには、アーケードコントローラーを購入する以外に手はない。
キャラクターの移動やコマンド入力については、通常のコントローラーのように親指だけでスティックを動かす方が操作しやすいか、アーケードコントローラーのように手首からスティックを動かす方が操作しやすいかは、プレイヤーの感性によって意見が分かれるところだ。しかし攻撃の入力に関しては、弱・中・強で押す感覚を統一できるアーケードコントローラーの方が優れている。“アーケードコントローラーを買わなければハンデを背負う”という事実は、2D対戦格闘ゲームを遊ぶ敷居の高さである。この事実に対して、売れている2D対戦格闘ゲームであるスマブラシリーズはコントローラーだけでも十分に遊べるように配慮されたゲームが設計されている。
以上のような理由で、スマブラシリーズ以外の2D対戦格闘ゲームは敬遠されて売れていない。しかしストーリーファイター6においては、“チュートリアルを兼ねたワールドツアーモード”と、“モダンとクラシックの2種類の操作方法”という手段にて、様々な問題の解決を模索しているようである。これらの手段からは、開発者の2D対戦格闘ゲームが抱える問題に対する真摯な取り組み姿勢を感じることが出来た。
2D対戦格闘ゲームの悪い部分に向き合ったワールドツアーモード
ストリートファイター6のワールドツアーモードは、公式サイトによると“シングルプレイヤーの没入型ストーリーモード”と紹介されている。没入型ということで、プレイヤーは自身の分身であるアバターを作成し、小規模ながらも作り込まれた3Dのフィールドを探索してクエストをクリアしながら本作の操作方法を覚えることができる。ワールドツアーモードは、簡単に言えば超豪華なチュートリアルモードなのだが、このモードでは前項で挙げた、2D対戦格闘ゲームが敬遠されてしまう悪い部分が軒並み改善されている。
ストリートファイター6のワールドツアーモードにおいては、戦闘こそ従来の2D対戦格闘だが、非戦闘時は3Dのフィールドを自由に動き回ることになる。あくまで一人プレイのチュートリアル用モードなので広大なオープンワールドではないが、移動の利便性向上のためにファストトラベル機能が用意される程度の広さは確保されている。エリアとしてはメトロシティとナイジャールの2種類しかないが、本作のメインコンテンツが2D対戦格闘であることを考えると十分過ぎる広さだろう。
次のスクリーンショットはゲーム内で表示できるマップだ。ピンク色の大きなアイコンがメインクエストを示しており、その場所へ移動するとイベントが発生してストーリーが進行する。水色のアイコンはサブクエストを示しており、基本的な操作方法の練習を兼ねた戦闘が発生する。腕に自信があればメインクエストだけを追えば良いし、自身が無ければサブクエストも遊ぶことで解説付きでしっかりと基礎を学ぶことが出来るので、従来の2D対戦格闘ゲームのように、いきなり全システムを丸投げされて対戦に放り出されるような心配はないので、順番にクリアしていけばシステムに対して複雑さを感じることは無いだろう。
システムの複雑さは敬遠される直接原因ではないが、それでもしっかりとシステムが伝わるように配慮されている。
なお、メインとサブのクエストで発生する戦闘以外にも、町中を歩いている一般人と対戦することもできる。話しかけてバトルを申し込んでも良いし、フィールド上で必殺技を発動することで先制攻撃にてダメージを与えた状態でバトルに持ち込むことができて何ともシュールだ。
ワールドツアーモードは1人用とはいえCPUの強さは様々で、時には全く歯が立たない強敵が現れることもある。従来の2D対戦格闘ゲームであれば、CPU相手の高難易度モードをクリアできないのであれば、延々とコンボを練習して立ち回りを研究するしかなかった。つまり、自己鍛錬以外では解決のしようが無く、腕前が向上するまでは対人戦で圧倒的な力量差で負けた時と同じように楽しく無い時間が続いていた。しかしワールドツアーモードでは、鍛錬以外にも強敵をクリアする方法が用意されている。
ワールドツアーモードはアクションRPG的な要素を備えており、ショップで購入した衣類やアクセサリーを装備することで、アバターの見た目の変更以外にも、体力や攻撃力などのステータスを上昇させることが出来る。また、対戦中に使用することで体力を回復したり、永続的にステータスの最大値を向上させるアイテムなども用意されているので、腕前以外の部分で強敵を強引に突破できるようになっている。
また、フィールド上に点在する師匠キャラクターに弟子入りすることで、戦闘スタイルや必殺技を伝授してもらい、それらを自由に組み替えることが出来る。通常攻撃は気に入っているが必殺技が使い難いような場合であれば、自身が使いやすいと考える必殺技だけを揃えることで立ち回りの幅が広がり、強敵を相手にしても活路を見出せることもある。
