点数評価 | 70点 |
プレイ状況 | ダークネス10までクリア (早期アクセスV0.7.4) |
プレイ時間 | 約10時間 |
発売日 | 2022年6月8日(早期アクセス) |
対応機種 | Steam/Switch |
プレイ機種 | PC |
開発元 | flanne |
発売元 | Erabit, flanne |
ジャンル | ローグライクアクション ジャンルの考え方 |
20MinutesTillDawn (トゥエンティーミニッツティル ドーン)は、Vampire Survivors (ヴァンパイア サバイバーズ)を遊んだことが無いのであれば遊ぶ価値はあるだろう。しかし、Vampire Survivorsを遊んだことがあれば手を出す必要はない。当レビューを投稿した段階のバランスでは、手動射撃という最大の特徴を全く活かせておらず、Vampire Survivorsを簡単で大味にしただけのゲームという印象だ。Nova Drift形式の強化システムも、アップグレードの数が全く足りていないので、毎回同じようなことを繰り返すだけのプレイフィールになっている。ただし、魅力的なキャラクターは◎
【総合評価】 | |
革新性 | |
ユーザビリティ | |
ビジュアル | |
サウンド | |
プレイ継続性 | |
コストパフォーマンス |
20 Minutes Till Dawn (トゥエンティーミニッツ ティル ドーン)は、プレイヤーの介入余地の少なさに反して高い中毒性を発揮したことからインディーゲーム界隈で一世を風靡した、Vampire Survivors (ヴァンパイア サバイバーズ)の明確なフォロワー作品である。そして、レベルアップ時のアップグレードの取得方式は、明らかにNova Driftから影響を受けている。つまり20 Minutes Till Dawnは、Vampire Survivors及びNova Driftという、名作ローグライク2作品を掛け合わせたような作品だ。
プレイヤーの介入余地が増えたVampire Survivors
20 Minutes Till Dawnは、画面外から迫りくる無数の敵を20分間迎撃し続けるゲームである。ゲームの基本はVampire Survivorsとほぼ同じで、ひたすらに全方位から迫ってくる敵を倒し続け、20分経過すれば自動的にゲームクリアとなる。時間が経過するほどに出現するモンスターは増え、時には大型のボスモンスターも出現し、モンスターの侵攻は次第に苛烈さを増していく。それに対してプレイヤーは、敵がドロップした経験値を集め、ランダム提示されるアップグレードで強化を積み重ねることで耐え抜くというゲームの流れも、完全にVampire Survivorsを踏襲している。
20 Minutes Till DawnとVampire Survivorsで、最も異なる点は攻撃の方法である。Vampire Survivorsはフルオートで攻撃が発生するため、プレイヤーは位置取り以外に介入の余地が無かった。しかし20 Minutes Till Dawnでは、射撃ボタンを押している間だけしか攻撃は発生しない。残弾数については、プレイヤーが任意のタイミングでリロード可能であり、リロードに連動して発生する能力も多数用意されている。さらに攻撃方向に関してもプレイヤーが制御でき、任意の方向を狙って射撃できる他、オートエイム機能を使えばプレイヤーに一番近い敵を自動的に照準できる。このように20 Minutes Till Dawnにおいては、Vampire Survivorsでは出来なかった、プレイヤーの意思による攻撃の制御が出来るようになっている。
なお、ランダムなアップグレードを組み合わせてシナジーを得ていくローグライクな成長要素は、ローグライクシューティングであるNova Driftを完全に模倣している。提示されたアップグレードを選ぶと、そこから派生したアップグレードが次回の抽選に組み込まれ、特定の組み合わせを揃えば隠しアップグレードが登場するというスタイルだ。
当レビューを投稿した段階では、プレイアブルキャラクターは9人用意されており、それぞれが専用の特殊能力を持っている。特殊能力には、弾を2発撃つたびに追加で1回必中の低ダメージの雷を出す,敵を倒すと自動追尾攻撃の霊体を産み出す,リロード時にブラックホールを生成して敵を吸い込むことで移動を阻害するなど、バラエティに富んだものが用意されている。
また、いずれのキャラクターも全9種類の射撃武器から好きなものを選ぶことができる。低威力だが発射レートに優れるマシンガン,高威力だが自滅する可能性もあるグレネード,燃焼ダメージを与える火炎放射器など、射撃武器についても特殊能力と同様に様々だ。
キャラクターと射撃武器の組み合わせは、Nova Driftでいうところのボディと武器ギアの組み合わせのようなもの。
Vampire Survivorsは抜群の無双感がウリだったが、20 Minutes Till Dawnでもそれは変わらず、むしろ無双感は20 Minutes Till Dawnの方が高い。次の2種類の動画は、着弾時に50%の確率で雷を落とすスパークに、低威力のデュアルマシンガンを持たせてプレイした様子だ。一つ目がゲーム開始直後、二つ目がゲームの終盤の様子である。序盤は必死逃げながら確実に敵を減らすような戦い方をしているが、終盤になると圧倒的な連射で敵を一瞬で消し去り、強烈なノックバックでボスを一切寄せ付けないような戦い方をしている様子を確認できるだろう。迫りくる大群を一瞬で消し炭にできるので、ゲーム終盤の爽快感は抜群だ。
