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One Step From Eden (ワンステップフロムエデン)【レビュー/評価】デッキ構築力に加えて反射神経も試される、ローグライクカードゲームの新境地

総合評価
5 / 5
  • 革新性
  • ユーザビリティ
  • ビジュアル
  • サウンド
  • プレイ継続性
  • コスパ
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総評/評判/感想

カードゲームにローグライクをミックスして爆誕した、Slay the Spireという名作ゲームがあるが、更にそれにロックマンエグゼを追加投入し、早回しでプレイしたようなゲームがOne Step From Eden(ワンステップフロムエデン)である。異ジャンルミックスのゲームは数あれど、ここまで上手くジャンルの融合に成功したゲームは見た事が無い。ローグライクにおけるシナジー効果の妙、カードゲームにおけるデッキ構築の判断、鋭い反射神経が求められるアクションと、正に一粒で三度美味しいゲームだ。

点数評価 100点
プレイ状況 裏ボス撃破
プレイ時間 クリアまで9時間
裏ボス撃破まで13時間。
発売日 2020年3月26日
対応機種 Switch/PS4/Steam
Xbox (Gamepass)
プレイ機種 Switch
開発元 Thomas Moon Kang
発売元 フライハイワークス
ジャンル デッキ構築&ハイスピード弾幕アクションゲーム
(ジャンルの考え方はコチラ)

One Step From Eden(ワンステップフロムエデン)は、フィラデルフィア在住のThomas Moon Kang氏が開発した、ローグライク×カード×アクションという唯一無二の特異なジャンルのゲーム。

大ジャンルで分類すれば、このゲームはアクションゲームだろう。しかし、一口にアクションゲームでは全くこのゲームは魅力は伝わらない。正確に表現するのであれば、超高速弾幕系アクションローグライクカードゲームである。

別ゲームで例えると、

ロックマンエグゼを超高速化し、Slay the Spire方式でデッキ構築するゲーム

だと想像して頂きたい。
Slay the Spire (スレイ ザ スパイア)【レビュー/評価】カードゲームがローグライクになって何故面白い!?毎回スターターデッキに戻る斬新なカードゲーム どちらもピンと来ない人は、公式動画を見て頂きたい。簡単に説明すると、画面左の操作キャラクターが右に向かって攻撃を繰り出している。これはスペルと呼ばれるものであり、自分が構築したデッキからランダムに登場する。デッキを使い切ると捨て札がシャッフルされてデッキに戻るタイプで、そのデッキの構築にローグライク方式が採用されている。

目が回るぐらいの超高速戦闘

ワンステップフロムエデンの戦闘フィールドは、自陣・敵陣共に4×4で構成されている。ロックマンエグゼの3×3の9マスよりも一回り大きい、16マスのフィールで戦闘が繰り広げられるのだが、そのスピードが尋常ではない。

下の動画はとあるザコ戦の風景である。戦闘部分は僅か14秒だが、目まぐるしい攻防が伝わるはずだ。

繰り返し書くが、これはザコ戦の様子である。

この動画に少し解説を入れると、左から右に攻撃している女の子が操作キャラクターで、右側の3体がザコ敵達だ。

地面に無数に表示される!マークは、敵の攻撃予測を意味しており、その場に留まっていると敵の放った攻撃が到来してダメージを受ける。そのため、キャラクターを上下左右に動かして必死に安全地帯を逃げ回っている。

当然ながら、逃げ回っているだけでは勝てないので、逃げながら同時に攻撃をしている。正面に高速に撃ちだしている弾は、R2ボタンでオート連射できる通常攻撃である。そして、左端縦一列に並んでいるパネルが構築したデッキのスペル(攻撃や回復などのスキル)と、スペルを使用するための消費マナ(MP)を示している。(下の変動する青いバーが所持しているマナ)

AとBボタンがデッキトップ2枚のスペルに割り振られており、所持マナが消費マナを上回っていれば、どちらか好きな方のスペルを発動可能だ。使わなかったスペルはそのまま残り、使ったスペルは消えて、並んでいるデッキのトップのカードが1枚補充される。

ワンステップフロムエデンは、アクションゲームであると同時にカードゲームなので、カード間シナジーが重要になってくる。デッキ構築については後述するとして、戦闘においては縦横無尽にフィールドを駆け巡って敵の攻撃を振り切りながら、トップ2枚のスペルカードからどちらを使うかを、まだデッキに残っているスペルとのシナジーを考えながら使っていく必要がある。

大半のスペルは使えば敵に当たるという訳ではなく、その効果範囲は限定されている。そのため、スペルを使う前には上下のライン及び前後の位置を合わせることが重要になってくる。便利な必中に近い全体攻撃も沢山用意されているが、それらは総じてマナの消費量が大きいので連打が出来ない。

