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【Halo Infinite】レビュー: 硬派な実力主義のFPSをベースに、特殊武器とビーグルが絶妙なアクセントとして活きるマルチプレイが秀逸 – ヘイロー インフィニット

点数評価85点
プレイ状況ストーリー未クリアで対戦に没頭
実績230/1000
プレイ時間約13時間
発売日2021年12月9日
対応機種Xbox One,Series X|S/Steam
(Gamepass)
プレイ機種Xbox Series X
開発元343 Industries
発売元Xbox Game Studios
ジャンルシューティング
ジャンルの考え方
総評/評判/感想

Halo Infinite (ヘイロー インフィニット)は、シリーズ初経験者でもマルチプレイモードは存分に楽しむことが出来る。キルタイムと各種武器の設定が絶妙で、シンプルながらもFPSが好きなら寝食忘れて没頭できる魅力を持っている。プレイするルールを選べないという致命的な欠点があるのだが、どのルールも面白く(当然好みはあるが)、4vs4,12vs12どちらを遊ぶかも悩ましい。マッチング後のロードの長さは気になるので改善されて欲しいが、それを待つだけの価値は十分にある楽しさだ。一方で、キャンペーンモードは新参者にとっては不親切で敷居が高く感じた。マルチプレイモード専用ゲームと割り切っても良いだろう。

【総合評価】
革新性
ユーザビリティ
ビジュアル
サウンド
プレイ継続性
コストパフォーマンス

Halo Infiniteは、SFシューターの金字塔として名高いHaloシリーズ最新作だ。筆者はXbox Series Xで初めてXboxに触れたので、今までHaloシリーズをプレイしたことはない。しかし、ゲーマーとして情報収集をしているとHaloの噂は新作が出る度に必ず耳に入って来ていたので、Xboxを入手したのであれば触れておかねばならないと、前情報は極力排除したうえで遊んでみた。シリーズ初心者ながらにマルチプレイモードをプレイし続けた結果、Halo Infiniteの面白さはキルタイムの長さと、絶妙な武器性能の調整であると確信した。

長めのキルタイムと、優れた初期武器

Halo Infiniteのキャラクター(スパルタン)達は、バトルフィールドやコールオブデューティーといった、著名なFPSに登場するスペシャリスト達と比べて非常にタフである。スパルタンを倒すためには、一般的なFPSの2倍程度の弾を撃ち込まなければならない。また、そのタフさ故に、正面切っての撃ち合いではワンマガジンで決着せずに、弾のリロードや銃の持ち替えを挟んだり、苦し紛れの格闘で決着がつくことが多い。そのため、実質的なキルタイムは一般的なFPSと比べて3倍近く長いのではないだろうか。

また、多くの武器にはヘッドショットが設定されているものの、屈強なスパルタンは一部の武器を除いてヘッドショットにも耐え切る。キルタイムが長く、ヘッドショットにもそれなりに耐えるということは、タイマンの撃ち合いでは格下が格上をラッキーショットで倒すような事態は殆ど発生しないことを意味する。

Halo Infinite 正面からの戦闘シーン
タイマンでは殆ど格上が勝つ。

次に、Halo Infiniteのマルチモードは、各々のプレイヤーが事前に設定したロードアウトで戦闘を開始するのではなく、最初は全員が同じライフル(MA40かBR75),ハンドガン,グレネードを持つことになる。戦場では幾つかの固定ポイントで装備を拾ったり、落下してくるカプセルから装備を拾うことが出来るが、それらは早い者勝ちであり、一度取得されると一定時間は再出現しない。加えて、拾える武器は強力だが、軒並み弾数が少なく活躍の場は限定的である。そのため、プレイヤーは初期装備のままで戦う状況が多く、不公平感が無い実力勝負を純粋に楽しむことが出来る。また初期装備は集弾率が良く、リコイルも低めで非常に使い勝手が良いので、武器を拾えなくても何の不自由も無く戦闘が可能だ。

Halo Infinite フィールドに設置された武器
設置された武器は一度取得すると、暫くは再入手不可能。

Halo Infiniteをプレイするまでは、SF作品ということもあり、もっとハイテク兵器が飛び交うド派手で大味なゲームを予想していた。しかし実際には、クセの無いライフルを用いた、実力差が如実に現れる対戦FPSであった。Halo Infiniteには、チームデスマッチ以外にも、フラッグを回収するキャプチャーザフラッグや、エリアを占領するストロングホールドなどのルールが用意されているが、全てのゲームモードにおいて傾向は同じだ。

