点数評価 | 85点 |
クリア時間 | 約12時間 |
プレイ状況 | 通常難易度でクリア |
プレイ時間 | 約12時間 |
発売日 | 2021年10月21日 |
対応機種 | Switch/PS4/Steam Xbox (Gamepass) |
プレイ機種 | Switch |
開発元 | SouthPAW Games |
発売元 | NEOWIZ |
ジャンル | 2Dローグライク・アクションプラットフォーマーゲーム ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
ローグライクはインディーゲーム界隈のメジャージャンルであり、多種多様なローグライクゲームが日夜産み出されている。サイドビューの2Dアクション型であれば、ダングリードやネオンアビスなどの傑作が既に存在しており、単純にローグライクだけでは勝負しにくい所だが、Skulは自分の頭を挿げ替えるという面白い発想でユーザーの注目を集めることに成功した作品。頭とスキルで成長軸を絞ってから、9個のアイテムでシナジーを考えていくという2段構えのビルドの楽しさも確かな物。アクションゲームとしての難易度はかなり高いが、幸いにも最終手段としてイージーモードが用意されている。ストーリーもローグライクにしては良い部類。
【総合評価】 | |
革新性 | |
ユーザビリティ | |
ビジュアル | |
サウンド | |
プレイ継続性 | |
コストパフォーマンス |
Skul: The Hero Slayer(スカル ザ ヒーロースレイヤー)は、サイドビューのローグライクアクションであり、主人公は如何にも弱そうなチビッ子スケルトンだ。そんな最弱モンスターが勇者に攫われた魔王を助けに冒険するという話である。ローグライクゲームというと、アイテム運の上振れ下振れを楽しみながら繰り返し遊ぶゲームだが、Skulにおいて最大のランダム要素は自分の頭蓋骨(スカル)である。ローグライクアクションゲームは数あれど、自分の頭を挿げ替えることで能力を変化させて戦うという発想はなかなかに奇抜だ
勇者に攫われた魔王を助けに行くというテーマと頭チェンジシステムから、コミカルで緩いイメージを持つかもしれないが、実のところストーリーはシリアス寄りであり、アクションゲームとしての難易度は高めである。また、アイテム運が上振れすると初心者でもクリア出来る調整になっているローグライクゲームが多いが、Skulはレジェンダリーのスカルを引いたとしても、クリアが確定するなどということは決してない難易度の高さとなっている。
頭蓋骨を基準にビルドを考えるローグライク
Skulの主人公はザコモンスターのスケルトンである。大腿骨のようなものを棍棒代わりに敵を殴り、特殊攻撃と言っても苦し紛れに自分の頭を掴んで投げつけるという、何とも貧弱なモンスターだ。
そんな主人公だが、道中の墓場から新しい頭蓋骨(スカル)を入手することで、全く見た目の異なるモンスターへ変身することが出来る。ゲームステージは小さなエリアの連続で構成されており、エリアの敵を全て倒すと財宝が現れるので、それを取得すると次のエリアへ進むことが出来る。幾つかのエリア移動を繰り返す内にボスへ到達するという仕組みである。新しいスカルを入手するための墓場は、資金や装備アイテムと言った、財宝の種類の一つとしてエリアの最後にランダムで登場する。
スカルは30種類以上用意されており、素早い攻撃で敵を切り裂くウェアウルフ,暴走バイクで敵を引き倒すライダー,異空間から伸びるチェーンで攻撃するアークリッチ,敵を食べて巨大化していくグールなどなど、全く特徴の異なるモンスターが用意されている。スカルはスピード・パワー・バランスの3種類に別けられているので、自分の好みにあったスカルを選ぶことが出来る。いずれもスカルも骨の意匠を凝らしたアンデット系のデザインとなっている。
交換した部分は頭だけだが、何故か体格まで大きく変わる。が、そこは気にしないでおこう。