次の動画はブランカのスタイルに、マリーサのファランクスと、春麗の百裂脚を組み合わせて対戦している様子だ。筆者の場合、プレイ開始当初は折角なので新しく追加されたモダン操作で遊んでおり、途中から今後を見据えてクラシック操作に変えた。操作方法を変えると慣れるまで時間が掛かるので、クラシック操作に馴染むまではガードされても攻めやすいファランクスと、通常技から簡単に繋げる百裂脚をセットしている。
このように、単純な練習以外に詰まった時の解決策が用意されていることは素晴らしい。もちろん、プレイヤー同士の対戦にはアイテムは存在せず、レートマッチにはカスタムした必殺技を持ち込むことは出来ない。しかしこれらの仕様は、対人戦以前に対CPU戦の時点で2D対戦格闘ゲームの面白さを見出せずに離脱することを阻止するに一役買っているはずだ。対戦における行き詰まりを腕前の向上以外で解決することは、2D対戦格闘ゲームの愛好者から見れば邪道かもしれないが、初心者が離脱せずに長く遊ぶことができる環境を整えることが何よりも重要なのである。
ストリートファイター6では、通常のコントローラーがそもそも2D対戦格闘ゲームに向いていないという問題の対策として、操作が簡略された上にボタン一つで必殺技を出すことが出来るモダン操作が追加されている。後述するが、本気で対人戦に取り組むのであればクラシック操作にて必殺技を入力する必要があるためなのか、初期設定ではモダン操作が推奨されるワールドツアーモード内でも、コマンド操作に触れさせる機会が設けられている。
次のスクリーンショットはアルバイトイベントでピザを作っているシーンだ。ピザの具材は8方向に配置されており、指定された具材を選んだ後に支持されたボタンを押すことでピザが完成していくのだが、選択するべき具材はお馴染みの必殺技のコマンドに対応した配置になっている。そのため、スムーズに必殺技コマンドを入力できるようになると、ピザの製作速度が上がって行き、バイトの代金もアップしていくという仕組みだ。
従来の2D対戦格闘ゲームであれば、単純なトレーニングモードで指示された必殺技コマンドを10回連続成功させるような、対戦シーンに則した練習が用意されているところだろう。しかし本作では、対戦シーンを意識させずに楽しく必殺技コマンドを練習できる環境が用意されている。ピザ作り以外にも、瓦割りでは溜めコマンド、バスケットボールではドライブパリィと言った風に、“コマンド入力の練習をさせられている”と意識させずに練習に誘導しつつ、更には回復アイテムなどを買うためのゲーム内通貨を稼げるように配慮されている。
また、カジュアルという視点から言うと、対戦相手は何も人間だけではなく、攻撃用のドローン,暴走したお掃除ロボット,何故か襲ってくる冷蔵庫などが出現して笑いを誘ってくる。これらは何もネタとしてだけ存在するのではなく、ドローンであれば対空迎撃の練習、お掃除ロボットであれば下段攻撃の練習などがテーマとなっている。アルバイトシーンと同様に、プレイヤーに“状況対応の練習させられている”と意識させずに、特定の状況への対応能力の上達を促すという良いアイデアである。
更に、特定の師匠のスタイルを使い続けることで発生するイベントも、プレイヤーを上手く練習へ誘導する仕組みとして機能している。戦いを重ねることで選んだ師匠のスタイルに経験値が蓄積されていき、一定値まで到達するとエピソードと合わせて1枚絵が表示されるのだが、師匠との会話はどれも面白く作られているので、戦闘を繰り返す意欲が湧いてくること間違い無しだ。
近頃の3Dゲームには必ずと言って良い程にフォトモードが実装されている。エフェクトやスタンプなどの写真の加工機能も充実しており、フォトモードそのものが一つのコンテンツと言えるレベルである。ストリートファイター6のワールドツアーモードにもしっかりとフォトモードが用意されており、絵になる場所を探してメトロシティやナイジャールを探索したくなる。
実は探索をすることにもメリットが用意されており、歩くことでマイルが貯まっていく。貯まったマイルを消費することで対戦で負けた際にコンティニューができたり、スキルツリーをリセットすることが可能なので、映えるエリアを探して歩き回っているだけでも、多少なりとも攻略に詰まった時の手助けとなるのだ。
バトル形式については不満が残る
前項で示したように、2D対戦格闘ゲームの悪い部分に対して、様々な改善を施しているストリートファイター6だが、以下の3点については不満を感じる結果となった。
通常のコントローラーでは操作しにくいという問題については、モダン操作の導入で解消されたように見えるが、モダン操作はパンチボタンとキックボタンの概念が無くなったことで通常技の選択肢が減っている。さらに必殺技も弱・中・強の選択肢が無くなり威力も低下している。
