点数評価 | 85点 |
プレイ状況 | 3キャラでクリア。 アロクで苦悶Lv6まで。 |
プレイ時間 | 約7時間 |
発売日 | 2021年5月20日 |
対応機種 | PS4/Switch/Xbox One/Steam |
プレイ機種 | Switch |
開発元 | Tahoe Games |
発売元 | コーラス・ワールドワイド |
ジャンル | 縦スクロール型のローグライトアクション ジャンルの考え方 |
ネタバレ | 無し |
ローグライクアクションゲームは世の中に無数にリリースされているが、今回レビューするRISING HELL (ライジングヘル)は、上方移動に特化したアクションゲーム。毒々しい地獄を、ド派手なヘビメタを聴きながら登ればテンションマックス。ローグライクにおけるシナジー効果は豊富で、キャラクター毎に全く挙動が異なるので、1000円という低価格の割にかなり遊べてコスパ良好。出来が良いので、もっと価格アップして、もっとステージを増やして欲しかった気もする。
【総合評価】 | |
革新性 | |
ユーザビリティ | |
ビジュアル | |
サウンド | |
プレイ継続性 | |
コストパフォーマンス |
RISING HELL(ライジングヘル)は、インドネシアのTahoe GamesとToge Productionsが開発したローグライクアクションゲーム。
Toge Productionsと言えば、2020年1月に発売されたアドベンチャーゲーム、Coffee Talk(コーヒートーク)が高く評価されており、次は一体どのような作品が開発されるのか期待されていた。満を持して公開された新作は、まさかの地獄×ヘビメタ×ローグライクという、強烈に自己主張の強いアクションゲーム。静かで心地よいジャズ包まれながら、プレイヤーは自己主張せずに聞き手に回るコーヒートークとは正反対のゲームだ。
RISING HELLは、Coffee Talkの中でも暴力的なゲームとして、一瞬だけ名前が登場する。折角なので、Coffee Talkで作る飲み物風に例えると、地獄をベースにローグライクで割ってヘビメタを添えれば、パンチの効いた“RISING HELL”の出来上がりと言ったところだろうか。
新感覚の上方移動系ローグライクアクション
RISING HELLの目的は、ひたすら地獄を上へ上へと登って行き、4人の大悪魔を倒して地獄を脱出することだ。プレイアブルキャラクターとして、アロク,ゼロス,シドナという操作性の大きく異なる3人が用意されている。
RISING HELLは、アクションゲームとしては操作がシンプルな部類だ。攻撃は通常攻撃と強攻撃(ヘルブレイク)の2種類が用意されているが、通常攻撃はボタンを押すだけで、強攻撃はジャンプして敵に触れると自動発動というお手軽操作である。特にそれ以外に攻撃手段はなく、後は常時効果を得られるパッシブ強化と、決められた使用回数だけ攻撃力や特性が強化される魔導具が用意されている。
BGMにはテンションの上がるヘビメタが採用されており、グロテスクで不気味な地獄のアートワークと実にマッチしている。特に謎解きのような足止めされるギミックもなく、ノンストップで地獄を駆け上がり、3ステージ+ラスボスで合計4体の大悪魔をぶっ殺せば見事ゲームクリアとなる。
シンプル操作に加えて、敵側は全体的に攻撃頻度が少なく動きも遅めだ。地獄と言いつつも、むしろ苛烈に攻めるはプレイヤー側である。
某魔神アニメ作品の如く、「俺達が地獄だ!」とでも言わんばかりに、立ち塞がる敵を粉砕して上を目指す様は、正にゲームタイトルである“ライジングヘル”に相応しい。特に簡単操作によるコンボと、BGMのヘビメタの相性は抜群で、“アドレナリンが全身を駆け巡る”という謳い文句に偽りはない。
敵の攻撃頻度は少ないとはいえ、この地獄はプレイヤーが縦横無尽に駆け回るには余りに狭い。加えて、踏んだら飛び出るトゲの罠や、一定間隔で雷撃を放出する壁などのトラップも多い。さらに、敵の攻撃は一番弱いザコでも一撃が重く設定されている。そのため、調子に乗っていると直ぐに瀕死になってしまうだろう。
足場も狭い場所が多く、壁蹴り&2段ジャンプも多用するため動作の精度も要求されるので、プレイヤーがテンションを維持し続けるには、それなりのアクションゲームの腕前が必要だ。
ザコでも攻撃が重いなら、当然ながらボスの攻撃は更に重く攻撃頻度も高い。よって、基本的に正面からゴリ押しするこはできず、良く見て避けながら的確に攻撃を当てていく必要がある。アクションゲームが苦手な人は、2面のボス“ベルゼバブ”で相当に苦労するはずだ。
幸いなことに、RISING HELLはローグライク要素も兼ね備えている。直近であればRETURNALのレビューでも書いたが、正しいローグライクゲームとは“運ゲーではなく、腕前を持っていれば下振れしても辛くもクリアできて、上振れしたら簡単にクリアできる”のである。
RISING HELLは、その辺りの調整がしっかりされており、苦悶Lv1(Slay the Spireの登塔のようなもの)であれば、慣れれば100%クリアできるようになるだろう。そして、アクションゲームが苦手であっても、ローグライク要素で上振れすればなんとかクリアできる。
RISING HELLのローグライク要素は主に、タレントというプレイヤーの強化要素である。地獄を一定距離登ると、道中で敵を倒して集めた赤いタマシイ(地獄の通貨のようなもの)を消費してタレントと交換できる場所が現れる。この際に3種類のタレントが提示され、一つだけ交換できるのだが、何が登場するかはランダム。
