点数評価 | – |
クリア時間 | 約2.5時間 |
プレイ時間 | 約4時間 |
プレイ状況 | クリア |
発売日 | 2022年9月21日 |
対応機種 | Steam/Switch/PS4/Xbox |
プレイ機種 | Switch |
開発元 | Loomiarts Fehorama Filmes |
発売元 | WhisperGames |
ジャンル | 2D横スクロールシューティング ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
第51戦隊「Squad 51 vs. the Flying Saucers」は、狙って作られた1950年代スタイルを楽しむ作品だ。各種オブジェクトは圧倒的にチープで、飛翔体の挙動はおかしく何なら吊るしているワイヤーまで見えてしまっている。だがそれがいい。
「だがそれがいい」という言葉はこの作品にピッタリであり、レトロなSF映画を舞台にシューティングゲームを遊べるという、非常に珍しい体験が用意されている。特徴的な演出だけではなく、クラシックなシューティングゲームとしてもしっかり作られており、2Pプレイにも対応している。複数回挿入される実写ドラマパートも気合が入った作りで、わざとらしい演技も昔らしさを感じることが出来て好印象。なお、 実写パートの関係か、コンソール版では動画保存は不可となっている。
狙って作られた1950年代スタイル
第51戦隊「Squad 51 vs. the Flying Saucers」は、1950年代のSF映画“風”に作られた横スクロールシューティングだ。
ゲームの舞台は、ザログ大帝率いるエイリアンの一団『ベガ・コーポレーション』が飛来した地球。一見は友好的で人類の発展に寄与すると思われたエイリアン達だが、裏では人類を支配し搾取するという計画を練っており、それに気が付いた一部の人間が「Squadron 51」(第51戦隊)を編成して対抗を開始するというストーリーが展開される。
1950年代のSF映画風に作られた作品なので、ゲーム画面はノイジーなモノクロの色調に仕上げられており、登場する戦闘機は年代に合わせてプロペラ式のレシプロ機だ。ステージは市街地の他に、雪山,洞窟,工場など豊富だが、いずれにおいても背景や宇宙船などのオブジェクトは、違和感の塊のような安っぽい質感に仕上げられている。また、自機や敵機の挙動は、空力学的に無理のあるフワフワとした不自然なものとなっている。
スクリーンショットから見て取れるように、本作では現代の映像技術からすればチープとしか言いようのない、1950年代スタイルの質感や挙動が徹底的に再現されている。製作に2年半を掛けたというだけあり、映像に関しては完璧な仕上がりで、芸術的な完成度の高さと言えるだろう。
昔のSF映画をゲームとして体感できる唯一無二の作品であり、そのような映像作品に興味が無かったとしても、制作陣営が本作に捧げた情熱が伝わってくるはずだ。
インディーゲームだからこそ許される挑戦。これだからインディーゲームはやめられない。
シューティングとしてもそれなりに遊べる
SQUAD51は、1950年代風の見た目に全振りした作品だと思われるかもしれないが、シューティングゲームとしての面白さのエッセンスはしっかりと用意されている。シューティングゲーム愛好家に向けた、本格的な作品と比べれば当然ながら劣るものの、クラシカルなシューティングゲームとして十分に楽しむことが出来る。
まず、本作は全11ステージでクリアまでは2時間半ぐらいと短い作品だが、自機には22種類の装備品枠が用意されており、意外にも性能のカスタマイズ性が高い。
例えば、敵機が後ろから頻繁に出現するステージであれば、後方に対して有効な火炎放射器をスペシャル兵器に装備したり、地上のタレットを意識して投下式の爆弾を装備するなど、状況に応じて最適な兵器を選択するような楽しみ方が出来る。また、自機のヒットボックスサイズの縮小や地形接触時のダメージ軽減など、防御的な装備も多く用意されており、攻防共にステージ毎にカスタマイズを工夫する余地が大きい。
カスタマイズに加えて、ステージによっては自機のサイズやメインショットの特性が異なる機体への乗り換えまで用意されている点も評価したい。
ストーリーの都合上、序盤からエイリアンの工廠を襲撃したり、建物に入り込んで電源設備を破壊するような展開が続くので屋内のステージが多い。そのため、装備枠のアンロックが進んでおらず、地形や敵への接触ダメージ軽減を十分に装備できないゲーム序盤は、なんらかのオブジェクトに接触することによるゲームオーバーが発生しやすく、難易度は高めに設定されている。
装備品はスコアに応じてアンロックされていくので、繰り返し遊べば徐々に楽になっていく。
なお、開けたステージであったとしても、そこそこに圧迫感を覚える量の弾や電撃が飛んでくるので、自機のヒットボックスの大きさも相まって油断をしていると直ぐにゲームオーバーになるだろう。また、ステージの最後にはボス戦も用意されているので、普段シューティングゲームを遊ばないのであれば苦戦を強いられるはずだ。
SQUAD51は少々難易度が高めだが、幸いにも残機数を無限にするオプション設定が用意されているので、純粋に1950年代風の演出だけを楽しみたい人が購入することにも配慮されている。なお、やり込み要素としてはエンディング後にステージを最初から周回し、最大5週まで難易度が上昇していくモードも用意されている。
凝りに凝った実写ドラマパート
SQUAD51は前述の通り全11ステージのシューティングゲームだが、特定のステージの冒頭には実写パートが挿入される。製作はブラジルのゲームスタジオということもあり、オリジナルの言語にはポルトガル語が採用されている。
用意されているのは主に出撃前のミーティングや仲間との会話シーンだが、実際にエイリアンと接敵するシーンもあり面白い。エイリアンは人類の頭部形状と指の本数を変えただけで、如何にも予算の都合で安上がりに作られた感のある、1950年代映画相応のデザインだ。
圧倒的に人間より進化しているはずのエイリアンだが、拳銃以外に防護兵器も持っておらず、肉体に特別な器官を備えている訳でも無い。そのため、腕力に任せて人間と取っ組み合いをするのだが、これまた昔のSF映画に登場しそうなシーンだ。
ちなみに、実写パートに登場する戦闘機類は、実にわざとらしくぶら下げるためのワイヤーを見せつけて来る。映像技術が発達する前の映画では、この手の補助具が映ってしまうことは当たり前でなので、その辺りの未熟な撮影技術についても再現されており実に味わい深い仕上がりになっている。
ゲームを一通りクリアした後は、深夜にテレビを付けると偶然に昔の映画が放送されていて、チープに感じつつも逆に新鮮で、ついつい最後まで見てしまった時のような気分になること間違いなしだ。
評価ポイントのまとめ
日々、尖ったインディーゲームを探しているのであれば絶対に遊んでおきたい、出会えたことが嬉しくなる作品。筆者はこの手の映画を意識してみたことは無いし、知識も持ち合わせていないが、それでも昔の映画の様式美やお約束のようなものを直感的に理解できた気がする。
ちなみに、ショップのサムネイルは『第51飛行隊』なのに対して、商品名は『第51戦隊』であったりと、そういうガバいところも古さとして許容できるかもしれない。
長所
- 圧倒的な1950年代風の映像と音楽
- シューティングゲームとしても、要点は抑えている
短所
- 白黒の激しい戦闘シーンは流石に見難い。
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