ランクマッチにおいては、プレイヤーの腕前のレーティングに使われるリーグポイント(LP)を稼げば稼ぐほどの対戦相手の操作精度は上がって行くため、お手軽に操作できるモダン操作の利点は薄れていき威力低下のデメリットが目立っていく。結局のところ、本格的にオンライン対戦を行いたい場合はクラシック操作が有利となり、アーケードコントローラーの重要性が増すという呪縛からは抜け出すことが出来ない。
ワンボタンで必殺技が出せるようになったうえに、R2ボタンからの連打で技が繋がっていくアシストコンボが導入されたことで、ストリートファイター6のモダン操作におけるカジュアルさは間違いなくスマブラシリーズを上回っている。しかしリーグポイントを稼ぐランクマッチにおいてはデメリットが大きく、導入した恩恵を感じられるキャラクターは限られている。
キャラクターとプレイヤーの技量の組み合わせによっては、モダン操作の方が有利な場合もあり。この辺りについては様々な意見があると思うのが、研究が進むにつれて最適解が見つかることだろう。
本作にはクロスプラットフォームが採用されているため対戦相手には困らないので、ランクマッチにおいては同じ操作体系の相手とだけマッチングし、操作体系ごとにリーグポイント分けた方が良かったと考える。
アバターバトルとは、ワールドツアーモードで作成設定した技や見た目のままに戦えるモードである。面白おかしい見た目のキャラクターから、様々なキャラクターの技が繰り出される絵面は愉快だが、アバターバトルにはリーグポイントが設定されていないうえに、ワールドツアーモードのステータスが調整されずに直接反映されるのでフェアな状況で戦うことは難しい。つまり、アバターバトルは本気で楽しむものではなく、あくまでちょっとしたお遊びの一つという位置付けだ。
2D対戦格闘ゲームの一人用モードとしては非常識なレベルの工数を掛けてワールドツアーモードを用意したのであれば、もうあと一押しの施策として、アバターバトルにステータス調整機能とレーティングを導入して欲しかったと考える。アバターバトルは、対人戦における“勝敗以外の楽しめる要素が少ない”と、“負けたという現実を突きつけられる”という部分を改善できる可能性を秘めていただけに残念である。
見た目からは予想できない必殺技と、キャラクターの枠を超えた組み合わせから、負けても読めない部分に責任転嫁できる対戦モードになったはず。
ストリートファイターシリーズの対人戦は、前述の通り外乱要素が無いために上振れ下振れに一喜一憂するような面白みは無い。e-sportsを標榜しているため、“外乱要素が無くて当たり前”という考えはある程度理解するものの、それだけでは敬遠され続けることを開発陣は理解しているようである。そのため、対戦モードのひとつであるエクストリームバトルでは、画面外から牛が走ってきてぶつかったり、ロックマンに登場するザコ敵であるメットール邪魔をしたりと、外乱要素が用意されたうえに勝利条件が特殊なバトルを楽しむことが出来る。
ガチガチなe-sports以外の表情を見せようとした取り組みであり非常に好印象なのだが、残念ながらエクストリームバトルはファイティンググラウンドモードにおけるオンライン対戦(自動マッチング)に対応しておらず、ローカルプレイかCPU相手にしか遊べない。エクストリームバトルは一人で遊んでいると虚しくなるため、レートはつかなくても良いのでオンライン対戦のオートマッチングには対応して欲しかった。
バトルハブモードにて、同じくエクストリームバトルを求めている人とタイミングが合えばオンライン対戦可能。また、ファイティンググラウンドのカスタムバトルでは、特定のプレイヤー限定でエクストリームバトル可能。
評価ポイントのまとめ
1人用のワールドツアーモードはクリアまで20時間前後だが、クリア後のサブクエスト回収や師匠との絆イベント制覇も視野に入れると30時間ぐらいは遊べる。シリーズ初心者であったとしても、ワールドツアークリア後にモダン操作が通用しなくなるまでランクマッチに挑むと割り切って遊んでも十分にお釣りが来るボリュームである。そしてなによりも、先細りを続ける2D対戦格闘ゲームに対する開発者の危機を感じることができて非常に好印象だ。初週の売り上げだけを見ると残念な結果としか言いようが無いが、もっと売れても良い作品であることは間違いない。
長所
- 2D対戦格闘ゲームの悪い部分を改善する取り組み
- ボリューム十分のワールドツアー
短所
- ランクマッチがモダンとクラシックに分かれていない
- アバターバトルやエクストリームバトルがオマケ程度
- 未だにジャンプをボタン入力に切り替えられない
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