点数評価 | 90点 |
クリア時間 | 約20時間 |
プレイ時間 | 約20時間 |
プレイ状況 | クリア |
発売日 | 2020年12月8日 |
対応機種 | Switch/PS4/Xbox/Steam |
プレイ機種 | Switch |
開発元 | Moi Rai Games |
発売元 | Team17 |
ジャンル | 探索要素も楽しめるアクションRPG ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
MonsterSanctuary(モンスターサンクチュアリー)は、ドイツのMoi Rai Games製作のRPG+探索型2Dアクション(俗に言うメトロイドヴァニア)ゲームだ。
ここ最近のゲーマー界隈はサイバーパンク2077の話題一色。MonsterSanctuaryはサイバーパンクと発売日が近く、ダウンロード専売のインディーゲームということもあり、サイバーパンクの話題に隠れてしまったゲームと言える。筆者はこのゲームを、サイバーパンクで疲れた時の気分転換用として購入した。
ところが、序盤だけお試しで摘み食いしたところ、余りの面白さ(特にRPGのバトルの部分)にサイバーパンクそっちのけでクリアまで走り切ってしまい、早速レビュー記事を投稿するに至った。(サイバーパンクのプレイ時間はまだ0時間だ)
MonsterSanctuaryの主人公はモンスターキーパー(ポケモンマスター的なもの)という、モンスターを育てて使役することが出来る一族の一員。育てたモンスターで3体で野生のモンスターと戦って仲間にしたり、モンスターキーパー同士で3VS3+控え3体の対戦を行い、経験を積みながらサンクチュアリ(住んでいる場所の名前)の危機を救う冒険に挑むという内容。
相手チームと自分のチームの属性相性を見極め、適宜モンスターを入れ替えながら戦うため、基本的には3VS3で行うポケモンバトルだと考えてもらってOKだが、MonsterSanctuaryならでは要素が多数詰っており、ついつい熱中してしまった。
戦いは(バフ・デバフの)数だよ兄貴!
機動戦士ガンダム劇場版では、連邦軍の総攻撃を前にしたドズル中将が、“戦いは数だよ兄貴!”と憤っていたが、まさにMonsterSanctuaryにおける戦いでは、味方を強化する“バフ”と相手を弱体化する“デバフ”の数が勝敗を左右すると言っても過言ではない。
ポケモンでも回避率を上げたり、ターン終了時にダメージを与えたりするバフ・デバフが多数存在するように、MonsterSanctuaryでも同じようなステータス変化のシステムが存在する。
MonsterSanctuaryではバフ・デバフが非常に特徴的で、デバフを掛けるとさらに一定確率で別のデバフが発動したり、仲間の特定のアクションに連動して自動的にバフが発動したりと、複数のバフ・デバフが連鎖的に発動するという点が既存のRPGとは決定的に異なる。さらに同じバフを何回も重ね掛けも出来るため、1ターンの間に両チーム間でバフ・デバフが嵐のように吹き荒れ、状況が目まぐるしく入れ替わる。
そのため、戦闘では敵や味方のHP/MPだけではなく、各モンスターがどのような状況に置かれているか見極めることが重要だ。
- 青色アイコン:各種バフ(ステータス↑やリジェネなど)
- 赤色アイコン: 各種デバフ(ステータス↓や、火傷、毒、出血など)
- アイコンの数字: 同じバフ・デバフの重複数
- アイコンが飛ぶ: バフ・デバフの剥離
- 白色数字: ダメージ
- 黄色数字: クリティカルダメージ
- 緑色数字: HP回復
- 青色数字: シールド(HPとは別枠で先に削れる)
- 紫色数字: MP回復
- 数字横の上矢印: 特攻(効果抜群)
- 数字横の盾: 耐性(ダメージ減少)
このように大量のバフ・デバフが用意されているのだが、実際の応酬は次の動画を見ると分かりやすいだろう。
この動画は敵・味方の1ターンのやり取りだが、たった1ターンの間にバフ・デバフが激しく入れ替わっている様子が分かるだろうか。最初は目まぐるしく入れ替わる表示に理解が付いていかない事も多いが、慣れてくると状況判断が一瞬で出来るようになり、プレイヤーとしても判断能力の成長を感じることが出来るようになる。
状態異常の管理は面倒くさい!という人はクリティカル特化でプレイすることも可能だ。装備やクリティカルUPのパッシブスキルと取ったうえで、攻撃力アップとクリティカルアップのバフだけ掛けて押し切ることも出来る。
デバフを放置すると何かと不利な状況に陥るので、パーティに1体はヒーラーを入れて毎ターン敵に掛けられたデバフを解除していくことが基本戦術となるが、敢えてデバフ解除も回復もせずに戦うことも可能である。
この動画では、タンク役がシールドを貼り、1体の魔法系アタッカー役(前)が命中率低下バフを付与し、“当たらなければどうということはない”の精神で、シールドが削れるだけで極力モンスター本体のHPに被害が及ばないように戦っている。もう1体の魔法系アタッカー(後ろ)はバフ剥し&デバフ付与をしており、ターンの終わりに敵に、火傷、凍結、出血で合計7回で万単位の追加ダメージが入っている。ちなみに、回転する矢印の様なバフアイコンはダメージ肩代わりを示しており、アタッカーへ単体攻撃が飛ぶとタンクが間に入って代わりにダメージを受けている。
モンスターの多さ(100体以上),火や水などの属性相性,バフ・デバフの種類の多さ,スキルビルドの自由度、これら4つの要素が複雑に入り組むため、パーティ構成の最適解はコレ!という答えは恐らく存在しない。どんなパーティで戦闘に挑むか自分なりに悩んだ末に、それなりに上手く戦術がハマり敵を完封出来た時の達成感は中々のもの。

