点数評価 | – |
クリア時間 | 約2時間 |
プレイ状況 | クリア 実績:300/1000 |
プレイ時間 | 約2時間 |
発売日 | 2019年7月30日 |
対応機種 | Steam/Xbox(Gamepass) PS4/Switch |
プレイ機種 | Xbox Series X |
開発元 | adamgryu |
発売元 | adamgryu |
ジャンル | アドベンチャーゲーム ジャンルの考え方 |
ネタバレ | なし |
『A Short Hike』は、小規模なオープンワールドの3Dアクションゲームだ。オープンワールドを通じた、子供目線の成長の物語であり、一旦は大人の目線は忘れて、ほのぼのとした世界で癒されたい人におススメしたい。レビューであれこれと語ることが無粋な作品なので、ハードなゲームからの小休止を欲しているのであれば、取り敢えず遊んでもらいたい。
【総合評価】 | |
革新性 | |
ユーザビリティ | |
ビジュアル | |
サウンド | |
プレイ継続性 | |
コストパフォーマンス |
『A Short Hike』は、携帯の電波も入らない少々不便な「ホークピーク州立公園」に、親戚のおばさんと一緒にやって来た鳥の少女「クレア」を主人公に、携帯の電波が入る場所を求めて「ホークピーク」の山頂を目指す3Dアクションゲームである。
多くを語ることが無粋なオープンワールド3Dアクション
『A Short Hike』は、携帯の電波が入る場所を求めて山を登ることが目的の作品だ。本作の主人公である「クレア」は、とある理由で携帯の着信を待ち侘びているのだが、滞在している親戚のおばさんの家には電波が入らないため、高い場所である「ホークピーク」の山頂を目指すことになる。
本作は公式ジャンルとしてアドベンチャーゲームを謳っているが、「ホークピーク」の山頂に到達することをゴールとした、オープンワールドの3Dアクションゲームである。ただし、オープンワールドと言っても非常に小規模で、サブイベントを適度に拾ったとしても2時間もあればクリアできるボリュームである。
小規模というよりも、手のひらサイズという表現がピッタリ来る小さな世界。
小粒な作品なのでアクションは少なく、用意されているのはジャンプ、滑空、壁登りぐらいである。画面左下に表示される黄金の羽根が空中ジャンプをできる回数を示しており、それと同時に壁を登る際のスタミナゲージとしての機能も兼ねている。
小規模とはいえ本作はオープンワールドなので、「トレイルから北に行け」と言われても、素直に道に沿って歩く必要は無く、自由に寄り道をしながら「ホークピーク州立公園」の住民たちとの交流を楽しむことができる。世界観としては、任天堂作品である『どうぶつの森』シリーズが近いだろうか。ほのぼのとした動物達が、割と複雑な機械類を使いこなしている、あの独特な雰囲気だ。
住人達と交流することで、ちょっとしたミニゲームを楽しんだり、釣りをしたり、地面に隠された宝を探したりと、オープンワールドゲームらしい寄り道要素が幾つか用意されている。寄り道要素が用意されていると言っても、本作の目的は決して広大な世界の大冒険というわけでもなく、作品名である『A Short Hike』が示す通りに短いハイキングなのでその規模は知れている。しかし、プレイヤーからすれば小さなオープンワールドの短いハイキングであっても、本作の主人公である「クレア」はまだまだ幼く、その子供の視点からすればそれは大きな舞台の大冒険と言えるだろう。
住人達との会話は本当に他愛も無く、ミニゲームは真剣になるほどでもない。深いテーマや壮大な物語がある訳では無いが、それでも世界の大きさの感じ方と同じく、子供の視点からすれば、それらはどれも真面目に受け取ることができるし、真剣に取り組むことができるものである。そしてそれらは、世界が如何に可能性に満ち、多様性に溢れているかを教えてくれる童話のような内容となっている。
例えば、テニスのようなミニゲームでは勝敗を付けることの意義や共同作業の大切さ、魚釣りでは待つという行為を通じて変化が訪れない状況における身構え方といった、時には人生に必要になることを教えてくれる。
プレイ時間に関しても、クリアまでの約2時間は大人のゲーマーからすれば何気ない一瞬かもしれないが、本作の主人公である「クレア」からすれば、普段の生活環境とは異なる空間での何もかもが新しい2時間であり、間違いなく全てが新鮮で、成長の機会を多分に含んだものだろう。
つまりは本作は、子供のちょっとした成長の過程を見守るゲームだ。このような作品に対して、こうやってレビュー記事を書いて御託を並べることはあまり意味がないかもしれない。何か癒しを求めているのであれば、深く考えずに息抜きとして遊ぶと良いだろう。
日本語訳は完璧。プレイヤーは、本作が伝えたい機微も捉えることができる。
ゲーム内のピクセルサイズを変更できる珍しい作品
『A Short Hike』のゲーム内容について触れ過ぎるのは野暮なので、次はオプション設定として用意された面白い項目について紹介する。
本作はローポリゴンな見た目のオープンワールドゲームなのだが、オプションからピクセルサイズを調整でき、最小に設定すると滑らかで、現代的な水準の作品の見た目に変更される。次の2枚のスクリーンショットの内、1枚目がピクセルサイズ最大、2枚目がピクセルサイズ最小だ。
筆者は敢えてローポリゴン風なピクセルサイズ最大で遊んだ。ピクセルサイズ最小にした方が、キャラクター達の細かな動きを追えることは事実だが、本作はスローな世界を通じて癒しを得ることが大切だ。情報量が多ければ多い程に、ゲーム体験の質が向上するというタイプの作品では無いので、情報量を落として遊ぶ選択をした次第だ。
良いも悪いも、オススメもなく、完全に好みの問題。設定できるという事実だけを知れば十分。
実はタイムアタック向きな作品
『A Short Hike』は2019年7月30日に発売された作品であり、当レビューを投稿した時点で発売から5年近く経過している。やや古くなって来た作品ではあるものの、Speedrun.comの記録を見ると今でもタイムアタックに挑戦しているプレイヤーが一定数居るようだ。実際に当記事を投稿する1か月前にも、何でもありの「Any%」や、全ての黄金の羽を集める「All Golden Feathers」で記録が更新されている。
本作は小規模とはいえ自由度の高いオープンワールドであり、多段ジャンプの回数の多さと、壁への貼り付きの自由度の高さから、プレイの工夫のし甲斐がある作品なのだろう。そして、規模が小さいからこそ試行錯誤がやりやすいのだろうか、タイムアタック走者に気に入られているようである。
7分台で全ての黄金の羽根を集める動画は、スタミナ管理の完璧さに驚かされる。
評価ポイントのまとめ
『A Short Hike』は、ゲームを通じて癒されたい人にオススメしたい。特にXbox Game Passに加入していれば、深いことは考えなくて良いので遊べば良いだろう。サウンドトラックも良質。
長所
- 癒される
短所
- カメラワークが気になることがある
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