10月31日まで!AmazonMusicUnlimited 4ヶ月無料

アクトレイザー・ルネサンス【レビュー/評価】プレイフィールを過去に合わせた結果、現代では受け入れ難い出来栄えになってしまった失敗作

評判/点数/感想

5段階評価:★★☆☆☆
点数:45点
感想:クソゲーではないが、単純につまらない。
レビュー投稿時の進行状況:ノーマルでクリア。
プレイ時間:約11時間

アクトレイザー・ルネサンスは、2021年9月24日にPS4/Switch向けに発売された、ソニックパワードとスクウェア・エニックスが開発した、横スクロールアクションと町づくりシミュレーションのどちらも楽しめるゲーム。1990年12月16日に発売された、クインテット開発のアクトレイザーのリメイク版。

スクウェア・エニックスからは、往年の名作の数々がリメイクされているが、過去の名作をリメイクする際に重視するべきは何だろうか?賛否両論を覚悟して、”新訳”というレベルで新しく作り直すべきなのか、それとも過去の雰囲気を残しつつも今風に違和感なくアレンジを加えるべきか?

スクウェア・エニックスは新訳タイプならファイナルファンタジー7、アレンジタイプなら聖剣伝説3で確かな実績があり、アクトレイザーについてもリメイクが発表された際には大きな期待が寄せられた。

FINAL FANTASY VII REMAKE EPISODE INTERmission【レビュー/評価】ユフィの魅力を4時間に凝縮した良DLC(コンドルフォート攻略あり) 聖剣伝説3 TRIALS of MANA(トライアルズ オブ マナ)【レビュー/評価】非の打ち所がないフルリメイク!スクエニはアンリアルエンジンの真の使い方を理解している!

アクトレイザー・ルネサンスが選んだリメイクの在り方は、新訳でもアレンジでもなく、

プレイフィールは変えず、見た目を綺麗にし、追加要素を少し加える

であった。

その試みは結論から言えば大失敗だった。リメイク版で新たに追加された、英雄達に指示を出しながら魔物の大群から町を守るタワーディフェンスゲームはそれなりに面白いものの、アクションパートはキャラクターの動きが硬く操作しても何の面白味も無く、戦闘のバランスも滅茶苦茶。町づくりの大半は作業感しか無い上に、頻繁に無駄に待ち時間が発生して暇を持て余す。

リメイクとは日本語で言えば作り直しだ。確かにアクトレイザー・ルネサンスはリメイク作品だが、メインとなるアクションパートで作り直されたのは基本的にガワだけである。大胆な変更も現代風アレンジも無く、3,520円という値段に見合うクオリティであるとは言い難い。原作を大切に、そのようなリメイクを目指したことは伝わってくるが、残念ながら2021年に発売するには、ユーザーを満足させる水準に届いていない。

1.何一つ面白さを見出すことが出来ないアクションパート

アクトレイザー・ルネサンスにおいて、最大の問題はアクションパートの質の低さだ。

アクションパートは、主人公が剣による近接攻撃と、魔法による遠距離攻撃を駆使しながら、横スクロールのステージを進んで待ち受けるボスを倒すオーソドックスなもの。それ自体は特に問題ないが、主人公の動きはぎこちなく不自然で、剣の当たり判定の持続時間が無駄に長く、剣を振った後にワンテンポ遅れてヒットするような奇妙な操作感だ。

大型の敵に接近して攻撃すると、妙な多段ヒットで気持ち悪い。

操作キャラクター、敵モンスター、敵の飛び道具などのサイズが全て大き目なので、適当にステージを進んでいると被弾しがちだ。しかし、無敵のバックステップや、最後に一撃が無敵になる3連攻撃のコンボなど、難易度を下げる要素が追加されている。さらに、頻繁に回復アイテムが登場するので、何も考えずに剣を振り回して進むだけでクリア可能な難易度となっている。

挙動に関しては、SFCのアクトレイザーを大切に開発したと言えば聞こえは良いかも知れないが、綺麗な見た目で挙動だけレトロ調な、ヌルくて楽しみ所の無いゲームに仕上がっている。リメイクするのであれば現代風に爽快感の溢れるアクションに作り変えて欲しかったところだ。

ステージの道中で金の天使像を見つけることが出来ると最大MPがアップするが、謎解きがあったりテクニカルな操作を求められることも無い。単純に道が分岐していると、一方が進行方向、もう一方は天使像となっているだけで、捻りが一切なく探索のやり甲斐が無い。その割には、一度分岐を選ぶと道を戻ることが出来ない場面が多く、天使像を取り損ねるとステージを最初からプレイし直す必要があり非常に面倒くさい。