各スカルには、ノーマル,レア,ユニーク,レジェンダリーという等級が定められており、不要なスカルを砕いて入手できる骨を消費すれば、スカルを1ランク上の等級へ格上げすることが出来る。等級が上がるごとに、攻撃力が上がったりパッシブ効果を得たりと、多大な強化を得ることが出来る。
最初は弱いノーマルスカルであっても3回強化すればレジェンダリーへ到達し、性能は強力で見た目も威圧感を持ったスカルになる。レアなら2回,ユニークなら1回強化可能となっており、最初から能力の高いレジェンダリーのスカルは1回も強化できない。
初期ステータスが高いポケモンは1回も進化しないようなイメージが分かり易いか。
このように本作は、ランダムで出現するスカルを取捨選択し成長させながらステージを攻略していくアクションゲームだが、重要なのは頭一つに付き4種類からランダムに2種類選ばれるスキルである。スキルは物理攻撃と魔法攻撃に分かれており、当然ながら幾ら物理攻撃力を強化しても魔法攻撃力は上昇せず、その逆も然りだ。スカルはメインとサブの2種類を持てるので、合計4つのスキルを見比べて、物理と魔法どちらの属性の攻撃力を伸ばせば良いか見極めることが大切になる。
攻撃力の伸び方は、最大9個持てるアイテムの組み合わせで決まる。つまりSkulとは、頭ガチャからのスキルガチャを経て、そこから9個のアイテムと4つスキルのシナジーを考慮しながら、ラスボスに向けてビルドを調整していくというローグライクゲームである。
スカルによって全くアクションが異なるため、二つのスカルを敵に合わせて臨機応変に切り替えて、複数のスキルを使いこなす戦闘は慣れるまでは難しい。しかし、アクション自体が元々軽快でストレスフリーなため、大量のザコ敵を効率良く処理できたり、ボス戦で一気に大ダメージを出せるようになると非常に気持ちが良いゲームである。
途中から成長軸の大きな変更は難しい
Skulは前項で説明した通り、頭蓋骨⇒スキル⇒アイテムという順番にビルドを固めていくゲームだ。一般的なローグライクゲームであれば、途中で好みのアイテムを見つけると、それに寄せてビルドを大きく調整していくものが多い。本作も当然ながらビルドの調整は行っていく訳だが、最初に決めた成長軸の変更や、育ったスカルの変更は難易度が高い。勿論やろうと思えば可能なのだが、失敗する確率が高く注意が必要である。
本作は装備アイテムによる攻撃力上昇率が高く、ノーマルアイテムですら30%UPし、レジェンダリーアイテムになると70%UPも当たり前になって来る。このような性能のアイテムを9個も持てるので、上手くシナジーを発揮させて強化できると倍々で強くなっていく。もっとも、ゲームの難易度もインフレしていく攻撃力を前提に調整されている。そのため、防御力を固める方針ならまだしも、攻撃力を上げる方針の場合は、途中から物理・魔法の成長軸を変えてしまうと、ラスボスまでに調整が完了せずに、どっちつかずの中途半端な性能になってしまいクリア出来ないことが多いのだ。また、スカルを変えた場合も、成長に必要な骨を集めきれないことが多い。
威力を上げられなかった属性は、追加効果やデバフが優秀なスキルで揃えることが理想だ。
各アイテムには固定のシナジー効果が二つ設定されており、アイテムは最大9個持てるので、18個のシナジー効果を組み合わせることになる。シナジー効果は一つや二つなら効果は低いが、複数重ねると急激に効果が高くなるので、シナジーを維持するために敢えてノーマルアイテムを装備するという選択を取ることも少なくない。
また、精髄と呼ばれるクールタイムが長い召喚魔法のようなアイテムも装備可能となっている。こちらも物理攻撃・魔法攻撃に分かれているので、可能な限りはアイテムで強化した系統の属性を持ちたい。系統が合わないならバフ・デバフを重要視することになる。
このように、物理攻撃と魔法攻撃が別けられていることから、ランダム要素(スカル,スキル)で育成軸を絞った後に、ランダム要素(アイテム)と判断力(シナジー厳選)を楽しむという、2段構えのローグライク要素となっている。
アイテムを9個も装備出来るなんて大盤振る舞いだと思っていたら、取捨選択が実に悩ましく、“9個しか装備できないなんて・・・”という葛藤を抱えることになる。どのアイテム・シナジーを優先するべきかは、スカルとスキルによって毎回変わるので、装備品を取る際にはじっくりと頭を働かせて考えることを楽しみたい。
