点数評価 | – |
クリア時間 | – |
プレイ状況 | レンジャーでダイヤランクまで (Patch 0.9.3) |
プレイ時間 | 約30時間 |
発売日 | 2024年3月8日 |
対応機種 | Steam |
プレイ機種 | Steam |
開発元 | PlayWithFurcifer |
発売元 | PlayWithFurcifer, IndieArk |
ジャンル | オートバトル ジャンルの考え方 |
ネタバレ | なし |
『BackpackBattles(バックパックバトル)』は、武器のクールダウンとスタミナ消費から、最高効率のダメージを出せるアイテム配置を考えて、後はただただ見守るだけの対戦ゲームだ。戦闘こそオートだが、デッキの構築の幅が非常に多く、次のラウンドに向けて、前の戦いでどのように戦況が変化していったか情報を収集し、流行りのデッキの対策を検討することが重要であり考えることは多い。従って、“考える”ことが好きなローグライクファンには絶対におススメしたい。また、5敗するまでに10勝を目指すというゲームシステムから、状況によってはストックを捨ててアイテム合成を優先するなどといった、臨機応変な対応力も求められるデッキ構築型ローグライクとなっている。 ちなみに、対人戦オンリーとはいえ、非同期なので対戦のプレッシャーを感じることも無く遊びやすく、ワンプレイ15分~20分と短いため、ハマれば止め時を失って没頭してしまうだろう。
【総合評価】 | |
革新性 | |
ユーザビリティ | |
ビジュアル | |
サウンド | |
プレイ継続性 | |
コストパフォーマンス |
『Backpack Battles(バックパック・バトル)』は、デッキ構築に見立てたバックパックの整理を採用した、対人戦特化のオートバトルゲームである。CPUを相手に戦うストーリーモードは存在せず、ランクマッチとフリーマッチの2種類だけが用意されている。
ショップと戦闘だけのシンプルオートバトル
『Backpack Battles』はシンプルな作品だ。図鑑やゲームコンフィグを除くと、ゲーム内にはショップと戦闘の2種類のシーンしか用意されていない。また、ゲームモードも対人戦しか用意されておらず、ゲームクリアといった概念も存在しない。ひたすらにバックパック整理によるデッキ構築と、それを披露する場である対戦を繰り返す作品となっている。
ゲームを開始すると、まずはショップにて買い物が始まる。ランダムに陳列されるアイテムは手持ちのゴールドを消費することで購入でき、それをバックパック内に90度刻みで回転させながら配置していく。アイテムには様々な属性が設定されており、隣接するアイテムによって属性に対応したシナジー効果が発揮されるため、シナジーが最大限に発揮されるようにアイテムの配置をしっかりと考えなければならない。
例えば、次のスクリーンショットであれば、「フライパン」という攻撃アイテムを設置しようとしている状況だ。「フライパン」は2.2秒に1回、3~4のダメージを与えることができる武器であり、食べ物属性を持ったアイテムを隣接させることで、1個につき与ダメージが1上昇するという特性を持っている。そのため、「フライパン」の周囲に「バナナ」や「パイナップル」のような、回復系の補助アイテムを多数配置している。
ショップの品揃えが気に入らなければ、1ゴールドを支払うことでリロールが可能。
ショップパートが終われば、次は対人戦に挑むことになる。本作の戦闘はオートで行われ、キャラクターはスタミナの続く限り、バックパック内の武器を設定された攻撃レートに従って繰り返し使用する。武器以外のアイテムも全て、特定の条件にて自動発動となっている。
スタミナ消費の少ない武器を複数個揃えて手数で攻める、スタミナ回復のアイテム詰め込んで重い武器で押し切る、リジェネやシールドなどのプラス効果(バフ)で相手の攻撃を無効化する、毒や氷結などのマイナス効果(デバフ)の搦め手で戦うなど、構築できるデッキは様々だ。いずれにせよ、どのようなデッキであっても、戦闘が始まると例外なくプレイヤーは一切の手出しができない。本作の対戦形式は5敗するまでに10勝を目指すというもので、10勝できればランクマッチのレートが大きく上昇し、5敗すればレートが下がるか、もしくは微増する。
次に、本作は対戦ゲームといっても、実際にプレイヤー同士が同期して戦う訳では無く、オンライン対戦に登録された誰かのデッキを読み込んで、非同期にて対戦が行われる。対戦相手と同期していないお陰で、プレイヤーは戦闘速度を任意で3倍速まで早めることが可能となっている。次の動画は3倍速で戦闘した様子だが、約10秒で終わっており、リザルトを除けば戦闘に要した時間は僅か5秒ほどである。
戦闘が終わると、その勝敗に関係なく一定のゴールドを手に入れて再びショップパートとなる。再度ショップから必要なアイテムを購入し、バックパックの配置を最適化してから戦闘に向かえば、同じ戦闘ラウンド数が経過した、つまり同じ回数だけ買い物と整理整頓を行った誰かと自動的にマッチングする。
