点数評価 | 90点 |
クリア時間 | 約4時間 |
プレイ状況 | ノーマルでクリア |
プレイ時間 | 約6時間 |
発売日 | 2023年7月14日 |
対応機種 | Steam/Switch/PS4/PS5 |
プレイ機種 | Switch |
開発元 | Domesticated Ant Games |
発売元 | オーイズミ・アミュージオ |
ジャンル | 2Dジャンピングパズルゲーム ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
Gravity Circuit(グラビティサーキット)は、ロックマンに対する多大なるリスペクトを感じることができる作品だ。単なる模倣というだけでなく、近接戦闘に特化し豊富なスキルと強化を任意に使えることができてオリジナリティも十分に持ち合わせている。クラシックコンソール風のグラフィックという部分は人を選ぶかもしれないが、本家さながらの触り心地の良いアクションは申し分ない。この手のインディーゲームにありがちな翻訳の悪さも無く、会話のシーンで一切の違和感を感じない点も評価したい。
【総合評価】 | |
革新性 | |
ユーザビリティ | |
ビジュアル | |
サウンド | |
プレイ継続性 | |
コストパフォーマンス |
クラシックな見た目の超近接戦闘型ロックマンX
Gravity Circuitは、グラビティ・サーキットと呼ばれるロボット戦士『カイ』を操作し、知性を持ったロボット達が生活する未来の世界を侵略する『ウイルス軍』に立ち向かう、ロックマンシリーズに大きな影響を受けた2Dアクションゲームである。
次の1文は、マイニンテンドーストアに記載されたメーカーによる本作の説明文だ。
Gravity Circuitは、クラシックコンソールのあの世界観にド派手なアクションを詰め込んだ2Dジャンピングパズルゲームです。
マイニンテンドーストアより
まず、この説明文を意訳すれば、“8bit機風(クラシックコンソール)のグラフィックで、ロックマンXをアレンジした操作(ド派手なアクション)を楽しめる”と言ったところだろう。
次の2枚のスクリーンショットは、ステージ選択画面とボスの登場シーンである。並んだ8体のボス達の顔グラフィックからステージを選び、選んだボスが帯状の背景エフェクトと共に登場する演出は、ロックマンでお馴染みの光景である。
これらの画像から分かる通り、本作はクラシックコンソール風のグラフィックで作られている。時折挿入される会話シーンもどこかレトロ感を帯びた仕上がりになっており、クラシックコンソールのゲーム作品を愛する人であれば懐かしさを感じるだろうし、逆にそのような文化に触れて来なかった人は古臭さを感じてしまうだろう。
本作は見た目こそクラシックコンソール風ではあるものの、その操作系統は今でも愛され続けるロックマンXやロックマンゼロに近い。つまり本作は、ダッシュや壁蹴りを駆使し、ハイスピードで敵を蹴散らしながらステージを踏破していくあの爽快感抜群の操作感を、クラシックコンソール風の見た目で楽しめる作品である。
もちろん無印ロックマンシリーズも人気だが、あちらはXシリーズやゼロシリーズとは異なり若者には受け入れられないことが多い。
そしてまずは断言したい。ロックマンXシリーズやゼロシリーズで育ったアクションゲーマーなら、本作の動きは絶対にハマるはずだ。
本作の主人公、グラビティー・サーキットが使う武器は、ロックマン及びロックマンXシリーズでお馴染みのバスターでもなく、ゼロシリーズで活躍するセイバーでもない。短射程の己の拳が攻撃手段である。簡単に表現すれば、“肉弾戦がメインのロックマンX”という言葉がしっくりくるだろう。
次の動画はザコ敵を相手に戦っているシーンだ。小気味よく敵に拳による連打を浴びせ、ダウンした敵をフックで引き寄せて掴み上げて別の盾を持った敵に投げつけている。投げつけられた敵は盾が粉砕され、防御を失いそのまま連打で撃破されている。
このように、短射程の拳による攻撃がメインとなるため、密着したような距離で戦うシーンが多くなることが本作の特徴だ。爽快感や疾走感は本家と同様だが、セイバーよりもさらに近接した戦闘からの投げ技が気持ち良く炸裂するので、懐かしさと新鮮さが入り混じったような感情を覚えることだろう。
敵を掴んだ状態で移動可能。更に、投げる方向は8方向で調整できる。
なお、攻撃は入力方向によって効果が変化する。空中で上を押しながら攻撃すると蹴り上げ,下を押しながら攻撃すると落下攻撃といった具合に変化するので、状況に合わせて使い分けていきたい。
本作は操作感こそはロックマンXだが、無印ロックマンのようにスライディングを併用できることが特徴的だ。そして、ボタンを入力することで一定距離を高速で移動するダッシュは廃止されており、代わりにボタンを押し続けることで素早い走りのモードに切り替えが可能となっている。距離感が重要な近接戦闘に最適化した遊び易い変更だ。
次の動画は、無印ロックマンのスライディングとロックマンXの壁蹴りを駆使しながら迫りくるビーム地帯を抜ける様子だ。無印ロックマンでは定番の極太ビームが迫ってくるシーンを、無印ロックマンとロックマンXの合わせ技で切り抜けるとなると、思わずニヤっとしてしまう人も多いのではないだろうか。
