点数評価 | – |
クリア時間 | 約4時間 |
プレイ時間 | 約5時間 |
プレイ状況 | 全ステージクリア |
発売日 | 2023年4月7日 |
対応機種 | Steam |
プレイ機種 | Steam |
開発元 | SquareAnon |
発売元 | SquareAnon |
ジャンル | ローグライクとパズルの融合 ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
Blocky Dungeonは、ターン制RPGとテトリスを合体させたローグライクゲームだ。プレイヤーはテトリスのブロックを通路に見立てたダンジョンを冒険し、スタミナの数だけ行動できるターン制でモンスターと戦いながら、ターンエンド時にはブロックを置いて通路を作るという変わった作品。クリアだけであれば簡単だが、全40ステージの全てのお題をクリアを目指すのであればプレイし応えあり。そしてローグライクとは何かについても考えさせられる。
ターン制RPGとテトリスが融合
Blocky Dungeonは、ダンジョンを冒険するターン制RPGに、世界的な知名度を誇るパズルゲーム『テトリス』をミックスしたような作品だ。パズル要素に重き置いた作品なので特にストーリーは用意されておらず、プレイヤーは全40ステージで合計120のお題に挑戦する。
恐らく誰もが知っていると思うが念のために書いておくと、テトリスとはテトリミノと呼ばれる4マスのブロックを積み上げていくパズルゲームである。時間経過で落ちて来る様々な形状のブロックを回転させながら整列し、横一列に揃えられたブロックが消える性質を利用しながら、最上部までブロックが積み上がらないようにエンドレスで頭を捻り続ける遊びだ。
Blocky Dungeonにおいても、このテトリスのルールは基本的に同じである。ゲーム画面の中央には良く見知ったテトリスの風景が広がっており、そこに落ちてくるブロックの動きはキーボードの矢印キーに対応している。矢印キーの左右に対応してブロックも左右に動き、上の矢印キーを押せばブロックが回転し、下の矢印キーを押せば当然ながらブロックは下に移動する。シフトキーを押せば、ブロックが一気に落下する。
そして、落ちて来るブロックこそがダンジョンの足場となっており、ブロックの落下によって生成されるダンジョンの上を主人公の甲冑騎士が歩き回る。落ちて来るブロックにはモンスター,アイテム,トラップなども一緒に乗っているので、プレイヤーはその内容を見ながら、出来るだけ立ち回りやすいダンジョンを生成していく。
本作はターン制といいつつもスタミナ制も採用されており、甲冑騎士はブロックが置かれる度にスタミナの数だけアクションを取ることが出来る。用意されているアクションはシンプルで、基本的には移動と攻撃だけである。特殊アクションとして、ハンマーを持っている場合はそれを消費して、壁を壊すか地面の穴を埋めることができる。また、鍵を持っている場合は宝箱を開けることが出来る。
これらのアクションは全てA,S,D,Wキーで完結している。つまり、これらのキーで上下左右に移動し、移動先にモンスターが居れば移動が攻撃に変わり、宝箱があれば自動で鍵を消費するという仕組みだ。
前のスクリーンショットであれば、画面左に示された緑のバーがスタミナを示している。この場合はスタミナが16なので、プレイヤーは16回移動できる。歩き回って敵を攻撃したりアイテムを拾った後は、安全な位置に移動してからブロックを落下させてターンエンドとなる。
赤色のハートが体力で、オレンジのEXPが経験値。経験値を貯めれば体力とスタミナが成長する。
プレイヤーのターンが終わるとモンスターのターンとなり、モンスター達はプレイヤーに攻撃をするべく距離を詰めてくる。基本的にはモンスターはプレイヤーを狙ってくるが、同士討ちをしたり遠距離攻撃をしてきたりと特徴が設定されている。また、何らかのパッシブスキルを持っていることもあるので、初めて見るモンスターは図鑑で詳細を確認していきたい。
