点数評価 | 90点 |
クリア時間 | 約35時間 |
プレイ状況 | 真エンディング到達 |
プレイ時間 | 約38時間 |
発売日 | 2017年3月3日 |
対応機種 | Switch/WiiU |
プレイ機種 | Switch |
開発元 | 任天堂 |
発売元 | 任天堂 |
ジャンル | オープンエアー ジャンルの考え方 |
ネタバレ | なし |
発売から約6年経過した2023年に『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』を遊んだ感想は“神ゲー”だ。しかし、前評判から神ゲーという評価になるとは思っていたが、評価の仔細は想像していたものとは随分違った。快適性を損ねるスタミナの少なさ、劣悪なUI、面白みを感じない戦闘など、不満点は非常に多く相当のマイナス点が発生している。しかし、それだけのマイナスを打ち消すだけのプラスがゼルダの伝説BotWのオープンエアーには存在していた。ゲームを語る上での教養としても遊んでおくべき神ゲー。次回作『ゼルダの伝説 Tears of the Kingdom』では、6年の間に不満部分をどれだけ潰し込めているか、厳しくチェックされることだろう。
※次回作、ティアーズ オブ ザ キングダムのレビューをアップ。以下のリンク先を参照。
【総合評価】 | |
革新性 | |
ユーザビリティ | |
ビジュアル | |
サウンド | |
プレイ継続性 | |
コストパフォーマンス |
ユーザビリティを損ねる仕様の数々
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は、広大な世界を自由に歩き回ることができる、いわゆるオープンワールドタイプのアクションアドベンチャーゲームだ。世界はアニメ調のトゥーンレンダリング表現されており、その開放感あふれる冒険の舞台を、“オープンエアー”と呼称している。
ゼルダの伝説BotWは、最も権威があるとされるゲームの表彰式典である『The Game Awards』にて、2017年に大賞である“Game of the Year”を受賞しており、後に発売された数々の作品に大きな影響を与えたことで有名だ。
そんな伝説的な作品を、発売から約6年を迎えようとした2023年2月にプレイしたファーストインプレッションは、“ユーザビリティが低い”である。発売から年月が経っていることを考慮しても、スタミナ制限や操作系UIは擁護できない程に酷い。
しかし、ゼルダの伝説BotWをプレイした感想は神ゲーだ。ユーザビリティの低さで減点したところで評価を格下げ出来ないほどに、オープンワールドゲームとしての完成度が高いのだ。
当記事では、まずは短所を挙げてから長所に触れ、さらに2022年に発売されたオープンワールドゲームと比較を行い、何が面白かったのかを改めて考えてみたい。
ゼルダの伝説BotWはオープンワールドゲームということで、開かれた空(オープンエアー)の元を縦横無尽に走り回り、要所ではクライミングをすることになる。しかしながら、永遠に走ったり登ったりすることが出来る訳ではなく、リソースによって制限を受けることになる。
“がんばりゲージ”というスタミナに相当するリソースが設定されており、主人公リンクのダッシュや壁登りと言ったアクションに応じてゲージが消費される。スタミナゲージが設定されること自体は当たり前なのだが、ゲーム開始直後はこのゲージ量が余りに少なく何をやるにしても不便だ。
ゲームを開始して間もなくのリンクは、スタミナが驚くほどに少ない。何の障害物もない平地を僅かばかり走っただけで息切れしてしまうため、広大な世界に冒険を繰り出したプレイヤーの出鼻を挫く格好となる。
何処にでも張り付いて登れるというゲームの仕様上、行動制限のために壁登りに対してスタミナ消費を厳しくすることは一向に構わない。しかし、ダッシュに対して制限を入れる必要は無かったのではないだろうか。
もしかすると、ダッシュに制限を加えることで、各地に点在する馬宿にて馬を使用する遊び方へ誘導したかったのかもしれない。しかし、馬は操作性が悪く思ったように切り返しが出来ないうえに、多少の段差でも直ぐに歩みを止めてしまう。更に馬がリンクに懐いていないと真っ直ぐに走らないという制限もある。
馬をリンクに懐かせるプロセスに面白みがあればまだ良いのだが、馬に乗って時々Lボタンを押すだけという何の達成感も無い仕様だ。しかも、馬はどこでも召喚出来る訳でも無く、性能に関する厳選要素まであるので、捕まえる度に意味も無く懐き度合上昇させる必要がある。そのため、“馬に乗るぐらいならまだスタミナ制限下でダッシュした方がマシ”という有様だ。