近年のFPSはキルタイムが短く、訳も分からず流れ弾で即死したり、リスポーンした瞬間にリスキルが決まったりと、対戦ゲームとしては理不尽な場面が多い。この紙装甲仕様がFPS界で支持されている理由は、間違いなくリアル志向が原因だが、SF作品であるHaloは、そのような潮流から外れて独自の進化をしてきたFPSであることは間違いなさそうだ。扱いやすい武器で、理不尽さを感じることなく実力勝負が出来ることが、これほどまでに楽しいとは思っていなかった。

Sara
Sara

FPSの面白さを改めて再認識させてくれる作品。

また、キルタイムが長いということは、先制攻撃を仕掛けても逃げられやすいということを意味するのだが、これには意外な恩恵がある。タフなスパルタンを逃がさずに削りきるには、仲間とのクロスファイアが必要不可欠なため、ゲームに慣れて来たプレイヤー達は、確実に敵を仕留めるために、チーミングしてプレイしていなくても、協力プレイを意識するようになってくる。ソロプレイであっても、緩くだが自然と協力プレイも出来るのも嬉しい誤算だ。

リスポーン待機時間は最大10秒で、ロードアウトの設定やリスポーン場所の選択などは無く即ゲームに戻る。高耐久力と素早いゲームへの復帰のお陰で、殆どの時間を戦場で過ごすことが出来るのも嬉しい。

Halo Infinite キルされたシーン
キルカメラから復讐を誓え。

争奪戦を経て強装備やビーグルを入手しろ

さて、Halo Infiniteは実力主義の撃ち合いが楽しいと書いたが、逐次投入される武器やビーグルの活用も当然楽しい。ロケットランチャーのような人気の強武器は即取られてしまい、なかなか思い通りに使うことが出来ないが、入手できれば比類なき強さを発揮することが出来る。ただし、前述の通りに初期武器以外は弾数に乏しいので乱発はできず、確実に当てなければ大きな戦果を挙げることは出来ない。

また、キャンペーンモードでは無制限に使用できたサブ装備も、入手できるかどうかは運次第であり、使用回数も限られている。例えば、キャンペーンモードでは無制限に使えて、非常にお世話になるグラップリングフックは僅か5回しか使えない。その少ない回数で確実に優位を取り、敵がドロップした(使いかけの)アイテムを取捨選択し、戦力を維持してながらキルストリークを繋いでいくことが出来れば、チームの勝利へ大きく貢献できるだろう。

次の動画は貴重なロケットランチャーを外してしまい、そのリカバリーに奔走する動画である。ロケランの弾が切れたのでハンドガン片手に走り、グラップリングフックを崖の上から敵に直当てして格闘で倒すというシーン。ロケランもグラップリングフックも人気装備なので、なかなか手に入ることは無いが、運が良ければ硬派なFPSから一転して、この動画のようなトリッキーな戦いを楽しむことが出来る。

一撃必殺の武器以外にも、チャージショットで敵アーマーを一撃で破壊するプラズマピストルや、焼夷弾を撃つことが出来るラヴェジャー、近くの敵にダメージが伝播するショックライフルなど、変わった武器も多数用意されている。ダメージタイプの異なる武器を上手く使いこなすことが出来ると、格上相手にも有利を取ることが出来ることもある。そのため、チャンスがあれば見慣れぬ武器も積極的に拾って練習していきたい。プラズマピストルで一気にアーマーを削ってから、ハンドガンに持ち替えて実弾でトドメのような、アーマーダメージと実体ダメージの使い分けが上手く決まると、思わずニヤっとしてしまうはずだ。

仲間との争奪戦はビーグルでも行われる。ビーグルは武器よりもさらに厳しい争奪戦になる上に、運が悪いと急発進した仲間にロードキルされることもあるが、入手できれば圧倒的な火力で敵兵を殲滅できるので爽快感は抜群である。ただし、EMP効果で痺れさせられたり、割とどのビーグルもキャラクターが露出している面積が広く、運転中に倒されることも多いので防御面は見かけほどに優れてはいない。ビーグルは強いがそこまで一方的な試合展開には成り得ないだろう。また、ビーグルは強力ではあるものの、乗っ取りを喰らうと一気に敵戦力が増強されるというリスクもある。

