開幕から自陣を丁寧に塗ったおかげで僅差で勝てた。
スプラトゥーンをプレイしているプレイヤーなら、これに類する文言を見聞きしたことがあるだろう。さも丁寧な自陣塗りが勝利へのカギのような書きっぷりだが、これは全くの見当違いである。
このようなバトル結果の正しい状況把握は、
開幕から自陣を丁寧に塗ったおかげで、余裕で勝てたはずの試合を落としかけた。
である。
初手から時間をかけて自陣を塗り込むのは地雷行為であると断言する。
当記事では、スプラトゥーンのナワバリバトル(特にフェス開催時)において勝つための戦い方と、スプラトゥーンというゲームをプレイするにあたっての心構えを解説する。ナワバリガチ勢ではないので関係無いなど考えているのであれば、まずは第3項から読むことを推奨する。
特に開幕自陣塗りの是非については、これからもフェスが開催されるたびに問われることになる。初手自陣塗りをするべきなのか?しない方が良いのか?どちらが良いのか悩んでいる人は、考え方の一つとして読んでもらいたい。
なお、ゲームのレビューは以下の記事を参考。
事前に入念な立ち回りの打ち合わせをする大会では、自陣を塗りつつ前線に干渉する。
また、フェス100傑に名を連ねるレベルであれば、高い内部レートにより野良でもハイレベルな即興チームが出来上がるうえに、一部の強ブキに使用率が圧倒的に偏っている。その結果、現環境の最適な立ち回りを判断した結果として塗ることもある。
特に問題視していることは、盲信的に“丁寧な”自陣塗りを行うことである。高内部レートにおいては、自身が塗りに適さない武器(例えばロングブラスター)を持っていたとして、仲間3人が塗らないからと言って、その武器で丁寧な塗り込むような事態は発生しない。
当記事はバラエティ豊かな武器が飛び交うボリューム層のウデマエを想定し、そこから上に抜けるためどうすれば良いか解説している。
ナワバリバトルで勝つためには
早速だが、スプラトゥーンのバトルで勝つためには以下を意識した立ち回りが重要だ。
- 初手で自陣を必要以上に塗らない
- 数で不利なら無理に攻めない
- 数で優位な場所を手厚く
- 劣勢の巻き返しはSPを軸に
- 危険な時はスパジャンで逃げる
記事のタイトルはナワバリバトルとしているが、基本的にはバンカラマッチでも同様である。これを意識すれば、チーミングできないバンカラやフェスのチャレンジでも勝利を重ねることが出来るだろう。
それでは各項目を見ていこう。
ナワバリバトルに参加すると、仲間3人が前線に出でているにも関わらず、じっくり丁寧に1分~1分半かけて、自陣を隅々まで塗り尽くすプレイヤーに遭遇することがある。開幕と共に自陣を隅々まで漏れなく塗り尽くすという行為は、ハッキリ言って戦犯行為である。(戦犯行為の是非については項目3に記載する。そちらも要確認。)
レビュー記事にも書いた通り、スプラトゥーンは1チーム4人、即ち1人がチーム戦力の25%を担うという、各々の責任が重いチームシューターだ。仮に1人が自陣を塗りたくっているということは、チームメイト3名はそれが終わるまで75%の戦力で苦しみながら前線で戦っていることを意味する。
また、1人が担う戦力が大きいということは、人数差が戦況に大きく影響するという意味でもある。残された3名全員が歴戦の猛者達であれば、1名を欠いた状態でも前線の維持は出来るかもしれないが、大抵の場合は押し負けるだろう。
当然ながら人数が少ない分、敵チームによる自陣に対する押し込み圧は強くなる。そのような劣勢で復帰した際に重要なのがSPだ。押し込まれていても、タイミングを合わせてSPを発動することで状況を打開できることは多い。