動画でも分かるように、敵味方合わせて高々32マスしか見なくて良いゲームにも関わらず、認識するべき情報は滝のように流れてくる。はっきり言って最初の内は脳の疲労感が半端では無く、これはクリア出来るのだろうか?と不安を覚えた。しかし繰り返し挑戦していくうちに、次第に視野が広がって全体を俯瞰できるようになる。さらに攻撃予測を認知しながら、デッキシナジーを考えたり、攻撃のためのライン取りが出来るようになってくる。ボスをスムーズに倒すことができた際には、確かな腕前の上達を実感できるはずだ。

繰り返し遊ぶ内に、膨大な情報を並列して処理できる頭が出来上がっている。

ラスボスは3体(ここでは便宜上ノーマル・真・裏と呼ぶ)用意されており、約9時間プレイして真ボス(スタッフロール)撃破及び裏ボス到達までできた。そこから練習して、合計約13時間で裏ボスを攻略できた。上達したつもりがラスボスまで行くと圧倒的な弾幕に打ち負かされて絶望するのはお約束。HPの多さも相まって途方に暮れるかもしれないが、負けた際にはキャラクター操作とデッキ構築どちらに問題があったか振り返り、トライ&エラーを繰り返せば勝機が見えてくる。振り返りと繰り返しが重要なのはSlay the Spireと同じだが、ワンステップフロムエデンはキャラクター操作も重要なので、まずは似たようなデッキを繰り返し作って操作の上達に専念し、そこからデッキを触って行った方が良いだろう。何故なら、デッキを大きく変えると、操作も大きく変わって上達速度が遅れることになるからだ。

下の動画はノーマルのラスボス戦である。(ノーマルは倒してもスタッフロール無し)

ラスボス戦では、自陣半分を埋めるぐらいの極太ビームや、必死に逃げる必要のある追跡型ビーム、安置見極めが必要な広範囲の爆破などなど、その弾幕に呆然とするかもしれない。しかし、何度も挑戦するうちに、膨大な情報による頭の混乱も、情報を捌ききったと言う快感に変わってくる。手応え抜群のアクションゲームである。

豊富なプレイアブルキャラとデッキ構築で遊び方無限大

ワンステップフロムエデンは、プレイアブルキャラクターが9人用意されている。更に各キャラクターに全くプレイスタイルの異なる派生タイプも用意されている。最初から全てを利用できる訳ではないが、プレイを進めて特定の条件を満たすことでアンロックされていくので、まずはフルオートで前方に射撃しつつ、各種攻撃系のスペルを使いこなす“サフロン”でプレイしよう。

サフロンでクリアがまずは基本。

下のスクショの騎士風なキャラクター“レヴァ”は、シールダーとでも言うべきな防御特化型のキャラクターだ。

操作キャラクターが変わると、ゲームの印象も随分変わる。

レヴァはシールド系スペルを繰り返し使って、シールド値を高めて耐えながら戦うスタイルである。ひたすら避け続けるサフロンとは違い、余裕をもって構えていられるのでゲームスピードは遅めに感じるだろう。ただし、防御主体なので長期戦になりやすく、スペルの選択ミスなどでシールドを切らすと手詰まりになる中級~上級者向けのキャラクターだ。

また、初期キャラクターのサフロンでも、派生タイプが解禁されると全く違ったプレイスタイルで遊ぶことができる。下の動画はサフロンの派生タイプ“クロノ”を使った戦闘である。デフォルトのサフロンではR2ボタンがフルオート射撃だったがクロノではそれが廃されており、代わりにマナを消費して2秒間だけ時の流れを遅くする“リストウォッチ”が追加されている。また、初期スペルも全て違うものに変更されている。

他にも、自動攻撃タレットを設置したり、相手のパネルを破壊して移動を阻害したりと、操作キャラクターとタイプによってプレイ感は千差万別。色々と試して自分に合ったキャラクターを探すのも楽しいだろう。なお、操作キャラクターに選ばなかったプレイアブルキャラクターは、ステージボスとして登場するため、敵として戦ってキツかったボスを操作キャラクターに選ぶのもありだ。

ボスで敗退した時は、負けイベントも用意されている。

デッキ構築はまさにSlay the Spire

ワンステップフロムエデンの大ジャンルはアクションなのでアクション面から先に触れたが、デッキ構築に関してはカードゲームの魅力を100%引き出していると思って頂きたい。なんせ、デッキ構築を含めたステージ進行は、殆ど“Slay the Spire”と同じだからだ。独自要素はあるものの、Slay the Spireが面白いので、当然ながらワンステップフロムエデンもカードゲームとして面白い。