上記のスクリーンショットはラスボス撃破直後のパーティだ。マッドアイは序盤に仲間に出来るモンスターだが、デバフ撒きとバフ剥し性能の高さから最後まで使い続けることが出来る。どのモンスターも割と使い道があるため、どれをメンバーに入れるか実に悩ましいが、頭を捻って考えることがこのゲームの醍醐味と言える。パーティ編成を考えることがメインコンテンツと言っても過言でも無いだろう。
なお、メインの6体の下には、サブとして連れ歩いているモンスターが小さく見えている。これらは戦闘中に入れ替えることは出来ないが、非戦闘中はいつでも入れ替え可能となっている。わざわざ預けなくても片っ端から何十体も連れて歩けるのは実に便利だ。
そして、ストーリーの途中で対戦に負けたとしてもオートセーブされている一つ前のエリアから即リスタートが可能なので、リスタートの速さとメインモンスターとサブモンスターの切り替えの容易さから、パーティ編成の試行錯誤の敷居が低い点も評価したい。特定のデバフに対抗手段が無いがために、一旦拠点に戻って再編成してもう一回ボスまでの道のりを辿るなどという面倒くさい事は一切しなくても良い。
戦闘が楽しくなる数々の仕組みが用意されている
前項目でバフ・デバフの重要性を書いたが、本作にはそれを引き立てる数々の仕組みが用意されている。
この手の育成系RPG好きの大好物である“スキルツリー”は実に自由度が高い。

MonsterSanctuaryのモンスター達はレベルアップしただけでは新しい技を覚えることはなく、レベルアップで入手したスキルポイントをスキルツリーに振る事で、好きな技を好きなタイミングで覚えることが出来る。
モンスター毎にツリーの内容やツリーの数は異なるが、育成方針としては以下の4パターンとなっている。
- 技の威力を上げる
- 新しい技を習得する
- パッシブ(常時発動型の能力)を取得する
- HPや攻撃力のようなステータスを底上げする
これらの中でもパッシブの取得がなかなかの曲者で、これの取り方によって同じモンスターでも全く戦法が異なってくる。例えば、ひとつ前のスクリーンショットでフォーカスしているパッシブ“ショッキングヒット”は、敵に1撃で一定割合以上のダメージを与えると、敵に命中率低下と感電(追加ダメージ)のデバフを与えるというもの。これを取った場合は、発動条件が大ダメージなので、これを活かすためにはクリティカル率アップのパッシブを習得したり、クリティカル率の上がる装備が必要となる。このように、最終的に重視するパッシブでモンスターの育成方針が大きく変わってくる。
また、ストーリーが進むとシフトチェンジという仕様が追加される。光と闇からどちらかのタイプを選んでシフトチェンジができ、選択結果によって特定のステータスが底上げされ、新しいパッシブが入手可能になる。