しかし、丁寧な自陣塗りによって、自陣全面が自色に染まっているとどうなるだろうか?倒されたチームメイトは、SP減少のペナルティを喰らって自陣から復活する訳だが、そこからSPを貯めるために自陣を塗ることができず、敵がどこにセンプクしているのか分からない、非常に危険な中盤を塗ってSP貯めなければならない。
一方で敵チームは、人数差を得ている分だけ安全に塗りを進めることができてSPを貯めやすい。お陰で状況はさらに悪化し、ようやく自陣塗りを終えた1名が合流した頃には、巻き返しが困難な程に差がついてしまっている。
塗り込んでも僅差で勝てたのは、仲間が猛者だったか、あるいは絶好調の動きが出来た、武器相性が抜群に良かったかのどれかだ。そんな状況で塗り込まずに4人で戦っていれば、間違いなく接戦では無く圧勝だっただろう。
従って、絶対に初手で自陣を塗り尽くてはいけない。初手は戦力の均衡を保つことが重要である。
隙間を塗り込む時間で、敵陣にボムを投げ入れでもした方がよっぽど効果的。
前述の通り、スプラトゥーンは1人がチーム戦力の25%を担っている。仮に1対2の状況で戦うのであれば、数値上の差異はたったの1かもしれないが、戦力上は1人で敵チームの半分を相手にしているということである。
ネットでは一人でワイプアウトを達成するスーパープレイのクリップを頻繁に見かけるが、あれは都合の良いシーン・試合を見せているだけであり、そう頻繁に起こり得ることではない。例えプロゲーマーであっても、1対2以上を無策に覆すこと簡単ではない。
そのため、仲間が倒されたのであれば、まずは状況確認。人数で負けているのであれば、カウントが差し迫っている状況でない限りその場は引き、頭数が揃うまで無理をしないことが重要である。
これは数的に不利な状況で攻めないことの裏返しだ。スプラトゥーンは、標準的なブキであるスプラシューターでも相手を最大体力から3発で倒せることから分かるように、体力が低めに設定されたゲームだ。そのお陰で仲間と敵を集中砲火すればウデマエの差を跳ねのけて強敵を倒すことが出来る。
また、劣勢に陥ったチームは、腕に自信のある短距離シューターが一気に距離を詰めてくる傾向が強い。シャープマーカーやボールドマーカーの連続キルで逆転というシーンを見かけることがあるだろう。そのような逆転を許さず、近づく敵を瞬殺、あるいは裏取りを警戒するために、優位な場所を手厚く保護することが重要だ。
数で優位な側が鉄壁のディフェンスを張っている場所に対して、劣勢側が繰り返し特攻しても効果は薄い。少々のウデマエ差では人数差を覆せない。そのため、劣勢時には無理せずSPを貯めることが重要である。ナイス玉やマルチミサイルなど、比較的に敵を動かしやすいSPで陣形を乱したうえで各個撃破しなければ、逆転は難しい。
狭所で相手のインクに囲まれて打つ手が無く、迫りくる敵に倒される可能性が高いという状況は頻繁にある。そのような状況において、運任せにあわよくば相打ちを狙って飛び出して倒されていないだろうか?倒されるとインク撒き散らして敵の塗りを助け、更に自分はSPが減ってしまい碌なことが無い。追い込まれた状況であれば、直ぐにスーパージャンプで他の仲間か自陣に逃げる癖を付けたい。
当然ながら、スーパージャンプで逃げれば、それまで戦っていたエリアは敵に取られることになる。それについては、ジャンプで逃げて失わずに済んだSPを持っているはずなので、それを消費して取り返せば良い。
上記のような勝利の秘訣を見て、ナワバリは塗り量で勝敗が決まるから関係ないなどと言う考えはやめよう。盤面を塗るには敵の妨害を避けなければならない。敵の妨害を避けるためには敵をキルして退けなければならない。