なお、がんばりゲージは条件を満たすことで強化することができるものの、体力ゲージとの二者択一となっている。体力ゲージを強化せずに進めた場合、数時間遊んだ時点で敵の攻撃で一撃死することになるのも不可解だ。敵の強さは取ったルートにもよるのだろうが、がんばりと体力のバランスは悪く感じた。
序盤はとにかくダッシュをしたいがために、がんばりゲージを増やすしか選択肢がない。しかし敵の攻撃力上昇がなかなかのもの。
敵が居ない果てしない荒野を走っているだけで息切れしてテンポをロスしてしまうような演出は、リアル調のゲームならまだしもトゥーン調のゲームには不要だ。
次回作、『ゼルダの伝説 Tears of the Kingdom』では、ELDENRINGと同様に非戦闘時はダッシュでスタミナを消費しないか、ダッシュと握力を別管理にしたうえでダッシュによるスタミナの消費量を軽減して欲しいところだ。
ちなみに、2022年3月にフロムソフトウェアから発売されたELDEN RINGは、ゼルダの伝説BotWのスタミナと馬の不満点を反面教師としたのだろうか。ELDEN RINGにもダッシュに関するスタミナ制限はあるものの、こちらは非戦闘状態であれば無制限にダッシュが出来る。また馬は無制限に呼び出せて地形の踏破性も高いので移動は快適だ。
ゼルダの伝説BotWで訪れるロケーションは実に様々だ。落下するとひとたまりもない溶岩が流れる火山、雪がチラつき辺り一面が真っ白な雪山、まともに歩くこともままならない砂漠などが用意されており、環境毎に高温や低温などのデバフでプレイヤーを苦しめる仕掛けが用意されている。
低防御力ながら耐候性に優れた防具で装備を固めたり、防御力を重視して耐候性は料理で補うなど、防御力と耐候性を天秤にかけて選択をプレイヤーに迫る遊びは面白い。しかし、頻繁に装備の変更を求められるにしては、アイテムを収納しているポーチ周りのUIの出来が余りにも酷い。
ゼルダの伝説BotWではプラスボタンでメニューを開く。前回閉じた画面が記憶されている仕様なので、ポーチでメニューを閉じたのであればポーチが開くが、クエスト一覧である“冒険手帳”や、セーブやオプション設定が行える“システム”で閉じていると、そちらが優先して開かれる。閉じた位置を記憶しない設定が用意されていないうえに、同じプラスボタンからアイテム,クエスト,システムといった全く方向性の違う項目が派生しているため、全く用事の無い項目を目にする頻度が高く非常に使い勝手が悪い。
使用頻度の低いシステムやクエストは記憶せず、常にポーチを開いて欲しい。
また、前スクリーンショットでも分かるように、ポーチを開いたとしてもアイテムは種類ごとに横並びになっておりアクセスが悪い。武器や防具などの項目を右スティックで動かすわけだが、頻繁に使う料理と武具の間に素材(リンゴのマーク)が挟まっている点が最悪だ。
装備と料理を行き来する度に、何回も無駄に手持ちの素材を見ることになるのだ。しかも、素材は序盤なら1ページに収まるが、終盤には種類が増えて4ページほどまで膨れ上がる。そのため、環境が変わって料理を食べたり装備を変える度に、4ページほど無駄にページ送りするという作業が発生して実に煩わしい。
幸いにも武器,盾,弓矢に関しては、ショートカットが用意されているため、使い難いポーチを開かなくても装備を変更できる。しかし、何故かリング式のメニューが採用されておらず左右にスティックで候補を送って選択しなければならない。
ゼルダの伝説BotWにおいては、最終盤に手に入るマスターソードを除いて武器は使い捨てであり、敵の強さと温存したい武器の損耗度合を鑑みて、臨機応変に武器を切り替える必要がある。また、戦闘中に殴った敵が落とした武器を拾って、すぐさま投げつけて攻撃するという戦い方を頻繁に取ることになる。そのため、1回の戦闘で武器を複数回切り替えることなど当たり前なのだが、メニューがリング式で無いために無駄に時間を要することになる。
Horizonのようなリングメニューで武器や矢を変更できれば便利だった。
また、武器,盾,弓矢にショートカットを用意するのであれば、防具も幾つかセットを登録して瞬時に切り替える機能が欲しかったところだ。