途中から面倒くさくなって、天使像は6割ほどしか回収せず

ゲームとしての質の低さの極め付けは、何と言ってもボスの弱さだろう。ボスは極端に頭が悪い設定なのか、主人公を目の前に停止したり、主人公に背を向けたまま明後日の方向に歩いて行ったりするので、幾らでも攻撃し放題だ。更に主人公の放つ魔法の威力が異常に高いので、適当に殴った後に魔法を連打するだけで勝ててしまう。

ボス戦の動画を幾つか紹介する。ボスは最初から最後までこの調子なので、ただの一度も倒されることは無く、全て初見でクリアできた。

懐古的に昔のゲームを楽しむことは一切否定しない。実際に筆者はレトロゲームのレビューも行っている通り、最新ゲーム機以外のソフトも今でも積極的に購入しているので、この手のプレイフィール自体に拒否感は無い。しかし、アクトレイザー・ルネサンスはリメイク作品だ。リメイク作品を謳っているにも拘らず、プレイフィールがリメイクされていない。これではリメイク作品に対して求めていた物とは違うと感じたプレイヤーも多いだろう。

果たして、開発者は自分で遊んで面白いと感じているのだろうか?

2.クリエイティブな要素が皆無なクリエイティブモード

次に、迫りくるモンスターから町を守るタワーディフェンスと、神の視点で奇跡を用いて人々を導く町発展シミュレーションから構成されるクリエイティブモードについて。

奇跡を用いて人々を導くと書くと大層に聞こえるが、その内容は実際にプレイすると当たり前の事をするだけで、何の捻りも無い。奇跡には、雷、雨、太陽、風、地震の5種類が用意されているが、地面が乾いていると言われれば雨を降らし、風車が回らないと言われれば風を流し、村人が欲した奇跡を選ぶだけの単純作業である。困り事から連想が必要な謎解き要素がある訳でも無く、何一つ迷うことは無いだろう。

幼稚園児でも何をすれば分かるレベル。

そして、町の発展については、クリエイティブモードと言いつつも、創造性や独創性は一切ない。障害物の除去さえしてやれば、村人が勝手に住居・農地・工場を自動的に作り出すので、それを眺めるだけだ。自分で好きな位置に好きな建物を置いて、好みの景観を作れる訳でも無く、ランダムに生成される町を眺めるだけで、はっきり言って暇である。最も、作ることが出来る建物も、前述の3種類だけなのでランダム生成と言っても似たような景観しか生まれない。

配置を自分で決めたかったし、畜産用の牧場が作れても良かった。どうせタワーディフェンスパートがあるのだから、砦の人員を確保するための兵舎を出来ても良かったはずだ。プレイヤー介入不可なうえに3種類しか作れないのであれば、”クリエイティブ”を名乗らないで欲しい。

時折、飛んできたモンスターに町を壊されることがあるが、何かペナルティがある訳でも無く、放置すれば勝手に村人が修復する。モンスター退治もボタンを連打するだけの完全な作業となっている。

人口が増えると文明レベルが上昇し、新しい建物を建築できるようになる。古い建物を容赦なく雷の奇跡で壊すと、人々が文明に合った新しい建物に直すのだが、人間を守る立場にあるプレイヤーが建物を破壊する様には違和感がある。また、破壊した後は当然ながらプレイヤーが介入する余地は無く、復興を見守るしかない。それが神の視点だと言われればそうなのかもしれないが、間違いなく面白さには結びついていない。

思考を伴わずに眺めるだけのゲームに意味があるのか?

家が壊れて右往左往する村人を見るのも最初は面白いが・・・

また、一定時間ごとに、畑ではリンゴorポーション、工場では建築資材or防衛柵がランダムで生産されるのだが、リンゴと建築資材を一定数集めるクエストが度々出現することが問題だ。必要数が生産されるまで、プレイヤーは操作を放置して待機するしかなく、一定数以上には畑や工場を増やせないので生産効率を上げることもできない。オマケにどちらが生産されるかはランダムなので、延々とポーションばかり生産されてクエストが停滞してイライラすることもある。全6ステージで、育成・破壊・放置を繰り返すだけなので、町づくりは最初の2ステージで飽きてしまい、残りはストレスを溜めるだけであった。

