点数評価 | – |
クリア時間 | 約4時間 |
プレイ時間 | 約4時間 |
プレイ状況 | クリア |
発売日 | 2021年11月16日 |
対応機種 | Switch/Steam |
プレイ機種 | Switch |
開発元 | Optillusion |
発売元 | X.D. Network |
ジャンル | パズル ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
Moncage -箱庭ノ夢-は、立方体に描かれた風景が角度によって見え方が変わることを利用したパズルだ。簡単に言えば、立方体を利用したGorogoaのような作品である。難問を前に頭を悩まして遂に問題が解けた後に、気持ち良さの余韻を残しながら動き出したオブジェクトを見送るというプレイフィールはGorogoaと完全に一緒である。Gorogoaと比較するとやや難しいがヒント機能が充実しているので詰むことは無い。なお、Gorogoaのような神秘性を感じるような内容ではなく、ちょっとした人生にまつわるストーリーを垣間見ることができる。
関係のない風景同士が繋がるパズル
Moncageは、公式の説明によると「目の錯覚」を利用したパズルゲームだ。立方体(キューブ)の異なる面に描かれた風景同士を、目の錯覚を利用しながら繋ぎ合わせることで、立方体の中の風景が動き出して次のシーンに進んでいく。簡単に手っ取り早く説明しようと思えば、“立方体を使ってプレイするGorogoa”という表現が最も理解し易いだろう。
まずMoncageをプレイ開始すると、プレイヤーには各面に異なった風景が描かれた謎の立方体が与えられる。立方体の各面には一見すると全く無関係な風景が描かれているのだが、立方体を回転させて視点を変えていくと、どこかに必ず風景が繋がる箇所が存在する。
例えば次のスクリーンショットであれば、左側はリビングルーム,右側には庭が描かれている。これらをよく見ると、リビングルームと庭には同じ模様の机が置かれているという共通点を見つけることが出来る。何らかの共通点を見つけることさえ出来れば、後は立方体を回転させることによって、それらが繋がって見える角度を探し出すだけだ。
次の動画は、右側の面にて床が開いるためトラックが立ち往生しているシーンだ。開いた床はケーブルで滑車に繋がっているので、それぞれの面で見切れている滑車を繋げて一つに見えるように角度を調整する。すると、滑車が動き出して床が閉じて、トラックが動き出すという仕組みである。
動画は正答例なので、これだけを見ると簡単だと思うかもしれないが、全く異なる風景の中から繋がる部分を探し出すという作業は結構難しい。それ故に、途切れた風景が綺麗にハマり、光り輝くエフェクトと共にシーンが動き出すと大きな達成感を得ることが出来る。
ズームインとズームアウトを使いこなす
立方体は回転させるだけではなく、それぞれの面に描かれた風景の一部にズームインすることができる。また、任意のタイミングでズームアウトすることも可能だ。
このズームイン及びズームアウトの機能を面の境界を越えたオブジェクトの移動に適用することで、ある面では全くのサイズ違いだったオブジェクトが、別の面に移動する頃には適正なサイズに変換される。
次の動画は、灯台に置いてあるビッグサイズの電池が小さく変換されて室内へ運び込まれ、最終的にはおもちゃの電車にセットされるまでの様子だ。右側の面にあった電池が、上側の面を経由して左側の面へ移動し、その間のズームインとズームアウトによって丁度良いサイズになる様子が分かるだろう。
このように、Moncageは立方体の隣り合う面同士を視点を変えて繋ぎ合わせ、オブジェクトのサイズを変えながら移動させるパズルだ。記事冒頭で引き合いに出したGorogoaは、平面で4枚のパネルを繋げるパズルなので全く操作感は異なる。しかし、悩みに悩んだ末に風景が繋がって、困難に思えたオブジェクトの移動に関する問題が氷解した瞬間の気持ち良さは完全に同じなのである。
Gorogoaで問題が解けた瞬間に気持ち良さを感じた人は、Moncageでも同じような体験を得ることが出来る。
難易度は高いが3段階のヒント機能でサポート
Moncageはパズルゲームとしては面白いが、ぐるぐると立方体を回転させて風景の接合点を探す作業はかなり難しい。必ず隣り合った面と繋がるので、ズームインかズームアウトをしながら虱潰しに調べれば答えが見つかるはずなのだが、人間の“流石にこれとは繋がらないだろう”という思い込みのお陰で簡単には答えを見つけることが出来ない。
次のスクリーンショットは、筆者が繋がりを見つけるまでに一番時間がかかったシーンだ。立方体を大きく傾けて、下側の面に見える茶色の格子状のオブジェクトを僅かにだけ映るようにすると、上側の面のレバーが付いた装置と繋がって次に進める。ここでは、“格子状のオブジェクトが繋がる訳が無い”という思い込みのために、ここでかなりの時間をロスしてしまった。
Moncageは、風景の繋がりに気が付かないと延々と迷い続けることになってしまうのだが、幸いにもプレイヤーをサポートする機能が用意されており、攻略サイトなどを頼る必要はない。しかも、繋げるべきオブジェクトのヒント,具体的なギミックのヒント,完全な解答ビデオと、3段階のレベルでプレイヤーを助けてくれる。
プレイヤーが幾ら立方体をグルグルと回し続けても繋がりを見つけられない場合、まずはフォーカス機能を使うことになる。この機能を使えば注目するべきオブジェクトがハイライトされるため、どこに注目すれば良いのか一目瞭然だ。ハイライトも明るいものと暗いものの2種類が用意されているので、まずは明るいものを繋げれば良い。
ハイライトのヒントにて風景の繋がりは解決するのだが、それだけでは特定の条件を揃えた状態でインタラクトしなければならないギミック系のパズルをクリアできない。そのため、ヘルプを開けば第2のヒントとして、箇条書きでギミックに関する解説が掲載されている。繋がりとギミックのヒントを貰えば大半はクリアできるだろうが、それでも分からなければ最後の手段として完全な解答ビデオを再生することも出来る。
出来る限りノーヒントでクリアした方が達成感はあるだろうが、フォーカス機能すら使わずにクリアすることは、パズルが得意であったとしても困難を極める難易度だ。3分迷って分からなければフォーカスし、5分迷ったらギミックのヒントを見るなど、自分が納得のできる範囲で遊び方を決めておくと良いだろう。
解答ビデオは部分的に見て止めることも出来る。ヒントを自分で制御しながら無理なく楽しもう。
評価ポイントのまとめ
Moncage -箱庭ノ夢-は、高難易度だが良質なパズルだ。完全主義のノーヒント派の人には厳しい内容になるが、自分なりに妥協点を見つけて楽しめるパズル好きなら遊んでみることをお勧めしたい。
長所
- 悩んだ末に問題を解けた時の快感
- オブジェクトを見送った時の気持ち良さ
- 細かく用意されたヒント
短所
- ノーヒントに拘る人には難し過ぎる
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