点数評価 | 50点 |
プレイ状況 | ストーリー未クリア |
プレイ時間 | 約2時間 |
発売日 | 2020年10月2日 |
対応機種 | PS4/Xbox/Steam |
プレイ機種 | PS4 |
開発元 | Motive Studio |
発売元 | Electronic Arts |
ジャンル | シューティング ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
【総合評価】 | |
革新性 | |
ユーザビリティ | |
ビジュアル | |
サウンド | |
プレイ継続性 | |
コストパフォーマンス |
Star Wars:スコードロン(SQUOADRONS)は、2020年10月2日に発売されたスターウォーズのスターファイター戦に特化したシューティングゲームだ。エレクトロアーツの家庭用ゲーム機向けのスターウォーズゲームの第4弾であり、2021年6月1日にPS Plusのフリープレイ入りしている。
Star Wars:スコードロンにはスターファイター戦以外は一切収録されておらず、スターファイター戦に特化して開発したことで達成できたリアルな操作体験をウリにしている。確かに、ツインスティックを駆使して自由自在に飛び回り、カスタマイズした兵器は撃つ様はスターウォーズの映画そのものであり、スターファイターのドッグファイトのシミュレーターとしては完成度が高いのかもしれない。しかし、リアルな操作体験だけでは面白いゲームには成り得ないということを実感できるゲームであった。
代り映えのしないストーリーモード
Star Wars:スコードロンは、スターファイターによるオンライン対戦がメインコンテンツだが、ストーリーモードも用意されている。最初からオンライン対戦を遊ぶことはできず、まずはチュートリアルを兼ねてストーリーモードの序盤をプレイすることになる。
ストーリーは帝国軍と反乱軍を交互に進行し、反乱軍の殲滅を命じられたある帝国軍の大尉が、命令を不服として脱走して反乱軍に参加を決意するところからスタートする。まずこの時点で既視感を覚えるプレイヤーが多いだろう。立場や理由は違えど、バトルフロントⅡのアイデンも帝国軍からの離反者であり、フォースの覚醒で登場したフィンも離反者だ。またしても帝国軍からの離反者が主人公となり、その時点でうんざりだ。
何だかんだでいつも通りお粗末な展開で視点が反乱軍側に移った後は、離反した大尉を受け入れる側として、追跡者を迎撃を通して戦闘のチュートリアルが始まる。そしてここでも一気に萎える展開が待っている。それは何かというと、スターウォーズ定番となっている、反乱軍がスターデストロイヤーの目の前に旗艦をワープさせるというクソ戦術を披露する展開だ。
敵の目と鼻の先に旗艦をワープさせて戦うという、常人には理解の及ばない頭のおかしい展開を見せつけられて、ストーリーモードをプレイする気を無くした。スターウォーズ自体はSFの古典作品として偉大な事は間違いなく、世界観は今でも通用するとは思うが展開はもう少し考えてもらいたいところだ。
辟易とする帝国軍及び反乱軍のチュートリアルを30分ほどかけて終えると、オンラインマッチが解放される。お馴染みの離脱者とお寒い艦隊戦でストーリーモードの続きには興味が無くなったので、筆者はそこからはストーリーを勧めずにオンラインマッチのみを遊ぶことになった。
華やかさに欠けて物足りない対戦
当レビューはStar Wars:スコードロン発売から約8か月が経過し、フリープレイが開始した二日後に書いている。フリープレイで配信されている上に、スターウォーズのネームバリューを考えると、対戦相手には困らないと考えていた。しかし、実際にプレイしてみると、本当にフリープレイは始まっているのか?と、疑問に思う位にマッチングしない。
ゴールデンタイムでもマッチングに2分以上待つことはザラで、時には3分ほど待つこともある。マッチングしたメンバーのプレイヤーレベルから推測するに、ベテラン:初心者(フリプ)の割合は4:6といったところだ。既に参加者はフリープレイから入った初心者の方が多く、フリープレイが無かった場合はマッチングに5分以上かかることだろう。
1年も経たないうちにこれだけ過疎が進行しているには理由がある。それは単純に面白くないからだ。Star Wars:スコードロンは、バトルフロントのゲームモードの一部として実装されている、スターファイターアサルトを改修したような作品である。帝国軍,反乱軍共に使用できる機体は増え、メイン武器や2種類のサブ武器に加えて、装甲や防衛システムまで自分で好きな装備を選び、好みの仕様のスターファイターで対戦に臨むことが出来る。
更にスターファイターには3種類のモードが用意されており、移動速度を重視したスピードモード,射撃威力を上げるパワーモード,シールドを強化するディフェンスモードを、状況に応じて頻繁に切り替えながら戦うことになる。
視点は主観のみとなっており、コックピットも忠実に再現されているので視界はやや悪いものの、機体の形状がそのままコックピットビューに反映されており反乱軍と帝国でそれぞれの特徴が再現されて臨場感もある。敵をセンターに捉えて撃とうとしても、敵味方共にスピードが早く視界も狭いので、簡単に照準を合わせることはできずじれったさもあるが、それは映画の再現と考えると上々の出来だろう。
カスタマイズが細かくなり、操縦モードが追加され、コックピットビュー限定になったスターファイターアサルトがStar Wars:スコードロンである。これだけを聞くと面白そうなのだが、バトルフロントは12vs12の24人対戦だったにも関わらず、Star Wars:スコードロンは5vs5と対戦人数が大幅に減っている。更にバトルフロントに登場したような、ミレニアム・ファルコンやスレーヴⅠのような特殊機体を途中でピックアップすることもできない。人数が減っては大した乱戦にもならず、特殊なピックアップも出ないとなると、バトルフロントを経験した身としては華やかさに欠けていると感じた。
対戦人数が少ないので、1vs1のドッグファイト的な展開になりやすいので、頻繁に攻防が入れ替わるような戦いが好みなら満足度は高くなるかもしれない。しかし、バトルフロントの大乱戦経験者であれば物足りなさから直ぐに飽きてしまうだろう。さらに、コックピットビューによる視界の悪さや、頻繁に要求されるモード切替(要求されるというか、しないと負ける)は、原作の再現だと言われれば最初は感心するが、対戦ゲームとして考えると煩わしいだけで、対戦の質が向上する訳でも無く足枷にしかなっていない。
どうせならスターファイターの動きの体感的な部分だけをリアルにするだけではなく、視界に入っているあらゆるコントロールパネルを操作する、本格的な操縦シミュレーターにすればゲームとしての価値が高まっただろう。
VRは酔わないなら体験の価値あり
Star Wars:スコードロンはVRにも対応しているので、ゲームとしての面白さはさておき、VRモードで遊べば宇宙空間で360度縦横無尽に飛び回るドッグファイトは間違いなく楽しい。VR酔いしない人にとってはプライスレスな体験が出来るはずだ。VR酔いをする人は、急旋回が始まると数秒で吐き気を催すので、余程の物好き以外は控えた方が良いだろう。
結局のところStar Wars:スコードロンは、スターファイター専用ゲームにもかかわらず、バトルフロントの数ある遊びの内の一つでしかないスターファイターアサルトに、ゲームとしての面白さで負けているので遊ぶ価値は無い。コックピットビューのスターファイターの戦闘に一度は触れてみることには価値はあるかもしれないが、VRでパイロット気分を堪能する以外に遊ぶ必要は無いだろう。
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