ラウンドが進むほどに、自分も対戦相手も構築したバックパック内に多くのシナジーが発生し強くなっていく。そのため、デッキ相性によっては対戦する両者共になかなか倒れないことがあるが、時間経過する度に両者には「疲労ダメージ」と呼ばれるスリップダメージが蓄積されていく。この「疲労ダメージ」に抗う術はなく、戦闘が長引いたとしてもこのスリップダメージによって、3倍速であればせいぜい10秒ほどで終了する。
このように、本作の戦闘シーンは一瞬で終わるので、プレイヤーは非常にテンポ良く対人戦を繰り返すことができる。その一方で、ショップにおけるバックパックの整理には、それなりの時間を要することになる。序盤であればバックパックも小さく、アイテムの所持数も少ないので整理は簡単だが、ラウンドが進むにつれて配置が悩ましくなり、時間を要することになる。平均すると1ラウンドあたり1分程度を、バックパック整理に当てることになるだろう。
バックパック整理を兼ねたショップと戦闘の繰り返しだけなので、1ゲーム15分~20分程度。
特にアイテム整理に時間を要するのは、バックパック内のアイテム配置用のスペースを新たに購入した時だ。アイテムを置くスペースにも特殊能力が付与されていることがあり、例えば次のスクリーンショットで紹介する「ポーションベルト」であれば、置かれたポーションが使用されるとランダムなプラス効果を得ることができる。もちろん、ポーション以外を置くことも出来るが、その場合は特殊効果の恩恵を受けることが出来ないので、時間が掛かったとしても整理整頓して配置を熟考したいところだ。
この配置に悩まされている瞬間が、バックパック・バトルで最も重要で面白い所である。対人戦に特化した作品とは言え、非同期なので急かされることは無いため、自分のペースで好きなだけデッキ構築を楽しみたい。
ちなみに、ラウンドの序盤であればアイテムの入れ替えも容易だが、ラウンドの終盤に最大範囲まで広がったバックパックを詰め直すとなると、かなりの労力を要する。画面をキャプチャーするかスマホで撮影するなどして、後から元に戻せるように準備してから手を加えて行きたい。
豊富なデッキ構築のパターン
『Backpack Battles』には、クリティカルと命中を上げてで戦うレンジャー,攻撃速度と体力に優れるパイロマンサー,毒などのマイナス効果が得意なリーパー,体力が低下してからのステータスアップが強力なバーサーカーという4種類のクラスが用意されている。それぞれには全く特性が異なった専用のアイテムが用意されており、さらにランクマッチが半分経過した段階で、ショップに特殊なアイテムが並び5種類のサブクラスが解禁される。
例えばレンジャーであれば、ビーストマスターというサブクラスへ進んだ場合、ペットに分類されるアイテムが強化され、さらに今後のショップのラインナップもペットに寄せたものに変化し、より尖ったデッキ構築が可能となる。
基本4種類に加えて、そこから派生する5種類で実質的には20種類のクラスが用意されているため、デッキの構築の幅は非常に広い。アーリーアクセス終了後には5種類のクラスに拡張され、実質的には25種類となる。
本作はランダム性を持ったデッキ構築ゲームであるため、デッキの基本方針が決まっていたとしても、毎回同じ構築ができるとは限らない。そして、この途中でサブクラスを決めることができるというシステムは、ランダム性による下振れを低減することに大きな役割を持っている。
狙っていたサブクラスに適したアイテムが出現しなかったり、狙っていないサブクラスに適したレア度の高いアイテムが連続して出現した場合には、方針転換して別のサブクラスを取得することで、ランダム性による計画の破綻を防ぐことができるのだ。
特に、本作のデッキ構築のキーとなる強力なアイテムは、特定のアイテム同士をバックパック内で隣接させて合成することで作り出す仕様のため、図らずとも強力なアイテムが作り出せる状況になった場合には、臨機応変にサブクラスを選択して対応することで勝率を上げることができるだろう。
ちなみに、本作は10勝すればランクマッチのレートが大きく上昇する仕組みだが、10勝した後も最大で18ラウンドまで延長戦に挑むことができる。延長戦でも勝利できればさらにレートが上昇する一方、負ければ10勝した時よりもレートの上昇幅は少なくなる。構築したデッキに自信があれば10勝から更に先に進めば良いのだが、対戦相手も上振れした恐ろしい構築ばかりが出現する。中途半端なデッキでは勝ち目がないので、途中のサブクラスを迷わず選べるようなデッキ構築ができているかどうかが、延長戦に挑むベきかの見極めになっている。
戦闘はオートだが目が離せない
『Backpack Battles』の戦闘は前述の通り、プレイヤーは一切介入できずに完全にオートで進行する。ただし、自動進行だからと言って放置していれば良いという訳では無く、プレイヤーには鋭い観察眼が求められる。
