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Ori and the Will of the Wisps(オリとウィスプの意思)【レビュー/評価】完成されし作品にとって、続編の正しい在り方とは何なのか答えは分からない

評価と感想
  • 5段階評価:★★★★★
  • 点数:85点
  • 感想:1作目より2作目を先にプレイすると100点が付きそう。
  • レビュー投稿時の進行状況:ノーマルでクリア
  • プレイ時間:約11時間
  • 実績:330/1000

Ori and the Will of the Wisps(オリとウィスプの意思)は、Xbox(2020年3月11日)とSwitch(2020年9月18日)向けに発売された、サイドビューの探索型アクションゲーム。(Moon Studios開発)

前作、Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)から5年後に発売された続編だが、筆者はthe Blind Forestをクリア後に、間髪入れずにthe Will of the Wispsをプレイしている。ゲームの評価とは往々にして、プレイしたタイミングで変化する物なので、2作連続プレイした感想であるということに注意してもらいたい。

Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)【レビュー/評価】リトライ性を高めるOriのリスポン設置機能は、全高難易度ゲームが標準装備して欲しい

また、当記事は、主に変更点に焦点を当てたレビューになっている。まずは前作のレビューから読んでもらいたい。

1.戦闘シーンをメインに据えた大きな路線変更

Ori and the Will of the Wispsは、前作から大きく路線変更されている。

まず、グラフィックは2Dから3D描画に変更されたものの、違和感無く更に磨きの掛かった美麗な世界に仕上がっている。そんな世界を主人公オリが、すばしっこく駆け抜けていき、数々の危険なギミックを乗り越えていくプレイフィールに変わりは無く満足度の高い物に仕上がっている。しかし、戦闘シーンにおいては、前作で主たる攻撃手段であった、遠距離誘導型の”精霊の炎”は廃され、”精霊の刃”という斬撃の近接攻撃が追加されている。

また、ハンマーのような重い一撃を放つ”精霊の大打撃”、遠距離攻撃以外にもスイッチの作動に使える”精霊の弓”など、遠近共に複数種類の攻撃手段が追加された。それに伴い、ゲームとしても敵を避けて進むよりも、積極的に倒すスタイルに変更されている。

大振りの攻撃で敵を攻撃するオリ。

弓を空中で構えてスイッチを狙うオリ。

また、オファーというNPCに金を支払うことで、新しい攻撃スキルの入手や強化も可能になった。敵の自動攻撃する”哨塔”、ブーメランのように帰り道でもダメージを与える”精霊の星”、オリの周囲をまとめて攻撃する”火炎”など種類も豊富。

要求金額が高めなので、取得には念入りな探索か稼ぎが必要となる。

勿論、前作同様に多くのザコ敵は無視したり、スキルの打撃で吹き飛ばして戦闘は回避できるのだが、戦闘シーンに重きが置かれているため、回避不可能な強制戦闘が増えている。

また、前作ではボス戦は存在せずに、各主要エリアの最奥には、ボスギミックとでも呼ぶべきスピードランと障害物回避を組み合わせた、高難易度のステージが用意されていた。一方で今作では、ボスモンスターが用意されており、一般的なアクションゲームのようにボスとの戦闘が繰り広げられる。

画面一杯の巨大なボスが待ち構えている。

また、今作からは”精霊のかけら”という、オリを強化するアクセサリー的な装備品が追加された。フィールドに隠されている精霊のかけらを集めることで、被ダメージ軽減や攻撃力アップのようなステータスを強化を出来たり、3段ジャンプや壁張り付きなどアクションをサポートする能力を身に付けることが出来る。また、精霊のかけらを装備するためのスロットは、フィールドの探索を進めることで拡張可能だ。

精霊のかけらは全31種類。

前作の能力の一部は、精霊のかけらへ移行されている。

遺跡を調べてザコラッシュを乗り越えると、スロットが拡張される。

前作Ori and the Blind Forest は、スピードランと障害物回避に特化した潔い作りだった。しかし、今作Ori and the Will of the Wispsは、多数の戦闘シーンが追加された以外にも、強化の為に探索を繰り返して金を稼いだり、アイテムを手に入れることで主人公オリを強化する要素が追加されたので、一般的な探索型アクションゲームに近づいた印象を受ける。

良い言い方をすればボリュームアップだが、悪い言い方をすれば独自性の消失!

この変化点をどう捉えるかで、このゲームの評価は大きく変わってくるだろう。無心で駆け抜ける前作が気に入っていた人にとっては、追加された戦闘に関する多数の要素は蛇足に感じるかもしれない。一方で、前作のレビューの最後にも書いたように、世界観は気に入っているものの、戦闘に期待していた人には待望の追加要素であるとも言える。

筆者の場合は前者である。パズルや精密動作を集中して連続で遊べるという、他のゲームと差別化された点を評価していたからだ。最も、前作よりも先に今作をプレイしたのであれば、”戦闘も高難易度ギミックも楽しめる名作アクション”と評していた可能性が高い。冒頭にも記載した通り、この手の評価はタイミングが重要となるのだ。