ゼルダの伝説BotWでは頻繁に雨が降って雷が落ちて来る。金属製の武器を装備していると感電してしまうため、装備を木製のものに変更しなければならない。そして、落雷の対象には防具の金属部分も含まれているため、武器と弓矢はショートカットで変更できるにもかかわらず、結局は防具のために不出来なメニュー画面を開くことになりストレスを感じるだろう。
ゼルダの伝説BotWの戦闘はそれほど面白く無いと断言したい。個人的には、武器を次から次へと敵にぶつけて使い捨てる戦い方は気に入っている。しかし、そもそも攻撃アクションの数が少ないうえにスキル派生などもなく、さらに全体的に爽快感をウリにした操作体系でも無いので、戦闘に楽しさを感じることは無かった。
また、高性能な緊急回避は用意されておらず、ジャストアクションからラッシュ攻撃が重要になるが、その発生パターンは敵の攻撃によって決まっている。一方で、敵のバリエーションに乏しいので立ち回りがワンパターンになり、ゲーム中盤程から戦闘には飽きてしまった。
ゼルダの伝説BotWでは、オブジェクトの利用した攻撃や敵の誘い出しなどが、本作の優れた特徴として挙げられるが、遠距離から火を付けたり、高台からバクダンを投げ込んで火薬に点火するような演出は、一般的なオープンワールドゲームなら実装されていて当たり前のものである。
草に火を付ければ燃え広がって上昇気流ができ、ハチの巣を突けば飛び出たハチが敵を襲うという、ゼルダの伝説BotWにおける独自の法則性は用意されているが、オープンワールドゲームでは何かしらの独自の法則が用意されている方が多いだろう。
素晴らし過ぎるオープンワールド
前項に挙げたように、ゼルダの伝説BotWはいざプレイすると何かと不便で不満が溢れ出て来る。しかし評価は神ゲーだ。理由は前項に示した通り、オープンワールドの探索部分が完璧だからだ。オープンワールド部分が異次元の面白さなので、ユーザビリティによる減点をものともせずに★5を維持している。
ゼルダの伝説BotWの神ゲーという評価は、リンクの圧倒的な踏破能力と、好奇心をくすぐるようなランドマークの配置のなせる業だ。
まず、ゲームを開始すると、至る所に登れそうで登れない高台が用意されている。明らかに頂上には何かありそうな雰囲気が漂っていたり、そこに登れば遠くを見渡せそうな気がしてプレイヤーの好奇心をくすぐってくる。
Tipsでも迷ったら登ることを推奨してくる。
メインクエストは大雑把に『ガノンを倒せ』『神獣を4体解放しろ』であり、余裕があれば思い出の地を巡って『記憶を取り戻せ』だけしかない。そんな状態でオープンワールドに放り出されることもあり、ゲーム内では大目標しか設定されていないものの、“とりあえず”高い場所に登ってみようという精神的な目的が、プレイヤーの頭の中で違和感なく設定される。
ゲーム序盤に高い場所に登るにはスタミナを回復するアイテムを用意するしかなく、素材集めをして補助アイテムを作るという、オープンワールドの基礎の基礎へ自然と誘導される点も素晴らしい。
無事に高台に登り切ればそこには絶景が広がり、遠くにはマップを補完してくれる塔(シーカータワー)が必ず見える。塔は見えるだけで、実際には相当に距離が遠いことは分かるのだが、塔に至るまでには中規模なランドマークや、敵の野営地、試練の祠などが目に入る。
また、最序盤から空中を滑空できるパラセールを所持しているため、ここでもまた“とりあえず”飛んでみれば、中規模なランドマークに接近して何かしらの発見に辿り着けそうな気がしてくる。つまり、広大な世界に圧倒されずに一歩を踏み出すことが出来る環境が整っているのだ。
ゼルダの伝説BotWでは、大規模なランドーマークから辺りを見渡すと中規模なランドマークが幾つか見つかり、その周辺では試練の祠がレーダーに反応する。試練の祠を探しているうちに、野生の強敵と出会ったり、コログや素材の収集スポットが見つかるなどの小さな喜びが複数用意されている。
そして、小規模な探索に満足するころには、意識せずとも大規模なランドマークに肉薄できている。もしくはランドマークを見失う程に入り組んだ地形に潜り込んでいる。前者であればそこから新たに探索のサイクルが開始し、後者であれば状況を打開するためにチャレンジングな崖登りをすることになるだろう。前者であれ後者であれ、大きな達成感と共に高い場所からパラセールで滑空して、新たなサイクルを再スタートすることには違いない。つまり、大目標に向かう途中で、無理なく自然と小目標に出会え、大目標の達成後には直ぐに新しい探索が始まるように計算されているのだ。