Halo Infinite ビーグルの様子
ビーグルは強いので争奪戦が激しい。
Halo Infinite 圧倒的な強さのビーグル
敵に鹵獲されないように運用したい。

次の動画は、ゴーストという高速からの体当たりが強力なビーグルで、気持ち良く敵を粉砕しながら敵陣まで突っ込んで行ったら乗っ取られる様子。これは本当に最悪で、敵の安全圏に無傷の兵器を献上してしまっている。圧倒的な力を手に入れても鹵獲されるリスクもあることから、ビーグルを使用する際には常に緊張感を持つ必要があるのだ。

キャプチャーザフラッグのルールであれば、車両を活用すれば一気にフラッグを運ぶことが出来るので、車両を活用した協力プレイが自然と発生することもある。

Halo Infinite フラッグを運ぶ様子
見知らぬ仲間と一緒にフラッグを上手く運べた時の達成感は最高。

このように、Halo Infiniteは硬派な実力主義のFPSをベースに、時折アクセントとして特殊武器やビーグルが戦場に投入されるというイメージだ。前述の通り、投入される武器は残弾数が少なく、ビーグルの投入もそれほど頻繁では無い。勝負の大勢はベース部分で決まり、逆転の可能性或いは試合を決定付けるのは、投入される武器とビーグルの運用と言ったところだろう。

4vs4、12vs12どちらも面白いが、筆者的にはやはりビーグルが出現する12vs12の方が好みだ。また、12vs12になると、キリングスプリーを筆頭に、各種戦闘のメダルを取り易くなる。戦闘終了後にズラっと並んだメダルを見ると満足感があるので、調子が良い時には途中からリザルト画面が楽しみになって来る。

Halo Infinite リザルト画面
リザルト画面でスコアを確認。
Sara
Sara

BF2042ではスコアボードが無くなってしまったが、自己満足であってもスコアボードは絶対に在った方が良いことを再認識。

なお、Halo Infiniteのマルチプレイは無料だが、バトルパスを購入してXPを貯めることで見た目装備を入手することが出来る。FPSなのでプレイ中は自分自身の姿を見ることは出来ないが、スタート画面で他のプレイヤーに差を付けたい人は購入を検討しても良いだろう。

Halo Infinite バトルパスによる見た目装備
ツルっとしたヘルメットは良く見かけるので人気っぽい。

新参者にはキャンペーンはイマイチ

項目1,2で挙げたように、初心者の筆者でもHalo Infiniteのマルチモードを大いに楽しむことが出来たが、キャンペーンモードは序盤をクリアしてオープンワールドが始まった段階で投げてしまった。

理由としては、ストーリーが完全に初心者お断りだからだ。Halo Infiniteは、ゲームタイトルにナンバリングは無いものの、明らかに過去作品から続いている展開が繰り広げられる。しかし、ゲームスタート時に導入として、世界観や過去の経緯の説明が何一つ用意されいない。

何も説明も無いままに、力が全てを制するような巨大なゴリラみたいな種族と、サイズ感も価値観も異なりそうなコミカルな宇宙人の意味の分からない連合部隊と戦って、“武器”という致命的にネーミングセンスの無いAIが出て来た時点で、興ざめしてプレイ意欲が失われた。オープンワールドゲームとしての出来は良いのかもしれないが、壮大なスペースオペラだと聞いていたので、導入部分で躓いてしまい残念だ。

Halo Infinite スペースゴリラ
噂のスペースゴリラ?
Halo Infinite 武器という名前のAI
名前をどうにかしてくれ。誤訳か?

また、キャンペーンモードは移動距離に対して主人公の移動速度が遅く、何をやっても時間が掛かっている印象を受けた。移動の要であるグラップリングについても、挙動が不自然でチープな印象を受けてしまった。移動速度もグラップリングも、状況が目まぐるしく変化するマルチプレイヤーモードにおいては気にならないが、一人用のキャンペーンモードではどうしても目についてしまう。また、字幕とセリフの不一致も多く、どうしてもゲームと関係ない部分で不満が溜まっていく。

キャンペーンモードは筆者には合わなかったが、マルチプレイモードは文句なしに面白い。実力主義のSF系FPSを遊びたい人には絶対的な自信を持ってお勧めできる。欲を言えば、マッチング毎の読み込みが長いので改善されて欲しいが、それを我慢しても遊ぶ価値のある作品だ。

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