ちなみに、戦闘シーンが多数追加されたからと言って、ギミックシーンが減っている訳では無い。フィールドは前作よりも広がっているので寧ろ増えている。ギミックシーンが増えたうえで、戦闘シーンも追加されているので、捉え方はともかくゲームのボリュームとしては申し分ないことは間違いない。

音楽とアクションが見事に調和したボスギミックシーンは、前作から大きな変化は無いように見える。しかし、緊迫したシーンにマッチした力強いオーケストラをBGMに、連続アクションをこなしていくと、前作同様に鳥肌が立って来るレベルの満足度の高い仕上がりだ。

2.前作よりも難易度は全体的に下がっている。

前作Ori and the Blind Forest では、緩い縛りはあるものの自由にリスポーンポイントを設置することが出来た。しかし、今作からはそのシステムは廃止され、特定のポイントで自動セーブされる。リスポーンポイントの設置機能が廃されたためか、前作同様に難易度ノーマルで遊んだところ、全体的に難易度は低くなっているように感じた。

前作であれば当たれば即死しそうなギミックも、ダメージが抑えられているため、複数回耐えることが多かった。また、直前にプレイした前作の経験が活きているためか、仕様が変わったためか、正直な所は不明だが安全地帯の見極めも容易になっているように感じた。

前作ならビーム系のギミックで何回もミスしたが、ダメージを受けながら強引に突破できた。

ボスギミックは項目1に書いた通り満足度は高いが、難易度の低下が特に顕著だ。下の動画は2分ほど逃げ続けるシーンだが、途中で何回もミスをしているがクリア出来ている。前作であれば間違いなくリトライになっただろう。簡単になったとはいえ、次から次への使うべきアクションを瞬時に判断する楽しさは本物。何度もリトライするチャレンジングな内容から、程よいストレスが逆に気持ちいい手頃なアクションになったと思えば良いだろう。

ただし、簡単になったとはいえ、それはあくまで前作を知っている前提の話である。今作は特にスキルを得なくても最初から壁蹴りを利用でき、最序盤で2段ジャンプや、壁貼り付きの能力を手に入れることが出来る。前作で使えたスキルの再入手が早いため、序盤からアクションの幅は広い。今作でOriに初めて触れた人や、前作の事をすっかり忘れた人にとっては、序盤から選択肢が多いので逆に難しく感じるかもしれない。

ちなみに、前作はクリア実績の取得率は約17%だ。クリアまで7時間程のボリュームの割に、クリア実績取得率が低い。もしかすると、クリア出来ないという声が多く、今回はノーマルの難易度を意図的に抑えたのかもしれない。もっとも、今作のクリア実績は約15%であり、難易度が下がったところでクリア率に大きな変化は見られない。(クリアまで約11時間とボリュームが増えたので、若干のポイント低下は妥当)

今回から追加された戦闘シーンに関しても、難易度ノーマルであれば苦戦することは無く、ラスボスを含めて殆どを初見でクリアできた。ボス戦でも敵の弾を反射する”打撃”や、”グラップル”で安全地帯に逃げるなど、スキルを応用できる場面が多数存在するが、アクションゲームが得意であれば、直感で避けながら”精霊の刃”で近接戦闘を繰り返すだけでクリア出来るだろう。このように、ボス戦闘で余り工夫を要しないこともに評価を下げた一因である。

従って、アクションゲームが得意な人であれば、最初から難易度ハードで遊んだ方が良いだろう。(レビューの観点から、筆者は基本的にノーマルで遊ぶことにしている)

3.大分類では神ゲーだが、詳細点数の付け方が難しい

戦闘シーンの追加や、難易度の低下以外にも、今作ではNPCが大量に設置されたという変化点がある。メインクエストとは別に、それらから受注できるサブクエストも複数用意されている。相変わらず尋常ではない美しさの背景を楽しみながら、雪山から湿地帯まで様々なロケーションを、サブクエストの消化を兼ねて観光して廻るのも楽しい。前作の評価で良く見られる、”もっと冒険したかった”という声に答える形で、探索型アクションゲームとして正当進化したことは間違いない。

純粋にパワーアップしたOri and the Will of the Wispsだが、筆者は前作の100点に対して、今作は85点を付けている。筆者的には、スピードランと回避ギミックをメインに据えて、腹八分目程度で余韻を残しつつクリア出来る潔さが気に入っていたためだ。探索型アクションゲームは市場に無数に存在するため、引き算の美学とでも言うべきか、Oriは戦闘シーンを捨てた独自路線を進んで欲しかった。

Oriの一般的な探索ゲーム化が好ましく感じなかった!

最もこれは好みの問題であり、Ori and the Will of the Wispsが、プレイ必須の神ゲーであることには違いない。ストーリーに関してはネタバレになるので深くは触れないが、そちらも前作の温かみがあるような内容から、悲しみや運命というやや暗い内容に方向転換されている。

なお、Oriは1作目、2作目共にゲームパス対応なので、どちらも序盤をプレイしてみて自分に合う方だけ遊んでみるのも良いかもしれない。ストーリー的には繋がっているので、前作から遊ぶ方が感情移入はしやすいはずだが、本作からプレイしても十分に楽しむことは出来る。

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