敵の攻撃が届かない自陣をしっかり塗ったところでその効果は高々知れており、重要なのは如何に中央~相手陣地手前までを塗れるかだ。そこを制するには、自陣塗りが終わってから挽回していては遅く、序盤のぶつかり合いの結果がカギとなる。勿論、序盤に後れを取っても挽回は可能だ。しかし、初手自陣塗りは、その挽回の芽を摘むという利敵行為であることを理解したい。
自陣を丁寧に塗り込むタイミングはいつなのか
結論から言うと、自陣を丁寧に塗り込むタイミングなど存在しない。小さなシミを潰すような塗り込みをするぐらいであれば、その時間を使って前線維持や敵陣への塗りを行えば勝てるゲームである。
ただし、丁寧な塗り込みは行わないが、最低限の自陣塗りはバトルが進むにつれて自陣復帰時に行う。
自陣復帰する
=仲間の元へ飛ぶ余裕が無い
=劣勢なので挽回にSPが必要
劣勢で自陣復帰しか選択肢が無かった際に自陣を塗るのだ。シューターであれば自陣復帰後に、ダッシュからのジャンプ撃ちをしながら、射撃を拡散させて塗りながら前進する。スプリンクラー持ちであれば適当に自陣左右に投げておく。クイックボム持ちなら飛び石で塗れていない場所に投げておくなど、武器によって効率的だと思う塗り方をすれば良い。
なお、劣勢だからと丁寧な塗り込みは不要だ。塗り切ってしまうと他の人がSP貯めが出来なくなってしまう。自分にとって必要最低限だけのSPを稼げれば良い。
武器によってSPの貯まる速度は違うので、最初のSP撃ち合いに負けないために調整として多少塗るのはアリ。
そもそも、ゲームデザインの観点からして自陣を塗り込むことが正解などあり得ない。両陣営ともに開幕で塗り込むことが正解であれば、そこは何の意味も持たないデッドスペースと同義だ。シリーズ3作目にもなって、そこに手を加えてない訳も無い。自陣周りはSPの調整の塗り代として設けられたフリースペースと捉えるべきだろう。
従って、隙間なく塗って%を稼げば勝利に貢献できるなどという考えは早々に捨ててもらいたい。
どうしても自陣塗り込みをしたいなら、4人でフルパーティを組むと良いだろう。予め4人で序盤の立ち回りを決めておき、仲間が合流するまで前線が崩壊しない戦い方を決めておけば、自陣を塗り込むのもありだ。
ガチのフルパーティと野良パーティでは動きが異なるので、そこは臨機応変に。
ただしフルパーティであっても、前線の3人が厳しい戦いになることは変わりないので、塗りによって貯めたSPで前線に干渉できるブキを使うと良いだろう。ゲーム発売初期から実装されているブキの中で、高い塗り能力と前線へ干渉力を備えたSPを持つと言えば、LACT-450が相当がする。SP増加ギアを装備して、早期にマルチミサイルで前線をサポートすれば、他のメンバーの負荷も軽減される。
ただし、LACT-450のような武器は塗りとSPが強い分、戦闘能力は非常に低く設定されている。特に、連携を取り難い野良パーティでは、距離を詰められて一方的に倒されることも多い。また、LACT-450が2名以上同じチームに組み込まれてしまうと、序盤こそ異常に塗りが早いものの、中盤から全く前線を押し上げることが出来ずに負けることになるので注意したい。
ナワバリバトルの取り組み姿勢について
さて、第1項と2項ではナワバリバトルのテクニックについて記載したが、テクニックの有無は正直なところ然したる問題ではない。特に第1項にて、開幕から隅々まで塗り尽くすことを戦犯行為であると記載したが、それを初級者(初心者にあらず)がやってしまうことを咎める気は一切無い。色々な戦い方を試して自身で答えに辿り着けばいいし、探求を重ねた結果が初手塗り尽くしであれば、それを貫いてイカリングの戦績が1スクロール分Winで埋まるぐらいの結果を残せば良いだろう。
問題なのは、一定数存在する以下のような思想を持ったプレイヤーだ。
・勝とうが負けようがどうでも良い!
・上手くなろうなんて思っていない!
・気持ち良く塗れれば後は知らない!