町が成長する度にモンスターが襲来してタワーディフェンスゲームが始まる。このタワーディフェンスゲームはそれなりに面白い。ステージ毎に現れる一騎当千の力を持った英雄に移動指示を出して、神を祭る神殿が壊される前にモンスターを全て殲滅出来ればクリアとなる。英雄は幾ら強いと言っても多勢に無勢なので、一人で防衛することは出来ない。そのため、英雄の手が回らないエリアには、モンスターの移動を制限する防衛柵を設置したり、弓や魔法で自動攻撃する砦を駆使して、モンスターの大群を足止めすることになる。適当にやっていると防衛失敗する程よい難易度だ。

モンスターは幾つか行動パターンがあるので、それを見極めて迎撃する。

最終的に1ステージに英雄を3人召喚できるようになり、敵も画面を埋め尽くすように湧いて来るようになる。いざという時にMPを消費して繰り出せる神の奇跡を出すタイミングや、攻撃タイプ毎に仲間を何処に配置するか、どのタイミングで次の防衛エリアに移動させるかなどを、良く考えて作戦を立てることが面白い。ただし、面白いと言ってもタワーディフェンスとして並程度なので、わざわざタワーディフェンのためにアクトレイザー・ルネサンスを遊ぶべきかというと、そうでは無いだろう。

タワーディフェンスの前には、経験値の書を使って英雄のレベルを上げるという作業があるのだが、この行為に意味を見出すことが出来なかった。戦闘報酬やクエスト報酬で、自動的に英雄に経験値が溜まってレベルアップするだけで良い所を、アイテムを経由することで時間を無駄にロスしている。

低レベルクリアの縛りプレイをするために経験値をアイテム化しているのだろうか?

クリエイティブモードの途中には、魔物の巣に入り、魔物発現器を壊すというアクションパートが挿入されるが、これが完全に蛇足な追加要素となっている。球状のボスを叩いて倒すだけの負けようの無い消化試合が度々挿入されて、ゲームのテンポを著しく悪くしている。

ゲーム終盤になると、ボスが逃げながら弾を撃つようになる。が、それでも弱い。

クリエイティブモードは、タワーディフェンスゲームが並程度に面白いと言っても、その他の不満要素によるマイナス評価の方が圧倒的に多い結果となった。

3.イラストと天使の態度だけは評価したい

褒める部分が少ないアクトレイザー・ルネサンスだが、どのキャラクターも立ち絵にバリエーションが幾つか用意されており、村人の服装も地域ごとに特色が出ていて好感が持てる。中でも、神であるプレイヤーをサポートする天使は、人間をやや小馬鹿にした言動と生意気さが、中性的な見た目と非常にマッチしている。特に、”やれやれ”という調子で両掌を上に向ける仕草は絶妙。

天使の会話とヴィジュアルのマッチは、このゲームで最も評価出来るポイント。

英雄達は見た目と性格が分かり易い。

人間たちのパターンが多いのも好感。

アクトレイザー・ルネサンスは、アクションパートの出来の悪さや、介入の余地が少ない町づくりを筆頭に不満点は多いが、それなりに面白いタワーディフェンスと、天使と他のキャラクターの会話によって、最後までプレイさせる魅力を持っている。ゲーマーのボリューム層が求めるプレイフィールを理解してリメイク(リマスター)できれば良作に成り得ただけに惜しい作品である。

Amazonで購入前に、残高チャージするだけで2.5%もオトクに!

4 COMMENTS

hoge

私の不満点を言ってくれた感じです。
正しい進行方向なのに足場が見えない点、画面外からの攻撃でばかりダメージ食らう点、魔法やバックアタックを使わなくても連打でクリアできる点でも、アクションゲームとしてあり得ないと思います。
ボタンを短く押しても無駄に高いジャンプをするし、敵を攻撃した時のヒットストップが少なすぎて「斬った」感触が無い。

返信する
Sara

確かに足場が見えない問題もありますねー。
しゃがんでも視点が下に移動しないので、落ちた先に隠しアイテムの足場があるのか、落ちたらアウトなのか分からず、運任せで飛び込むしかないという。
昔のゲームらしいといえば、演出と受け取れなくも無いですが、別にそれで面白くなる訳でも無いですしね。
色々と不満点を挙げ出したらキリが無い感じです。

返信する
匿名

記事ではタワーディフェンスが唯一の評価点みたいだけど、アクトレイザーのリメイクを求めていた人にはタワーディフェンスなんて蛇足以外の何物でもないんだよなあ。これのせいで途中で投げそうになった。

返信する
Sara

確かに旧作ファンからしたら、全く原作にはなかったジャンルのゲームなので、需要が無いかも知れませんね。
やはりアクション面を今風にスタイリッシュな仕様にで仕上げるべきだった。

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)