ゼルダの伝説BotWにおける探索の報酬に意外性は用意されていない。試練の祠では克服の証を入手することが出来て、それを消費することで体力かスタミナを増強できる。野営地を襲撃すれば、魔物素材と武器や矢が手に入る。コログを見つければポーチを拡大でき、素材を手に入れれば料理が出来る。それだけであり、何か特別なイベントが起きたり、特殊なアイテムを手に入れるということは殆ど無い。
そしてゼルダの伝説BotWの場合、意外性が無いからこそ冒険の意欲掻き立てられるという珍しい現象が起きている。何故かというと、ゲーム開始当初はスタミナが少なく、試練の祠を巡ってスタミナを増強することが急務であり、それが当分の間続くからだ。そして、クリア報酬が一貫してステータスアップなので、高台から試練の祠を見つけた際に、“あそこまで行けばスタミナを上昇させることが出来る”という明確な移動の動機付けになっている。
試練の祠では様々な謎解きパズルを楽しむことができ、シーカーストーンで発動できる磁石や時間停止などの特殊スキルや、矢を使ったギミック発動など、基本動作の習熟も兼ねている。ただし、動作の習熟にしては用意された祠の量は余りにも多い。クリアしたところでストーリーに関する情報を得られる訳でも無いので、試練の祠は広大なフィールドを埋めるための水増し要素と取られても仕方が無いだろう。
しかしながら、試練の祠で遊ぶことが出来るパズルの出来そのものが秀逸なので、この手の謎解き要素が好きなプレイヤーであれば、“新しいパズルを解きたい”という欲求が湧き上がってくる。水増しだろうが何だろうが満足度は抜群であり、実際にゼルダの伝説シリーズが好きであれば、この手のパズルが嫌いないはずがない。このことから、ゼルダの伝説BotWは、新規プレイヤーよりも往年のファンをターゲットにしていると言えるだろう。
何となく有名だからと本作に手を出した場合、大量の謎解きパズルに辟易する可能性あり。
仮にパズルを解けなかったとしても、試練の祠はファストトラベルポイントとして機能する。苦労して到達した割には得るものが無かったと、意気消沈しないように考えられているのだろう。
また、試練の祠では稀に非常に強力な武器を手に入れることがある。武器はいずれ壊れる使い捨て品なので、強くても嬉しくないと考えるかもしれないが、筆者の場合は壊れるまでに何とか活用して遠方まで進んでやろうという思いの方が強かった。
一期一会の武器を片手に遠くに見える塔を目指して進んでいったところ、次のスクリーンショットに示すようにマップが飛び石に埋まるような形になった。攻略手順が定められていないオープンワールドならではの、シーケンスブレイクに近い体験だ。
オープンワールドゲームを遊ぶ多くのプレイヤーは、“今日はあそこまで到達出来たら終わろう”と、何らかの到達目標を設定するだろう。しかしゼルダの伝説BotWでは、目的地に到達すると直ちに登りたくなる地形が目に入る。報酬も明確だからこそ、プレイ意欲が搔き立てられて探索のサイクルが終わらない。異常なまでに中毒性の高いゲームなのである。
99%の場所にはよじ登ることが出来るゼルダの伝説BotWだが、神獣の内部やパズルステージとなっている祠の壁だけは掴むことが出来ない。後者については遊び方の仕様上、掴めなくても問題ないのだが、前者についてはやや分かり難さを感じることがあった。
Ghost of TsushimaやHorizonシリーズであれば、移動するべき場所には不自然にならないぐらいに何らかの色が塗ってあり、プレイヤーを誘導する仕組みがあるのだが、ゼルダの伝説BotWにはそういったアシストがない。ギリギリ届きそうで届かない足場があると、何回も挑戦して届かないことを確認しなければならない。
具体的に言えば、各地方で乗り込む神獣内部だ。いずれの神獣も内部は遺跡のようになっており、神獣を操作することで足場がダイナミックに切り替わるのだが、足場の切り替わり途中に飛び移るような場面では正解のルートが分かりにくく、ストレスを感じることがあった。ゴールは明確にして、手順を考えさせる遊びに特化した方が満足度は高かっただろう。
簡単にして欲しい訳ではなく、過程を楽しむことに集中したい。なお、こういう不満があってもやはり神ゲー。
オープンワールドの面白さは、移動させる動機付けと達成感
次に、2022年度に発売された4つのオープンワールドゲームと、ゼルダの伝説BotWを比較してみよう。比較対象は評価の高かった『ELDEN RING』と『Horizon Forbidden West』及び、評価の低かった『ポケットモンスターSV』と『FORSPOKEN』だ。