このように本作では、左手で主人公を、右手でテトリスのブロックをコントロールするという変則的な操作方法になっている。最初は両手を使う操作に頭が混乱するかもしれないが、ブロックは時間経過で落ちて来ることは無いので安心だ。
ダンジョンをクリアするためには、画面右上に記載されたお題を達成する必要がある。お題には金,銀,銅の三種類の難易度が設定されており、ステージをクリアするだけであれば一番簡単な銅のお題を達成すれば良い。
銅のお題を達成すれば、ダンジョンの出口である金の扉が含まれたブロックが出現する。そのブロックを設置して出口を踏むことが出来ればステージクリアだ。
銅のお題は特定の敵を倒すものが多く、あまり考えずにプレイしていても達成は容易だ。しかし、銀と金のお題はチャレンジ要素となっており、無駄行動をせずに効率の良いブロックの積み上げ、立ち位置の調整なども必要になり難易度はかなり高くなっている。
被ダメージ制限や置けるブロック数の制限など、お題は様々で楽しめる。
出口を出現させるだけであれば銅のお題を達成して終わりだが、本作はあくまでパズルゲームがメインだ。単にクリアすれば良いという訳ではないので、しっかりと全てのお題をクリアしていきたい。
両手で主人公とブロックを操作しながら、頭を使ってお題を達成するというユニークなプレイフィールの時点で、変なゲームをこよなく愛するインディーゲーマー的には満足度が高いのだが、思っていたよりもパズルとしてプレイし応えがあったことは嬉しい誤算だ。
お題の達成はあくまで出口を出現させるための条件であり、出口を踏む前にアクシデントに見舞われてゲームオーバーになることもある。
例えば、出口と一緒に出現したモンスターを倒せないということがある。ブロックを積んでいくと、徐々にダンジョンレベルという数値が上昇して登場するモンスターが強くなっていくため、複数のお題を同時に達成するために時間をかけ過ぎるとモンスターが手に負えなくなる。
また、画面最上部までブロックが積み上がってしまった場合も当然ながらゲームオーバーとなる。積み上がるギリギリでお題を達成しても、出口のブロックを置けなければクリアできない。
さらに、余り良く考えずに複数ラインのブロックを消したところ、主人公が身動き取れない離れ小島のようなブロックに閉じ込められてしまうこともある。そのような場合でもハンマーが残っていれば足場を作って脱出できるが、無ければギブアップする羽目になる。
このように、お題を達成して出口が見えたからと言って気を抜けないところも、Blocky Dungeonの面白さの一つだ。
ブロック消しとキルストリークが重要
前項で説明した通り、異ジャンルを融合させた割には操作がシンプルなBlocky Dungeonだが、ダメージ計算に関しては面白いシステムが用意されている。
本作の主人公は攻撃力の分だけモンスターにダメージを与えることが出来るのだが、この攻撃力はプレイヤーがレベルアップしても昇することは無い。また、こちらが攻撃した際には殆どのモンスターはその場で反撃をしてくるため、体力の多い敵とは正面から殴り合うことは出来ない仕組みになっている。
例えば、攻撃力3の天狗であれば、1回殴れば反撃で3ダメージを与えて来る。しかも、天狗は自動回復能力を持っているので、いくら回復アイテムを用意しておいたとしても、ダメージ1の積み上げでは倒すことが出来ない。
攻撃力はレベルアップで上昇しない代わりに、テトリスのブロックを1ライン消す度に1上昇させることが出来る。次のスクリーンショットであれば、8ラインをびっしりと埋めているので、この状態でラインを消すことで一気に攻撃力を9まで上昇させることが出来る。
なお、ブロックはラインを揃えただけでは消えず、プレイヤーが任意のタイミングで消すことが出来る。さらに、乗っているモンスターやトラップは、ボスを除いて全て消し去ることが出来る。ただし、ブロックを消して得た攻撃力はターンを跨いで持ち越すことが出来ないので、攻撃対象の隣まで移動できるスタミナを確保した状態でブロックを消すことが重要だ。