名作と名作を組み合わせても、決して名作が生まれるという保証はない
Vampire SurvivorsとNova Driftという名作同士を組み合わせ、爽快感に優れた20 Minutes Till Dawnだが、残念ながら名作と呼べるほどの面白さは持ち合わせていなかった。それほど面白くないと感じる理由は、間違いなく強化の終着点のバリエーションの少なさである。
まず、前項で説明した通り、20 Minutes Till Dawnはキャラクター・射撃武器共に個性が溢れており、Vampire Survivorsのようにオート戦闘でも無いのでプレイヤーの腕前に左右される要素も大きい。しかしながら、どのキャラクターにどの射撃武器を持たせたとしても、氷結効果で足止めをしながら、炎上でスリップダメージを与え、雷で大ダメージを与えるという戦法が最適解となっている。そのうえ、Nova Driftほどにアップグレードの種類が多い訳でも無いので、抽選運が悪くてビルドが進まないという状況に陥ることは絶対にない。
氷結,炎上,雷という余りに強力過ぎる属性攻撃の前には、キャラクターや射撃武器の個性などは最終的に意味は成さないため、ゲーム開始直後は個性的な立ち回りを楽しめるのだが、ビルドが進むほどに射撃エフェクトが異なるだけでやっていることは同じという状況に陥ってしまう。つまり、Nova Driftのように次々と新たなアップグレードの組み合わせを発見できて、試行錯誤を繰り返したくなるような面白みは一切ないし、Vampire Survivorsにキャラクター性能とアップグレードの引きに合わせて都度ビルドを調整するという考える要素も薄いのだ。
次の動画は火炎放射器で戦っている光景だ。武器の名前からして、広範囲に炎上効果を付与しながら戦うようなイメージを持つだろうが、実際には敵を凍らせながら雷を落として倒している。ある程度ビルドが出来上がると適当にプレイしても負ける要素が無くなり、Vampire Survivorsのような繊細な位置調整も必要無いので、クリア時に解放感や達成感を覚えることもない。
また、多くのアップグレードはマイナス効果が設定されておらず、マイナス効果を持っている場合には破格過ぎる性能が設定されているので、殆どのアップグレードが取り得になっている。そのため、Nova Driftほどにアップグレードの取捨選択に悩むこともなく、ローグライクゲームで重要なシナジー効果の奥深さは感じることができない。
マイナス効果が弱く、何を選択しても損することは無いというシステムのお陰で、Vampire Survivorsと明確に差別化できていた、射撃方向の制御とリロードについてもゲーム中盤からは意味を成さなくなっている点も残念だ。射撃速度やリロード時間が超絶に強化されるので、ゲーム中盤からは手動で細かな調整をするよりも、オートエイムでひたすらに射撃ボタンを押しっぱなしにした方が確実になる。そのような状態は、Vampire Survivorsと同じく自動攻撃をしているに等しいと言えるだろう。
このように、20 Minutes Till Dawnは甘いバランス調整と、Nova Driftに及ばない中途半端な数のアップグレードによって、手動射撃という最大の特徴を自ら無効化してしまった残念な作品だ。
名作を模倣したところで、名作を作り出すことは難しいことの証明である。
バランス調整を加えて多様性を広げるか、ステージ制にすれば評価は改善する
見た目はVampire Survivorsな20 Minutes Till Dawnだが、ステージは特に用意されていない。黙々とダークネスという難易度を上げていく、Nova Drift形式のプレイスタイルとなっている。ゲーム終了時にスコアと取得したアップグレードが左に表示されるリザルト画面もNova Driftに準じている。
前項に記載した通り、20 Minutes Till DawnがNova Driftを模倣するには圧倒的にアップグレードの種類が少ないし、アップグレードの効果のバランスも悪い。そのため、大半のプレイヤーは最大難易度までプレイするまでに飽きるだろう。ルーンという項目で、パーマバフの調整も可能だが、プレイフィールには然したる影響は及ぼさない。
プレイアブルキャラクターには美女が多く、ラブクラフト系をイメージした?独特の配色センスなど、ヴィジュアル面ではVampire Survivorsを圧倒的に上回っているが、それだけでは総合評価は高くならない。また、価格についてはVampire Survivorsの300円に近い310円に設定されており、絶対的に見ればコスパの良いゲームだ。しかし、相対的にVampire Survivorsと比較すると、本家のボリュームには全く到達出来ていない点も気になる。
現在はアーリーアクセス中ということだが、ステージ制に変更してキャラクターごとに得意不得意を設定したり、アップグレードを充実及びバランス調整するなど、正式リリースまでに大きな改修をしなければならないだろう。Vampire Survivorsを未プレイであればプレイする価値はあるかもしれないが、それであればVampire Survivorsをプレイした方が良さそうだ。
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