そのため、自動戦闘中であっても目を離すのではなく、どのようなタイミングで戦況が動き、時間経過によってどのようにプラス効果とマイナス効果が変動しているか分析しなければならない。特に、“訳も分からず負けた”場合や、“大差を付けて勝った”場合には、戦闘ログを見返してどのような行動が勝敗を決したのかを振り返ることが大切である。
次のスクリーンショットは、連続して回復系のデッキに負けた際に考えたデッキだ。敵に攻撃された際にダメージを反射するトゲのバフを得られる、「トゲ盾」や「パイナップル」を優先的に積んで、トゲを得た際にボーナス効果で相手に毒を付与する「ドクウルシ」というアイテム採用し、さらに対戦相手の回復効果を低減させる「苦痛のヘルム」を複数個積むことで、相手の回復効果に徹底的して対応している。
このようなデッキを作ったところ、苦手にしていたパイロマンサーの「ドラゴンの寝床」というアイテムを軸に、ドラゴン系のペットを複数揃えるデッキ相手に圧勝できた。そして戦闘ログを見返したところ、「ドラゴンの寝床」による回復効果をしっかり抑え込んでいることから、狙った通りのデッキ構築ができたことが伺える。このように、本作はオートバトルと言えども“戦闘後”の分析が非常に重要であり、次の挑戦時に分析結果を基に新たなデッキを考えて、それが見事に刺さった際には最高の喜びを味わえることだろう。
なお、本作は特定のデッキだけが圧倒的に強いという状況にはあらず、仮に上記の筆者のトゲと毒を軸にしたデッキが流行ったとすれば、攻撃がヒットする度にトゲのプラス効果を相手から取り除く「ノコ刃の剣」や、3秒ごとに毒のスタックを軽減する「聖なる鎧」が対策アイテムとして作用する。全てのデッキに何らかの対策アイテムが用意されているため、まさしくビルドの選択肢が流行りの環境によって変化していく、「メタが回る」という状況を楽しめるはずだ。
ただし、前記した通り、本作はデッキ構築の幅が広いので全てのデッキを抑え込むような対策デッキを作ることは出来ない。そのため、自分のランク帯で流行っているデッキの傾向を読んで、それに相性の良いデッキを作っていくことが重要となっている。
本作の5敗するまでに10勝を目指すというゲーム性は、そのストックの多さから分かる通り、ある程度の回数は負けることを前提としている。相性の悪い相手との対戦は潔く諦めるしかない。
ちなみに、理想のデッキを完成させるには、序盤からショップのリロールを繰り返したり、直接的な戦闘能力に結びつかないアイテムであっても合成用に保持していかなければならない。そのような状況では戦闘能力が低くなりがちであり、妥協したアイテムで安定を取ったデッキとの対戦になると、一方的な展開で負けることが多くなる。
序盤は幾つかの勝ち星を捨ててでも、延長戦のボーナスも視野に入れてシナジー優先でデッキを構築していくのか、それともバランスの良い構築で手堅く10勝を目指すのか、ラックマッチを回していくうえでどちらの選択肢が正しいのかは永遠の課題であるが、このような悩ましい選択すらも楽しい作品である。
評価ポイントのまとめ
『Backpack Battles』は、サクサク進む戦闘と悩ましくも楽しいバックパック整理に特化した、オートバトル形式のローグライクゲームである。ローグライクのデッキ構築要と同時に、非同期のランクマッチを気楽に楽しみたい人にオススメしたい。
長所
- バックパック整理が楽しい
- 構築の幅が広い
- 対人戦とは言え非同期なので気楽
短所
- キャラクターがスマホゲームっぽい
- 中毒性が高いのでハマると危険
【Backpack Battles】レビュー: 10秒の戦闘と1分の整理整頓を繰り返し続ける、デッキ構築型ローグライク系オートバトル
【Backpack Battles】攻略: 各クラスで効果的なビルド方針を、サブクラス毎に紹介
【3ヶ月無料】Amazon Music Unlimited で、メジャー,インディーを問わずゲーム音楽を堪能しよう!オススメのゲームサントラを紹介!
【2024年版】長期休暇中の社会人ゲーマーにオススメの10作品を厳選して紹介!【第2弾】
【ファイナルファンタジーVII リバース】レビュー: ミニゲームと狂人によるギャグ展開の波状攻撃の狭間でシリアスを楽しむARPG
【Nintendo Switch】既に高騰している入手困難なプレミアソフト及び、高騰の傾向が見られるソフトを一覧で紹介【2024年版】
【2024年4月版】PlayStation Plus ゲームカタログ及びクラシックスカタログで遊ぶことが出来るオススメのゲーム一覧
【2024年4月版】Xbox Game Passで遊ぶことが出来るオススメのゲーム一覧
【2024年4月版】PlayStation Plus ゲームカタログ及びフリープレイの最新情報及び、今後の配信スケジュールまとめ
【2024年4月版】Xbox Game Passの最新情報の紹介及び、今後の配信スケジュールまとめ