ブロックを消すことで攻撃力を一気に上昇させたところで、攻撃力は1回攻撃すれば元に戻ってしまう。しかし例外的に、攻撃力が敵の体力と一致していた場合は攻撃力はリセットされず、更に攻撃力が1上昇するというキルストリークボーナスを得ることが出来る。
次のスクリーンショットは、キルストリークを1回行って攻撃力2の状態だ。この状態で目の前にはHP2のモンスターが居るので、攻撃して倒せばキルストリーク継続となりボーナスを得て攻撃力は3になる。
一撃必殺でモンスターを消せるブロック消しさえあれば、わざわざキルストリークを繋ぐ必要は無いと思うかもしれない。しかし、ブロック消しでモンスターを倒した場合は残念ながら経験値が入らないのだ。そのため、常にキルストリークを狙いながらも、体力調整が上手く行かなかった場合や、ピンチの時にはブロックを消すという立ち回りが重要となる。
次の動画は実際にキルストリークを繋いでいく様子だ。途中でブロックと共に敵を消した際には経験値が入っていないことが分かるだろう。
モンスターのHPはそこまで大きい数値が設定されておらず、HP調整は簡単そうに見えるかもしれない。しかし、モンスター達は勝手にトラップを踏んで体力を減らしたり同士討ちで削り合うので、盤面が混みあってくると次のターンにキルストリークの維持できるかどうかの予想はなかなかに困難だ。
なお、銀と金のお題を達成するにはキルストリークの使いこなしが必須となっている。うまくスタミナと敵のHPを調整しながらキルストリークを繋げることができれば、モンスターを一網打尽にできて気持ちが良いうえにお題もクリアできるため、挑戦していて大きな達成感を得ることが出来る。
ローグライクかどうかはプレイヤーが決める
本作は公称のジャンルとしてローグライクをタグ付けしているが、実はローグライクと呼んで良いのか怪しい。
ゲームジャンルに関する解説記事にも記載のように、どのゲームジャンルを名乗るかは基本的に開発者の自由だ。しかし、ローグライクを名乗る上では、“ランダム生成要素”を取り入れることは絶対条件だろう。
Blocky Dungeonはブロックを組み上げてダンジョンを構築していく訳だが、落ちて来るブロックはステージによって固定されている。ブロックの形だけではなく、それに乗っているモンスターやアイテムなどのパターンも決まっており、しかもモンスターの行動パターンは、プレイヤーの行動及び落としたブロックの向きと位置で完全に再現することができる。
シード機能が搭載されているローグライクゲームでは、特定のシード値を入力することで状況の再現が可能だ。ランダムに生成された中から優れたシードを探すこともローグライクゲームの醍醐味である。しかし、Blocky Dungeonにはシードが存在せず、ブロックの出現傾向は1ステージに1パターンだけとなっている。
つまり、ローグライクの絶対条件であるランダム生成の要素を満たしていないのだ。
しかし、考え方を変えてみると、何処にブロックを置くかは完全にプレイヤー次第なので、ダンジョンの構成自体はある意味無限大である。ダンジョンの通路に相当するブロックはランダム生成ではないが、プレイヤーの判断次第で幾らでもランダムにできる状況にあり、つまりはプレイヤーの選択こそが、Blocky Dungeonをローグライクゲームたらしめるのである。
最適解を求めて試行錯誤している内は、ランダム性を持ったターン制のローグライクゲームであるが、最適解が定まった段階でローグライク要素は失われると言った所だろうか。
あれこれと議論しだすと禅問答のようになってくるので、結局は余り深く考えずに一風変わったパズルゲームとだけ認識してプレイすることがベストかもしれない。
評価ポイントのまとめ
Blocky Dungeonは、ターン制のダンジョンRPGとテトリスを融合させた独創的な作品だ。インディー特有の突拍子もない発想を楽しみたい人はプレイしてみよう。
長所
- 独創的なシステム
- 頭を使うパズル要素
短所
- リッチな内容のゲームではないが、何故かPCのファンが全力で回る
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