ビームもトゲも本家と違って即死しない。無印ロックマンの経験者であれば、何度も即死させられてあのビームが迫りくる音が耳に残っている人も多いはず。
その他にも、ダウンした敵を掴むことができるフックは、天井に打ち込むことで振り子の要領にて移動にも使える。なお、フック移動が用意されている代わりに、無印ロックマンに登場するラッシュに相当するような移動をサポートする仲間は登場しないといった変化も見られる。
また、移動手段と言えば、ロックマンXシリーズに登場するライドアーマーを模した乗り物も登場する。クラシックコンソール風のグラフィックでライドアーマーに乗れるとは何とも感慨深い。前述のビーム地帯もそうだが、ロックマンへのリスペクトを至る所で感じることができるので、元ネタを見つけるといった遊び方も並行して楽しんでいきたい作品だ。
スキルと強化の選択肢が豊富
ロックマンシリーズの代名詞と言えば、倒したボスからのスキルのラーニングだろう。本作においてもエネルギーを消費して発動するバーストスキルというアクションが用意されているが、倒したボスからのラーニングは廃止されており、その代わりにゲーム内マネーを貯めてショップから購入することができる。入手したスキルは任意の4種類を装備でき、方向キーと発動ボタンの組み合わせで切り替え無しに使い分けが可能だ。
最初から使うことができる正面方向への強烈なパンチや、上方へアッパーカットなどの4種類を基本として、ボスを倒す度に2種類のバーストスキルがショップに追加される。つまり、全ボスを倒すと合計で16種類のバーストスキルが追加され、最終的には20種類のバーストスキルが使用可能になる。
本家ロックマンシリーズであれば最初は何もスキルを持たずにゲームが始まり、ボス1体に付きスキル1つの合計8種類をラーニングする。それに対して本作は合計20種類と豊富であり、プレイヤーの選択肢が倍以上に広がっている。メインの攻撃こそ近接のみだが、バーストスキルを発動すれば前方にエネルギーを飛ばしたり、画面全体に低威力攻撃を行うなど、遠距離攻撃も可能となる。
また、選択肢が多いのはスキルだけでは無く、ロックマンXでいう所のパーツの強化に相当するブースターチップが全16種類も用意されている。こちらはロックマンXのように強化カプセルに入るのではなく、ステージ内で孤立して困っているNPCを助けることで貰える救助トークンと呼ばれる通貨と交換して入手できる。
2段ジャンプのような移動補助、ステージギミックからのダメージ軽減のような防御補助、打撃射程や速度強化のような攻撃補助など、ブースターチップによるバフ効果は全部で16種類用意されており、どれでも好きな順番で取得できる。なお、全てのバフ効果を同時に発動できる訳ではなく、同時に装備できるブースターチップは最大で4つまでとなっているので、自分のプレイスタイルにあった組み合わせを見つけよう。
ゲーム内にスピードランモードが用意されているので、クリア後は最適なバーストスキルとブースターチップの組み合わせを見極めてタイムアタックを楽しみたい。
スキルと強化を自在に変更可能
どこまで行ってもロックマンな本作だが、戦闘途中に好きなだけカスタマイズを変更できる点が本家と大きな違いだろう。前項で説明した通り、全20種類のバーストスキルと全16種類のブースターチップが用意されているが、これらはステージ内のどこでも、ボス戦中であろうとも自由に付け替え可能となっている。
苦手なタイプのボスに出会ったとしても、予めブースターチップとバーストスキルを多めに買っておけば、ボス戦の最中に組み合わせをあれこれと試すことで、短期間で打開策を見つけ出すことができるのは嬉しい仕様だ。なお、残機性は採用されておらず何回でも中間ポイントがリトライできることも有難い。特にハードモードで遊ぶ際には大きな恩恵となるだろう。
ちなみに、バーストスキルを出せる回数は少ないため、本家ロックマンのように弱点技を連打してボスを瞬殺するようなプレイスタイルを取ることは出来ない。ここぞというタイミングでバーストスキルを当ててから通常攻撃で追撃し、ボスがバーストスキルを発動したら、こちらは防御タイプのバーストスキルを発動して乗り切るといった判断も必要となるのもオリジナリティがあって面白い。
評価ポイントのまとめ
Gravity CircuitはジェネリックロックマンXとして素晴らしい触り心地であり、拳で戦うスタイルを筆頭に十分なオリジナリティを備えたロックマンのフォロワーだ。もし本家シリーズがロックマンX9を出す機会があれば、本作を参考にして拳による近接格闘主体のキャラもプレイアブルで出して欲しくなる程に楽しい作品である。
なお、ロックマンのフォロワー作品としては、ロックマンXをローグライク化した30XXが存在する。そちらの出来栄えも良好なので興味があれば遊んでもらいたい。
長所
- 投げを絡めた近接特化戦闘
- バラエティ豊かな移動手段
- 豊富なスキルと強化
- スキルと強化をいつでも変更可能
短所
- 人によってはグラフィックが古く感じる
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