まず、ゼルダの伝説BotWをプレイした筆者は、オープンワールドゲームが成功を収めるか否かは、“プレイヤーを広い世界で移動させる動機と、それに伴う達成感が用意されているか”だと考えた。
ゼルダの伝説BotWの場合は前述の通り、ランドマークからランドマークへ、探索のサイクルが延々と回ることが移動する動機となる。そして達成感は、イマイチな戦闘や薄いストーリーからではなく、険しい地形を踏破してステータスアップを繰り返すことから得ている。プレイヤーが戦う対象はモンスターではなく、ハイラルの大地そのものと言って良いだろう。
オープンワールドが動機と達成感さえ用意していれば、問題点が山積していても高評価を得ることが出来る。
まずは2022年度に高評価を付けた、『ELDEN RING』と『Horizon Forbidden West』を見てみる。
『The Game Awards』にて、2022年の“Game of the Year”を受賞したELDEN RINGは、ゼルダの伝説BotWと同様にオープンワールドゲームと言っても、あらゆる面で自由なゼルダとは異なり、自由と一本道が折り重なったような作りとなっている。そのため、ゲームから得られる体験は大きく異なっている。
ELDEN RINGは高難易度ゲームということもあり、メインストーリーの攻略に行き詰った際の気分転換、いわば“逃げ”の手段としてオープンワールドを探索するために移動する動機が強い。もちろん逃げた先にも強敵が待ち構えているが、メインストーリー程ではなく、それらを撃破することでキャラクターが成長するとともに、プレイヤーが達成感と自信を得る作りとなっている。
『The Game Awards』では敗れはしたものの、非常に高評価だったHorizon Forbidden Westは、その練り込まれた設定から生まれるサイドストーリーを堪能することが移動の動機だ。壮大で説得力のあるSF設定は見事で、メイン・サイド共にストーリーを含めてクリアした達成感は大きい。また驚異のビジュアルを活かすことで、移動先で映える絶景写真を撮ったり、超大型機械獣を探し出して戦闘シーンを大迫力のアングルで収めたりすることで、大きな達成感を得ることが出来た。
次は2022年度に低評価を付けた、『FORSPOKEN』と『ポケットモンスターSV』を見てみる。
FORSPOKENはパルクールによる高速移動こそ評価されたものの、何一つ苦労なく移動できることの快適性と引き換えに、悪路を踏破したという達成感には乏しい。達成感を犠牲に快適性に特化したとしても、世界を旅する動機があれば良かったのだが、FORSPOKENにはそれが無かった。世界中で無数に見つかる宝箱にはクラフト素材しか入っておらず、探索をしても虚無感しか得ることが出来ない。従って、オープンワールドを隅々探索してみようという動機付けは極めて低かった。
次にポケモンSVの場合、ゼルダの伝説BotWのリンクと同様にどこにでも張り付いて強引に踏破できることは同じだが、スタミナ制限は一切ない。そのため、ありとあらゆる場所に容易に侵入することが出来るので、移動にて達成感を得ることは無い。ジムリーダー戦も実質的に対戦順序が決められているので、オープンワールドならではのバトル攻略法を発見したという達成感もない。世界各地に出向いてポケモンをゲットするという移動の動機はあるものの、それを達成するために直線的に通過することが最適解という、事務的なオープンワールドになってしまっている。
このように、オープンワールドとしての成功作品と失敗作品を見てみると、移動させる動機付けと、移動によって得られる達成感が重要であることが明確に分かるのではないだろうか。
評価ポイントのまとめ
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は、6年経過した2023年に遊んだとしても通用する神ゲーだ。使い勝手の悪いUIや、序盤のスタミナの余りの低さにモヤモヤすることがあるが、そのような短所を完全に補ってもお釣りがくる程にオープンワールドとして優れている。オープンワールドが好きなら遊んで損なし。
なお、薄かったストーリーはゼルダ無双で補完されている。
長所
- 優れた設計のオープンワールド
- 飽きの来ないパズル
短所
- 劣悪なUI
- やや退屈な戦闘
- 序盤のスタミナの少なさ
- 馬の挙動の悪さ
- ストーリーの薄さ
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