運だけではまずクリアできない高難易度アクション
Skulの1プレイに要する時間は、序盤でレジェンダリースカルを引いた場合は約30分、引きが悪くて時間が掛かっても40~50分程度と短い。もっとも、これはクリア出来た場合の話であり、本作は全体的に難易度が高いので、クリアまでにはそれなりの回数を繰り返し遊ばなければならない。
次の動画は終盤のボス戦の動画である。隙間なく降り注ぐ閃光,画面の半分以上に効果が及ぶ斬撃,見てからだと避けきれない高速攻撃など、反射神経で乗り切るタイプでは無く覚えゲーに近いことが分かるだろう。全5ステージの内、2ステージ目までは反射神経で乗り切ることも出来るが、3ステージ目以降のボス戦は、しっかりとプレイヤーが学習してボスの攻撃パターンを把握する必要がある。
当然ながら1回でパターンを覚え切るのは難しいので、ボスの行動パターンを覚えるために何度も死ぬことになる。終盤のボスは、1回練習するために30分以上の道程が必要となるため、アクションゲームが苦手な人の場合は険しい道のりとなる。レジェンダリースカルを入手したとしても、ザコ戦は余裕が出て来るかもしれないが、ボス戦が初見で余裕ということはまず無いはずだ。
本作に限った話ではないが、ローグライクゲームは変化に富んだプレイを楽しめると言っても、道程に大きな変化が無い高難易度作品の場合は、最終的に飽きる前にクリア出来るか否かという戦いになって来る。
Skulの場合、特徴的なスカル,ランダムに設定されるスキル,アイテムとシナジー効果の幅の広い組み合わせが用意されているが、これらの豊富な組み合わせを試そうとすればする程に飽きていくことになる諸刃の剣になっている。そのため、一通りゲームに慣れた後は、使用するスカルを幾つかに絞って、まずはクリアを目指すことをオススメしたい。筆者の場合は、使ったことの無いスカルを優先的に使うようにしていたが、クリア出来るかどうか不安になってきたので、スカルを絞って練習したところ無事クリアできた。
なお、全5ステージの内、4ステージには中ボスとして見習い勇者御一行が登場する。最初は1人だが、2人・3人と同時に出現する人数が増えていき、4ステージ目には強化タイプが1人で登場する。勇者御一行は、勇者,タンク,僧侶,弓使い,魔法使い,盗賊と、職業が6つ用意されており、どのステージでどの職業が出てくるかはランダムだ。特にステージ3の3人同時出現は、職業の組み合わせによって難易度が大きく上下する。ボスは固定だが、ランダムな中ボスが飽き対策として用意されていることは嬉しい。
ただし、ビルドが中ボスと噛み合わずに難易度が更に高くなってしまうこと。
ちなみに、敵を倒すことで入手できる魔石は、ゲームオーバーになっても喪失しない。これをショップで利用すれば、恒久的なステータスアップを得たり、新たなアイテムを解禁可能となっている。繰り返し遊べば徐々に難易度が緩和されるという、ローグライクゲームとしての定番要素はきっちりと抑えられているので、諦めずに繰り返し遊ぼう。
パーマバフを全て入手したとしても、平均的なアクションゲームよりもまだ難しい。
以上のように、Skulは可愛らしい見た目とは裏腹に非常に難易度が高く、ローグライクゲームとしても基本を抑えつつも、ランダム要素は自分の頭というユーモアも併せ持つ、一風変わったゲームである。2Dアクションゲームに腕に自信のあるプレイヤーは是非とも遊んでもらいたい。また、エンディングを見る限りでは、次回作も作れそうな結末だったので、続編にも期待したい。
【追記】パッケージ版の発売が決定
2022年4月14日にPS4/Switchにてパッケージ版の発売が決定した。通常版とデラックスエディションが用意されており、デラックスエディションには、アートブック,オリジナルサウンドトラック,メタルピンバッジが付属となる。
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