スプラトゥーンは一人用のヒーローモードが用意されているものの、言うまでも無くメインコンテンツは“対人戦”である。既定のルールに従って人間同士が戦って勝敗を付けるゲームだ。それはナワバリバトルであろうと、バンカラマッチであろうと同じであり、敵も味方もCPUでは無く人間相手に競い合う。
取り分け意識しなければいけないのは、チームメイトも人間であるということだ。1vs1の対戦格闘ゲームであれば、セオリーなど無視して自分の好きな技ばかり擦り続け、勝手に負け続ければ良い。しかし、人間同士がチームを組んで戦っている以上、“自身が気持ち良く塗れれば満足”、“別に負けても気にしない”などという考えは独りよがりに過ぎない。
ランク査定されないナワバリルールであっても“バトル”であることには違いない。ランク査定されるバンカラマッチと比較すればカジュアル寄りではあっても、多くのプレイヤーは別に負けても良いと思ってプレイはしていない。塗りを楽しみたいのであればそれは結構だ。それであれば、塗りを楽しんだ上で、バトルにも勝った方がもっと楽しいに決まっている。
バンカラ程に必死でなくても、武器の試運転や新しいギアの組み合わせで勝ち筋を探したり、負けて良いと思っているプレイヤー少ない。
殊更、自陣塗りの是非が話題になったのはフェス期間だ。フェスは自身が投票した陣営を“勝たせる”遊びである。多くのプレイヤーは自陣営を勝たせたいにもかかわらず、チームメイトが地雷行為をやっていれば咎めたくもなるだろう。咎められた側が取るべきアクションは、自身のプレイスタイルから生まれた圧倒的戦績を出して黙らせるか、開幕自陣塗りで前線が崩れても問題ないというロジックを示すしかない。それをせずに、“ナワバリやフェスは好きにやらせろ”的な、まるで向上心が無いような回答をすることが多いために問題になるのである。
“好きにやらせろ”や“勝ち負けは気にしない”という割には、自陣塗りのお陰で“勝てた”という矛盾を孕んだ発言も見かける。勝てないことから目を背けて、“塗りを楽しんでいる”とか、“負けてもいい”などと嘯くものの、結局のところ、心の底では勝ちたいし、負けたく無いのだ。
スプラはカジュアルで万人受けする
などという、考えは勝手な妄想である。一体公式のどこにそんなことが書いてあるだろうか?公式サイトの初心者向けページを見ても、明確に大きく“争い”だと記載されている。他の対人戦メインのゲームと同じく、繰り返しプレイして自身の立ち回りをブラッシュアップしなければ勝てる道理はない。
カジュアルにTPSを楽しめるなどと言う考えは、勝手にゲームの遊び方を曲解しているだけだ。プロだろうがアマだろうが、スプラトゥーンは人間同士が戦うゲームである。ましてやフェスは、終了後にはバトル戦績の上位100名が公式から表彰もされる仕組みまである。“負けてもいい”という人々は、一体何を求めて競いあって高みを目指すゲームを買ったのだろうか?
レビュー記事にも書いた通り、スプラトゥーンは2から3にナンバリングが進むにあたって、特にeスポーツを意識して調整されている。また、アクロバティックでスタイリッシュなイカ界のスポーツだとも、上記参考サイトに記載されている。eスポーツでも現実のスポーツでも、対戦型のスポーツは勝敗を付けつつ、お互いの成長を実感して楽しむものだ。それはプロでもアマチュアでも同じである。
開幕自陣塗りは例えるなら、試合が始まったにもかかわらず加わらず、一人で勝手にウォーミングアップを続けて試合を壊しているようなものである。それを咎められて、“好きにやらせろ”などと答えれば、プロ・アマ問わず二度とそのチームではプレイできないだろう。一期一会のオンラインゲームだから許されているだけである。
長くなったのでまとめると以下の通りだ。
- 勝ちたいなら開幕自陣塗りは悪手
- それでも塗り尽くしたいならお好きに
- チーム戦の仲間は人間
- チームのことを考えてプレイしよう
- 大会やフェス上位陣と同じ動きが出来ると思わないこと
次回のフェスでは、開幕自陣塗りが減ることを願っている。
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