ステージの進行は左から右に枝分かれしたスゴロク状のマップで行われる。自身の現在ステータスと相談して、ザコ敵とバトルをする、報酬目当てに危険エリア(ハザード)に行く、ショップで買い物する、キャンプでHPを回復するなどから、分岐を好きに選んで進んでいく。どのルートを通っても最終的には同じボスに辿り付くので、ボスを倒すことができれば次のステージに進むことができる。

Slay the Spireと同様にHPの回復手段が限定的なので、強敵と戦ってレアスペルを手に入れるか、HPを温存するかの判断が重要になってくる。

Slay the Spireのマップを横にしたような見た目。

戦闘終了後には、ランダムに提示される3種類のスペルから1枚を取得可能。また、経験値を得てレベルアップすれば、アーティファクト(Slay the Spirのレリック相当)と呼ばれるアイテムも3択で取得可能。これにより、マナの最大値をアップや特定の攻撃の追加効果など、永続的なバフ効果を得ることが出来る。

カードの種類も膨大。クリア出来なくても良いので、まずは効果を覚えよう。

スペルにはビーム、シールド、毒と言った、大まかな系統が設定されている。フォーカスという機能で特定系統のスペルの出現率を上昇させることができるので、序盤に手に入れたスペルとアーティファクトを見て、シナジーを得られそうなスペルが属する系統をフォーカスしていけば、デッキ構築が上手くいく可能性が高まる。

また、スペルは強化可能であり、Slay the Spireでは強化結果が固定だったが、ワンステップフロムエデンではランダムに提示される3種類から選択することになる。

下のスクショでは、2秒動けなくなる代わりにシールド80を得る“フドウノマモリ”をダブルキャスト(2回発動)化しようとしている様子。シールド160を得て4秒移動不可になるため、超高速アクションゲームで4秒待機は死も同然に思うかもしれないが、防御特化のレヴァならマナを消費して敵の攻撃を反射するシールドを張ることができるので、デメリットを補うことができる。

強化もキャラクターやデッキとのシナジーが重要

ショップに入れば、スペルやアーティファクトを購入したり、不要なスペルを削除してデッキ圧縮も可能。

店主とのバトルも可能。

なお、セラキャノンという所持金分だけ丸々ダメージを与えるスペルがあるため、敢えてショップに立ち寄らないという選択肢を取っても良い。デッキの圧縮やスペルの強化は進まないが、移動制限系スペルと絡めれば、一撃必殺の攻撃を確実に当てていくような構築も可能となっている。

このスクショの場合、当たれば1撃で1300近いダメージ

プレイのクリア・ゲームオーバーに関わらず、進行度合いに応じてポイントが貯まる。ポイントが貯まるとゲーム内に出現するスペルが増えて行くので、繰り返し遊ぶことでデッキ構築の幅が広がっていく。

次々とカードが解放されてデッキの構築幅が広がる。

このように、ワンステップフロムエデンは、アクション以外の要素が、Slay the Spireと実に似通っている。Slay the Spireをプレイしたことがあれば、何も迷うことなく受け入れる事が出来るだろう。

決定的に違う点は、どれだけ完璧にデッキを作れたところで、一定以上の反射神経が無いとクリア出来ないということだ。被弾後に無敵になるような仕様では無いので、デッキ構築に任せて火力でゴリ押しはできない。逆に少々デッキが上手く作れなかったとしても、アクションが得意なら何とかクリア可能である。

また、ワンステップフロムエデンは、捨て札(廃棄を除く)をデッキに戻す“シャッフル”を、デッキを掘り切らなくても任意のタイミングで実行できる。使ったカードをしっかり把握して、キーカードを使い切った段階でシャッフルすればデッキ効率を上げることができる。そのため、生粋のカードゲーマーであれば、デッキ構築の下振れや、反射神経の足りなさを判断力が補うことも可能だ。

なお、裏ボスまで全部倒したら終わりという訳ではなく、Slay the Spireの登塔モードに相当するヘルモードがレベル14まで用意されている。つまり、クリアしてからが本番。全キャラで完全クリアを目指せば余裕で数百時間のプレイが必要になるはずだ。

このように、ワンステップフロムエデンは、ロックマンエグゼとSlay the Spireが化学反応し、高次元でまとまったような奇跡の神ゲーであると言える。アクションゲーム、あるいはカードゲームが好きであれば絶対に遊んでもらいたい逸品だ。

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【追記】2022年、まさかの対戦ゲーム化

2022年2月8日、デッキ構築オンライン対戦ゲーム『Duelists of Eden』が発表された。『One Step From Eden』のその後の世界が舞台となり、基本システムは継承しつつもオンライン対戦に特化した続編となる模様。(チュートリアルやトレーニングは用意される)

2022年内発売ということで、続報に期待したい。

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