ローグライクといえばランダム要素のシナジー効果。RISING HELLでも幾つかの強力なシナジーが存在するので、狙いたいシナジーを見越してタレントを取得していく。
なお、ランダムに登場するタレントは、“ケガレ”という、次のプレイに唯一持ち越し可能なアイテム消費することで再抽選できる。そのため、プレイを重ねてケガレを貯めて、ある程度のシナジーを理解した後なら、再抽選を駆使して自分に合ったシナジー効果を狙うことができる。ケガレの取得量が5倍になるタレントも存在するので、序盤はそれを積極的に取って行きたい。
また、道中ではランダムに、ペテン師メフィストの部屋の通じるポータルを見つけることがある。そこは所謂ショップになっており、再抽選こそできないが、赤いタマシイが許す限り最大3個までタレントを購入可能となっている。
次の動画は、諸条件が揃ってボスを瞬殺している様子である。運が良ければキャラクターをこのように超絶強化することが可能だ。
次に、RISING HELLのステージ構成についてだが、ランダム構成といっても、さほど組み合わせは多くない。地獄を一定距離登ると、次のエリアに向かうリフトが登場する。1ステージは、1択の固定エリアと、2択のエリアから構成されており、2択のエリアとして何が出て来るかはランダムになっている。
ただし、選択候補がランダムに出て来るだけで、そのエリア内容は大きく変わらない。名前と内容を覚えてしまえば苦手なエリアは回避可能なので、プレイエリアのランダム要素によって大きく結果が左右されることは無いだろう。
なお、ボスである大悪魔の前のエリアには、中ボスとして地獄将軍が登場する。中ボスは各ステージ3体用意されており、こちらはどれが出てくるかはランダムだ。どの中ボスも慣れるまでは強く感じるだろう。
全くプレイスタイルの異なるプレイアブルキャラクター
RISING HELLは良く出来たアクションゲームだが、3ステージ+ラスボスとボリュームは少ない。(1000円のインディーゲームとしてみれば、圧倒的に破格なのだが)
しかし、プレイアブルキャラクターが3人用意されているので、初期キャラのアロクをクリアした後も、長く楽しむことが出来る。初期キャラのアロクは近接格闘タイプだったが、プレイを進めることで射撃タイプのゼロスと、一定時間後に爆発ダメージを与える特殊射撃タイプのシドナをアンロック可能だ。
キャラクター毎に攻撃タイプが異なるように、道中で手に入る攻撃を強化する魔導具の効果も大きく変わる。
また、攻撃タイプが変われば、狙うタレントのシナジーも変わってくる。例えば射撃タイプのゼロスであれば、魔導具の使用回数が多く強化の恩恵も大きいので、魔導具の出現率アップや、ザコ撃破で使用回数回復などを積極的に狙っていきたい。
3キャラをクリア後はひたすらに周回
3キャラクターをクリアした後は、苦悶Lvを上げてやり込みを続けることになる。1周するごとに苦悶レベルを一つ上げることが出来るようになり、レベルを上げると新たな枷が与えられる。枷という名前の通り、その効果はプレイヤーに対して不利益に働く。例えば、苦悶レベル2の枷は、被ダメージが25%アップだ。苦悶レベルを上げる毎に、ボスの攻撃力アップやザコのライフアップなど、次々と難易度が上昇していく。
表示されている枷以外にも、ボス部屋にトゲ罠が追加されるなどの、隠れた難易度アップも用意されている。恐らく、初期の苦悶レベル1であれば、トゲダメージ無効のタレントなど、余程に赤いタマシイが余っていない限りスルーしていただろう。しかし、苦悶レベル4からはあれを取る・取らないで難易度が雲泥の差だ。
また、武器についても、苦悶レベルが上がると選択肢が増えてくる。初期レベルであれば、ボスHPが25%ダウンする“サタンの角”一択だが、強化されたザコから被弾することを避けるために、電撃で遠距離攻撃出来る“ケルベロス”を選んだり、タレント交換に必要な赤いタマシイ量UPと相殺するために、最初から赤いタマシイを200持っていける“忘却のブレーサー”を選ぶなど、プレイヤーの選択も変わって来る。
また、プレイを重ねるごとに、新たなタレントや武器が解放されていく。新しく解放されたアイテムで、新しいシナジーを探すという、ローグライク定番の楽しみも用意されている。
このように、RISING HELLは小粒な低価格路線のアクションゲームだが、飽きが来ないように様々な工夫が施されている。とても1000円のゲームとは思えない出来の良いゲームだ。
出来が良いだけに、これだけで終わってしまうとは勿体無い。今後もアクションゲームを作るのであれば、価格は3,4倍になっても良いので、ステージ数を倍増させて製作規模を大きくさせることにチャレンジしてもらいたい。
RISING HELLから入った人は、Toge ProductionsのCoffee Talkもプレイしてみよう。
【追記】4人目のプレイアブルキャラクター追加
2022年1月17日、アップデートにて4人目のプレイアブルキャラクターとして、“破滅の種のヴァル”が追加された。元からコストパフォーマンスが良好な本作だが、更に遊べるようになった。コスパに優れたアクションゲームを探しているのであれば、是非遊んでもらいたい。
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