スキルポイントの振り方や、どちらのシフトを選ぶかで頭を悩ますことになるが、スキルの振り直しやシフトを切り替えるアイテムは割と沢山手に入るので、最初は悩まずに直感で選んでいった方が良いだろう。
MonsterSanctuaryは、戦闘終了時にHP/MPが全回復する。そのため、技を出し惜しみする必要は無く、1ターン目から全力で攻撃することが可能となっている。ダンジョンのボスやキーパー同士の長期戦は頭を使うが、ザコ戦は全力で攻撃してサクサク進むことが出来るのは嬉しい。
なお、MPは戦闘中も毎ターン回復する。敵も味方も毎ターン回復するので、敵のMP回復を阻害するデバフも重要となっている。スキルツリーで技のレベルを上げると、威力がアップする一方で消費MPも増加する。MP回復を阻害されてMPが足りない場合は、自動的に使用できる技のレベルが下がる。そのため、MP回復を阻害することで間接的に攻撃力を低下させることも可能になっていたりと奥が深い。

バフ・デバフに加えて、属性相性まで覚えてられないと思うかもしれないが、属性に関してはかなり親切な仕様となっている。
次のスクリーンショットは、対戦前に手持ちから先発の3体を選ぶシーンだ。各モンスターに3列アイコン表示があり、1列目が弱点、2列目が耐性、3列目が持っている技の属性を示している。各モンスターの弱点や技をいちいち覚える必要は無く、編成画面で全て確認可能となっている。

戦闘中にモンスターを入れ替える際にも属性確認は可能なので、いざモンスターを繰り出したものの相性が悪く瞬殺されてしまうという悲しい思いをすることは無いだろう。

ちなみに、冒険エリアは平地だけではなく、雪山や溶岩地帯、海の中まで様々な地形が登場するが、それらは見た目だけの演出であり戦闘に影響を及ぼさない。

100点満点を取るには後少し
低価格のゲームにもかかわらずバトルにやり応えがあり、更にはオンライン対戦まで実装されており満足度の高いMonsterSanctuaryだが、100点満点を取るには後少し詰め切れていない部分がある。
本作ではポケモンのようにモンスターを進化させることが可能なのだが、進化可能なモンスターは一部のみで、進化のヒントも少な目。そのため、筆者はクリアまでに2体だけしか進化させることはなかった。
恐らくポケモンに引っ張られて進化要素を入れたと思われるが、全モンスターにライトとダークのシフトチェンジがあるので、欲張って進化までは入れる必要なかった。



本作は探索型2Dアクションの要素を備えており、捕まえたモンスターのスキルを使用して道を切り開くことが可能となっている。
例えば、パワータイプのモンスターで岩を運んで床のスイッチを押す,松明に炎タイプのモンスターで火を付ける,飛行タイプのモンスターに掴まって空を飛ぶなどのギミックが用意されている。脚が早くてジャンプ力の高いモンスターに乗って、時間制限内に駆け抜けるシーンもある。
この手のギミックは、初めて見つけた時は突破することが出来ないものの、後から対応するモンスターを捕まえて戻ってくれば突破できることが多いのだが、モンスター同士のバトルが十分に面白いので探索型の要素は蛇足に感じることが多かった。
進化と探索だけは減点だが、それを差し引いてバトルが面白く満足度は高い。オンライン対戦までやり込みなら無限に遊べる一品。バフ・デバフの応酬がメインという、新感覚のモンスターバトルに少しでも興味を持ったなら是非遊んでもらいたい。

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